謎ルールに立ち向かう中1

ぎらす屋ぎらす

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19. 学校外でも束縛?

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5月28日(月)。

本日より、ノリたちの学年が入学して初めての定期テストが行われる。得体の知れないテストに怯える者もいれば、テストの重要性を全く理解していない者もいる。テストのためにいつもより早く登校した光二軍団はどちらかといえば前者だ。光二を除いては。

「金曜にみんなであれだけ勉強したんだ。怖いもんなしだぜ。なぁ、ノリ?」

光二はいつものように調子のいいことを言っているが、ノリ、なーちゃん、優子の3人はほとんど彼の話を聞かず、歴史用語を再確認。1時間目のテストは社会なのだ。

「うるさいホモ・サピエンス。お前は北からやってきたマンモスでも食って貝塚に落ちちまえ」

「ほんとだよ、はじめてのテストだよ?そんなお調子者はティグリス川とユーフラテス川に上半身と下半身別々に流してあげる」

光二を罵る時でさえも歴史用語。ノリと優子は本気だ。
一方、なーちゃんは青白い顔で教科書を眺める。せっかくの美人が台無しだ。

「なーちゃん。ねぇ!なーちゃん!」

優子が話しかけても反応がない。




ショートホームルームの後、光二軍団は倉橋先生に呼び出しを食らった。

「あなたたち、25日にテスト前だというのに4人で遊んでましたね?テスト3日前ですよ?どういうつもり?説明して」

いつもは明るくて優しいはずの倉橋先生が珍しく語気を強めている。

「ちょっと、誰が見たんすか!証拠あるの倉橋先生?」

こんな時、頼りになるのは光二だ。こいつはどんな時でも黙ったりしない。黙ったら死んじゃうのだ。引き笑いを1日7回以上しないと風邪を引いてしまうのだ。

「石原くんのお家のご近所の方です。石原くんのお家に、あなたたち4人が入っていくのを見られたそうです。今朝電話がありました」

なーちゃんはその時のことをはっきりと覚えていた。

「あぁ、そういえば玄関でノリのママと話してる人いたよね。なんか派手なおばさん」

倉橋先生がさらに話を続けようとしたとき、なーちゃんの表情が一気に強張った。どうもプチンと来たらしい。なーちゃんのこの顔はキレる直前の顔だ。小学生時代を共にした他の3人には分かる。

「私たち、ノリの家で勉強してたんです。それに学校外の行動を制限する権利がたかが学校にあるんですか?私たちの自由じゃないですか。休みの日に何をしようと生徒の勝手でしょう?」


なーちゃんはいつになく強い口調で先生に迫った。
倉橋先生は156センチ、なーちゃんは163センチ。倉橋先生の方が教師に怒られている生徒に見える。

「く、口ごたえするんじゃありません!とにかく、地域の方から苦情が出たんです。それは事実です。今後気をつけてください」

学校外の行動まで細かく制限される筋合いがどこにあるのか。4人は大きな疑問を抱いたままテストに臨むこととなった。
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