二者択一で転生した令嬢は将来も選択したい

館花陽月

文字の大きさ
51 / 56
その後

アルベルトはエリカに選択してもらいたい!!

しおりを挟む
イギリスの片田舎にある貴族の豪邸。
ベルナンド公爵の爵位を代々伝える豪奢な城には、日本からとイギリスから集う
大勢の招待客で溢れ、豪華絢爛な式が催される。

アルベルト=ナックス=ベルナンドと、初音絵里香の結婚式が執り行われようとしていた。

「アルベルト教授・・。結婚なさるんですね・・・。あー、目の保養が・・。」

「エリカが結婚するなんて、信じられないよね・・。仕事が恋人って言ってなかった?」

「うん、寄ってくる男性を蹴散らしていたイメージだけど・・。」

「でも、アルベルト教授、ほぼ研究室に泊まり込んでいて、出会いなんてなさそうですよね?」

「日本人らしいよ。昨年の日本での講演会で運命的な出会いがあったって聞いた!」

「王立病院の救命救急で働く予定の女医さんだって!!アルベルトすごいよな。」

招待客で湧く、挙式予定のガーデンには国際性が高い様々な賓客が、新郎・新婦の話で
盛り上がりを見せていた。

・・みんな言いたい放題なのであった。

庭の片隅にあるテーブルセットの脇に、眩い猫がちょこんと座ってその光景を見ていた。

「おめでとう。エリカ、アルベルト・・・末永く幸せに。」

猫は二人の結婚を祝福し、空に虹を架けた。


城の庭園に設けたガーデンチャペルの前には、入場を待つ二人が静かに時を待っていた。

「アルベルト様!!虹が見えます!!」

エリカはパールとスワロフスキーで華やかに飾られた、真っ白なプリンセスラインのドレスを身に纏っていた。
首にはアルベルトの瞳の色であるサファイアの首飾りと、友人から借りたサムシングブルーのイヤリング。
シルクの手袋を両腕にはめ、黒い艶やかな髪はアップスタイルにまとめ、真珠の簪と真珠のティアラを
頭に乗せていた。

美しいベールはレースが繊細に編み込まれ、所々にクリスタルを使いキラキラと輝いていた。

虹を指さすエリカは可愛らしくて、天使も嫉妬するのではないかと思うほど、神々しかった。

「ねぇ・・・。エリカ、やっぱ辞めない?」

「え?何をです?」

「みんなに見せたくないんだよね・・。エリカを閉じ込めて置きたい・・・。
綺麗なエリカを見られて、記憶に残して欲しくもない・・・。
転生しても、嫉妬深い性質は変わらないよね。
いや、でも・・・エリカの親御さんも来てるし・・・うーん。」

ブツブツ呟いているアルベルトは、真っ白なタキシードに青い美しいタイ。
そのタイを留める石には、ブラックダイアモンドの石を使いシックにコーディネートしていた。

麗しい美貌で、完璧なスーツ姿のアルベルトのほうが素敵なのに・・・。

「私のほうが、パーフェクトな貴方の隣に並んで歩くのも恐縮するんですよ!!
視線で刺殺されそうで不安なくらいなのに・・。」

ぷうっと頬を膨らますエリカが可愛すぎて、アルベルトは腰を引いてキスを落とした。

「・・・っ。アルベルト様?!式が終わる前に口紅が落ちます!!
もう、式の時くらい我慢なさってください!」

「無理!!誓いのキスは思い切り見せつけてやろうね。
エリカは僕の物だってみんなに知らしめなきゃね!!」

ニヤリと企んだ顔でほほ笑む、麗しの元王子に・・私はドキドキさせられっ放しなのだ。


「式が終わったら、どうぞ閉じ込めてくださいね。・・私はもう貴方のものですよ?」

と、仕返しに囁くと、アルベルトは耳まで真っ赤になって潤んでしまった。

その後のアルベルトの暴走は、凄まじく・・・・。

近いのキスは神父が何度も咳払いしているのに、1分以上離してくれず、
招いた客で私に触れた男性には呪いを唱え、・・無茶苦茶だった。

「絵里香、あんた・・すんごい愛されてるんだね。あんなに格好いいのに・・残念だよね・・。」

同期の智恵理が引き気味で私に話しかけられるけど・・・笑ってやり過ごした。

幸せそうに笑うアルベルトを見ていると、そんなことどうでも良い事に思えてくる。

愛している人と、同じ世界で生きていられる幸せ以上に幸せな事はない!と私は胸を張って言える。


式が終わると、招待客の見送りも最後まで終わらない内からアルベルトに寝室に連れ去られていた。

「ねぇ、エリカ。さっきの約束守ってもらうよ?」と、寝室の鍵をガチャリと閉められ、

「あの、アルベルト様・・・。そのお手柔らかにお願いします・・ね?」

言い終わる前にエリカの携帯を手に

「患者よりも今日(明日)は、僕を選んで!」と笑顔で囁き、携帯の電源をオフに切られた。

「ア。。アルベ・・・」噛みつくようなキスで口を塞がれて、そのキスは項から鎖骨へと下がる。

式の間中、我慢を続けていたアルベルトに器用にドレスを脱がされたのだった。

「アルベルト様・・・もう・・・無理です・・。」

「・・・もう一回だけ!!」

寝室から何度も聞こえた声が翌朝になっても、次の日の昼になっても止まなかったのであった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

処理中です...