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三章 勇者パーティ結成
勇者ポ
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勇者ポを伴い、司会のピリストの元へ向かう。
「僕たちはこの四人でパーティを組みます」
「勝算はあるんでしょうね」
「これから勝てる策を練りますよ」
ピリストは、チッと舌打ちをし軍資金をくれた。
四人分でもなかなかの金額だ。
これだけあれば、半年は宿に泊まれるだろう。
「大判振る舞いじゃな」
ベックが袋を開け、呟く。
ピリストがイラつきを隠さず言う。
「この作戦は、私の肝入りだったんです。魔王の索敵を行うのに効果的な作戦だった。ところが蓋を開ければ、勇者は広告塔になりうるものを入れろと言うお達しで、殆どがお飾りだ。」
ピリストは勇者ポを見る。
「君は、本物の勇者候補なんだ。血反吐吐いてでも、岩に齧り付いても、結果を出してくれ。大袈裟ではなく、人類の存亡が君の双肩にのしかかっている。君のゴーレム開発技術に期待している」
バシバシと勇者ポの背中を叩き、部屋を出た。
四人は、会場を出てしばらく歩き、飲み屋に入った。
シュタインが音頭をとる。
「改めてご挨拶と自己紹介をしましょう。まずは、旅の門出に乾杯!」
麦酒を流し込み、改めて勇者ポが出来ることを確認していく。
「お前さん、ゴーレムを作れるのか?」
「はい。ゴーレム開発の腕を買われて勇者パーティに呼ばれました」
数枚の絵を机に出してくる。
ゴーレムの設計図だ。
どれも人の形に似ている。
僧侶シュタインが勇者ポに尋ねる。
「勇者ポは、回復魔法は使えますか?」
「初級魔法なら。難しいのはできません。ゴーレム関係しか、修めていないんです」
シュタインは少し残念そうだ。
僕は聞きたかったゴーレムの燃料を聞いた。
「ゴーレムは、宝石に魔力を貯蔵したものを動力に使います」
「宝石は、貯められる魔力に上限はあるの?」
ポはポケットから二つの石を出す。
「大きさと純度で変わります。大きさより、純度が大切ですね。この二つは、大きさが倍違いますが、こちらの透き通った方が魔力を貯められます」
「魔王を葬る策はあるのかのう?」
ベックが髭を触る。
「勇者に選ばれてから考えた作戦なので、練られてませんが、とにかく純度が高く大きな宝石を探し、そこに大量の魔力を溜め込み、魔王にぶっ放す力技を考えています」
勇者ポはノートを開く。
「魔法の相性とかはよくわかりません。ですが、どんな物質も大量のエネルギーを加えれば破壊できる。そう信じています。涓滴岩を穿つ。水滴のような小さな力も、長い年月をかけエネルギーを与え続ければ硬い岩の形を変えてしまうものです。うちは、エネルギー総量を可能な限り大きくして、効率良くぶつける。そういう作戦で攻めたいです」
勇者ポは熱っぽく語る。
あれかな?ちょっとオタク気質なのかな。でも、子供が熱く語る姿は見ていて気持ちがいい。
ベックは感心して頷く。
「気持ちの良い単純な作戦じゃ。気に入った。おあつらえ向きの宝石は、ボルサリーノが用意してくれるじゃろ」
あ、確かに僕なら宝石を作れるかも。内なるノームに語りかけると、とにかく大きな岩山の前に連れて行けと騒いでいる。
よしよし。
「できるって」
僕が答えると、勇者ポとシュタインは首を傾げた。
「まあ、そのうちにね」
「でも、良かったわい。わしは男四人で冒険できるのが嬉しい。男女混合だとなにかと面倒でな。寝る場所を分けたり、風呂を分けたり、誰と誰が良い仲とか、もうウンザリじゃった」
シュタインも同調する。
「本当にそうですね。他のパーティ、ほら、男の集団にセクシーアピールして勇者が入ったところ。あそこは大変ですよきっと。取り合っちゃって。ああ、ヤダヤダ。」
僕も全くその通りだとうんうん頷くと、勇者ポがおずおずと挙手した。
「はい、どうぞ」
「すいません、うち、女子です」
三人で勇者ポを見る。
短髪、日焼けした肌、子供っぽいあどけない顔立ち。
イケメンになる子だと思って見ていた。
「あ、そう。気にしないよ。ねえ、みんな」
シュタインが焦りを隠さずフォローする。
「そうじゃそうじゃ、お主はみんなの娘みたいなもんじゃな。気に病むな」
ベックが気まずそうにフォローする。
「うんうん、安心して。僕は野営地の設営には自信があるんだ。勇者ポ専用の野営地をすぐに用意できるよ」
僕も緊張して、斜め上のフォローをしてしまう。
「あ、ありがとうございます。」
勇者ポは顔を赤らめて、我々をみた。
か、かわいいじゃあないか!!!
我々は飲み屋を後にし、宿に入った。
「僕たちはこの四人でパーティを組みます」
「勝算はあるんでしょうね」
「これから勝てる策を練りますよ」
ピリストは、チッと舌打ちをし軍資金をくれた。
四人分でもなかなかの金額だ。
これだけあれば、半年は宿に泊まれるだろう。
「大判振る舞いじゃな」
ベックが袋を開け、呟く。
ピリストがイラつきを隠さず言う。
「この作戦は、私の肝入りだったんです。魔王の索敵を行うのに効果的な作戦だった。ところが蓋を開ければ、勇者は広告塔になりうるものを入れろと言うお達しで、殆どがお飾りだ。」
ピリストは勇者ポを見る。
「君は、本物の勇者候補なんだ。血反吐吐いてでも、岩に齧り付いても、結果を出してくれ。大袈裟ではなく、人類の存亡が君の双肩にのしかかっている。君のゴーレム開発技術に期待している」
バシバシと勇者ポの背中を叩き、部屋を出た。
四人は、会場を出てしばらく歩き、飲み屋に入った。
シュタインが音頭をとる。
「改めてご挨拶と自己紹介をしましょう。まずは、旅の門出に乾杯!」
麦酒を流し込み、改めて勇者ポが出来ることを確認していく。
「お前さん、ゴーレムを作れるのか?」
「はい。ゴーレム開発の腕を買われて勇者パーティに呼ばれました」
数枚の絵を机に出してくる。
ゴーレムの設計図だ。
どれも人の形に似ている。
僧侶シュタインが勇者ポに尋ねる。
「勇者ポは、回復魔法は使えますか?」
「初級魔法なら。難しいのはできません。ゴーレム関係しか、修めていないんです」
シュタインは少し残念そうだ。
僕は聞きたかったゴーレムの燃料を聞いた。
「ゴーレムは、宝石に魔力を貯蔵したものを動力に使います」
「宝石は、貯められる魔力に上限はあるの?」
ポはポケットから二つの石を出す。
「大きさと純度で変わります。大きさより、純度が大切ですね。この二つは、大きさが倍違いますが、こちらの透き通った方が魔力を貯められます」
「魔王を葬る策はあるのかのう?」
ベックが髭を触る。
「勇者に選ばれてから考えた作戦なので、練られてませんが、とにかく純度が高く大きな宝石を探し、そこに大量の魔力を溜め込み、魔王にぶっ放す力技を考えています」
勇者ポはノートを開く。
「魔法の相性とかはよくわかりません。ですが、どんな物質も大量のエネルギーを加えれば破壊できる。そう信じています。涓滴岩を穿つ。水滴のような小さな力も、長い年月をかけエネルギーを与え続ければ硬い岩の形を変えてしまうものです。うちは、エネルギー総量を可能な限り大きくして、効率良くぶつける。そういう作戦で攻めたいです」
勇者ポは熱っぽく語る。
あれかな?ちょっとオタク気質なのかな。でも、子供が熱く語る姿は見ていて気持ちがいい。
ベックは感心して頷く。
「気持ちの良い単純な作戦じゃ。気に入った。おあつらえ向きの宝石は、ボルサリーノが用意してくれるじゃろ」
あ、確かに僕なら宝石を作れるかも。内なるノームに語りかけると、とにかく大きな岩山の前に連れて行けと騒いでいる。
よしよし。
「できるって」
僕が答えると、勇者ポとシュタインは首を傾げた。
「まあ、そのうちにね」
「でも、良かったわい。わしは男四人で冒険できるのが嬉しい。男女混合だとなにかと面倒でな。寝る場所を分けたり、風呂を分けたり、誰と誰が良い仲とか、もうウンザリじゃった」
シュタインも同調する。
「本当にそうですね。他のパーティ、ほら、男の集団にセクシーアピールして勇者が入ったところ。あそこは大変ですよきっと。取り合っちゃって。ああ、ヤダヤダ。」
僕も全くその通りだとうんうん頷くと、勇者ポがおずおずと挙手した。
「はい、どうぞ」
「すいません、うち、女子です」
三人で勇者ポを見る。
短髪、日焼けした肌、子供っぽいあどけない顔立ち。
イケメンになる子だと思って見ていた。
「あ、そう。気にしないよ。ねえ、みんな」
シュタインが焦りを隠さずフォローする。
「そうじゃそうじゃ、お主はみんなの娘みたいなもんじゃな。気に病むな」
ベックが気まずそうにフォローする。
「うんうん、安心して。僕は野営地の設営には自信があるんだ。勇者ポ専用の野営地をすぐに用意できるよ」
僕も緊張して、斜め上のフォローをしてしまう。
「あ、ありがとうございます。」
勇者ポは顔を赤らめて、我々をみた。
か、かわいいじゃあないか!!!
我々は飲み屋を後にし、宿に入った。
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