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二者択一で転生した令嬢は将来も選択したい。
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初音恵里香は今日も夜勤明けの眠い目をこすりながら、
自分の家に着いた途端「とう!!」とベッドにダイブし、仮眠を貪るのだった。
夢のような異世界転生から、病院のベッドで目を覚ました。
その後、2週間入院して復職し、大忙しの日々に戻っていた。
アルベルトを思い出すと胸が苦しくなった。
夜も彼の夢を見て涙を流すことがあった・・。
あの時の自分の無力さを振り払い、もっと多くの人の命を助けられるようになりたい。
現場で学び、医学書や論文を読み込む日々が続く。
ルナ=フェナルデイはきっとカイザルと幸せな未来を選択出来た、と私は信じていた。
夢のような異世界での時間から半年の時間が過ぎ、季節は真夏になっていた。
ルーベリアでの日々は、今では夢のように思える。
救命救急の現場では日が経つのがあまりに早く、ゆっくりあの世界を思い出す時間も殆どない。
エリカに戻り、胸に下げられたリングのネックレスを見た途端に
大泣きしてしまったが、いつもお守りのように大切に身に着けていた。
「恵里香ー!!見つけた。今夜、予防医学の学会あるんだけど。一緒に行かない?」
同期の田辺智恵理に、学会のパンフレットを手渡された。
ハーブなど薬草を使った治療と、予防医学の観点からの自然との共存を謳った国際学会・・・か。
目を通してみると、特に気になったのがイギリスの王立記念病院の医学博士の講演。
「天然ハーブと終末医療の適応と実践について。」だ。
すんごーく気になる。
「行く!でも携帯が鳴ったら・・・」
「はいはい、病院に直帰ね!了解。大変ね。」ドンマイと、肩を叩かれる。
「ええ。仕事ですから。バリバリ働きます!!」笑顔で同期とランチに繰り出した。
アルベルト以上に好きになれる人は・・・果たしてこれから出来るのは分からない。
彼がルナ=フェナルデイに対してそうだったように。
出会ってみないと、それは分からない。
勤務が終わって私服に着替え、退勤処理を済ませる。
タクシーで智恵理と、学会会場である国際フォーラムを目指す。
「ねえ、珍しいよね?今日浴衣の女性多くない?」
「ああ、ほら。今日は隅田川の花火大会でしょー。みんな浴衣着てる子はそっちに行くんじゃない?」
なるほど・・・。
カレンダー見ないと曜日感覚麻痺ってるわー。。
花火の夜を思い出し、少し胸が痛む。
「今日はこのまま晴れるといいね。」皆が幸せな時間を。。と、心からそう思った。
タクシーを降り、お目当ての予防医学の講義会場に向かう。
と、そこにブブッブッ。「あ、電話。」お決まりの呼び出しコールがかかる。
「ちょっと出てくる!!」携帯を握りしめ、着信が病院であることを確認する。
「絵里香ー!!走ると危ないよー。」友人の制止も聞かずに扉を開けて出ると
ドン。と勢い良く男の人にぶつかり、「すみません!」と謝り通り過ぎた。
走り去る私の姿をずっとその人は見ていた。
そんなことに全く気が付かずに、私は会場前でタクシーを拾うと病院へと急いで戻った。
救急の患者2人を診察して、もう7時過ぎ・・・。
夜勤明けから仮眠そんで、この時間かーーー。
帰り支度をして再度退勤処理を済ませ、医局を出る。
ドーーーーーーン!!ドーーーーーーン!!!
花火の音が聞こえて来る。
丁度、帰ったらクライマックスかな・・。
「よーし、ビールとおつまみ買って急いで帰ろ。」
花火中継見ながら、しっぽり飲みますか!
気を取り直して足早に病院を出る。
病院の出入り口で身長のやけに高い外国人の男性が立っていた。
「・・・ハツネ・・エリカさん?」
片言の日本語で声をかけられた。
・・・え?私??
驚いて振り向くと、ストロベリーブロンドの髪が目の前をサラサラ流れた。
空のようなサファイアの瞳と視線が合う。
そこには、忘れられない顔があった。
「え?・・・夢?・・これ、夢でしょ??」
私は驚きすぎて顎が外れるほど、口が開いていた。
そんな私の阿保顔を青いサファイアの瞳は、嬉しそうに見つめていた。
「やっぱり、ブラックオニキスよりも、・・・ブラックダイアモンドだったかな?」
「え?」
私は驚いた声を上げた。
「あんなに否定してたのにちゃんと可愛いんだもん、エリカは。」
そう言って大好きな笑顔で笑った。
私は、ブルブル震える身体を保つのに必死だった。
「僕は、ルナ=フェナルデイとの未来ではなく、ハツネエリカとの未来を二者択一したんだよ。
僕は、君と一緒にいたいから、生まれ変わってここまで来た。
・・・やっと、君を見つけた!ずーーっと、会いたかった!!!」
嘘だ・・・!!
こんなことってある?!
虹猫・・いや、イムディーナは、二者択一をアルベルト様にも求めていた?
自分の死を選び、私の世界への転生を選択したの?!
「アルベルト様・・。もう馬鹿じゃないの!?国は?民は?カイザルとサイラス可哀想。
どうしてよ・・・。でもみんなごめん。私、めちゃくちゃ嬉しい!!!!」
涙が両目からポロポロと溢れて、下を向く。
本当に馬鹿な人!!
そうだ、忘れていた。
愛した人のために躊躇いもなく自分の命を捨てる人だった。
私との未来を選択してくれた彼に私は何が出来るのだろう。
「でも・・・。私・・。」不安そうな目で彼を見上げる。
「君が僕とずっと一緒に居てくれること!!それ以外はいらない。」
最近、泣いてなかったのに全然涙が止まってくれない。
そんなエリカを見て、アルベルトはエリカの腕を掴み、身体をぎゅっと抱きしめた。
今までの時間や距離が埋まるくらい・・強く。
「なんか・・・久々すぎて、恥ずかしい。」
頭の回路は沸騰中だし、頬が熱くて堪らない。
「そう?僕は君と会えたらこんなもんじゃ済まないと思ってたけど。絶対朝まで離さないから。」
ゾクっと背筋が凍る。
またキャパが振り切れて気絶してしまう想像が頭を過る。
抱きしめる腕の熱さに、心臓が速く打つ。
ふと、現実的な疑問が浮かんだ。
「・・・どうやってここを見つけたの?」
「あ!そうだ・・・。どうしよう・・・。学会の発表すっぽかしちゃった・・・。」
「え?!予防医学の学会のこと・・??発表者だったの?」
「そう、今は王立病院で研究者として研究してるよ。君が日本の医者で頑張ってる!
って情報しかないから生まれた時から勉強漬けで・・。熱心を通り越して研究者になっちゃったよ!」
ははは。流石、本来は近隣諸国に絶賛評判中だった王子様・・・。
ほんとに変わらないなぁ・・。
思い切り声を出して笑う。
愁傷そうな声で、不安気にアルベルトはエリカに二者択一の選択を迫った・・・。
「僕はもう、王子様じゃないけど・・・。こんな僕でもずっと側にいてくれますか?」
私は笑うのを止めて、ゆっくりアルベルトを見上げ微笑んだ。
「・・・勿論!!・・・じゃあ今度は、私が貴方を追いかけて行ってもいい?」
イギリスでも、異世界でも彼のためなら私はどこまでも一緒に行きたい!
「いいよ。でもね、君が来ないなら僕が追いかけるから大丈夫だよ?絶対逃がさないから。
知ってるでしょ?僕の執念深さ。 愛したら死ぬまで一緒にいたいって。
でも、とりあえず花火を見に、夏祭りにでも行こうか?」
「行きます!!」
差し出された手を取って、見つめ合う。
鳴り響く花火の音を聞きながら、私たちは約束を果たしに向かう。
いつの間にか、殺されるほど愛されていた。
殺したいほど、愛すことが出来ました。
虹色の猫が、遠くから静かに二人を見つめていた。
了
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とりあえず完結です。
なんとか無事、書き終わりました。
初めて小説を書きましたが、お陰様で楽しく書き終えることが出来ました!!
感想も励みになりました。
全50話と長くなり、誤字や稚拙な文章でしたが
最後までお付き合いくださり有り難うございました。
シェンブルグも、ルーベリアもこれからです。
勿論、エリカとアルベルトのその先もまたいつか書きたいです。
自分の家に着いた途端「とう!!」とベッドにダイブし、仮眠を貪るのだった。
夢のような異世界転生から、病院のベッドで目を覚ました。
その後、2週間入院して復職し、大忙しの日々に戻っていた。
アルベルトを思い出すと胸が苦しくなった。
夜も彼の夢を見て涙を流すことがあった・・。
あの時の自分の無力さを振り払い、もっと多くの人の命を助けられるようになりたい。
現場で学び、医学書や論文を読み込む日々が続く。
ルナ=フェナルデイはきっとカイザルと幸せな未来を選択出来た、と私は信じていた。
夢のような異世界での時間から半年の時間が過ぎ、季節は真夏になっていた。
ルーベリアでの日々は、今では夢のように思える。
救命救急の現場では日が経つのがあまりに早く、ゆっくりあの世界を思い出す時間も殆どない。
エリカに戻り、胸に下げられたリングのネックレスを見た途端に
大泣きしてしまったが、いつもお守りのように大切に身に着けていた。
「恵里香ー!!見つけた。今夜、予防医学の学会あるんだけど。一緒に行かない?」
同期の田辺智恵理に、学会のパンフレットを手渡された。
ハーブなど薬草を使った治療と、予防医学の観点からの自然との共存を謳った国際学会・・・か。
目を通してみると、特に気になったのがイギリスの王立記念病院の医学博士の講演。
「天然ハーブと終末医療の適応と実践について。」だ。
すんごーく気になる。
「行く!でも携帯が鳴ったら・・・」
「はいはい、病院に直帰ね!了解。大変ね。」ドンマイと、肩を叩かれる。
「ええ。仕事ですから。バリバリ働きます!!」笑顔で同期とランチに繰り出した。
アルベルト以上に好きになれる人は・・・果たしてこれから出来るのは分からない。
彼がルナ=フェナルデイに対してそうだったように。
出会ってみないと、それは分からない。
勤務が終わって私服に着替え、退勤処理を済ませる。
タクシーで智恵理と、学会会場である国際フォーラムを目指す。
「ねえ、珍しいよね?今日浴衣の女性多くない?」
「ああ、ほら。今日は隅田川の花火大会でしょー。みんな浴衣着てる子はそっちに行くんじゃない?」
なるほど・・・。
カレンダー見ないと曜日感覚麻痺ってるわー。。
花火の夜を思い出し、少し胸が痛む。
「今日はこのまま晴れるといいね。」皆が幸せな時間を。。と、心からそう思った。
タクシーを降り、お目当ての予防医学の講義会場に向かう。
と、そこにブブッブッ。「あ、電話。」お決まりの呼び出しコールがかかる。
「ちょっと出てくる!!」携帯を握りしめ、着信が病院であることを確認する。
「絵里香ー!!走ると危ないよー。」友人の制止も聞かずに扉を開けて出ると
ドン。と勢い良く男の人にぶつかり、「すみません!」と謝り通り過ぎた。
走り去る私の姿をずっとその人は見ていた。
そんなことに全く気が付かずに、私は会場前でタクシーを拾うと病院へと急いで戻った。
救急の患者2人を診察して、もう7時過ぎ・・・。
夜勤明けから仮眠そんで、この時間かーーー。
帰り支度をして再度退勤処理を済ませ、医局を出る。
ドーーーーーーン!!ドーーーーーーン!!!
花火の音が聞こえて来る。
丁度、帰ったらクライマックスかな・・。
「よーし、ビールとおつまみ買って急いで帰ろ。」
花火中継見ながら、しっぽり飲みますか!
気を取り直して足早に病院を出る。
病院の出入り口で身長のやけに高い外国人の男性が立っていた。
「・・・ハツネ・・エリカさん?」
片言の日本語で声をかけられた。
・・・え?私??
驚いて振り向くと、ストロベリーブロンドの髪が目の前をサラサラ流れた。
空のようなサファイアの瞳と視線が合う。
そこには、忘れられない顔があった。
「え?・・・夢?・・これ、夢でしょ??」
私は驚きすぎて顎が外れるほど、口が開いていた。
そんな私の阿保顔を青いサファイアの瞳は、嬉しそうに見つめていた。
「やっぱり、ブラックオニキスよりも、・・・ブラックダイアモンドだったかな?」
「え?」
私は驚いた声を上げた。
「あんなに否定してたのにちゃんと可愛いんだもん、エリカは。」
そう言って大好きな笑顔で笑った。
私は、ブルブル震える身体を保つのに必死だった。
「僕は、ルナ=フェナルデイとの未来ではなく、ハツネエリカとの未来を二者択一したんだよ。
僕は、君と一緒にいたいから、生まれ変わってここまで来た。
・・・やっと、君を見つけた!ずーーっと、会いたかった!!!」
嘘だ・・・!!
こんなことってある?!
虹猫・・いや、イムディーナは、二者択一をアルベルト様にも求めていた?
自分の死を選び、私の世界への転生を選択したの?!
「アルベルト様・・。もう馬鹿じゃないの!?国は?民は?カイザルとサイラス可哀想。
どうしてよ・・・。でもみんなごめん。私、めちゃくちゃ嬉しい!!!!」
涙が両目からポロポロと溢れて、下を向く。
本当に馬鹿な人!!
そうだ、忘れていた。
愛した人のために躊躇いもなく自分の命を捨てる人だった。
私との未来を選択してくれた彼に私は何が出来るのだろう。
「でも・・・。私・・。」不安そうな目で彼を見上げる。
「君が僕とずっと一緒に居てくれること!!それ以外はいらない。」
最近、泣いてなかったのに全然涙が止まってくれない。
そんなエリカを見て、アルベルトはエリカの腕を掴み、身体をぎゅっと抱きしめた。
今までの時間や距離が埋まるくらい・・強く。
「なんか・・・久々すぎて、恥ずかしい。」
頭の回路は沸騰中だし、頬が熱くて堪らない。
「そう?僕は君と会えたらこんなもんじゃ済まないと思ってたけど。絶対朝まで離さないから。」
ゾクっと背筋が凍る。
またキャパが振り切れて気絶してしまう想像が頭を過る。
抱きしめる腕の熱さに、心臓が速く打つ。
ふと、現実的な疑問が浮かんだ。
「・・・どうやってここを見つけたの?」
「あ!そうだ・・・。どうしよう・・・。学会の発表すっぽかしちゃった・・・。」
「え?!予防医学の学会のこと・・??発表者だったの?」
「そう、今は王立病院で研究者として研究してるよ。君が日本の医者で頑張ってる!
って情報しかないから生まれた時から勉強漬けで・・。熱心を通り越して研究者になっちゃったよ!」
ははは。流石、本来は近隣諸国に絶賛評判中だった王子様・・・。
ほんとに変わらないなぁ・・。
思い切り声を出して笑う。
愁傷そうな声で、不安気にアルベルトはエリカに二者択一の選択を迫った・・・。
「僕はもう、王子様じゃないけど・・・。こんな僕でもずっと側にいてくれますか?」
私は笑うのを止めて、ゆっくりアルベルトを見上げ微笑んだ。
「・・・勿論!!・・・じゃあ今度は、私が貴方を追いかけて行ってもいい?」
イギリスでも、異世界でも彼のためなら私はどこまでも一緒に行きたい!
「いいよ。でもね、君が来ないなら僕が追いかけるから大丈夫だよ?絶対逃がさないから。
知ってるでしょ?僕の執念深さ。 愛したら死ぬまで一緒にいたいって。
でも、とりあえず花火を見に、夏祭りにでも行こうか?」
「行きます!!」
差し出された手を取って、見つめ合う。
鳴り響く花火の音を聞きながら、私たちは約束を果たしに向かう。
いつの間にか、殺されるほど愛されていた。
殺したいほど、愛すことが出来ました。
虹色の猫が、遠くから静かに二人を見つめていた。
了
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とりあえず完結です。
なんとか無事、書き終わりました。
初めて小説を書きましたが、お陰様で楽しく書き終えることが出来ました!!
感想も励みになりました。
全50話と長くなり、誤字や稚拙な文章でしたが
最後までお付き合いくださり有り難うございました。
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勿論、エリカとアルベルトのその先もまたいつか書きたいです。
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