転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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マグダリア王国編

初めての謁見!

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大きな輝きを放つシャンデリアが平行に並び、美しいアルカイックの模様が刻まれた壁が広大に
広がる謁見の間に、皆が集っていた。

赤い重厚な絨毯が王の玉座まで一本の線のように真っ直ぐに引かれている。

天井は金や白が基調となった見上げる程高い吹き抜けになり、大きな窓からは日差しが差し込んでいた。

皆がマグダリアの国王と、王妃の前に並んでいた。
私は先程の被った精神的なダメージにより、遅れてそそくさと入出したのだった。

隣に並んだアスコットにニコリと微笑まれて、更に固まる。

「君も大変だな・・。セレーナ=アルベルディア譲。」

後ろからゆっくり歩いて来たメイデル王子が、私の右隣に立つとボソリと呟いた。

・・あれ?!いつの間に私はメイデル王子を抜かしていたのかしら?
一番最後だった筈なのに。

軽くパニックになっていた。

「君は顔に出やすいね。
しかも、個性が強い人間に好まれる傾向があるね。
さて・・・僕も気をつけないと。ミイラ取りがミイラになってしまう。」

「え?メイデル王子は私を取っ捕まえるつもりなのですか?」

「いや、ああ例えが悪かったね。僕は人の物に興味がない人間だから
面倒くさい揉め事には関わりたくなくてね。
でも、君は魅力的な人みたいだから・・。容姿の美しさだけでなく、そのも。」

「そうですね。
・・・その調子でどうぞ関わらないで下さい。
そこの所は切実で、最近はキャパシティが一杯でもう捌けません!!
面倒ごとはこりごりです。
何卒、その方向性でずっと宜しくお願いします。」

不敬にも関わらず、私は堂々とお願いをしたのであった。
アスコットが黙って話を聞いていたようで、プッと噴き出した。

王子のビックリした紅い瞳は大きく見開かれてこちらを唖然と凝視していた。

もう、王の御前だってば!!
みんな静かにしてよー。。。と心の中で勝手にツッコミを入れていた。

私は今日の展開に着いて行けずに困り果てていた。

王様と王妃様にご挨拶が終わり、王女メラニーと、王子メイデルは各々皆に
自己紹介をする。

メラニーは私と同じ年齢で、16歳だった。
メイデルは2つ上の18歳。彼は「クロニクル」で研究者としても活躍していると聞き。

「関わらないで下さい!」とお願いした事を一時間もしない内に後悔する羽目になったのだった。

クロニクルの論文!!
魔術と科学の融合の先行研究読みたーい。

と、目でメイデルに訴える羽目になった。(勿論、届かない・・。)

ずっとそわそわとした様子の王妃が声を上げた。

「それよりも・・・。貴方はどこのご令嬢なのかしら?」

王妃様が驚いた様子で私を見ながら問うた。
私はすぐに跪き、淑女の礼を取る。

「カルドリア王国、筆頭公爵家セレーナ=アルベルディアと申します。
どうぞ宜しくお願い致します。」

王妃も、王も驚いたように顔を見合わせる。

メイデルはクスりと意味有り気に笑っていた。

「お母さま?何なの?ランドル様の婚約者ですってよ・・。何故、早めに私を
婚約者候補にして下さらなかったのです?!こんな女が急に婚約者だんて・・。」

「・・・こんな女?」

ランドルは、凄まじい形相でメラニーを睨んでいた。
クレードも、右に同じだった。
ついでに・・・・アスコットも。

「セレーネ・・いや、セレーナ・・。そう、アルベルディア家のお嬢さんなのね。
貴方、お母さまに生き写しだわ・・・。懐かしい!!」

王妃様が嬉しそうに紅い瞳を潤ませる。

「母?王妃様は・・母をご存じなのですか?」

「ええ。私の親友だったわ。大切な友だったの・・。
あんな・・何でもないわ。
でも、貴方にこうして会えて嬉しいわ!!ゆっくりして行ってね。」

優しい笑顔で私に微笑んでくれた。
王も、懐かしそうに目を細める。

「セレーナの・・母は、マグダリアの方だったのですか?」
ランドルが、恐る恐る王妃に尋ねた。

「違うわよ。彼女は、シーグラルドの公女だったわ。
マグダリアに・・。
「クロニクル」に勉強に来ていたの。
そこで私や、王、そして・・マノロやエセルと知り合ったのよ。」

衝撃の事実の発覚に私は驚いていた。
クリスの顔を見ると、クリスも驚いている様子だった。

「クリスは私の弟です。母の遺伝なのですね・・。この碧の瞳は。」

「そうね、普通の緑ではない・・。宝石のアレキサンドライトのように光の角度で色が
変わる美しい瞳を持つ女性だったわ。
シーグラルド公国の公族の特徴なのだと言っていたわ。」

「エセル・・??・・・王弟陛下。エセル叔父さん・・か。」

クレードも驚いたように独りごちる。

シーグラルドの話など・・父から一度も聞いたことがない。
何故父は隠しているのだろう・・。

私は王妃の話に衝撃を覚えたのだった。

「ともかく!!お父様!ランドル様の婚約は何とかならぬのですか?
今からでもマグダリアが声を上げれば・・。」

「メラニー。従妹が非常に困っているからその辺にしなさい。
ランドルは、昔からメラニーを対象として見ていないのは一見して分かるだろう?
婚約しているセレーナ譲にも失礼だぞ。・・控えなさい。」

最後は、厳しい口調で咎めるとメラニーの目から涙が溢れた。
私を見て、キッと睨むと

「ランドル様の初めては私がもらったんだから!!
貴方なんて二番手ですのよ。
相思相愛なのは、私たちなのよ。邪魔者は自ら席を空けなさい!!」

マジか・・・。
それはしっかり責任取れよ!とランドルに念を飛ばした。

私をちらっと見てから、ランドルは忌々しそうにメラニーの前に進み出る。

「7歳の頃に、私の唇を奪った件だろう?
無理やり押し倒されて奪われた不名誉なモノだがな・・。
気持ちも良くなければ、性的欲求など全く感じられなかった。
メラニーはないのだと、決定的な物にした一件だったな。
セレーナとの口づけは、1度と言わずにもう何度も性的な気持ちよ・・・。」

「・・・氷柱凍結ヒョウチュウケツ。」

ランドルを凍らせ終えると、驚愕している一同の前へ進み出て笑顔で謝罪する。

「メラニー王女、我が婚約者が失礼な事を申してしまいました。
ツンデレなので、酷い言葉を浴びせて注意を引きたい万年思春期なのだと察します。
・・お可哀想なので、凍らせておきました。
それでは、私はここで失礼させて頂きます。」

そう言って謁見の場をそそくさと後にしたのであった。

王と王妃は驚きながらも、「セレーネみたーい。」と朗らかに笑い合っていた。

クレードと、アスコットはその塊に氷以上の冷たい嫉妬の視線を向けていた。
クリスと、リンダはお腹を抱えて大笑いをしていた。

メラニーは必死でランドルを助けようと、あたふたとした様子で
もう一人の従妹であるクレードに頼み込むのであった。

メイデルは面白そうに、退出して行くセレーナを見つめていた。

「血は争えないね・・。
・・・愛されるのも罪だ。
その内、殺されてしまうよ?セレーナ・・。」

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