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騎士の誓い。②
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「一番下の第4皇子は俺たちの1つ上の14歳だ。
成人の儀を行えるのは18歳の年。
あと4年の猶予がある。
その間の期間、内乱がどうなっていくのか様子を見て行くことに決まったよ。」
カイの美しい銀色の髪がサラッと揺れた。
真剣に話す青みが濃いアースアイを私をジッと見つめていた。
「あと4年・・。私が17歳になる年ね。」
「・・4年か、上等だ。
こちらも黙ってただ様子を見ているつもりはないけどね。」
話を聞きながら考え込むような仕草をしていたシオフィンが閃いたように、目を細めて笑みを浮かべた。
私が17歳になった年は、前の世では祖国セレンダートが帝国に滅ばされた年になる。
この時期までに答えを見つけなければならない!
大事な祖国を守る道を必ず見つけるわ・・。
「それにしても・・。詳しいな、カイ?
お前、帝国に知り合いでもいるのか??」
ハッとしたフィンは、驚くように詳しく説明をしたカイを不思議そうに椅子に座ったまま見上げた。
一瞬、カイの瞳が揺れた。
動揺を映したカイの瞳は苦しそうに揺れてふいっと瞳を反らした。
その時、ガセボへと向かう足音が聞こえた。
「フィン探したぞ!!どうしても眠れないんだ!!お前、妹君の絵姿を持って来てはいないか??」
ガセボの前の生垣を越えて現れたレキオスお兄様が、私たちを見つけて息を荒くしたままフィンの前へと進み出た。
現れてすぐにド阿呆な質問を真顔で繰り出す兄に、
私達は一瞬呆気にとられた表情で玉のような汗を額に浮かべた兄さまを呆然と見つめた。
フィンは口元だけに笑いを浮かべた後に「持ってますよ。見せて差し上げますよ、お義兄様」と言って私達には「先に戻っているよ」と少し寂しそうに笑った。
犬のように嬉しそうにフィンを待つお兄さまに声をかけると、パンパンと手でお尻の砂を払って立ち上がると王宮の方へと先に戻っていった。
気のせいか、私の目にはレキオスお兄様の後ろ姿には耳と尻尾が見えた気がした。
「・・なんだあれ??
ソフィア王女の絵姿って何だよ。」
「夕食の時にね、、色々あったのよ。
ソフィア王女が美人だと知ったお兄様が婚姻に前向きになっただけの話なのよ。
色恋が絡むと残念な困った人になるのよね・・。」
「なるほど露骨だな・・。
既に、フィンに遊ばれてる気がするけどな。」
二人でガセボに取り残された私達は、お兄様の変貌について笑いながら話をした。
ふと、先程のフィンの言葉を思い出した私は不安になってカイに聞いた。
「カイ、貴方・・。帝国に詳しいの?尋ねたことはなかったけど、あの国に縁でもあるの??」
私はカイが前の世では、ロンバビルス帝国に留学していた事を思い出していた。
カイが私の17歳の誕生日前に、ロンバビルス帝国に急に留学すると言って旅立った。
その理由を問いただしても、はぐらかして教えてはくれなかった。
そして、ただ最後にあの言葉だけを残して私の前から立ち去ったのだった。
「別に何もないよ・・。
俺は騎士のエルダート公爵家の息子だからな。
敵となる可能性がある帝国の竜騎士についても、かの国の歴史や王族についても学んできている。
ただ、それだけだ・・。」
「・・本当に??
貴方は、隠し事をしないで欲しいの・・。
わたしね、お父様にロンバビルス帝国からの婚姻の件を直接知らされていなかったのよ。
もし、私が知らされていなかったことから間違った選択をして、祖国や大切な人たちに危険が及ぶ結果になるかもしれない。
わたしは、ただ守られるだけじゃなくて、ちゃんと知っていたいの!!自分の選択で大切なものを守れるようになりたい・・。」
「そうだよな。
アイリスはそういう奴だもんな・・。
ごめん俺、嘘ついた。今はさ、まだお前に言えないこともある。
だけど、いつか必ずお前にだけは本当のことを言うって約束するよ。
もう少しだけ、待っていてくれないか??」
「うん・・。
あなただけは、いつだって正直だった。
カイのことは信じられる気がするの。
猶予があるなら4年間に、祖国やみんなを守れる人間になるために沢山学ぶわ!
私がロンバビルス帝国に嫁いでも、みんなが平和であり続けるといいわね。」
「同感だ。
お前なら大事なものを守れるよ。・・絶対な。
知っているか??騎士の誓い。
お前がロンバビルス帝国に行く時は一人にしない。
俺も一緒に行くよ。
お前を大事に思っているみんなの為にも、お前を死なせはしない。
アイリスは、この命に代えても守るよ。」
月夜に照らされたガセボに向かい合った私の前で、カイは左手を右胸に当てて跪いた。
私の右腕を取ると、自らの頭上に置いた。
私のアメジスト色の色の瞳は月夜に照らされて紅く輝く。
「ここに剣はないけど・・。
騎士の誓約を刻むよ。」
「えっ、なに??どうするの??」
「・・このカイエン=エルダートはここに騎士の誓約を刻む。この命に代えても・・。
アイリス公女殿下をこの身が尽きるまでお守り致します。わたしは、貴方の騎士として嘘偽りなく仕え続けることをここに誓います。」
互いに混ざり合った色の瞳は虹色を映し出していた。銀色の滑るような艶やかな髪は冷たかった。
こんなの過去にはない・・。
私は膝をついて銀色の長い睫毛に影を落としているカイをただ黙って見守っていた。
カイが私を見上げて重なる視線には、穏やかさの中に強く力強い意思がそのラピス色と翠色が交じり合って、見たことがないような宝石のように衝撃的に美しかった。
「死ぬときは一緒だ・・。アイリス。」
「私でいいの??だって、騎士の誓約って気軽にするものじゃないよね??」
「いいんだ。
俺も逃げないって・・決めたからさ。」
誓い合った二人は、立ち上がると互いの目を見合わせて微笑んだ。
何故だか急に瞳が熱くなって心臓の鼓動が逸る感覚に私は違和感を感じて下を向くと不思議そうにカイは首を傾げて「・・おい、なんだよ?」と笑う。
前に体験した13歳の誕生日は、アメルディア王国から私にフィンとの婚姻の申し出があって、父は前向きに返事を返していた・・。
あの頃から、カイとは少しずつ距離が出来てしまったような気がする。
騎士団に入り、鍛え上げた肉体と女神に揶揄された美貌でアメルディアに留まらず、他国の姫君たちの憧れの的になっていったカイと、フィンの婚約者だった私との距離は大きくなるばかりだった。
「なんでもないよ。ただ、月が奇麗だなって思っただけ・・。」
「え・・。ああ、本当だな。今夜は満月か・・。」
私は少し背が高いカイの細長い影に並んで何時の間にか天高く上がった月を見上げた。
あの頃と、違う選択を選んだ私の人生が変わり始めていることを噛みしめていた。
成人の儀を行えるのは18歳の年。
あと4年の猶予がある。
その間の期間、内乱がどうなっていくのか様子を見て行くことに決まったよ。」
カイの美しい銀色の髪がサラッと揺れた。
真剣に話す青みが濃いアースアイを私をジッと見つめていた。
「あと4年・・。私が17歳になる年ね。」
「・・4年か、上等だ。
こちらも黙ってただ様子を見ているつもりはないけどね。」
話を聞きながら考え込むような仕草をしていたシオフィンが閃いたように、目を細めて笑みを浮かべた。
私が17歳になった年は、前の世では祖国セレンダートが帝国に滅ばされた年になる。
この時期までに答えを見つけなければならない!
大事な祖国を守る道を必ず見つけるわ・・。
「それにしても・・。詳しいな、カイ?
お前、帝国に知り合いでもいるのか??」
ハッとしたフィンは、驚くように詳しく説明をしたカイを不思議そうに椅子に座ったまま見上げた。
一瞬、カイの瞳が揺れた。
動揺を映したカイの瞳は苦しそうに揺れてふいっと瞳を反らした。
その時、ガセボへと向かう足音が聞こえた。
「フィン探したぞ!!どうしても眠れないんだ!!お前、妹君の絵姿を持って来てはいないか??」
ガセボの前の生垣を越えて現れたレキオスお兄様が、私たちを見つけて息を荒くしたままフィンの前へと進み出た。
現れてすぐにド阿呆な質問を真顔で繰り出す兄に、
私達は一瞬呆気にとられた表情で玉のような汗を額に浮かべた兄さまを呆然と見つめた。
フィンは口元だけに笑いを浮かべた後に「持ってますよ。見せて差し上げますよ、お義兄様」と言って私達には「先に戻っているよ」と少し寂しそうに笑った。
犬のように嬉しそうにフィンを待つお兄さまに声をかけると、パンパンと手でお尻の砂を払って立ち上がると王宮の方へと先に戻っていった。
気のせいか、私の目にはレキオスお兄様の後ろ姿には耳と尻尾が見えた気がした。
「・・なんだあれ??
ソフィア王女の絵姿って何だよ。」
「夕食の時にね、、色々あったのよ。
ソフィア王女が美人だと知ったお兄様が婚姻に前向きになっただけの話なのよ。
色恋が絡むと残念な困った人になるのよね・・。」
「なるほど露骨だな・・。
既に、フィンに遊ばれてる気がするけどな。」
二人でガセボに取り残された私達は、お兄様の変貌について笑いながら話をした。
ふと、先程のフィンの言葉を思い出した私は不安になってカイに聞いた。
「カイ、貴方・・。帝国に詳しいの?尋ねたことはなかったけど、あの国に縁でもあるの??」
私はカイが前の世では、ロンバビルス帝国に留学していた事を思い出していた。
カイが私の17歳の誕生日前に、ロンバビルス帝国に急に留学すると言って旅立った。
その理由を問いただしても、はぐらかして教えてはくれなかった。
そして、ただ最後にあの言葉だけを残して私の前から立ち去ったのだった。
「別に何もないよ・・。
俺は騎士のエルダート公爵家の息子だからな。
敵となる可能性がある帝国の竜騎士についても、かの国の歴史や王族についても学んできている。
ただ、それだけだ・・。」
「・・本当に??
貴方は、隠し事をしないで欲しいの・・。
わたしね、お父様にロンバビルス帝国からの婚姻の件を直接知らされていなかったのよ。
もし、私が知らされていなかったことから間違った選択をして、祖国や大切な人たちに危険が及ぶ結果になるかもしれない。
わたしは、ただ守られるだけじゃなくて、ちゃんと知っていたいの!!自分の選択で大切なものを守れるようになりたい・・。」
「そうだよな。
アイリスはそういう奴だもんな・・。
ごめん俺、嘘ついた。今はさ、まだお前に言えないこともある。
だけど、いつか必ずお前にだけは本当のことを言うって約束するよ。
もう少しだけ、待っていてくれないか??」
「うん・・。
あなただけは、いつだって正直だった。
カイのことは信じられる気がするの。
猶予があるなら4年間に、祖国やみんなを守れる人間になるために沢山学ぶわ!
私がロンバビルス帝国に嫁いでも、みんなが平和であり続けるといいわね。」
「同感だ。
お前なら大事なものを守れるよ。・・絶対な。
知っているか??騎士の誓い。
お前がロンバビルス帝国に行く時は一人にしない。
俺も一緒に行くよ。
お前を大事に思っているみんなの為にも、お前を死なせはしない。
アイリスは、この命に代えても守るよ。」
月夜に照らされたガセボに向かい合った私の前で、カイは左手を右胸に当てて跪いた。
私の右腕を取ると、自らの頭上に置いた。
私のアメジスト色の色の瞳は月夜に照らされて紅く輝く。
「ここに剣はないけど・・。
騎士の誓約を刻むよ。」
「えっ、なに??どうするの??」
「・・このカイエン=エルダートはここに騎士の誓約を刻む。この命に代えても・・。
アイリス公女殿下をこの身が尽きるまでお守り致します。わたしは、貴方の騎士として嘘偽りなく仕え続けることをここに誓います。」
互いに混ざり合った色の瞳は虹色を映し出していた。銀色の滑るような艶やかな髪は冷たかった。
こんなの過去にはない・・。
私は膝をついて銀色の長い睫毛に影を落としているカイをただ黙って見守っていた。
カイが私を見上げて重なる視線には、穏やかさの中に強く力強い意思がそのラピス色と翠色が交じり合って、見たことがないような宝石のように衝撃的に美しかった。
「死ぬときは一緒だ・・。アイリス。」
「私でいいの??だって、騎士の誓約って気軽にするものじゃないよね??」
「いいんだ。
俺も逃げないって・・決めたからさ。」
誓い合った二人は、立ち上がると互いの目を見合わせて微笑んだ。
何故だか急に瞳が熱くなって心臓の鼓動が逸る感覚に私は違和感を感じて下を向くと不思議そうにカイは首を傾げて「・・おい、なんだよ?」と笑う。
前に体験した13歳の誕生日は、アメルディア王国から私にフィンとの婚姻の申し出があって、父は前向きに返事を返していた・・。
あの頃から、カイとは少しずつ距離が出来てしまったような気がする。
騎士団に入り、鍛え上げた肉体と女神に揶揄された美貌でアメルディアに留まらず、他国の姫君たちの憧れの的になっていったカイと、フィンの婚約者だった私との距離は大きくなるばかりだった。
「なんでもないよ。ただ、月が奇麗だなって思っただけ・・。」
「え・・。ああ、本当だな。今夜は満月か・・。」
私は少し背が高いカイの細長い影に並んで何時の間にか天高く上がった月を見上げた。
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