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第一章 魔法祭で負けてたまるものですか
マンネルハイム
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訓練場にわたしの側近や水の女神のメンバーを招集した。
流石に本番のように全員を呼ぶのは、シュトラレーセの人数よりかなり多くなるので練習にならなくなる。
わたしとレティア、ラナとアリアは貴賓席で戦いを見ることとなった。
「わたくし、マンネルハイムは初めて観ます」
「レティアは王都のマンネルハイムは観たことありませんものね」
マンネルハイムは王都で盛んな国技である。
年に四回ほど各領土が自身の領土の威信をかけて挑むのだ。
本来は騎士のためのイベントであるが、王国院では学生の騎士だけでは人数が少ないので文官や侍従たちも参加する。
「マリアさまはよく観に行かれるそうですね。学生たちにはマリアさまが知恵を授けているかもしれないから気を引き締めるように言っております」
「おほほほ……、今日の結果を観てから対策を考える予定ですので、成果を観られるのは本番かしらね」
……マンネルハイムの定石すらしらないわよ!
ラナがあまりにもわたしを過大評価している。
だが五大貴族として弱音は見せられない。
ただウィリアノスさまが好きなため何度か観戦しただけで、楽しんで観たことなど一度もないのだ。
マンネルハイムのルールは、まず百個の等身大の真っ白の人形が中央を境に両陣営に五十ずつ置かれる。
その人形は魔力の属性ごとに色を変える性質があるため、自分のスタート地点から相手陣地の駒があるところまで走り、魔力を込めて自軍の持ち駒にするのだ。
どちらが早く五十個を染めるかを競うゲームとなる。
魔力の強さで、駒の色を染める早さも変わってくるのでどうしても上位領地のほうが強くなってくる。
そのため、妨害をして魔力を込めるのを防ぐのだ。
ヴェルダンディとルキノが魔法の鎧を身に付けてやってくる。
二人の鎧は一級品であるため、中程度の魔法ぐらいなら弾いてしまうほどだ。
こういった装備一つで下級貴族では手も足も出せなくなるので、お金がある領地が有利である所以だ。
「マリアさま見ててくださいね」
「こら、マリアさまに失礼でしょ。マリアさま、わたくしも勝てるように最善を尽くします」
ヴェルダンディの言葉をルキノが窘める。
ヴェルダンディは可愛い弟のように思っている。
ヴェルダンディもそう思ってか、そういった言葉遣いになっており、ふとしたことで素に戻る。
「二人とも頑張ってくださいね。リムミントにもあまり気を張りすぎないように伝えてください」
二人は一礼して下へと降りていく。
わたしの側近たちが率先して指揮していく。
どういったことを伝えているのかは分からないが、彼らに任せておけば大丈夫だろう。
「準備が整ったみたいですね」
アリアの言葉通り、全員が規定の位置に付いている。
人数は互いに三十人で行うので駒の数も減らして総数は四十にしている。
今回は練習なので最上級生であるリムミントに総指揮を取ってもらう。
あまり争いごとが得意でない彼女だが、文官として勉学には励んでいるため少しは善戦をしてくれるのではないかと期待している。
「あら、お姉さま。キングは誰がなるのでしょうか。どちらの陣営にもそれらしき人物が見当たりませんが」
「ああ、言ってませんでしたわね。魔法祭ではルールが少し変わりますのよ。今回は速さを競うマンネルハイムで、キングなしで行いますの」
本来であれば、マンネルハイムは二つの勝利条件がある。
キングの玉座にある一つの人形を染めるか、中央にある駒をどちらかが多く染めるかである。
それと細かなルールとして、魔法祭は魔道具関連の制限がない。
審判役を熱血漢であるわたしの専属教師であるピエールに任せる。
にこやかな笑顔を見せて、両手に持つ旗を掲げて振り落とす。
「マンネルハイム始めぇええ!」
合図と共にジョセフィーヌ側は胴体の長い水竜を騎獣として呼び出す。
シュトラレーセも同じように陸を高速で走ることもできる土竜を呼び出す。
どちらも騎獣にまたがり、中央へと進軍する。
どちらの陣営も先頭は駒を無視して、トイラードで切り結ぶ。
「ヴェルダンディもルキノもすごいわね。シュトラレーセを簡単に倒していく」
「でも囲われています。このままだと」
三人ほど上手く倒したが、四人目からはそう上手くはいかなかった。
シュトラレーセの上級騎士が二人がかかりで各々をマークする。
「くそ、つええ」
「ヴェルダンディ、一度引いてください! でないとわたくしも助けることができません」
流石の二人でも簡単には勝たせてはもらえない。
どんどんこちらの陣地に侵入され、生徒たちも拘束されていく。
下僕とリムミントも魔法でサポートをするが、騎士の動きには対応できずに拘束される。
駒を染めるスピードも相手の方が早いため時間の経過と共にその数の差が如実に現れてくる。
そしてこちらの手駒が半分にも満たないうちに勝敗は決まってしまった。
九対二十
あっけなく大敗を喫した。
怪我している者たちへの治療を侍従見習い達に任せ、ラナとアリアにお礼を伝えて今日の模擬戦は終了となった。
流石に本番のように全員を呼ぶのは、シュトラレーセの人数よりかなり多くなるので練習にならなくなる。
わたしとレティア、ラナとアリアは貴賓席で戦いを見ることとなった。
「わたくし、マンネルハイムは初めて観ます」
「レティアは王都のマンネルハイムは観たことありませんものね」
マンネルハイムは王都で盛んな国技である。
年に四回ほど各領土が自身の領土の威信をかけて挑むのだ。
本来は騎士のためのイベントであるが、王国院では学生の騎士だけでは人数が少ないので文官や侍従たちも参加する。
「マリアさまはよく観に行かれるそうですね。学生たちにはマリアさまが知恵を授けているかもしれないから気を引き締めるように言っております」
「おほほほ……、今日の結果を観てから対策を考える予定ですので、成果を観られるのは本番かしらね」
……マンネルハイムの定石すらしらないわよ!
ラナがあまりにもわたしを過大評価している。
だが五大貴族として弱音は見せられない。
ただウィリアノスさまが好きなため何度か観戦しただけで、楽しんで観たことなど一度もないのだ。
マンネルハイムのルールは、まず百個の等身大の真っ白の人形が中央を境に両陣営に五十ずつ置かれる。
その人形は魔力の属性ごとに色を変える性質があるため、自分のスタート地点から相手陣地の駒があるところまで走り、魔力を込めて自軍の持ち駒にするのだ。
どちらが早く五十個を染めるかを競うゲームとなる。
魔力の強さで、駒の色を染める早さも変わってくるのでどうしても上位領地のほうが強くなってくる。
そのため、妨害をして魔力を込めるのを防ぐのだ。
ヴェルダンディとルキノが魔法の鎧を身に付けてやってくる。
二人の鎧は一級品であるため、中程度の魔法ぐらいなら弾いてしまうほどだ。
こういった装備一つで下級貴族では手も足も出せなくなるので、お金がある領地が有利である所以だ。
「マリアさま見ててくださいね」
「こら、マリアさまに失礼でしょ。マリアさま、わたくしも勝てるように最善を尽くします」
ヴェルダンディの言葉をルキノが窘める。
ヴェルダンディは可愛い弟のように思っている。
ヴェルダンディもそう思ってか、そういった言葉遣いになっており、ふとしたことで素に戻る。
「二人とも頑張ってくださいね。リムミントにもあまり気を張りすぎないように伝えてください」
二人は一礼して下へと降りていく。
わたしの側近たちが率先して指揮していく。
どういったことを伝えているのかは分からないが、彼らに任せておけば大丈夫だろう。
「準備が整ったみたいですね」
アリアの言葉通り、全員が規定の位置に付いている。
人数は互いに三十人で行うので駒の数も減らして総数は四十にしている。
今回は練習なので最上級生であるリムミントに総指揮を取ってもらう。
あまり争いごとが得意でない彼女だが、文官として勉学には励んでいるため少しは善戦をしてくれるのではないかと期待している。
「あら、お姉さま。キングは誰がなるのでしょうか。どちらの陣営にもそれらしき人物が見当たりませんが」
「ああ、言ってませんでしたわね。魔法祭ではルールが少し変わりますのよ。今回は速さを競うマンネルハイムで、キングなしで行いますの」
本来であれば、マンネルハイムは二つの勝利条件がある。
キングの玉座にある一つの人形を染めるか、中央にある駒をどちらかが多く染めるかである。
それと細かなルールとして、魔法祭は魔道具関連の制限がない。
審判役を熱血漢であるわたしの専属教師であるピエールに任せる。
にこやかな笑顔を見せて、両手に持つ旗を掲げて振り落とす。
「マンネルハイム始めぇええ!」
合図と共にジョセフィーヌ側は胴体の長い水竜を騎獣として呼び出す。
シュトラレーセも同じように陸を高速で走ることもできる土竜を呼び出す。
どちらも騎獣にまたがり、中央へと進軍する。
どちらの陣営も先頭は駒を無視して、トイラードで切り結ぶ。
「ヴェルダンディもルキノもすごいわね。シュトラレーセを簡単に倒していく」
「でも囲われています。このままだと」
三人ほど上手く倒したが、四人目からはそう上手くはいかなかった。
シュトラレーセの上級騎士が二人がかかりで各々をマークする。
「くそ、つええ」
「ヴェルダンディ、一度引いてください! でないとわたくしも助けることができません」
流石の二人でも簡単には勝たせてはもらえない。
どんどんこちらの陣地に侵入され、生徒たちも拘束されていく。
下僕とリムミントも魔法でサポートをするが、騎士の動きには対応できずに拘束される。
駒を染めるスピードも相手の方が早いため時間の経過と共にその数の差が如実に現れてくる。
そしてこちらの手駒が半分にも満たないうちに勝敗は決まってしまった。
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