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最終章 希望を託されし女神
真の敵
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次第に時空の割れ目から出てくるのはアンラマンユそのものだった。
だが大きさはアンラマンユよりも一回り大きかった。
「贄がこんなにおるわい」
突如として空が大爆発を起こした。
わたしの魔法でどうにか守りを広げたが、それでも防ぎきれずに、すべての騎士が落下した。
「きゃあああ!」
わたしもマリアーマーから吹き飛ばされた。
「マリアさま!」
ギリギリのところで下僕に拾い上げられて、怪我することなく無事だった。
二体は反則だ。
「なんなのよ。せっかくもう少しだったのに!」
「今は様子を見ましょう」
下僕が提案してくるので、わたしは黙って成り行きを見守る。
「お前は何者だ!」
アンラマンユは瓜二つの竜に問いかけた。
……知り合いではないの?
もう一体のアンラマンユは愉しげだった。
「我は異なる世界でマリア・ジョセフィーヌとアリア・シュトラレーセを食べたお前だよ」
「何を言っている?」
アンラマンユと同じくわたしも意味が分からない。
しかし下僕はハッとした。
「もしかしてクロートの世界にいたアンラマンユではありませんか?」
下僕の言葉を聞いたもう一体のアンラマンユが答えた。
「そうだ、この世界に向かった人間がいてな。それを追いかけたらここに辿り着いた」
厄介なことこの上なし。
一体でもギリギリ倒せるかもしれないというのに、それがもう一体増えたとなると、これはあまりにきつい戦いだ。
「ふん、ならお前も手を貸せ。人間共に分からせるからな」
「我に命令するな」
突如としてもう一体のアンラマンユはさらに巨大化した。
どうやら時空の裂け目を通るために体を小さくしていたようだ。
そしてアンラマンユを一飲みした。
「お前も我の贄となれ」
さらにアンラマンユは大きくなる。
この王都より大きくなっているに違いない。
「あ、アンラマンユさま!」
デアハウザーは仲間を失ったことで、情けない声を上げる。
そしてアンラマンユは舌舐めずりをして言った。
「お前も我の贄となれ」
デアハウザーは宙に舞い、アンラマンユまで引き寄せられる。
「ぬおおお、どうか我だけはーー」
デアハウザーの言葉が最後まで続くことなく、アンラマンユに吸い込まれていく。
「ああ、満たされる!」
魔力をたくさん得たことでアンラマンユは満足していた。
どうにか打つ手を考えないといけない。
「おい、ルキノ! しっかりしろ!」
痛みで喘ぐ中で、ヴェルダンディの泣きそうな声が聞こえてくる。
「どうかしたの!」
わたしがヴェルダンディの近くまで行くと、かなりひどい火傷を負ったルキノがいた。
「俺のせいなんだ。俺を守ってこんなことに。すまねえ、すまねえ」
ヴェルダンディは泣きながら、謝っている。
だがわたしにはまだ水の神の涙が一滴だけ残っている。
これだけ少ないとどれだけ回復するか分からない。
指輪がまだ彼女の生存を教えてくれるので、わたしは運に任せる。
「これがあれば」
わたしが水の神の涙を垂らすと火傷が治っていく。
しかし量が少ないため完璧とはいえないが、危機からは脱しただろう。
「良かった、俺のせいでこんな跡が出来てしまった」
少しばかりはだけたお腹に深い傷が見えた。
おそらくそれは前に魔物討伐で出来た傷だが、今回で名誉の負傷にすり替えることができるかもしれない。
「ヴェルダンディ、ルキノを下げなさい」
「分かりました。すぐに戻ってきます!」
ヴェルダンディはルキノを騎獣に乗せて運び出す。
そしてアンラマンユへ目を向けた。
「アンラマンユ!」
わたしはさらに強大な敵に挑む。
このまま負けてしまったら、一生人間はこの神にこき使われる。
「どうした蒼の女。また我の贄となってくれるのか?」
わたしを一度食らったという神はこちらを嘲笑う。
こいつがいたせいでクロートは一生を捨てないといけなくなったのだ。
「生意気な女だ。防いでみろ」
アンラマンユは息を吸い込んだ。
おそらくブレスを出すつもりだろう。
わたしはみんなを守るために空に守りの膜を張る。
そして闇の炎が吐き出された。
「ぐぐぐぐぐ!」
わたしの全魔力を込めた守りは相手の攻撃を受け止める。
しかし、かなりわたしの魔力は消耗しているので、長くは保たない。
さらに威力が増した。
……遊んでいるわね!
相手はこちらの魔法の強度を見てから威力を変えている。
「伏せて!」
とうとう支えきれなくなり、爆発が起きた。
コロシアム一帯を吹き飛ばして、外が丸見えになっている。
「大丈夫ですか?」
下僕がわたしの上にある瓦礫を退けてくれる。
少し痛むが、捻ってはいない。
「蒼の女よ。我に命乞いをすれば、今までの無礼を許してやるぞ」
愉しそうにわたしに選択肢を委ねてくる。
しかし、それでもわたしは言ってやる。
「おことわりよ!」
もう何かに屈しはしない。
その時、五本の光の柱がアンラマンユを串刺しにする。
「こしゃくな神々め。一度負けた分際で我に勝てると思うのか?」
アンラマンユが初めて不機嫌になった。
そしてわたしの周りに光が集まってくる。
「マリアさま!」
下僕が手を差し伸べてくるがそれよりも早く引き離された。
白い空間でわたしは五つの光に囲まれる。
その中の一つがわたしに話しかける。
「我は水の神オーツェガットなり。よくぞ我々を起こしてくれた」
わたしは自分の信仰する神なので急いで平伏した。
「礼などよい。今、我々五神がアンラマンユを抑えている。強大になりすぎたあやつはもう今しか倒せない」
「でも、もうわたしたちにはこれ以上、あれを傷付ける手段がありません」
アンラマンユの鱗は生半可な攻撃は全く効かず、わたしの魔力も底をついている。
騎士たちもほとんどが傷付き、倒したくても倒せないのだ。
「お前には踊りがあるはずだ」
「踊り?」
「全てを導いて祝詞を唱えよ」
そう言って、光からわたしは解放される。
元の世界へ帰ってきた。
「マリアさま!」
下僕が近寄ってきわたしの無事を確かめる。
何もないことにホッとしていた。
「ひめさまぁぁぁぁ!」
大きな声が響き渡った。
わたしがその声に振り向くと騎獣に乗っているラケシスがいた。
……良かった、無事だったのね。
ヨハネから何もしていないと言われたが心配していたのだ。
だがわたしは口を開けて、その後ろの光景に驚かされる。
だが大きさはアンラマンユよりも一回り大きかった。
「贄がこんなにおるわい」
突如として空が大爆発を起こした。
わたしの魔法でどうにか守りを広げたが、それでも防ぎきれずに、すべての騎士が落下した。
「きゃあああ!」
わたしもマリアーマーから吹き飛ばされた。
「マリアさま!」
ギリギリのところで下僕に拾い上げられて、怪我することなく無事だった。
二体は反則だ。
「なんなのよ。せっかくもう少しだったのに!」
「今は様子を見ましょう」
下僕が提案してくるので、わたしは黙って成り行きを見守る。
「お前は何者だ!」
アンラマンユは瓜二つの竜に問いかけた。
……知り合いではないの?
もう一体のアンラマンユは愉しげだった。
「我は異なる世界でマリア・ジョセフィーヌとアリア・シュトラレーセを食べたお前だよ」
「何を言っている?」
アンラマンユと同じくわたしも意味が分からない。
しかし下僕はハッとした。
「もしかしてクロートの世界にいたアンラマンユではありませんか?」
下僕の言葉を聞いたもう一体のアンラマンユが答えた。
「そうだ、この世界に向かった人間がいてな。それを追いかけたらここに辿り着いた」
厄介なことこの上なし。
一体でもギリギリ倒せるかもしれないというのに、それがもう一体増えたとなると、これはあまりにきつい戦いだ。
「ふん、ならお前も手を貸せ。人間共に分からせるからな」
「我に命令するな」
突如としてもう一体のアンラマンユはさらに巨大化した。
どうやら時空の裂け目を通るために体を小さくしていたようだ。
そしてアンラマンユを一飲みした。
「お前も我の贄となれ」
さらにアンラマンユは大きくなる。
この王都より大きくなっているに違いない。
「あ、アンラマンユさま!」
デアハウザーは仲間を失ったことで、情けない声を上げる。
そしてアンラマンユは舌舐めずりをして言った。
「お前も我の贄となれ」
デアハウザーは宙に舞い、アンラマンユまで引き寄せられる。
「ぬおおお、どうか我だけはーー」
デアハウザーの言葉が最後まで続くことなく、アンラマンユに吸い込まれていく。
「ああ、満たされる!」
魔力をたくさん得たことでアンラマンユは満足していた。
どうにか打つ手を考えないといけない。
「おい、ルキノ! しっかりしろ!」
痛みで喘ぐ中で、ヴェルダンディの泣きそうな声が聞こえてくる。
「どうかしたの!」
わたしがヴェルダンディの近くまで行くと、かなりひどい火傷を負ったルキノがいた。
「俺のせいなんだ。俺を守ってこんなことに。すまねえ、すまねえ」
ヴェルダンディは泣きながら、謝っている。
だがわたしにはまだ水の神の涙が一滴だけ残っている。
これだけ少ないとどれだけ回復するか分からない。
指輪がまだ彼女の生存を教えてくれるので、わたしは運に任せる。
「これがあれば」
わたしが水の神の涙を垂らすと火傷が治っていく。
しかし量が少ないため完璧とはいえないが、危機からは脱しただろう。
「良かった、俺のせいでこんな跡が出来てしまった」
少しばかりはだけたお腹に深い傷が見えた。
おそらくそれは前に魔物討伐で出来た傷だが、今回で名誉の負傷にすり替えることができるかもしれない。
「ヴェルダンディ、ルキノを下げなさい」
「分かりました。すぐに戻ってきます!」
ヴェルダンディはルキノを騎獣に乗せて運び出す。
そしてアンラマンユへ目を向けた。
「アンラマンユ!」
わたしはさらに強大な敵に挑む。
このまま負けてしまったら、一生人間はこの神にこき使われる。
「どうした蒼の女。また我の贄となってくれるのか?」
わたしを一度食らったという神はこちらを嘲笑う。
こいつがいたせいでクロートは一生を捨てないといけなくなったのだ。
「生意気な女だ。防いでみろ」
アンラマンユは息を吸い込んだ。
おそらくブレスを出すつもりだろう。
わたしはみんなを守るために空に守りの膜を張る。
そして闇の炎が吐き出された。
「ぐぐぐぐぐ!」
わたしの全魔力を込めた守りは相手の攻撃を受け止める。
しかし、かなりわたしの魔力は消耗しているので、長くは保たない。
さらに威力が増した。
……遊んでいるわね!
相手はこちらの魔法の強度を見てから威力を変えている。
「伏せて!」
とうとう支えきれなくなり、爆発が起きた。
コロシアム一帯を吹き飛ばして、外が丸見えになっている。
「大丈夫ですか?」
下僕がわたしの上にある瓦礫を退けてくれる。
少し痛むが、捻ってはいない。
「蒼の女よ。我に命乞いをすれば、今までの無礼を許してやるぞ」
愉しそうにわたしに選択肢を委ねてくる。
しかし、それでもわたしは言ってやる。
「おことわりよ!」
もう何かに屈しはしない。
その時、五本の光の柱がアンラマンユを串刺しにする。
「こしゃくな神々め。一度負けた分際で我に勝てると思うのか?」
アンラマンユが初めて不機嫌になった。
そしてわたしの周りに光が集まってくる。
「マリアさま!」
下僕が手を差し伸べてくるがそれよりも早く引き離された。
白い空間でわたしは五つの光に囲まれる。
その中の一つがわたしに話しかける。
「我は水の神オーツェガットなり。よくぞ我々を起こしてくれた」
わたしは自分の信仰する神なので急いで平伏した。
「礼などよい。今、我々五神がアンラマンユを抑えている。強大になりすぎたあやつはもう今しか倒せない」
「でも、もうわたしたちにはこれ以上、あれを傷付ける手段がありません」
アンラマンユの鱗は生半可な攻撃は全く効かず、わたしの魔力も底をついている。
騎士たちもほとんどが傷付き、倒したくても倒せないのだ。
「お前には踊りがあるはずだ」
「踊り?」
「全てを導いて祝詞を唱えよ」
そう言って、光からわたしは解放される。
元の世界へ帰ってきた。
「マリアさま!」
下僕が近寄ってきわたしの無事を確かめる。
何もないことにホッとしていた。
「ひめさまぁぁぁぁ!」
大きな声が響き渡った。
わたしがその声に振り向くと騎獣に乗っているラケシスがいた。
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