転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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シーグラルド公国編

最後の仲間。

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「セレーナ、炭素結合癒ロンズデーライトをありがとう。
お陰で、元気になった。体も、そして・・心ももう大丈夫だ。
そして、あの忌まわしき呪いを終わらせよう。」

「アリストラド様。あの貴方は、・・なにかをご存じなのですか?」

「ああ。
しかし、私もだが・・自分達の目で見て、確かめねばなるまい。
過去の真実は、きっとエストラルドにしか答えはないだろう。
そして、こちらを狙い定められた魔化学兵器は、近隣諸国に着々と配置されておるぞ。
・・あいつとも、決着を着けねばな。」

私は、吹っ切れた様子のアリストラドを見て少し安堵した。

先日の彼は消え入りそうな灯のようだったのに、今は紅い瞳は力強く見開かれていた。

ランドルは静かに私の瞳を見つめ、相槌を打った。
アリストラドに視線を向けると、優しく尊敬の目で見つめていた。

何かこの2人の間にあったんか?!

色んな意味でのドキドキが過ったが、次の瞬間その悩みもぶっ飛ぶ事になる。

急に食堂に光が差す。

出入口の扉が開き、クレードと、第2師団が入って来る。

「セレーナ、ランドル!!ただ今帰った。
エストラルドに向かう前に大切な仲間を魔術師団から連れ帰って来たぞ。」

青い髪を揺らし、微笑みながら戻ってきたクレードは、回復したアリストラドを見ると嬉しそうに微笑んだ。

かつての総長が全快している様子に息を弾ませ、近づいた。

クレードの後ろから颯爽と現れたのは碧色の瞳を見開き、師団のマントを揺らしながら闊歩する私の弟、クリス=アルベルディアであった。

「姉さん!!やっと会えたね・・・。」

「・・クリス!!
騎士団をやめて、魔術師団に入ったと聞いたから、心配したのよ!無事で良かった!!」

ダッシュで駆け寄り抱き着いた。

嬉しそうに私に手を回していたクリスは、私の隣に居たランドルを見上げ苦しそうに姿勢を正した。

「ランドル副総長。
カルドリア王国の魔術師団はもはや殺戮兵となりました。
王立図書館は、民間人や貴族達も大勢が殺され、火を放たれての全焼でした。」

「・・・っ、火事は知っていたが、火を放った?しかも、魔術師団がか?」

「はい、炎を出した者、風を起こした者・・。様々いましたが・・。第4師団、第5師団はただの殺戮集団のような無法者ばかりでした。」

クリスの表情を見て、どれほど卑劣な攻撃が行われたのかが想像をついた。

ぎゅうっとクリスの手を握り締めた。

「クリス、やはり、ケイレブ・・・・なのか!?」

ランドルは、苦しそうにクリスの顔を見つめる。

「そうです。総・・ケイレブ様が全命令の、指令系統を掌握してます。」

クリスは、私に視線を合わせると広角を上げた。

「僕は、姉さんに伝えたことがありますよね?
何となく、誰が裏にいるのかを知っていると・・。
・・・そして、それを命を張って暴くと。あの日、あの人が邸に居たのがずっと僕は不思議だった。」

「あの日?でも、あの時に一人で無茶をしないと約束したわよね。貴方は、それを守って来てくれたから今ここに貴方がいてくれるのね。クリス、偉いわよ!!」

私は、クリスを見て強い瞳でほほ笑んだ。

「但し、その上で王家の指令系統を統括する者もいるようです。」

「・・・っあいつか!?」

クレードが苦虫を噛み潰したような表情で低く呻く。

「総長が、命を狙ったとされる暗殺未遂での死に損ない・・・。
しかし、実は王宮で息を潜め・・全てを牛耳る者。
・・・私の叔父であり、王兄エセルだな。」

「エセルは、私との決闘で死んだ筈だったのだがな・・。
私も、昨夜の襲撃の折に・・それを初めて知った。
仕組まれた決闘も、タイミング良く追い落とす為の策略も。
この呪いのような、因縁にケリをつけねばな。」

「エストラルドに向かいましょう。
その前に、、総長、神話の道具神具が存在すると聞きましたが。
その神具との・・闘う術を教えてください!」

「そうだな、・・ランドル。
皆、聴いてくれ。
神具は人の心の弱さや不安に付け入る力を持っている。
浄化の作用の反対は負の感情の増幅なのだ・・。
皆、心を惑わされてはいけない!
ここには神具すらコントロールする力を持つ神巫女がいる。
・・・奇跡が起こるやもしれぬ。
セレーナ、お前の力を・・どうかエストラルドで開放してくれ。
私たちは、世界の在り方を、そして全てを己の欲で狂わす人間との最後の戦いに挑むのだ。」

「はい!!どんな運命とも立ち向かう覚悟は出来ております。全てを知りたいです。
どんな真実にも、、逃げずに闘います。」

アリストラドは、セレーナとランドルと視線を合わせ深く頷いた。

3人の王公子達も目を見合わせる。
第2、第3師団と、スコーピオンの二人も決意を込めた表情で頷いたのだった。

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