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2章 王城と私
40 スラムの住人
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「あれ? ここで合ってる?」
「あれ~?」
グローもハテナ状態だ。なぜなら、スラム街に人がいなくなっているからだ。
いつもなら、酔っ払いが寝転がっていたり、若者の集団が他所者を睨みつけたり、子供達が暗い顔して壁にもたれかかっているのに… 裏道の日の当たらない通りだから、普段からあまり人が寄り付かないんだけど。それにしてもさっぱりと人気がない。
「大通りに出て聞き込みしようか?」
「そうっすね」
ミロは『スラム街を調査します』と言うとスっと消えた。目の前から残像を残して本当に消えたのだ。グローは驚いてはいたが、元第5だと知っているので逆に『すげ~!』と興奮していた。
表の通りはガヤガヤと露店がテントを連ねている。ちょっとしたバザールみたいだ。近くには大きな公園。立地としてはスラム街が近くにあるので治安上避けられているのか、民家が少ない。なので、夜になるとこの通りも人が居なくなる。
大きな声でガハガハと笑っている果物屋に話を聞いてみた。
「最近、スラムの事で何か変わった感じはない?」
「スラム? そう言えば最近めっきりスリが出なくなったよ。騎士様のおかげかね? ありがとうよ」
「スリがいない?」
「あぁ、店先の商品をくすねる子供や、お客さんの財布をスルやつがいなくなって安心して買い物が出来るって、最近は客足も増えてきたんだ」
「そう… 他は?」
隣の串焼きの亭主が話を聞いていたのか、話に混ざる。
「俺んとこは、売れ残った端っこの小さいのや焼き過ぎた肉を時々やってた兄弟がいたんだが、そう言えば最近見ないな」
「私んとこもよ。クズ野菜を分けてあげてた赤ちゃんを連れた母親を見ないわね」
「それって、騎士団かどっかに相談しました?」
みんな顔を見合わせて一斉に首を横に振る。
「いいや。だって関係ないだろう? それに治安が良くなったのに何をどう相談するんだ?」
… それはそうか。みんなにとってはスラムは害でしかない。悩み事が減ったんだから相談も何もないか。
「そう。で、それっていつ頃ぐらいからか思い出せる?」
「そうだな~。3週、1ヶ月ぐらいか?」
東門前の教会とほぼ同時期じゃん!
「ありがとう! じゃぁ」
その後、露店街を一周してグローと公園のベンチで一息つく。ミロを待ってなきゃいけないしね。
「グロー、スラムの住人もいないよ」
「そっすね。何が起こっているのか… 人、しかもみんながあんまり関心のない人を集めてる?」
「そこよ。人身売買は例の事件以降第7がしっかり監視してるから無いとして… 何が目的? 西の教会へ行けばすんなり謎が解けるのかな? 別問題かな?」
「教会はそうっすよ。西が怪しい。でも、西の教会って貴族街が近いから、下位貴族が行き来するとか何とか、聞いた事がありますけどね」
そう。西の教会は下位貴族や裕福な平民、商人の信者が多いと聞く。
「貴族街が近いから、キレイで豪華だから… ただ単に虚栄心が満たされるんじゃない? こんなすごい教会に通えてる的な」
「あ~、ありそうっすね。って、事は金がらみではないのか。金持ちの悩みって他ありましたっけ?」
う~ん。
「あとは『女神の使徒』ってヒントだけど。それが何なのか… 一回持ち帰ってみんなで相談しましょう」
「うっす。あと、団長。普段言えてないので、今時間があるので言いますね… ありがとうございます。俺らのような平民騎士の意見も聞いてくれて。バカにせずにちゃんと聞いてくれるのが普通にうれしいっす」
「今さら? 騎士に平民も貴族もないわ。知識がないなら本読めばいいし、力がないなら鍛錬すればいい。平民だからバカだとか、そんな事を言ってるやつは大体が負け惜しみか、ただのプライド高いだけの無能が多いわ。グローはどうしても身分が気になるのね? 今まで平民だから言い返せない場面も多かったでしょう。でもね、バカはバカだからそうやつは無視すればいいんじゃない?」
「ん~。団長みたいな人を知っちゃうと、どうしても『こんな素晴らしい考えの人がいるんだぞ』って説教したくなるんす」
「あははは。グローって案外熱血なんだね~。グロー自身が平民にこだわりすぎよ。だから余計ムカつくんでしょ? バカは努力しない限りどこまでいてもバカだから放っておけばいいんだって。あはは」
「団長! マジメな話っす! もう」
と、笑ているとミロがベンチの後ろに足音無く立つ。
「楽しそうですね? 私が一人で調査していた間に、ちゃんと露店で何か掴んだんでしょうね?」
「びっくりした~! 仲間内で足音無しとか! 心臓に悪い」
「ふふふ。ちょっとだけ陽気なあなた達にムカつきまして。もとい、イラッとして。おっと失礼」
「ははっ。全部ダダ漏れてるし。笑顔で毒吐かないで。ごめんって。って事で、あとは団で相談しようか?」
「「了解」」
今日は西の教会へ行かずそのまま団へ帰って、側近達と報告会議をする事にする。
さてさてこの問題。あの王女様自身は関係あるのかな? それとも取り巻きの暴走なのかな?
第1と第5と、第6も要るか? 緊急会議が必要だよね。てか召集ってどうやってかけるんだっけ? 一団長が召集をかけて良いもんなのかな? わからん。
…
こう言う時にドーンを思い出す。ふ~。
しんみりしてもダメだ。ここは素直に総団長に相談しよう。そうしよう。
「あれ~?」
グローもハテナ状態だ。なぜなら、スラム街に人がいなくなっているからだ。
いつもなら、酔っ払いが寝転がっていたり、若者の集団が他所者を睨みつけたり、子供達が暗い顔して壁にもたれかかっているのに… 裏道の日の当たらない通りだから、普段からあまり人が寄り付かないんだけど。それにしてもさっぱりと人気がない。
「大通りに出て聞き込みしようか?」
「そうっすね」
ミロは『スラム街を調査します』と言うとスっと消えた。目の前から残像を残して本当に消えたのだ。グローは驚いてはいたが、元第5だと知っているので逆に『すげ~!』と興奮していた。
表の通りはガヤガヤと露店がテントを連ねている。ちょっとしたバザールみたいだ。近くには大きな公園。立地としてはスラム街が近くにあるので治安上避けられているのか、民家が少ない。なので、夜になるとこの通りも人が居なくなる。
大きな声でガハガハと笑っている果物屋に話を聞いてみた。
「最近、スラムの事で何か変わった感じはない?」
「スラム? そう言えば最近めっきりスリが出なくなったよ。騎士様のおかげかね? ありがとうよ」
「スリがいない?」
「あぁ、店先の商品をくすねる子供や、お客さんの財布をスルやつがいなくなって安心して買い物が出来るって、最近は客足も増えてきたんだ」
「そう… 他は?」
隣の串焼きの亭主が話を聞いていたのか、話に混ざる。
「俺んとこは、売れ残った端っこの小さいのや焼き過ぎた肉を時々やってた兄弟がいたんだが、そう言えば最近見ないな」
「私んとこもよ。クズ野菜を分けてあげてた赤ちゃんを連れた母親を見ないわね」
「それって、騎士団かどっかに相談しました?」
みんな顔を見合わせて一斉に首を横に振る。
「いいや。だって関係ないだろう? それに治安が良くなったのに何をどう相談するんだ?」
… それはそうか。みんなにとってはスラムは害でしかない。悩み事が減ったんだから相談も何もないか。
「そう。で、それっていつ頃ぐらいからか思い出せる?」
「そうだな~。3週、1ヶ月ぐらいか?」
東門前の教会とほぼ同時期じゃん!
「ありがとう! じゃぁ」
その後、露店街を一周してグローと公園のベンチで一息つく。ミロを待ってなきゃいけないしね。
「グロー、スラムの住人もいないよ」
「そっすね。何が起こっているのか… 人、しかもみんながあんまり関心のない人を集めてる?」
「そこよ。人身売買は例の事件以降第7がしっかり監視してるから無いとして… 何が目的? 西の教会へ行けばすんなり謎が解けるのかな? 別問題かな?」
「教会はそうっすよ。西が怪しい。でも、西の教会って貴族街が近いから、下位貴族が行き来するとか何とか、聞いた事がありますけどね」
そう。西の教会は下位貴族や裕福な平民、商人の信者が多いと聞く。
「貴族街が近いから、キレイで豪華だから… ただ単に虚栄心が満たされるんじゃない? こんなすごい教会に通えてる的な」
「あ~、ありそうっすね。って、事は金がらみではないのか。金持ちの悩みって他ありましたっけ?」
う~ん。
「あとは『女神の使徒』ってヒントだけど。それが何なのか… 一回持ち帰ってみんなで相談しましょう」
「うっす。あと、団長。普段言えてないので、今時間があるので言いますね… ありがとうございます。俺らのような平民騎士の意見も聞いてくれて。バカにせずにちゃんと聞いてくれるのが普通にうれしいっす」
「今さら? 騎士に平民も貴族もないわ。知識がないなら本読めばいいし、力がないなら鍛錬すればいい。平民だからバカだとか、そんな事を言ってるやつは大体が負け惜しみか、ただのプライド高いだけの無能が多いわ。グローはどうしても身分が気になるのね? 今まで平民だから言い返せない場面も多かったでしょう。でもね、バカはバカだからそうやつは無視すればいいんじゃない?」
「ん~。団長みたいな人を知っちゃうと、どうしても『こんな素晴らしい考えの人がいるんだぞ』って説教したくなるんす」
「あははは。グローって案外熱血なんだね~。グロー自身が平民にこだわりすぎよ。だから余計ムカつくんでしょ? バカは努力しない限りどこまでいてもバカだから放っておけばいいんだって。あはは」
「団長! マジメな話っす! もう」
と、笑ているとミロがベンチの後ろに足音無く立つ。
「楽しそうですね? 私が一人で調査していた間に、ちゃんと露店で何か掴んだんでしょうね?」
「びっくりした~! 仲間内で足音無しとか! 心臓に悪い」
「ふふふ。ちょっとだけ陽気なあなた達にムカつきまして。もとい、イラッとして。おっと失礼」
「ははっ。全部ダダ漏れてるし。笑顔で毒吐かないで。ごめんって。って事で、あとは団で相談しようか?」
「「了解」」
今日は西の教会へ行かずそのまま団へ帰って、側近達と報告会議をする事にする。
さてさてこの問題。あの王女様自身は関係あるのかな? それとも取り巻きの暴走なのかな?
第1と第5と、第6も要るか? 緊急会議が必要だよね。てか召集ってどうやってかけるんだっけ? 一団長が召集をかけて良いもんなのかな? わからん。
…
こう言う時にドーンを思い出す。ふ~。
しんみりしてもダメだ。ここは素直に総団長に相談しよう。そうしよう。
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