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黒い陰謀。
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シェンブルグの王都、ミストラルは霧で覆われていた。
「エミリアン王子殿下の力は「心の声を聞く」こと、「先を読む」の極めて魔力の低い王子です。
どうしても、今、この内政がひっ迫している時期に王太子に任命する儀を行わねばならぬのですか?」
この国の宰相、ジェラルド=ガードナーは王へ問う。
「当然だ!!あいつを王太子に任命することで、カイザルはいなかった事になるのだぞ。
いつまでも、行方知れずの第一王子がいるかもしれない。そやつが、国を救ってくれるかもしれないなぞ、そんな期待なぞ下らぬと白絞めねば。・・・これで、馬鹿な民衆の妄言も止むであろう。」
「しかし、カイザル=エルタニアン=ルード=シェンブルグはまだ・・・。」
「ほざけ!!いつまで奴を始末出来ぬ・・・!?何十、何百人もの刺客を派遣したと思っているのだ!!
魔術師も使えぬ者が多く、無駄な奴らばかりを雇いおって・・・。」
「申訳っ、ございません・・・陛下!
明日の任命式が終わり次第、魔術師を増員し、着々と用意しております兵と共にルーベルグに派遣いたします故・・。」怯えた表情で、静かに頭を垂れた。
「そうだな。明日が終われば、ルーベルグも戦の罠に落ちるだろう・・。式典に王の名代で参加するアルベルト=エルフラン=ザッハ=ルーベルグの屍と共にな。」
杯に赤い液体が注がれ、それを飲み干すとシェンブルグの王、カディールは酷薄な笑みを浮かべ、ワインのような赤い瞳を光らせた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はーい!!みんな注目ー!」
エリカが話を終えたろうタイミングを見計らって、皆の視線を集めた。
なんだと振り返る男性の人口密度が高いこの部屋に、大きな樽を抱えた執事が入ってくる。
ガシャン。
「ざっと、200種類の毒薬・劇薬・睡眠薬がこちらにございます。
小ズルイ手を使わせていただこうと思いますが、問題ないでしょうか?」
「・・・・これ、ああ。荷車の後ろに大きい樽があるなぁと・・。え?そんな危ないのと一緒に俺たちは旅して来たのか?!」サイラスが真っ青になった。
「これはルナが、カイザル様の毒薬を解す薬を作るために用意した物なの。
彼女の今までの努力を、この戦いで思いっきり使ってみては如何でしょう?
エミリアン殿下、これ、明日の魔術師や兵の朝食にちょちょっと混ぜていただけますか?」
「ルナは、そんな事をしていたのだな・・。知らないことばかりだな・・。彼女の厚意は無駄にしたくない。使える物は使おう。」カイザルは自分のための彼女の成果を少しだけ嬉しそうだった。
「・・・・・ああ。承知した。エリカは、危険な女だな。背筋が凍った。」
エミリアンはそう言いながら楽しそうだった。
「あははは。ちょちょいとか!エリカは、残酷なセリフを・・さらーっと言うのだな。」
・・・何故かアルベルトは爆笑していた。
ちょっと、こっちは大真面目なんすけど。
「死ぬ量じゃなければいいじゃないの。」、「まぁそうだな。」と、エミリアンと目で通じ合う。
「ちゃんと容量はノートに書いてきたので、任せました!」と、心で伝えると、さっそくエミリアンは部下に大きな樽を王宮へと運ぶよう指示する。
「これからの未来に悪い予感しかしない。明日、必ず決着を着けよう。
この際、・・手段なんてどうでもいい。
姫は私が必ず神殿へ送り届ける故、皆安心して休め。」
神に仕える者とは言えない暴言で、イムディーナも笑む。
王宮に戻る為、早々に部屋を退出するエミリアンと、それに続きカイザル、サイラスが部屋を出る。
私も退出しようと、扉に向かおうとするとアルベルトが私の後ろに立ち、静止した。
「どうしたんですか?」驚いて顔を上げると、アルベルトの手から、黒い石のリングがペンダントヘットになっているチェーンがシャラっと目の前に垂らされた。
「これ・・これは?」
「ブラックオニキスで出来た指輪。
・・・・サイラスとリリアの婚約指輪を見ていたら、どうしても僕もエリカにあげたくなった。」
恥ずかしそうに、真っ赤な頬を隠すように俯きざまに言葉を発する。
ラバトで買い物に行った時に見つけてくれたんだ・・。
「見たことないけど、君の黒い瞳はきっとこんな色かなって・・想像しながら選んだ。
・・・どうかな、気に入ってくれる?」
エリカはそっと、受け取った。
好きな人からの初めての贈り物を嬉しそうに身に着けた。
「有難うございます。すごくすごく!嬉しいです。・・・大切にいたします。」
エリカはアルベルトに体当たりで抱き着いた。
嬉しそうにサファイアの瞳を見つめた。
「僕の選択は決まっている・・。
例え、どんな結果になっても僕はそれを後悔しないよ。
だから、どうか君も信じた自分の選択をしてくれ。君がどんな選択をしても、変わらず君を愛している。」
愛している。
初めて言われた言葉に涙が出そうになった・・。
「はい。」と頷くエリカをアルベルトも思いきり抱きしめた。
美しい涙に頬が濡れたエリカに優しくキスをくれた。
・・・そんな光景を、退出のタイミングを逸してしまったタイミングの悪い「神官」イムディーナは、ピカピカの猫を抱えながら気まずそうに隅でその光景を見ていたのであった。
「エミリアン王子殿下の力は「心の声を聞く」こと、「先を読む」の極めて魔力の低い王子です。
どうしても、今、この内政がひっ迫している時期に王太子に任命する儀を行わねばならぬのですか?」
この国の宰相、ジェラルド=ガードナーは王へ問う。
「当然だ!!あいつを王太子に任命することで、カイザルはいなかった事になるのだぞ。
いつまでも、行方知れずの第一王子がいるかもしれない。そやつが、国を救ってくれるかもしれないなぞ、そんな期待なぞ下らぬと白絞めねば。・・・これで、馬鹿な民衆の妄言も止むであろう。」
「しかし、カイザル=エルタニアン=ルード=シェンブルグはまだ・・・。」
「ほざけ!!いつまで奴を始末出来ぬ・・・!?何十、何百人もの刺客を派遣したと思っているのだ!!
魔術師も使えぬ者が多く、無駄な奴らばかりを雇いおって・・・。」
「申訳っ、ございません・・・陛下!
明日の任命式が終わり次第、魔術師を増員し、着々と用意しております兵と共にルーベルグに派遣いたします故・・。」怯えた表情で、静かに頭を垂れた。
「そうだな。明日が終われば、ルーベルグも戦の罠に落ちるだろう・・。式典に王の名代で参加するアルベルト=エルフラン=ザッハ=ルーベルグの屍と共にな。」
杯に赤い液体が注がれ、それを飲み干すとシェンブルグの王、カディールは酷薄な笑みを浮かべ、ワインのような赤い瞳を光らせた。
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「はーい!!みんな注目ー!」
エリカが話を終えたろうタイミングを見計らって、皆の視線を集めた。
なんだと振り返る男性の人口密度が高いこの部屋に、大きな樽を抱えた執事が入ってくる。
ガシャン。
「ざっと、200種類の毒薬・劇薬・睡眠薬がこちらにございます。
小ズルイ手を使わせていただこうと思いますが、問題ないでしょうか?」
「・・・・これ、ああ。荷車の後ろに大きい樽があるなぁと・・。え?そんな危ないのと一緒に俺たちは旅して来たのか?!」サイラスが真っ青になった。
「これはルナが、カイザル様の毒薬を解す薬を作るために用意した物なの。
彼女の今までの努力を、この戦いで思いっきり使ってみては如何でしょう?
エミリアン殿下、これ、明日の魔術師や兵の朝食にちょちょっと混ぜていただけますか?」
「ルナは、そんな事をしていたのだな・・。知らないことばかりだな・・。彼女の厚意は無駄にしたくない。使える物は使おう。」カイザルは自分のための彼女の成果を少しだけ嬉しそうだった。
「・・・・・ああ。承知した。エリカは、危険な女だな。背筋が凍った。」
エミリアンはそう言いながら楽しそうだった。
「あははは。ちょちょいとか!エリカは、残酷なセリフを・・さらーっと言うのだな。」
・・・何故かアルベルトは爆笑していた。
ちょっと、こっちは大真面目なんすけど。
「死ぬ量じゃなければいいじゃないの。」、「まぁそうだな。」と、エミリアンと目で通じ合う。
「ちゃんと容量はノートに書いてきたので、任せました!」と、心で伝えると、さっそくエミリアンは部下に大きな樽を王宮へと運ぶよう指示する。
「これからの未来に悪い予感しかしない。明日、必ず決着を着けよう。
この際、・・手段なんてどうでもいい。
姫は私が必ず神殿へ送り届ける故、皆安心して休め。」
神に仕える者とは言えない暴言で、イムディーナも笑む。
王宮に戻る為、早々に部屋を退出するエミリアンと、それに続きカイザル、サイラスが部屋を出る。
私も退出しようと、扉に向かおうとするとアルベルトが私の後ろに立ち、静止した。
「どうしたんですか?」驚いて顔を上げると、アルベルトの手から、黒い石のリングがペンダントヘットになっているチェーンがシャラっと目の前に垂らされた。
「これ・・これは?」
「ブラックオニキスで出来た指輪。
・・・・サイラスとリリアの婚約指輪を見ていたら、どうしても僕もエリカにあげたくなった。」
恥ずかしそうに、真っ赤な頬を隠すように俯きざまに言葉を発する。
ラバトで買い物に行った時に見つけてくれたんだ・・。
「見たことないけど、君の黒い瞳はきっとこんな色かなって・・想像しながら選んだ。
・・・どうかな、気に入ってくれる?」
エリカはそっと、受け取った。
好きな人からの初めての贈り物を嬉しそうに身に着けた。
「有難うございます。すごくすごく!嬉しいです。・・・大切にいたします。」
エリカはアルベルトに体当たりで抱き着いた。
嬉しそうにサファイアの瞳を見つめた。
「僕の選択は決まっている・・。
例え、どんな結果になっても僕はそれを後悔しないよ。
だから、どうか君も信じた自分の選択をしてくれ。君がどんな選択をしても、変わらず君を愛している。」
愛している。
初めて言われた言葉に涙が出そうになった・・。
「はい。」と頷くエリカをアルベルトも思いきり抱きしめた。
美しい涙に頬が濡れたエリカに優しくキスをくれた。
・・・そんな光景を、退出のタイミングを逸してしまったタイミングの悪い「神官」イムディーナは、ピカピカの猫を抱えながら気まずそうに隅でその光景を見ていたのであった。
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