Another herikaru 〜アナザーヘリカル〜

夜鳴組

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第二章 オカルト研究部

第五話 〜螺旋高校〜

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 (08.)

 チャイム 「キーンコーンカーンコーン」

 いつものように始業5分前の鐘が鳴り響く中、僕達は校門に滑り込んだ。

 木葉 「よかったーギリギリセーフ。」
 瑠璃 「間に合った…。」

 僕達は安心しながら階段を上がっていく。
 …あれ? そういえばヘリナは?
 たしかさっき全力疾走したときに(あれはなんだったんだろう)「待って下さーい!」というヘリナの声も聞こえた気もしたようなしなかったような…絶対置いてけぼりにしたやつだな。
 隣を見ると木葉も気がついたらしく辺りをきょろきょろと見渡したあと、目をつぶってなんかカッコつけたようなポーズをしている。

 瑠璃 「何そのポーズ?」
 木葉 「走っているときの様子を見てる。」

 あ、そういえば木葉は時間を操ったり過去視、未来視ができるんだった。
 それにしてもそのポーズはどうにかならないかなぁ? 昨日(?)は普通にやってたよね?

 木葉 「見つけたけど今の今まで普通についてきているように見えるよぉ。 学校に来た瞬間トイレに一目散に駆けてったね。」

 なんだトイレか。 じゃあ気にする必要はまったくもって皆無だったのか。
 僕達はダッシュで教室までの廊下を急ぐ。
 そしてそのまま教室のドアを開けて自分の席へと滑り込んだ。
 …そう、女の子になっていることを忘れて。
 案の定クラスメイト達は騒ぎ始める。
 だがしかしちょうどよく始業のチャイムが鳴り響いたので騒いでいたクラスメイトも静かになる。

 木葉 「あれ? 私、いなくてもいても変わらない?」

 木葉の発言は、誰の耳にも届かなかった。
 そう思っていると突然教室のドアが開いて先生が入ってきた。

 先生 「今日は特別な先生がきてくれましたー。 紹介します…」

 先生が挨拶もせずに入ってきた後に続いて、老人のような人が入ってくる。
 ん? この人どこかでみたことのあるような…。

 老人 「あ! 君はあの時の!」

 挨拶もろくにしない大問題教師 「ん? 誰か知っている人でもいたんですか?」

 老人 「あぁ! あの席にいる人!」

 そうやって老人が指さしたのは…自分だった。

 大問題教師 「ああ。 あの女の子は…誰?」

 瑠璃 「瑠璃です!」

 大問題教師 「ああ、瑠璃だったか。 瑠璃って男じゃなかったっけ?」

 老人 「え? 私にはおとこにみえるが?」

 その発言であの老人が誰だったのかを思い出した。

 老人 「そう! 街中で三人組にナンパされていた人!」

 そういえばあのとき話をよく聞こうと思ったんだった。

 なぜだろう。 たった数日前のことなのにどうしてこんなに思い出せないんだろう?

 ヘリナ 「そこは触れちゃいけないところだよ! 中の人が数カ月ぶりに繋いだ物語なんだから!」

 とりあえずへリナの言っていることは訳がわからないので無視する。

 先生 「え? どういうこと?」

 あぁ先生が混乱してるよ!どうしよう。

 老婆 「あぁすまなかった置いてけぼりにしていたなぁ。」

 先生 「久しぶりじゃん木葉!いつからいたの?」

 はい大問題教師ー。おかしいでしょ普通いたら気づいてあげられるでしょう。もうこの人の未来心配になってきたよ。

 木葉 「あ、今日の朝来ました。」

 いやそうじゃなくて…いやあってるかもしれないよ?でもそこじゃない気がするよ?

 先生 「いや違う…そうじゃない。まぁそもそも瑠璃は行方不明かもしれないと連絡を受けていたからいいものを木葉は何も伝えずに行方不明になって。」

 大問題教師ー。自分があらかじめ行方不明になると知っておきながら何もしないー。
 それに澄木あいつ先生に伝えるときそのまま行方不明になりそうって伝えたなー。普通そんな怪しいこと聞いたら風邪を引いて休むそうですとか何かしらごまかすじゃんっ。
 澄木とは、僕の入っている部活の部長だ。そしてそいつは地球上のありとあらゆるコンピューター全てを自分のその両手とパソコンで意のままに操ることのできるような凄腕ハッカーで、そのプログラムの技術やありあませている技術力で作った盗聴器兼GPS、通称「生きたストーカー」が澄木の周りの人にはホコリのごとくくっついているので居場所を知らない人はいないはずだ。要するに木葉の居場所を求めて10秒で探し出せたと言っているのだが…何かあったのだろうか?

 そう結論づけて、僕はそのことを頭の片隅にしまい、特別講師で僕の正体を一瞬で見抜いた老婆の授業をうけるがため、席に座り老婆とアイコンタクトを取る。

 老婆 「それじゃあ始めるか。私の授業を!」

 どのようなものか楽しみだ。
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