137 / 259
第三章 芸術祭といえば秋、なら実りと収穫でしょ!
アリア視点、水神と風神の会合
しおりを挟む
わたしの名前はアリア・シュトラレーセと申します。
いきなりですが、大変なことが起きたようです。
「これとこの情報はすぐに集めない。ヨハネさまの動きは特にわかる範囲で調べること。マリアさまの情報は特に慎重に集めなさい、警戒されるようなことだけは絶対にしてはいけませんよ」
ラナが指示を飛ばしていく。
文官たちが忙しなく情報を集めだしている。
それはわたしたちは絶対に逃してはいけない、今後を左右する恐れがあるためだ。
わたしと姉のラナは一緒の部屋でずっと待機している。
情報の時間差を作らないためだ。
ラナは何度も報告書を読みながら、次の報告を落ち着かない気持ちで待っているようだ。
最初は噂程度だと思っていた。
ジョセフィーヌ領とゼヌニム領がお茶会をしようとするなんて、これまでの常識から絶対に無いものだと思っていたからだ。
机の上にある紅茶も飲まれないまま、いつの間にか冷めてしまっている。
「お姉さま、あまり頑張り過ぎると倒れてしまいますよ」
ラナはそこでやっとわたしを見てくれた。
それもそうね、と報告書を置いて紅茶を飲むと、冷たい……、という感想をこぼした。
「……ふぅ、こういう時は早く時間が経ってほしいと思いますね」
ラナが珍しく愚痴をこぼした。
今回のことはしっかり報告するように、お父さまたちからも厳命されている。
そのため、ラナは少しでもより良い情報を集めようとしているのだ。
「ねえ、シスターズでも何か情報は来てないの?」
マリアさまをお慕いする者だけで構成される女性の会のことだ。
非公式ではなく、マリアさま自ら作られた正式な集まりだ。
先日、マリアさまを抜いたシスターズだけで集まって、カナリアさまから協力の依頼がきた。
それは、ジョセフィーヌとゼヌニムのお茶会の発端となったユリナナさまの恋が絡むので、他にも同じように苦しんでいる方がいないかを探すことだ。
各領土が暴れ始めているのでマリアさまも躊躇いがあるらしく、かなり大変だと聞く。
後押しをするため、他にも領地間による対立の被害者を探しているのだ。
だがわたしではそういった情報は集められなく、守秘義務もあるためこの前話し合ったことはここでは言えない。
「申し訳ございません。わたしのとこには何も……」
「そう……」
ラナに嘘をつくことは良心が痛むが、言っていい情報ではないので固く口を閉ざした。
「やはりジョセフィーヌ領とゼヌニム領の仲が深まることは大きな影響を及ぼすのですか?」
大きな内乱が原因で、完全に関係がこじれたと聞いている。
もしここで仲が深まるのならば良いことではないのかと思っている。
だがラナは単純にそう捉えてはいないようだ。
「おそらくね……、まだ情報が少なすぎて何とも言えないけど。二人の存在感はこの王国院では群を抜いているわ。いつだって話題の中心にいるマリアさまが動かれているのなら、何か起きる可能性が大きい。それにもしスヴァルトアルフに押し止まらずにゼヌニムの支援を受けたら、これからの時代の主役は間違いなくジョセフィーヌ領へと向かいます。そうするとわたしたちは先を読んでジョセフィーヌ領と交流を深めないといけません。今は上位領地ですが、モタモタしているとそれも限りではなくなるかもしれません」
わたしはなるほど、と頷いた。
実際スヴァルトアルフも一気に順位を伸ばしたので、他の領土もそうならない保証はないのだ。
わたしも紅茶を飲もうとすると、ドタドタと走ってくる音が聞こえてきた。
部屋の前にいる護衛騎士から、文官の入室の許可を聞かれた。
ラナが許可すると、慌てた様子で入ってきて、報告を始めた。
「大至急報告致します。本日、マリアさまがアクィエルさまと同室で授業を受けられていると噂が広がっております! 」
わたしとラナは顔を見合わせた。
「それの何が大変ですか?」
ラナも状況を掴めていない。
それなら特に問題ないのではないかと思ったがそうではなかった。
「どうやら、二人の会話を盗み聞きしたものによりますとーー」
マリアさまがアクィエルさまの席まで向かっていき、
「今日はお隣りいいかしら? 先日お茶会をした仲ですから構いませんよね?」
と話しかけ、誰もが断ると思っていたアクィエルさまが、
「ええ! 構いませんわよ!」
と快諾したとのこと。
あまりにも信じられない話に、わたしとラナは固まってしまった。
二人の仲の悪さを知っている者なら絶対に有り得ない光景だ。
正直実際に見るまでは信じられない。
「いったい何をされるつもりなのか……、その授業はもう終わったのですか?」
「いえ、まだ半分の時間が過ぎた程度です。ですが、かなりの野次馬たちが教室の外で待ち構えているみたいです」
どうやら誰もがこの二人に注目しているようだ。
「何が目的かわかりませんが、わたしたちも向かいます。アリアもきなさい」
「わ、わかりました!」
これから向かえばギリギリ授業が終わる時に着くだろう。
急ぎ足で二人が授業を受けている教室へ急いだ。
そこには多数の生徒たちが部屋の周りを囲んでいた。
「これほどとは……、あそこにいるのは」
ラナは教室の近くにいる一人の人物に気が付いた。
シュティレンツの領主候補生であるカオディがいた。
彼ならば今回マリアさまが成そうとしていることを知っているかもしれない。
「御機嫌よう、カオディさま」
ラナが声を掛けた。
あちらは教室に目を集中させていたため、こちらの声掛けでやっと気が付いた。
「ん……、これはラナさま!? これは、その……、サボっているわけではありませんぞ!」
いきなり挙動不審になっていた。
どうやら魔法祭でラナに絞られたことでトラウマになっているようだ。
「別にそんなことは聞いておりません。それよりも貴方なら今回マリアさまが何をしようとしているのかご存知なのではないですか?」
「えっ……、ああ、そのことか。残念だが何もしらない。エリーゼも何も聞いていないのだろ?」
「大変申し訳ございません」
エリーゼもわたしと同じシスターズに入っている子だ。
一時期、マリアさまを貶めようとした臣下のせいで心を深く傷つけたと聞いている。
マリアさまからも今回のことは責めないよう言われていた。
わたしも同じようにマリアさまを傷付けかけたので、彼女にシンパシーを感じる。
「やはり誰も情報を持っていないのね。そうするとシスターズでは誰も知らないかもしれませんね」
「いえ、そうではないようです」
エリーゼが即座に否定した。
誰か知っている人がいるのか。
「わたしたち以外のシスターズで知っている方とは誰ですか?」
「ご友人でもある、カナリアさまが一緒に授業を受けております。これほどの人だかりもカナリアさまとセレーネさまが噂を広めたと聞いております」
セレーネさまという方は初めて聞いたが、おそらくはマリアさまのご友人なのだろう。
「そうするとこれはわたしたちに何か知らしめるため? いったいーー」
あたりが騒ついた。
どうやら授業が終わったみたいで、二人が別々の出口から通路に出てきた。
アクィエルは外に出ると人の多さに怪訝な顔をした。
「騒々しいと思ったら、どういうつもりですの、マリアさん?」
マリアさまも来ている野次馬たちを見て満足そうな顔をしていた。
「あらあら、何かお祭りですか? それよりもわたくしアクィエルさんにお願いがありましたの」
扇子を広げて優雅に廊下を歩き始めた。
その両隣には、カナリア様とおそらくはセレーネさまと呼ばれる方が並ばれている。
対する向こうも大貴族のご友人を並ばれて、扇子を広げた。
「水神と風神の会合か。まるで嵐だな」
カオディがかなり失礼なことを言っているのでひと睨みすると、同時にエリーゼも普段では考えられないほど怖い顔をしていた。
カオディは小さな悲鳴をあげて、口を両手で塞いだ。
これでうるさい声も無くなって目の前のことに集中できる。
「それで、お願いってなんですの?」
「それはここでは何ですので、もっと広い、大聖堂の神の前で隠し事なくお話をしましょう。ただのお話ですので、来てくださいますよね?」
「……ええ、いいですわよ」
アクィエルさまの探るような目に気付いていないかのように先頭で歩いていく。
ラナがボソッと呟いた。
「流石はマリアさまね」
わたしがどこで感心したのかとラナを見ていると、ラナが気付いて教えてくれた。
「大貴族の友人を含む大勢の前で、あのようなお願いをしたのです。もし断られたら完全にマリアさまの面目を潰してしまいます。これが下の者でしたら何も問題ないですが、対等な五大貴族同士でそのようなことをしたら、国を割った戦いが起きるかもしれません。あの場ではああするしかアクィエルさまも仕方なかったのです」
「だがマリアさまの狙いは何だ?今回お茶会を開くのになぜこのような会を設けるんだ?」
「それは大聖堂で分かるのでしょう。アリア、行きますわよ」
わたしたちは大聖堂へと向かい、時代の変化を肌で感じることになった。
いきなりですが、大変なことが起きたようです。
「これとこの情報はすぐに集めない。ヨハネさまの動きは特にわかる範囲で調べること。マリアさまの情報は特に慎重に集めなさい、警戒されるようなことだけは絶対にしてはいけませんよ」
ラナが指示を飛ばしていく。
文官たちが忙しなく情報を集めだしている。
それはわたしたちは絶対に逃してはいけない、今後を左右する恐れがあるためだ。
わたしと姉のラナは一緒の部屋でずっと待機している。
情報の時間差を作らないためだ。
ラナは何度も報告書を読みながら、次の報告を落ち着かない気持ちで待っているようだ。
最初は噂程度だと思っていた。
ジョセフィーヌ領とゼヌニム領がお茶会をしようとするなんて、これまでの常識から絶対に無いものだと思っていたからだ。
机の上にある紅茶も飲まれないまま、いつの間にか冷めてしまっている。
「お姉さま、あまり頑張り過ぎると倒れてしまいますよ」
ラナはそこでやっとわたしを見てくれた。
それもそうね、と報告書を置いて紅茶を飲むと、冷たい……、という感想をこぼした。
「……ふぅ、こういう時は早く時間が経ってほしいと思いますね」
ラナが珍しく愚痴をこぼした。
今回のことはしっかり報告するように、お父さまたちからも厳命されている。
そのため、ラナは少しでもより良い情報を集めようとしているのだ。
「ねえ、シスターズでも何か情報は来てないの?」
マリアさまをお慕いする者だけで構成される女性の会のことだ。
非公式ではなく、マリアさま自ら作られた正式な集まりだ。
先日、マリアさまを抜いたシスターズだけで集まって、カナリアさまから協力の依頼がきた。
それは、ジョセフィーヌとゼヌニムのお茶会の発端となったユリナナさまの恋が絡むので、他にも同じように苦しんでいる方がいないかを探すことだ。
各領土が暴れ始めているのでマリアさまも躊躇いがあるらしく、かなり大変だと聞く。
後押しをするため、他にも領地間による対立の被害者を探しているのだ。
だがわたしではそういった情報は集められなく、守秘義務もあるためこの前話し合ったことはここでは言えない。
「申し訳ございません。わたしのとこには何も……」
「そう……」
ラナに嘘をつくことは良心が痛むが、言っていい情報ではないので固く口を閉ざした。
「やはりジョセフィーヌ領とゼヌニム領の仲が深まることは大きな影響を及ぼすのですか?」
大きな内乱が原因で、完全に関係がこじれたと聞いている。
もしここで仲が深まるのならば良いことではないのかと思っている。
だがラナは単純にそう捉えてはいないようだ。
「おそらくね……、まだ情報が少なすぎて何とも言えないけど。二人の存在感はこの王国院では群を抜いているわ。いつだって話題の中心にいるマリアさまが動かれているのなら、何か起きる可能性が大きい。それにもしスヴァルトアルフに押し止まらずにゼヌニムの支援を受けたら、これからの時代の主役は間違いなくジョセフィーヌ領へと向かいます。そうするとわたしたちは先を読んでジョセフィーヌ領と交流を深めないといけません。今は上位領地ですが、モタモタしているとそれも限りではなくなるかもしれません」
わたしはなるほど、と頷いた。
実際スヴァルトアルフも一気に順位を伸ばしたので、他の領土もそうならない保証はないのだ。
わたしも紅茶を飲もうとすると、ドタドタと走ってくる音が聞こえてきた。
部屋の前にいる護衛騎士から、文官の入室の許可を聞かれた。
ラナが許可すると、慌てた様子で入ってきて、報告を始めた。
「大至急報告致します。本日、マリアさまがアクィエルさまと同室で授業を受けられていると噂が広がっております! 」
わたしとラナは顔を見合わせた。
「それの何が大変ですか?」
ラナも状況を掴めていない。
それなら特に問題ないのではないかと思ったがそうではなかった。
「どうやら、二人の会話を盗み聞きしたものによりますとーー」
マリアさまがアクィエルさまの席まで向かっていき、
「今日はお隣りいいかしら? 先日お茶会をした仲ですから構いませんよね?」
と話しかけ、誰もが断ると思っていたアクィエルさまが、
「ええ! 構いませんわよ!」
と快諾したとのこと。
あまりにも信じられない話に、わたしとラナは固まってしまった。
二人の仲の悪さを知っている者なら絶対に有り得ない光景だ。
正直実際に見るまでは信じられない。
「いったい何をされるつもりなのか……、その授業はもう終わったのですか?」
「いえ、まだ半分の時間が過ぎた程度です。ですが、かなりの野次馬たちが教室の外で待ち構えているみたいです」
どうやら誰もがこの二人に注目しているようだ。
「何が目的かわかりませんが、わたしたちも向かいます。アリアもきなさい」
「わ、わかりました!」
これから向かえばギリギリ授業が終わる時に着くだろう。
急ぎ足で二人が授業を受けている教室へ急いだ。
そこには多数の生徒たちが部屋の周りを囲んでいた。
「これほどとは……、あそこにいるのは」
ラナは教室の近くにいる一人の人物に気が付いた。
シュティレンツの領主候補生であるカオディがいた。
彼ならば今回マリアさまが成そうとしていることを知っているかもしれない。
「御機嫌よう、カオディさま」
ラナが声を掛けた。
あちらは教室に目を集中させていたため、こちらの声掛けでやっと気が付いた。
「ん……、これはラナさま!? これは、その……、サボっているわけではありませんぞ!」
いきなり挙動不審になっていた。
どうやら魔法祭でラナに絞られたことでトラウマになっているようだ。
「別にそんなことは聞いておりません。それよりも貴方なら今回マリアさまが何をしようとしているのかご存知なのではないですか?」
「えっ……、ああ、そのことか。残念だが何もしらない。エリーゼも何も聞いていないのだろ?」
「大変申し訳ございません」
エリーゼもわたしと同じシスターズに入っている子だ。
一時期、マリアさまを貶めようとした臣下のせいで心を深く傷つけたと聞いている。
マリアさまからも今回のことは責めないよう言われていた。
わたしも同じようにマリアさまを傷付けかけたので、彼女にシンパシーを感じる。
「やはり誰も情報を持っていないのね。そうするとシスターズでは誰も知らないかもしれませんね」
「いえ、そうではないようです」
エリーゼが即座に否定した。
誰か知っている人がいるのか。
「わたしたち以外のシスターズで知っている方とは誰ですか?」
「ご友人でもある、カナリアさまが一緒に授業を受けております。これほどの人だかりもカナリアさまとセレーネさまが噂を広めたと聞いております」
セレーネさまという方は初めて聞いたが、おそらくはマリアさまのご友人なのだろう。
「そうするとこれはわたしたちに何か知らしめるため? いったいーー」
あたりが騒ついた。
どうやら授業が終わったみたいで、二人が別々の出口から通路に出てきた。
アクィエルは外に出ると人の多さに怪訝な顔をした。
「騒々しいと思ったら、どういうつもりですの、マリアさん?」
マリアさまも来ている野次馬たちを見て満足そうな顔をしていた。
「あらあら、何かお祭りですか? それよりもわたくしアクィエルさんにお願いがありましたの」
扇子を広げて優雅に廊下を歩き始めた。
その両隣には、カナリア様とおそらくはセレーネさまと呼ばれる方が並ばれている。
対する向こうも大貴族のご友人を並ばれて、扇子を広げた。
「水神と風神の会合か。まるで嵐だな」
カオディがかなり失礼なことを言っているのでひと睨みすると、同時にエリーゼも普段では考えられないほど怖い顔をしていた。
カオディは小さな悲鳴をあげて、口を両手で塞いだ。
これでうるさい声も無くなって目の前のことに集中できる。
「それで、お願いってなんですの?」
「それはここでは何ですので、もっと広い、大聖堂の神の前で隠し事なくお話をしましょう。ただのお話ですので、来てくださいますよね?」
「……ええ、いいですわよ」
アクィエルさまの探るような目に気付いていないかのように先頭で歩いていく。
ラナがボソッと呟いた。
「流石はマリアさまね」
わたしがどこで感心したのかとラナを見ていると、ラナが気付いて教えてくれた。
「大貴族の友人を含む大勢の前で、あのようなお願いをしたのです。もし断られたら完全にマリアさまの面目を潰してしまいます。これが下の者でしたら何も問題ないですが、対等な五大貴族同士でそのようなことをしたら、国を割った戦いが起きるかもしれません。あの場ではああするしかアクィエルさまも仕方なかったのです」
「だがマリアさまの狙いは何だ?今回お茶会を開くのになぜこのような会を設けるんだ?」
「それは大聖堂で分かるのでしょう。アリア、行きますわよ」
わたしたちは大聖堂へと向かい、時代の変化を肌で感じることになった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる