転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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異世界

入団希望です!

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他の2人のご令嬢達は期待していた分、衝撃が大きすぎたようだった・・・。
ロレーヌ様は泣きながら走り去り、メルダ様は床に座り込んでしまう始末。

断固阻止でしょう!
ここは、私が戦うことに決めました!!


「ランドル様、お言葉ですが・・貴方様の生涯の伴侶を決める動機が理解しかねますわ?」

「・・・何か、問題でも?」

澄ました笑顔のランドルは、私に挑戦的な笑みでほほ笑む。

「自分と結婚したくない女性を妻にして、貴方様にメリットなど1つもないでしょう?」

「私の、ステイタスに釣られて群がる令嬢と結婚すれば、幸せになれるの?その根拠は?」

むうっとふくれっ面の私を見て、ランドルは微笑む。

「私は、君が良いと思った。初めて興味を持った女性なんだよ。自分から、初めて口づ・・・。」

・・・・バシン!!!

背中を叩かれたランドルは、痛そうに背中を擦る。

座り込んでいたメルダ様も、驚いてこちらを見ていた。
油断も隙もない男だったのを忘れていたわ。危ない危ない・・。

「・・兎に角、私はどうしても結婚したく・・いや、出来ない理由が出来たので、ご辞退
させて頂きます。」

「辞退?・・・それは、どんな理由かな?」

氷点下まで下がったような冷えた笑顔で私を見つめるランドルに恐怖を感じた。

「私、魔術師団に入って強くなりたいのです!!今度は自分を守りたいんです。どんな相手に
襲われても・・逃げずに、蹴散らすぐらいの力が欲しいのです。」

その言葉に驚いた表情を見せたランドルは、少し考え込んでいた。
私の真剣な表情を見て、私に問う。

「魔術師団の入団テストは3か月後だけど・・。
それよりも早く入団する方法があるんだけど。知っている?」

「確か・・。魔術師団の各師団長から認められれば入団出来ると・・。」

ローザに聞いた話を思い出しながら、ゆっくりと答える。
座り込んでいたメルダ様が急に立ち上がり、ガシッと私の肩を掴んだ!!

「セレーナ様!?魔術師団の各師団長って仰いましたよね?!
目の前に師団長ならいらっしゃるじゃないですか!!」

「・・・・は?メルダ様ですか?!」

「惚けた事言ってるんじゃないですわよ!ランドル様に決まってますでしょう!?」

怖っ!!メルダ様のキャラクターが随分と変わられた・・・って。

あれ?

ちょっと待って、魔法師団長がランダルって言った?!


こちらを静かに見下ろすランドルが、腰を抜かしそうな私を抱きとめて告げた。

「そうだよ。私は魔術師団の第1師団の師団長を務めている。
君の属性は光、水、風、火の4属性だった。
そもそも、4属性を操れる者は、師団長クラスでも私以外はいない・・。
君は将来、魔術師団総長を競い合える程の能力の持ち主だった。
妻よりも、師団にスカウトしたいと思ったが・・・、それは止めとこう。」

「えっ!?ちょっと何で?
能力が高いのなら入れて下さい!!止めるの止めて。」

私は焦って、ランダルの腕にしがみ付いていた。

「魔術師団は変態の巣窟だよ。男も多いし、絶対セレーナに群がる・・。
そんなの耐えられない。・・・婚約者として、入団は許可出来ない・・。」

いつの間に婚約者で確定したんだよ!
変態なのは、貴方・・。

しかし、千載一遇のチャンス逃がす訳には行かない!!

「魔法の能力と自分の私的感情をごっちゃにしないでよ。
先週、お義兄様が怪我をしたの・・。私のせいで怪我をしたのかもしれないの・・。
強くなって、今度は逃げないで戦いたいのよ。お願い!ランドル!!」

私は精一杯の思いを込めて頭を下げた。
メルダ様も、只ならぬ雰囲気に心配そうに黙って見つめている。

「入団したら、君とは将来ライバルになるかもしれないな・・。
でも、君の凄まじい魔力は埋もれさせて置くには惜しい。」

一呼吸置いて、ランドルは微笑んだ。

「・・・いいだろう、入団を許可するよ。」

艶やかに笑むランドルに、セレーナは興奮して抱き着く。

「本当に!?めちゃくちゃ嬉しいわ!有難とう、ランドルー!!」

「あの・・セレーナ、その、喜んでくれて・・良かった。一緒に頑張ろう。」

嬉しそうにほほ笑むセレーナに、ランドルは耳まで真っ赤になって固まっていた。
自分から散々、仕掛けるくせに相手のスキンシップには弱いランドルだった。

メルダ様も嬉しそうに笑うと、ドレスの膝をパンパンと払い、
外に停めてある家の馬車までスタスタと歩いて行った。


「それで、条件があるんだけど。・・・いいかな?」

「条件?!何かしら・・?」

「僕の婚約者として側にいて欲しい。君をあの魔窟に生身で放り込むのは心配なんだ。」

「で、でも、魔術師団は結婚しなくても良いのでしょう?」

「確かに、年頃で結婚していなくても何も言われないよ、能力選抜の特権階級だからね。
でも、僕も女性が群がって困っているんだ・・。
いつか君が私に勝ったら、この婚約を解消するってのはどうかな?」

「えっ、だって私・・。初心者よ?貴方はすでに師団長なんでしょう?」

「そうだね。でも、君の魔力は私以上かもしれない・・。
得体が知れない魔法量だった。
いつか魔術師団の一番上の総長の座を競って、私が負けたら。
潔く君の事は諦める。
だから、エリート街道を突き進んで総長の座を目指して一緒に戦おう。」

「全く想像も付かないけど、・・貴方に勝ち婚約破棄を目標に頑張るわ!!
折角の入団のチャンスだものね。」

くすりと笑んだランドルは、意味有り気に私を見つめる。

「でも、そうなる前に、君を惚れさせるけどね?
全力で行くから覚悟してね、婚約者殿。」

艶やかな笑みが私の眼前に近づいて、目の下へ軽く口づけて、更にペロリと舐めた。

「なっ・・また!!貴方は本当に・・油断も隙もないわね!!」

口を尖らせて激怒するセレーナと、揶揄からかうように笑うランドルだった。

「あははっ。可愛いね。さぁ、おいでセレーナ。
ケーキやタルトは如何かな?甘い物が好きだろう?」

激怒しながら、用意されたお茶を飲みに、ダイニングへと向かう。
甘いものには目がないセレーナだった。

応接室の扉から、そんな二人を嬉しそうに見つめていた者達がいた。
旧知の友であるアルベルディア公爵と、クラリシッド公爵夫妻の微笑んだ姿があったのだった。
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