転生伯爵令嬢は、裏切り者からの寵愛に戸惑う。

館花陽月

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騎士団との旅立ち。

遠征の旅路。②

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美しいプラチナブロンドの髪に、薄いコバルトブルー色の瞳を持つ長身の男性が
私を見付けて、瞳を輝かせた。

「まさか!?
・・・ア、アルノルドお兄様なの?!!!」

私は、同じ色の瞳を大きく見開いて兄の元へと駆けた。

隣国のマルダリア王国の王太子付きの精鋭である兄にこんな所で会えるなんて・・!!

「シア・・。本物のアレクシアなんだね・・!!
うわぁ、会えて嬉しいよ!!」

兄は、久々の再会に興奮気味に私の手を取った。

「アレクシア様のお兄様なんですね・・。
よく似てらっしゃるわぁ。」

「アレクシア様の男性バージョンですわね。
なるほど・・。」

急な兄の登場に、侍女達も驚いた様子だった。

レオが感激して大騒ぎをしていた私達を見つけてやって来た。

「シア、どうしたんだ・・??
・・アルノルド様!!何故このような所に!??
事前に言って下されば・・、宮殿の方へお招きしましたのに。」

「王太子殿下のお供でやって来ただけなんです。
シア、レオノール様・・。
急な外交だったので連絡出来ずにすまないな。
でも、こうして会えるなんて思ってもみなかったよ!!2人とも、元気そうだね?」

「お兄様こそ!!お元気そうで何よりですわ。
お父様達からも、便せん15枚程度の熱いお手紙をほぼ毎日頂いておりますわ!!」

「相変わらず、過保護だな。あの父は・・。」

レオも、兄も苦笑気味に笑っていた。

「アルノルド・・。アルノルド!?何処にいる?」

凛々しい表情を浮かべたエヴァンが質素な服装で現れたのだった

「そこに居たのか。探したんだぞ。
貴方は、・・まさか、アレクシア嬢ではないか!?」

いつも、威厳と尊厳の塊みたいなエヴァン様しか見たことがなかったので
笑顔に驚いた私は目をパチクリしていた。

「・・レオノール殿もいらしたのか。こんな所でお会いするとは・・・・。」

私の隣のレオに視線を向けると人懐っこい表情で笑った。

こんな表情も出来るのね・・・。

色素の薄いミルクティのような髪。

爽やかな笑顔。

柔軟剤のような柔らかさ!!

まさに、洗濯王子の兄!!

よく見るとユヴェールとは異なる種類の美形だわね・・。

美形王子のロイヤルストレートフラッシュだわ!!

・・紫外線A波並みに眩しいわ。

「ご無沙汰しております、エヴァン様。
マルダリア王国での一件では大変お世話になりました。」

「とんでもない!!
我が国でのあのような失態・・。
レオノール殿や、リオルグ様にはご迷惑をおかけして申し訳なかった。
それに、アレクシア嬢にも沢山怖い想いをさせてしまって・・・。
心からお詫びしたいと思っておりました。」


「・・・そんな!!滅相もないです。
私はこの通り元気でピンピンしておりますので
どうかお気になさらず!!
それにしても、何故王太子殿下がこんな所へいらしたのですか??」


「私達は・・。
薬を手に入れる為にここに参りました。
この所、父であるマルダリア国王が体調を壊してしまいまして・・・。」


エヴァンは、よく見ると少し垂れ目碧色の瞳を細めてため息をついた。

「お薬ですか??
マルダリアも医療は発展している国ですよね・・。
アルトハルトまで買い付けにくるなんて余程ご容態が悪いのですか??」


不安に思いエヴァンに問うと、困惑した表情で深く頷いた。

「エヴァン殿・・。それは心配だな。
もし、薬が効かないようなら・・。
こちらから優秀なファーマシストを派遣するので遠慮なく言ってくれ。」


「本当ですか??アルトハルトの薬は、神力の力も絶大でどんな病でもほぼ完治するのだと
聞いております。もしもの時は、そのお言葉に甘えさせていただきます。」

エヴァンは顔色を明るくして頷いた。

アルノルドもパッと瞳が明るくなって嬉しそうに笑った。

「あの、ユヴェールはこのことは・・。」

私は小声で、エヴァンに耳打ちした。

「まだ知らせてはおりません・・。留学中のユヴェールに心配をかける訳にはいかないと
思い、私が自らこちらに出向いた所存です。」


「そうなんですか・・。
あの、お父様の具合が一日でも早く良くなりますようにお祈り申し上げます!!」

「温かいお言葉有難うございます。
アレクシア嬢は、ファーマシストとして大変優秀だと聞き及んでおります。
もし、父に何かあった際は是非マルダリアに貴方の力を貸して頂けたら嬉しいです。」

「勿論ですわ・・!!
その時は、祖国の王様のお命を救うために力を尽くさせてくださいね!!」

ヒールのブーツを穿いた私より、少しだけ背の高いエヴァンが明るく微笑んだ。

お父様がご病気で大変な中、公務も治療もとなると目の回るような忙しさだろう。

出発の用意が出来た連絡が入り、私は兄とエヴァンと向き合った。

「お兄様、名残惜しいですが。それではまた・・。」

「ああ、アレクシアも元気で・・!!
レオノール様、妹をくれぐれも・・。宜しくお願いしますね!?」

握った握手の圧が強いようで、レオは少しだけ顔を顰めた。

「また何かあれば、いつでもご連絡を。
アルノルド様、エヴァン殿下それでは失礼いたします。」


別れて馬車に向かい歩いていく道で、ハッと私は何か違和感に気づいた。


・・・何だろう。


「レオノール様ぁぁっ。
もうっ、一体どちらにいらしていたんですか??
私、貴方を必死でお探ししておりましたのに・・!!」

ドカッ・・。

・・痛っ!

レオの隣を歩いていた私が押しどかされた。

「・・まぁ。アレクシア様に何て無礼を・・。
あの女狐王女、許せませんわっ!!」

ミリアは表情を露わに吹き飛ばされた私の身体を起こしてくれた。


必死の形相のアイーネの登場で、一瞬反らされた注意にため息をついた。

「有難うミリア。わたしは大丈夫よ!!
ついでに女狐じゃなくてあれは女豹よ。
次は、殺られたら殺り返すわ!!
今度は私からヒップアタックしてやるわよ。」

「その意気ですわ。アレクシア様!!
私のお尻で宜しければいつでもお貸ししますわぁ!!」

「あの女、許せませんね・・・。
アレクシア様が手を下さずとも。わたくしが氷山に
鎮めるくらいは容易い事なのでいつでもご命じください!!」


「・・忘れてるようだけど、一応ザイードの王女殿下だから
この国の賓客よ?二人とも・・。」

2人の物騒な侍女達のお陰で少しだけ笑顔になった。


私は立ち上がると、少しだけ胸騒ぎがして
兄達の方を振り返るとその姿は見えなくなっていた・・。

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