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マルダリア王国の異変。
明かされた母の想い。④
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「・・・あっ、シルヴィア??どうしたの??」
銀糸の長い髪を揺らしたエーテルは、不安そうに急に走り出した神獣のシルヴィアを目で追った。
「ヒヒヒンっ・・。ヒンッ。」
紫色の身体で一角獣の角を月の方向に掲げたシルヴィアは、1匹の神獣の到来を予感して蹄を高く上げると駆けて行った。
ピクッと、顔を上げたシリウスも同じ方向へと視線を向けた。
「グルッガルルル・・・。ガォッ。」
銀色の美しい狼が天を駆るように走って現れた。
「クリスお兄様の。
まさか兄様に何かあったのかしら!?」
シルヴィアと共に、銀狼の元へと駆けたエーテルは青ざめた表情で使いの銀狼の首を撫でた。
まさか・・。お兄様とユヴェール王子に何かが
起こったの??」
「ガルッ・・。ガルルルル・・・。」
息を切らしながら唸りを上げた神獣の言葉に、エーテルが顔色を悪くしたまま赤い瞳を鋭くした。
「案じた通りだったの!?ユヴェールと、クリスは、あの王城で既に捕らえられてしまったのだろう?」
カイルは、金色の瞳を凝らしてエーテルと銀狼を見つめた。
私達の視線もエーテルに集中していた。
「確かに・・。捕らえられたのは間違いなさそうです。しかし、兄からは・・。どうやら我々に伝えて欲しい頼み事を託されたようです!!」
「ああ、まぁなー・・。
あのクリスだもんなぁ。・・余裕だろ?」
ルカの言葉に、少しだけ安堵の表情を見せたエーテルにレオが、ふっと笑うとエーテルの側へと近づいた。
「そうだろうな。
さて、俺たちは何を準備すれば良いんだ??
すぐにそいつを手配しよう。
クリスの方から作戦があるようだが。決行の予定時刻はいつになる??」
「明日の深夜が決行時刻になると・・。そうこの子は申しておりますわ!」
緊張気味に輝いた赤い瞳は揺れていた。
「さてと、必要な薬は俺が作るぜぇ!!
クリスだけにいい所を持ってかれたら
癪だからなぁ。
・・・エーテル、俺の作業を手伝ってくれ。」
少し震えたエーテルの肩をレオが優しく抱き留めると、その力強い手に、エーテルは紅い瞳を大きく見開いて驚いた様子で見上げた。
「・・痛いですってば。解りましたわ・・!!」
「レオ、お前の神獣を召喚する。だけど、ここじゃ駄目だ!!見えないように神力で覆ってはいるが、アルスタイン侯爵邸の書斎に場所を移すぞ。」
落ち着いたエヴァンの言葉にレオは深く頷いた。
シリウスは、穏やかな表情でレオの側に寄り添うように着いてきた。
私も、その瞬間を見届ける為にクラブハウスサンドを5つ(お盆も)食べ終えたエリザベートを抱きかかえると、書斎へと急いだ。
「イヴは、逃げたか・・。まさか、あの王城へ?
あいつ、大丈夫なんでしょうか。」
「無念だ。彼女一人、・・止めることが出来なかったよ。」
「でも、あいつは・・。
貴方の事を考えて、常に行動をしているはずです。イヴにも、理由や考えがあるはずですよ!!
最後には必ず、イヴはダラス様を助けてくれると僕は信じています!!」
カイルは、エヴァンに視線を寄越すとエヴァンはその言葉に表情を変えずに黙って首を横に振った。
「今は、あちらの思惑通りに操られているようだ。
自由になって欲しいのにな・・。この戦いには巻き込みたくなかったよ。・・・私の、イヴ。」
ミルクティ色の髪が月に照らされて銀色に輝いていた。エヴァンは青い瞳を細めて月を見上げると、切なそうに笑った。
カイルは不安そうにエヴァンの見上げている月を見て唇を震わせていた。
「ああぁぁぁ!?やばいじゃないのこれっ!?お父様に怒られちゃうじゃないか・・。」
三階の寝室から庭を見下ろしたクロードが情けない声で叫んでいた。
めちゃめちゃに木々や草花がなぎ倒された
哀れな庭の様子に頭を抱えてその場に座り込んだ。
「・・・一体どうしたら、うちの自慢の庭園が・・。こんなに無残な姿になっちゃう訳!?」
「ああ。ええとねぇ・・。
・・天災よ???急に強い風と雨がねぇ・・。
いや、大きな地震の到来だったかしら??
あっそうだ!!巨大な怪獣が出て来て、ここで戦いごっこをして・・。」
「あり得ないでしょ??
そんなの、全部違うよ!?
僕への復讐にレオが嫌がらせでもしたんじゃないの??」
膨れっ面で、大して可愛くもないクロードが大きな声で喚き散らしていた。
でも、言うても。
最期の怪獣が出て戦いごっこは正解なんだけどな・・。
「復讐って、私に口づけをしようとした最低最悪の悪行の報復にクロードのお父様の屋敷の庭園を?
レオが嫌がらせに壊したと??・・はぁ。
ちなみに聞くけど、正気??」
私は、苦く笑いながらパニックに陥っているクロードを宥めていた。
「だってさぁ・・。
たった数時間でこんなの可笑しいでしょ!?
レオって奴はさ、君と僕が思い合っていた頃から何かと突っかかって邪魔ばかりして嫌がらせをしてきてたしっ・・。」
「・・はい。ちょっとストップね?
一度たりとも思い合った試しがないし、全く心当たりのないエピソードなんだけど!?
クロード、混乱するのは解るけど頼むから事実だけを言ってね??」
ブツブツ、夢か妄想か解らない戯言を呟いているクロードの後ろでコソっと宵闇を駆け抜けるエーテルの神獣の姿が見えた。
金色の粉を振りまいて美しい紫色の身体をくるくると回転させると、木々たちが元の形へと姿を変えていく。
もう1匹、ルーカスの神獣バイコーンも、2角の角を揺らして銀色の粉を降り注ぐと潰された花々が
月の光のなかで幻想的に照らされていた。
粉がかかった花々は、瑞々しい蕾を開いて花開いていく。
金色と銀色の粉が舞い散る光景はそれは、見たこともないくらいに美しかった。
エーテルとルカと目が合った私は薄く微笑んで有難うと目で伝えた。
去ろうとするシルヴィアの背中に馬乗りになろうとするバイコーンを、ルカが困った表情で見上げていたので私はプッと笑ってしまった。
「ねぇ?聞いてるの?
シア、僕はレオに対する不信感が・・。」
「どうした?クロード。
お前の自慢の庭がどうした?不信感って何だ??」
金色の髪をサラッと揺らして現れたレオは、少しクロードよりも高い目線で口角を上げて微笑んでいた。
「だからっ・・。レオ達が来てからさぁ。
僕の邸の自慢の庭園が壊れて荒らされ・・・。って、えええっ!?何で・・。
何が、どうなってるんだ??」
淡い明かりに照らされて輝く庭が、そこには元通りに美しく佇んでいた。
眼を白黒させたクロードの様子に私は、噴出しそうになると横に並んだレオに顔を引っ張られた。
「アルスタイン侯爵邸の庭園は、マルダリア王国1と言ってもいいほど綺麗だな。特に今夜のように、月の美しい夜はまた格別だ。
・・そう、侯爵にもお伝え願いたいものだな?」
悪戯っ子のような表情で私を見下ろすレオの瞳と目が合った私は、久しぶりに胸が速いだ気がした。
青い美しい瞳に吸い込まれそうになる・・。
「時にシア。
・・頼むから、元婚約者と一緒にいないでくれないか??今すぐにでもシアを自分の腕の中に
閉じ込めておきたくなってしまうからな。」
「・・夜更けにそんな気障な事言わないでよ??
クロードはそんなんじゃないでしょう?
レオの眼中にも無かったくせにっ!!」
そこに、落ち着きを取り戻したクロードが乱入してきた。
「・・・はぁ。何だよ??元婚約者がいるのにラブシーン??シアは昔は僕の物だったんだ!!
それを、アルトハルトの天子が職権乱用で奪ったんだろ??地位を翳して横取りしといてさぁ・・。」
「まぁな・・。
婚約者と言う肩書だけあったお前が、今さら何を言っても眼中にはないが??
浮気性だったお前が悪いんだろう?
シアが幸せじゃないなら、俺は最初から掻っ攫うつもりだったからな。俺には最初から最後の瞬間まで、シアしかいらないからな。
お前とは次元が違うんだ・・。」
私はカッと赤くなった頬の熱に心臓が大きく高鳴っていた。
蛍光灯王子が月夜の光を浴びてLED王子に見える!?まさか、進化したの?
エリザベートみたいに進化しちゃった系!?
何だか恥ずかしいし!!
こんなにレオが嫉妬深いなんて、全然知らなかったわよ・・!?
「・・・うわあ、確かに鈍いな。
アレクシア嬢は怖いくらいに愚鈍なようだね?
レオノール君に深く同情しちゃうな・・。」
後ろにいたエヴァンが哀れな表情でレオを見ていた。
「・・エヴァン様の聞く力を、シアが授かってくれれたらいいんですが。・・シアの場合は聞く力があっても恥ずかしがって認めない挙げ句、全力で俺から逃げ出しそうで・・。
・・何だ?永遠の片想いな気がするな。」
「何か前にも増して、・・・レオったらアグレッシブじゃない??何故か僕が恥ずかしくなるんだけど!!」
「まぁ・・。
今は婚約者と、元婚約者の争いよりも神獣召喚ですよね??レオノール君。アレクシア嬢、サラマンダーを連れて書斎へ・・。
エリアスがシリウスと共に貴方を待ってますよ?」
私達は、目を見合わせるとレオがそっと私の手に触れた。
驚いて見上げたレオの蒼い瞳には愛しい者を慈しむ表情が宿っていた。
「シア・・。力を貸してくれないか??
母上とシリウスと、エリアスの想いを知っている
シアがいれば。
きっと今度こそ、俺の神獣を召喚出来るんじゃないかって。そんな奇跡を俺は期待している・・。」
「シリウスが現れたのは、奇跡じゃないわ。
みんなの想いがシリウスをここに導いてくれたんだって私は知った。
必ずレオの神獣は、現れてくれるって私も信じてるわよ?レムリア様が願った。この世界を救うであろう、偉大な天帝となるレオに相応しい神獣を召喚しましょう!!」
その言葉に、レオは瞳を瞬かせて私を見下ろした。
繋いだ手の熱さを感じた私は、その手をぎゅうっと強く握った。
銀糸の長い髪を揺らしたエーテルは、不安そうに急に走り出した神獣のシルヴィアを目で追った。
「ヒヒヒンっ・・。ヒンッ。」
紫色の身体で一角獣の角を月の方向に掲げたシルヴィアは、1匹の神獣の到来を予感して蹄を高く上げると駆けて行った。
ピクッと、顔を上げたシリウスも同じ方向へと視線を向けた。
「グルッガルルル・・・。ガォッ。」
銀色の美しい狼が天を駆るように走って現れた。
「クリスお兄様の。
まさか兄様に何かあったのかしら!?」
シルヴィアと共に、銀狼の元へと駆けたエーテルは青ざめた表情で使いの銀狼の首を撫でた。
まさか・・。お兄様とユヴェール王子に何かが
起こったの??」
「ガルッ・・。ガルルルル・・・。」
息を切らしながら唸りを上げた神獣の言葉に、エーテルが顔色を悪くしたまま赤い瞳を鋭くした。
「案じた通りだったの!?ユヴェールと、クリスは、あの王城で既に捕らえられてしまったのだろう?」
カイルは、金色の瞳を凝らしてエーテルと銀狼を見つめた。
私達の視線もエーテルに集中していた。
「確かに・・。捕らえられたのは間違いなさそうです。しかし、兄からは・・。どうやら我々に伝えて欲しい頼み事を託されたようです!!」
「ああ、まぁなー・・。
あのクリスだもんなぁ。・・余裕だろ?」
ルカの言葉に、少しだけ安堵の表情を見せたエーテルにレオが、ふっと笑うとエーテルの側へと近づいた。
「そうだろうな。
さて、俺たちは何を準備すれば良いんだ??
すぐにそいつを手配しよう。
クリスの方から作戦があるようだが。決行の予定時刻はいつになる??」
「明日の深夜が決行時刻になると・・。そうこの子は申しておりますわ!」
緊張気味に輝いた赤い瞳は揺れていた。
「さてと、必要な薬は俺が作るぜぇ!!
クリスだけにいい所を持ってかれたら
癪だからなぁ。
・・・エーテル、俺の作業を手伝ってくれ。」
少し震えたエーテルの肩をレオが優しく抱き留めると、その力強い手に、エーテルは紅い瞳を大きく見開いて驚いた様子で見上げた。
「・・痛いですってば。解りましたわ・・!!」
「レオ、お前の神獣を召喚する。だけど、ここじゃ駄目だ!!見えないように神力で覆ってはいるが、アルスタイン侯爵邸の書斎に場所を移すぞ。」
落ち着いたエヴァンの言葉にレオは深く頷いた。
シリウスは、穏やかな表情でレオの側に寄り添うように着いてきた。
私も、その瞬間を見届ける為にクラブハウスサンドを5つ(お盆も)食べ終えたエリザベートを抱きかかえると、書斎へと急いだ。
「イヴは、逃げたか・・。まさか、あの王城へ?
あいつ、大丈夫なんでしょうか。」
「無念だ。彼女一人、・・止めることが出来なかったよ。」
「でも、あいつは・・。
貴方の事を考えて、常に行動をしているはずです。イヴにも、理由や考えがあるはずですよ!!
最後には必ず、イヴはダラス様を助けてくれると僕は信じています!!」
カイルは、エヴァンに視線を寄越すとエヴァンはその言葉に表情を変えずに黙って首を横に振った。
「今は、あちらの思惑通りに操られているようだ。
自由になって欲しいのにな・・。この戦いには巻き込みたくなかったよ。・・・私の、イヴ。」
ミルクティ色の髪が月に照らされて銀色に輝いていた。エヴァンは青い瞳を細めて月を見上げると、切なそうに笑った。
カイルは不安そうにエヴァンの見上げている月を見て唇を震わせていた。
「ああぁぁぁ!?やばいじゃないのこれっ!?お父様に怒られちゃうじゃないか・・。」
三階の寝室から庭を見下ろしたクロードが情けない声で叫んでいた。
めちゃめちゃに木々や草花がなぎ倒された
哀れな庭の様子に頭を抱えてその場に座り込んだ。
「・・・一体どうしたら、うちの自慢の庭園が・・。こんなに無残な姿になっちゃう訳!?」
「ああ。ええとねぇ・・。
・・天災よ???急に強い風と雨がねぇ・・。
いや、大きな地震の到来だったかしら??
あっそうだ!!巨大な怪獣が出て来て、ここで戦いごっこをして・・。」
「あり得ないでしょ??
そんなの、全部違うよ!?
僕への復讐にレオが嫌がらせでもしたんじゃないの??」
膨れっ面で、大して可愛くもないクロードが大きな声で喚き散らしていた。
でも、言うても。
最期の怪獣が出て戦いごっこは正解なんだけどな・・。
「復讐って、私に口づけをしようとした最低最悪の悪行の報復にクロードのお父様の屋敷の庭園を?
レオが嫌がらせに壊したと??・・はぁ。
ちなみに聞くけど、正気??」
私は、苦く笑いながらパニックに陥っているクロードを宥めていた。
「だってさぁ・・。
たった数時間でこんなの可笑しいでしょ!?
レオって奴はさ、君と僕が思い合っていた頃から何かと突っかかって邪魔ばかりして嫌がらせをしてきてたしっ・・。」
「・・はい。ちょっとストップね?
一度たりとも思い合った試しがないし、全く心当たりのないエピソードなんだけど!?
クロード、混乱するのは解るけど頼むから事実だけを言ってね??」
ブツブツ、夢か妄想か解らない戯言を呟いているクロードの後ろでコソっと宵闇を駆け抜けるエーテルの神獣の姿が見えた。
金色の粉を振りまいて美しい紫色の身体をくるくると回転させると、木々たちが元の形へと姿を変えていく。
もう1匹、ルーカスの神獣バイコーンも、2角の角を揺らして銀色の粉を降り注ぐと潰された花々が
月の光のなかで幻想的に照らされていた。
粉がかかった花々は、瑞々しい蕾を開いて花開いていく。
金色と銀色の粉が舞い散る光景はそれは、見たこともないくらいに美しかった。
エーテルとルカと目が合った私は薄く微笑んで有難うと目で伝えた。
去ろうとするシルヴィアの背中に馬乗りになろうとするバイコーンを、ルカが困った表情で見上げていたので私はプッと笑ってしまった。
「ねぇ?聞いてるの?
シア、僕はレオに対する不信感が・・。」
「どうした?クロード。
お前の自慢の庭がどうした?不信感って何だ??」
金色の髪をサラッと揺らして現れたレオは、少しクロードよりも高い目線で口角を上げて微笑んでいた。
「だからっ・・。レオ達が来てからさぁ。
僕の邸の自慢の庭園が壊れて荒らされ・・・。って、えええっ!?何で・・。
何が、どうなってるんだ??」
淡い明かりに照らされて輝く庭が、そこには元通りに美しく佇んでいた。
眼を白黒させたクロードの様子に私は、噴出しそうになると横に並んだレオに顔を引っ張られた。
「アルスタイン侯爵邸の庭園は、マルダリア王国1と言ってもいいほど綺麗だな。特に今夜のように、月の美しい夜はまた格別だ。
・・そう、侯爵にもお伝え願いたいものだな?」
悪戯っ子のような表情で私を見下ろすレオの瞳と目が合った私は、久しぶりに胸が速いだ気がした。
青い美しい瞳に吸い込まれそうになる・・。
「時にシア。
・・頼むから、元婚約者と一緒にいないでくれないか??今すぐにでもシアを自分の腕の中に
閉じ込めておきたくなってしまうからな。」
「・・夜更けにそんな気障な事言わないでよ??
クロードはそんなんじゃないでしょう?
レオの眼中にも無かったくせにっ!!」
そこに、落ち着きを取り戻したクロードが乱入してきた。
「・・・はぁ。何だよ??元婚約者がいるのにラブシーン??シアは昔は僕の物だったんだ!!
それを、アルトハルトの天子が職権乱用で奪ったんだろ??地位を翳して横取りしといてさぁ・・。」
「まぁな・・。
婚約者と言う肩書だけあったお前が、今さら何を言っても眼中にはないが??
浮気性だったお前が悪いんだろう?
シアが幸せじゃないなら、俺は最初から掻っ攫うつもりだったからな。俺には最初から最後の瞬間まで、シアしかいらないからな。
お前とは次元が違うんだ・・。」
私はカッと赤くなった頬の熱に心臓が大きく高鳴っていた。
蛍光灯王子が月夜の光を浴びてLED王子に見える!?まさか、進化したの?
エリザベートみたいに進化しちゃった系!?
何だか恥ずかしいし!!
こんなにレオが嫉妬深いなんて、全然知らなかったわよ・・!?
「・・・うわあ、確かに鈍いな。
アレクシア嬢は怖いくらいに愚鈍なようだね?
レオノール君に深く同情しちゃうな・・。」
後ろにいたエヴァンが哀れな表情でレオを見ていた。
「・・エヴァン様の聞く力を、シアが授かってくれれたらいいんですが。・・シアの場合は聞く力があっても恥ずかしがって認めない挙げ句、全力で俺から逃げ出しそうで・・。
・・何だ?永遠の片想いな気がするな。」
「何か前にも増して、・・・レオったらアグレッシブじゃない??何故か僕が恥ずかしくなるんだけど!!」
「まぁ・・。
今は婚約者と、元婚約者の争いよりも神獣召喚ですよね??レオノール君。アレクシア嬢、サラマンダーを連れて書斎へ・・。
エリアスがシリウスと共に貴方を待ってますよ?」
私達は、目を見合わせるとレオがそっと私の手に触れた。
驚いて見上げたレオの蒼い瞳には愛しい者を慈しむ表情が宿っていた。
「シア・・。力を貸してくれないか??
母上とシリウスと、エリアスの想いを知っている
シアがいれば。
きっと今度こそ、俺の神獣を召喚出来るんじゃないかって。そんな奇跡を俺は期待している・・。」
「シリウスが現れたのは、奇跡じゃないわ。
みんなの想いがシリウスをここに導いてくれたんだって私は知った。
必ずレオの神獣は、現れてくれるって私も信じてるわよ?レムリア様が願った。この世界を救うであろう、偉大な天帝となるレオに相応しい神獣を召喚しましょう!!」
その言葉に、レオは瞳を瞬かせて私を見下ろした。
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