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古代神殿都市「エストラルド」
懐かしい呪文。
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セレーネが、2人を笑顔で見つめて微笑む。
「ケイレブの中にあったエルドラの魂が、貴方の代にまで、神話の世界から続くエルドラの呪いのような転生を続けさせたくは無かったの。
やっと、貴方のお陰でアヴァの時代から続く、エルドラの呪いを終わらせる事が出来ました。
貴方達には、本当に感謝しています・・・。」
私とランドルは、セレーネの言葉に驚きと、嬉しさが入り混じった不思議な感慨を覚えていた。
沢渡教授の中にある、エルドラの魂はこの時代のケイレブの中で化け物のように恐ろしい暴走を始めていた。
2つの神具によって浄化され、時空の流れを正し、消滅させることが出来たのだった。
私達の時代へと呪いのような転生が繰り返される事はもうない!!
「やっと神話の時代からの憎しみの連鎖は止まるのね・・。
後はこの世界の行く末・・・。
カルドリア王国と、マグダリア王国、シーグランド公国と決着を着けなければね。
アヴァの望む平和や、自由な世界になるように、ここで修正しないと!」
私は飛び出すように、城砦へと歩いて下の様子を見た。
遥か下に見える湖の側には、今も兵や王がそこに列を成していたのだった。
広場の階段に座っているクレードが、私を見て微笑んでいた。
「大丈夫だよ、セレーナ。
君には、僕や、ジェイデン、メイデルがいるだろう。
王達には息子である我々が必ず、橋渡しをする。
民の為、そして、今までの歴史の中で狂いだした魔術と科学の本当の意味での各国の共存共栄を叶えていく為に・・・僕も微力ながら、力を尽くすよ!!」
「クレード!!
とても心強いわ。1人の力では出来なくても・・。
貴方達、次世代を担う王公子一人一人の、強い民への思いがあればきっと王様たちに通じると思う!!」
頼りがいのあるカルドリアの王子が、笑顔で私にVサインを見せた。
魔術師団の皆やシフォン、エミールも、その声に深く頷き微笑んでいた。
世界一、頼りがいのある仲間達が私の周りにいつの間にか出来ていた・・。
仲間たちを見渡し、その心強さに胸が奮い立つ。
ランドルは、側に駆け寄って私の瞳をのぞき込んで
微笑んだ。
「もう君が、沢渡教授の中のエルドラの執着に怯える事はないんだね。
ここまで、長い長い時間だった・・・。
ランドルとして、この時代に転生して君に出会えるまで。
そして僕が、君を思い出すまで。
・・・やっと、君に出会えた。」
「・・・目黒先輩。信じられないです・・。なんだか夢みたいで・・。」
太陽のような笑顔で私を嬉しそうに抱きしめた目黒先輩の背中に私はゆっくりと腕を回した。
その姿を皆が嬉しそうに眺めていた。
苦しかった戦闘は嘘のように・・古代神殿都市「エストラルド」は幸せで溢れていた。
広間で横になっていたアリストラドが気がつく。
美しい青い空と太陽に眩しそうに瞳を眇めた。
「炭素結合癒か・・・。
懐かしい光・・何度受けても優しく温かい・・。」
「そうね、私の治癒は懐かしいでしょう?
貴方は、昔からよく危険な戦闘の真っただ中に突っ込んで行くんですもの。
側にいる私は、いつも気が気じゃなかったわ。」
セレーネは、サラリと栗色の髪を耳にかけ、美しいエメラルドの瞳を細めてアリストラドの顔を覗き込んだ。
薄く開いていた紅い瞳は、驚きの余り大きくパチクリと目を見開いて口もポカンと開けたままになっている。
「・・・は?・・生きていたのか?セレーネ・・・。」
「・・何よ?生きてちゃ悪かったかしら?」
目を覚ましたアリストラドは、ムッとしながら頬を膨らますセレーネの顔を見つめていた。
彼女がアリストラドの前だけで見せる、その愛しい拗ね方も変わらなかった。
気が強くて、真っすぐで、だけど生まれ持った神巫女の魔力のせいで特別とされた。
生まれた時から、その国に囲われ孤独だった少女。
いつの間にか大人になり、母となっても美しく、嫋やかだった。
「馬鹿な・・。悪いだなんて言ってない。
死んだんだぞ、私は・・・!!
お前が死んだと聞かされてから・・心も時間も君を失ったあの日のままだったんだ。
セレーネ、私は、ずっと、ずっと君に会いたかった・・。・・・ずっとだ!」
気が付くとアリストラドの瞳から熱い涙が溢れていた。
「アリストラド・・。私もよ。
ずっと会いたかった・・。
どうしても、貴方と子供達だけは、どんな事をしても守りたかったの・・。
貴方が私を見つけてくれた日から、どうしても貴方が消えないの。」
セレーネは、涙を流すアリストラドの涙を拭い頬に手を触れて見つめあった。
「何度死んでも、この思いは変わらないよ・・。初めて会った時から、君は私の唯一の存在なんだ。」
アリストラドはセレーネの肩を掴みぎゅうっと抱き寄せた。
幸せそうに涙を流すセレーネの姿を見ながら、私は嬉し涙を浮かべたのだった。
「良かった。
アリストラドのセレーネの気持ちは本物だったんだね。君がセレーネと彼の間で生まれた娘だと知って、物凄くショックを受けてはいたけど・・。
成程、一線を越えるのに躊躇する訳だと言っていた・・。
そこは、流石に僕だって複雑だったから・・思い切り睨んだけれどね。
僕も、もう君とは二度と離れたくないな・・。
神田、君はどうなの?」
「目黒先輩・・・。あの、その・・。それって・・・。」
頭がショートしそうになるくらい、一連の流れに理解が追い付かない私を先輩は笑顔で見つめ顎を自分の方へと向けた。
「続きは・・、この世界?それとも現世でする?」
「えっ・・あの!!
ど、どちらも無理です、・・・私、多分、心臓が持たない・・。」
真っ赤な頬でパクパクと口を開けた私の唇にそっと指を当てた目黒先輩は、そっと瞼を閉じて漆黒の長い睫毛を近づけた。
私はびっくりして、目を開けて驚いた表情のままで彼は私に愛しそうに優しく口づけた。
ランドルと変わらないスキンシップに私は耳まで真っ赤に染まったのだった。
「おい、ランドル・・!!もう戦いは終わったんだよ。・・・お前セレーナにくっつき過ぎだぞ!」
「セレーナ、こっちにおいでよ!!ランドル君は手が早くて危険だから!!」
アスコットと、クレードがこちらに向かって邪魔をしに走ってくる。
リンダも手を振り笑顔でかけてくる。
私達は、嬉しそうに彼らを見渡し見つめあって微笑んだのだった。
そんな時、私たちの体は青白く輝き始めた・・。
「セレーナ・・。ランドル君・・・。君たちの体・・どうしたの!?」
驚いた様子のアスコットの言葉で、私たちは自分の手足を見る。
青く輝く体は、美しい光を放ち輝いていた。
「もう時間なのね・・。
貴方たちのお陰で時空の流れは変えられたわ。
お別れは悲しいけれど、元の世界へと戻る時間が来てしまったのね・・・。」
「えっ?私達、元の世界に戻れるんですか?」
素っ頓狂な声で叫ぶ私を、セレーネは笑いながら深く頷く。
「神官エルドラの魂の消滅によって、貴方の未来は変わるわ。
そして・・このティルダンがあれば、貴方たちを無事に現世に戻す事が出来るの。
セレーナも、ランドルも生きているわ。
彼らは貴方達と生きた記憶を持って、もうすぐ目覚めるでしょう。
彼らがまた、この世界を導く力になるのよ。」
「セレーネ!!アリストラド様・・クレード様・・みんな・・ありがとう!!
この世界を宜しくお願いします!!どうか、排除に苦しむ人々がなくなる世界に・・アヴァの願を叶えて下さい。
神話の本当の真実を、必ずこの世界に広めて下さい!!
今ある科学も、魔力もどうか正しい方向へと使って真の平和な世界にしてね!!」
「・・・約束します。
この神具とエストラルドの都を守り、世界の崩壊を願うこともしないわ。
この都市の力も借りず、アヴァの想いを叶えるために再び封印するわ。
そして地上を・・この世界を平等な世界に作り替えてみせる。」
「セレーナ、ランドル・・・。
色々とすまなかったな。お前達には、色々教えられた・・・。
助かった命を、この世界の為に使う。
今度こそ、セレーネを離さない。・・・お前も頑張れよ。」
「勿論です。・・・こちらこそ、色々有難うございました!」
ランドルを見上げて、微笑んだアリストラドに先輩は嬉しそうに笑った。
急な別れに戸惑うクレードや、アリストラド達。
魔術師団員や、シフォン、エミールは驚いたように私たちを呆然と見つめていた。
「セレーナ!!・・私、貴方に会えて良かった!!ずっと忘れないからね。」
リンダが眼鏡の奥を潤ませ、大きな声で叫んだ。
「私もだよ!!魔術師団が大好きだった・・。みんなと出会えて良かったわ!!」
さよならの合図が視界の隅に映る。
神具、ティルダンが時を告げるように紅い光を点滅させて行く。
「さよなら・・・。」
青い光が全身を包み・・・皆の笑顔と泣き顔が薄くなって行く・・。
眩い光に包まれて、時間を超え始める。
浮遊感と共に、意識が徐々に消える。
初めてこの世界に来た日の驚き・・。
ランドルに初めて会って、怪しんでいた彼の婚約者候補になって・・。
魔術師団に入った。
仲間と共に笑い、戦い・・・時に大切な人を失った。
私は、自分の弱さも、人の弱さもこの世界に来て知ることが出来たのだった。
ランドルを愛して、アヴァの悲劇に胸を痛めた。
そして、私は、現世の好きな人にこの世界で再び巡り合う事が出来たのだった。
魔術師団の皆や、目を覚ましたセレーナとランドルが描く世界を創る・・。
私はそれを見てみたいと思ったのだった。
いつかまた、この世界に戻ってこれたらいいな。
今度はセレーナとも、話したい。
そんな想いが胸を過る。
そして私は、大きな揺れと耳障りな音に驚いて目を見開いたのだった・・・。
「ケイレブの中にあったエルドラの魂が、貴方の代にまで、神話の世界から続くエルドラの呪いのような転生を続けさせたくは無かったの。
やっと、貴方のお陰でアヴァの時代から続く、エルドラの呪いを終わらせる事が出来ました。
貴方達には、本当に感謝しています・・・。」
私とランドルは、セレーネの言葉に驚きと、嬉しさが入り混じった不思議な感慨を覚えていた。
沢渡教授の中にある、エルドラの魂はこの時代のケイレブの中で化け物のように恐ろしい暴走を始めていた。
2つの神具によって浄化され、時空の流れを正し、消滅させることが出来たのだった。
私達の時代へと呪いのような転生が繰り返される事はもうない!!
「やっと神話の時代からの憎しみの連鎖は止まるのね・・。
後はこの世界の行く末・・・。
カルドリア王国と、マグダリア王国、シーグランド公国と決着を着けなければね。
アヴァの望む平和や、自由な世界になるように、ここで修正しないと!」
私は飛び出すように、城砦へと歩いて下の様子を見た。
遥か下に見える湖の側には、今も兵や王がそこに列を成していたのだった。
広場の階段に座っているクレードが、私を見て微笑んでいた。
「大丈夫だよ、セレーナ。
君には、僕や、ジェイデン、メイデルがいるだろう。
王達には息子である我々が必ず、橋渡しをする。
民の為、そして、今までの歴史の中で狂いだした魔術と科学の本当の意味での各国の共存共栄を叶えていく為に・・・僕も微力ながら、力を尽くすよ!!」
「クレード!!
とても心強いわ。1人の力では出来なくても・・。
貴方達、次世代を担う王公子一人一人の、強い民への思いがあればきっと王様たちに通じると思う!!」
頼りがいのあるカルドリアの王子が、笑顔で私にVサインを見せた。
魔術師団の皆やシフォン、エミールも、その声に深く頷き微笑んでいた。
世界一、頼りがいのある仲間達が私の周りにいつの間にか出来ていた・・。
仲間たちを見渡し、その心強さに胸が奮い立つ。
ランドルは、側に駆け寄って私の瞳をのぞき込んで
微笑んだ。
「もう君が、沢渡教授の中のエルドラの執着に怯える事はないんだね。
ここまで、長い長い時間だった・・・。
ランドルとして、この時代に転生して君に出会えるまで。
そして僕が、君を思い出すまで。
・・・やっと、君に出会えた。」
「・・・目黒先輩。信じられないです・・。なんだか夢みたいで・・。」
太陽のような笑顔で私を嬉しそうに抱きしめた目黒先輩の背中に私はゆっくりと腕を回した。
その姿を皆が嬉しそうに眺めていた。
苦しかった戦闘は嘘のように・・古代神殿都市「エストラルド」は幸せで溢れていた。
広間で横になっていたアリストラドが気がつく。
美しい青い空と太陽に眩しそうに瞳を眇めた。
「炭素結合癒か・・・。
懐かしい光・・何度受けても優しく温かい・・。」
「そうね、私の治癒は懐かしいでしょう?
貴方は、昔からよく危険な戦闘の真っただ中に突っ込んで行くんですもの。
側にいる私は、いつも気が気じゃなかったわ。」
セレーネは、サラリと栗色の髪を耳にかけ、美しいエメラルドの瞳を細めてアリストラドの顔を覗き込んだ。
薄く開いていた紅い瞳は、驚きの余り大きくパチクリと目を見開いて口もポカンと開けたままになっている。
「・・・は?・・生きていたのか?セレーネ・・・。」
「・・何よ?生きてちゃ悪かったかしら?」
目を覚ましたアリストラドは、ムッとしながら頬を膨らますセレーネの顔を見つめていた。
彼女がアリストラドの前だけで見せる、その愛しい拗ね方も変わらなかった。
気が強くて、真っすぐで、だけど生まれ持った神巫女の魔力のせいで特別とされた。
生まれた時から、その国に囲われ孤独だった少女。
いつの間にか大人になり、母となっても美しく、嫋やかだった。
「馬鹿な・・。悪いだなんて言ってない。
死んだんだぞ、私は・・・!!
お前が死んだと聞かされてから・・心も時間も君を失ったあの日のままだったんだ。
セレーネ、私は、ずっと、ずっと君に会いたかった・・。・・・ずっとだ!」
気が付くとアリストラドの瞳から熱い涙が溢れていた。
「アリストラド・・。私もよ。
ずっと会いたかった・・。
どうしても、貴方と子供達だけは、どんな事をしても守りたかったの・・。
貴方が私を見つけてくれた日から、どうしても貴方が消えないの。」
セレーネは、涙を流すアリストラドの涙を拭い頬に手を触れて見つめあった。
「何度死んでも、この思いは変わらないよ・・。初めて会った時から、君は私の唯一の存在なんだ。」
アリストラドはセレーネの肩を掴みぎゅうっと抱き寄せた。
幸せそうに涙を流すセレーネの姿を見ながら、私は嬉し涙を浮かべたのだった。
「良かった。
アリストラドのセレーネの気持ちは本物だったんだね。君がセレーネと彼の間で生まれた娘だと知って、物凄くショックを受けてはいたけど・・。
成程、一線を越えるのに躊躇する訳だと言っていた・・。
そこは、流石に僕だって複雑だったから・・思い切り睨んだけれどね。
僕も、もう君とは二度と離れたくないな・・。
神田、君はどうなの?」
「目黒先輩・・・。あの、その・・。それって・・・。」
頭がショートしそうになるくらい、一連の流れに理解が追い付かない私を先輩は笑顔で見つめ顎を自分の方へと向けた。
「続きは・・、この世界?それとも現世でする?」
「えっ・・あの!!
ど、どちらも無理です、・・・私、多分、心臓が持たない・・。」
真っ赤な頬でパクパクと口を開けた私の唇にそっと指を当てた目黒先輩は、そっと瞼を閉じて漆黒の長い睫毛を近づけた。
私はびっくりして、目を開けて驚いた表情のままで彼は私に愛しそうに優しく口づけた。
ランドルと変わらないスキンシップに私は耳まで真っ赤に染まったのだった。
「おい、ランドル・・!!もう戦いは終わったんだよ。・・・お前セレーナにくっつき過ぎだぞ!」
「セレーナ、こっちにおいでよ!!ランドル君は手が早くて危険だから!!」
アスコットと、クレードがこちらに向かって邪魔をしに走ってくる。
リンダも手を振り笑顔でかけてくる。
私達は、嬉しそうに彼らを見渡し見つめあって微笑んだのだった。
そんな時、私たちの体は青白く輝き始めた・・。
「セレーナ・・。ランドル君・・・。君たちの体・・どうしたの!?」
驚いた様子のアスコットの言葉で、私たちは自分の手足を見る。
青く輝く体は、美しい光を放ち輝いていた。
「もう時間なのね・・。
貴方たちのお陰で時空の流れは変えられたわ。
お別れは悲しいけれど、元の世界へと戻る時間が来てしまったのね・・・。」
「えっ?私達、元の世界に戻れるんですか?」
素っ頓狂な声で叫ぶ私を、セレーネは笑いながら深く頷く。
「神官エルドラの魂の消滅によって、貴方の未来は変わるわ。
そして・・このティルダンがあれば、貴方たちを無事に現世に戻す事が出来るの。
セレーナも、ランドルも生きているわ。
彼らは貴方達と生きた記憶を持って、もうすぐ目覚めるでしょう。
彼らがまた、この世界を導く力になるのよ。」
「セレーネ!!アリストラド様・・クレード様・・みんな・・ありがとう!!
この世界を宜しくお願いします!!どうか、排除に苦しむ人々がなくなる世界に・・アヴァの願を叶えて下さい。
神話の本当の真実を、必ずこの世界に広めて下さい!!
今ある科学も、魔力もどうか正しい方向へと使って真の平和な世界にしてね!!」
「・・・約束します。
この神具とエストラルドの都を守り、世界の崩壊を願うこともしないわ。
この都市の力も借りず、アヴァの想いを叶えるために再び封印するわ。
そして地上を・・この世界を平等な世界に作り替えてみせる。」
「セレーナ、ランドル・・・。
色々とすまなかったな。お前達には、色々教えられた・・・。
助かった命を、この世界の為に使う。
今度こそ、セレーネを離さない。・・・お前も頑張れよ。」
「勿論です。・・・こちらこそ、色々有難うございました!」
ランドルを見上げて、微笑んだアリストラドに先輩は嬉しそうに笑った。
急な別れに戸惑うクレードや、アリストラド達。
魔術師団員や、シフォン、エミールは驚いたように私たちを呆然と見つめていた。
「セレーナ!!・・私、貴方に会えて良かった!!ずっと忘れないからね。」
リンダが眼鏡の奥を潤ませ、大きな声で叫んだ。
「私もだよ!!魔術師団が大好きだった・・。みんなと出会えて良かったわ!!」
さよならの合図が視界の隅に映る。
神具、ティルダンが時を告げるように紅い光を点滅させて行く。
「さよなら・・・。」
青い光が全身を包み・・・皆の笑顔と泣き顔が薄くなって行く・・。
眩い光に包まれて、時間を超え始める。
浮遊感と共に、意識が徐々に消える。
初めてこの世界に来た日の驚き・・。
ランドルに初めて会って、怪しんでいた彼の婚約者候補になって・・。
魔術師団に入った。
仲間と共に笑い、戦い・・・時に大切な人を失った。
私は、自分の弱さも、人の弱さもこの世界に来て知ることが出来たのだった。
ランドルを愛して、アヴァの悲劇に胸を痛めた。
そして、私は、現世の好きな人にこの世界で再び巡り合う事が出来たのだった。
魔術師団の皆や、目を覚ましたセレーナとランドルが描く世界を創る・・。
私はそれを見てみたいと思ったのだった。
いつかまた、この世界に戻ってこれたらいいな。
今度はセレーナとも、話したい。
そんな想いが胸を過る。
そして私は、大きな揺れと耳障りな音に驚いて目を見開いたのだった・・・。
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