16 / 42
3章 私はいかがでしょうか
16 間に合った王子様
しおりを挟む
もうすでに参加者たちが多く集まり、この国の令嬢だけが参加しているようだった。
どうやら私への興味関心が高いらしく、視線が集まりながら、ひそひそする声も聞こえてくる。
「あの方が帝国からやってきた……」
「帝国の名家と聞いていましたが、ドレスも満足に用意できないなんて……」
「シリウス王子もお可哀想に。どうして帝国から犯罪者を──」
言いたい放題の令嬢たちを睨みつける。私の気迫を感じてか、どんどん目を逸らしていった。それでも他の者たちのヒソヒソ声は止まらない。
エマと共になるべく目立たない隅の方へと向かって、立食式のため立ったまま時間が過ぎるのを待った。
ヒルダはまだ準備に時間が掛かっているようで未だ現れず、この待ち時間が永遠に感じられた。
「カナリア様、お飲み物を持ってきますね」
エマはすぐに私の疲れに気付いて気を利かせてくれる。壁側に寄ろうとするとふらっと立ちくらみがやってきた。
寝込むことが多かったため、体力が完全に回復したとはいえず、長時間立つのは体が辛かった。
「カナリア様、大丈夫ですか!」
ジュースを持ってきたエマは、私の顔色を見て慌てて駆け寄る。体を支えてくれると少し楽になった。
「お熱測ります……やはり、熱が上がっております」
「静かに……今は倒れるわけにはいきません」
頭がジンジンと痛み出してきた。そんな時に遠くから、ヒルダが入場するという声が響き渡る。派手な衣装に身を包み込み、第一王子の妻として周りへ見せつけるようだった。取り巻きと思われる令嬢たちが、口々にヒルダの美しさを讃えている。
「わたくしの旦那様へお祝いで来てくれた義妹はどこにいるんだい?」
ヒルダが尋ねるとすぐさま令嬢たちが私の場所を伝える。道を作るように令嬢たちが並ぶせいで、まっすぐとヒルダと視線がぶつかった。
「まあ、なんてひどいドレスだこと!」
傷付いたと言わんばかりの顔で口元を手で隠した。そしてまるで泣くかのように手で泣いているふりをする。
「せっかく招待しましたのに、まさかそのようなドレスでわたくしの愛する旦那様の名誉を傷付けようなんて……」
──貴女が無理矢理に誘ったんでしょうが!
やはり嫌な予感は当たった。下手くそな三文芝居だが、彼女が言った言葉に誰もが同調しないといけない。
「まあ、なんておひどい……」
「ヒルダ様のご好意すら受け取らずにわざとあの格好で……」
「お元気お出しくださいませヒルダ様」
口々に私へ非難の声が集まる。どうせこんなことになると思っていたが。
早く帰りたい。このドレスは母の形見であるため、これ以上馬鹿にされるのも屈辱だ。
「なんだい、その顔は?」
ヒルダの目が険しくなり、その眼光は光っているように感じた。
取り巻きを従えて距離を詰めてくると妙な威圧感を感じた。
「申し訳ございません、カナリア様は熱が出ておりますので、本日はこれまでにして頂けないでしょうか!」
エマに支えられてやっとの私だが、逆にヒルダはニヤリとした。
「そんな嘘で逃げようなんて、全くひどい義妹を持ったもんだよ。そんなに暑ければいいものをあげるさね」
ヒルダはテーブルに置いてある飲みかけのワインを手に持った。
「同じ色ならこれで染められるわね。次からもそのドレスのままを着てくるんだったら、可愛がってあげるわよ。そこのメイドも黙って見てなさい!」
他の令嬢たちがエマを掴んで無理矢理に私と遠ざける。ふらつきながらどうにか立っている私にどうすることもできなかった。
体が震え出して、熱のせいかヒルダたちに詰め寄られる恐怖なのか分からない。
か細い声がどうにか絞り出せた。
「お願い……それだけはやめて──」
お母様の形見をこれ以上冒涜したくない。だが私の悲鳴の声はヒルダを楽しませるだけだった。
「帝国から捨てられた女がこの国でタダで生きられると思うんじゃないわよ!」
ヒルダの手からワインが振りかけられた。私にできることは目を瞑ることだけだった。周りから小さな悲鳴があがるが、いつまで経っても濡れる感触がなかった。
恐る恐る目を開けると、息を切らしていたシリウスが目の前で壁になっていた。
「遅くなったね。もう大丈夫だ」
シリウスは私の頭を撫でて安心させようとする。
チラッと彼の服からポタポタと水が垂れていることに気付く、私に掛かるはずだったワインを代わりに受けたのだ。
「顔色が……」
彼はすぐに私の顔色の悪さに気付き、自分のおでこをわたしの額に合わせた。
──ん……ッ!
不意打ちで目の前まで彼の顔が近付いたことに動揺してしまった。
「熱があるな……失礼する」
シリウスは私の返事を待たずに両腕で私を抱き抱えた。大きな手に包まれ、彼の胸を支えにする。
「シ、シリウス様!?」
「病人が心配するな。これでも鍛えてる」
別に腕の心配をしたわけではなく、周りの視線がある中でこのようにされることが恥ずかしいのだ。ヒルダはワナワナと震えており、シリウスの登場は予想外だったようだ。
「シリウス様、どうしてこちらに?」
シリウスは立ち止まり、咎めるようにヒルダの目を射抜く。
「教えてもらったんだ。養生しているはずの彼女がドレスを着て社交場に呼ばれていたとね」
シリウスの答えにヒルダはすぐさま周りの令嬢たちに目を配る。誰かが密告したのかと疑っているようで、全員が顔を横に振って自分でないとアピールしていた。
「カナリアの体の調子が戻っていないことは伝えたはずです。それなのに無理矢理このような場に出して彼女を辱めるのなら私にも考えがあります。晩餐の件も私は許した覚えはありませんので」
これまで聞いたことがないほどの冷たい声が響く。シリウスの目は憤怒に駆られていた。
「違うのです! 聞いてください! その女のせいで私たち家族がどれほど大変な目に遭ったのかお忘れですか!」
ヒルダが騒ぎ出すが私が彼らに一体を何をしたのだ。全く思い当たる節がなく、シリウスの顔を覗くと彼は私へと笑いかけて、ゆっくりと額に唇を付けた。
「何も気にしなくていい。帰ろう」
「はい……」
シリウスの言葉は先程の怒りを内に隠して、優しい声を投げ掛けてくれた。顔がさっきよりも熱くなるのもおそらくは熱のせいだろう。
それから家に戻るまでのことは覚えておらず、ベッドの上に寝かされた。
「申し訳ございません。何かされるのがわかっていたのに、むざむざとシリウス様のお手を煩わせてしまいました」
もっと上手く立ち回ったり、家の中で大人しくしておけばこんなことにはならなかったのだ。シリウスの留守すら守れない私は婚約者失格だろう。
「俺の方こそ守るって言った矢先にこれだ。怖かっただろう?」
彼は優しい手で私の頭を撫でる。愛情を感じさせてくれる優しい手つきだ。
「君のメイドが着替えさせる前に一言伝えたかったんだ。そのドレスは君に似合っているって」
シリウスはそっと私の頬にキスをする。
まるで私が割れてしまわないように、大事にそっと……。
「今日はおやすみ」
彼の優しさにあてられたせいか、急に手が彼の服を掴んでしまった。
無意識にしてしまったとはいえ、もう行った行動を変えられはしない。
「眠るまででいいので側に居てください……」
彼は何も言わず、エマが着替えさせてくれた後にはずっと私の手を握ってくれた。
そしてぐっすりと私は眠るのだった。
どうやら私への興味関心が高いらしく、視線が集まりながら、ひそひそする声も聞こえてくる。
「あの方が帝国からやってきた……」
「帝国の名家と聞いていましたが、ドレスも満足に用意できないなんて……」
「シリウス王子もお可哀想に。どうして帝国から犯罪者を──」
言いたい放題の令嬢たちを睨みつける。私の気迫を感じてか、どんどん目を逸らしていった。それでも他の者たちのヒソヒソ声は止まらない。
エマと共になるべく目立たない隅の方へと向かって、立食式のため立ったまま時間が過ぎるのを待った。
ヒルダはまだ準備に時間が掛かっているようで未だ現れず、この待ち時間が永遠に感じられた。
「カナリア様、お飲み物を持ってきますね」
エマはすぐに私の疲れに気付いて気を利かせてくれる。壁側に寄ろうとするとふらっと立ちくらみがやってきた。
寝込むことが多かったため、体力が完全に回復したとはいえず、長時間立つのは体が辛かった。
「カナリア様、大丈夫ですか!」
ジュースを持ってきたエマは、私の顔色を見て慌てて駆け寄る。体を支えてくれると少し楽になった。
「お熱測ります……やはり、熱が上がっております」
「静かに……今は倒れるわけにはいきません」
頭がジンジンと痛み出してきた。そんな時に遠くから、ヒルダが入場するという声が響き渡る。派手な衣装に身を包み込み、第一王子の妻として周りへ見せつけるようだった。取り巻きと思われる令嬢たちが、口々にヒルダの美しさを讃えている。
「わたくしの旦那様へお祝いで来てくれた義妹はどこにいるんだい?」
ヒルダが尋ねるとすぐさま令嬢たちが私の場所を伝える。道を作るように令嬢たちが並ぶせいで、まっすぐとヒルダと視線がぶつかった。
「まあ、なんてひどいドレスだこと!」
傷付いたと言わんばかりの顔で口元を手で隠した。そしてまるで泣くかのように手で泣いているふりをする。
「せっかく招待しましたのに、まさかそのようなドレスでわたくしの愛する旦那様の名誉を傷付けようなんて……」
──貴女が無理矢理に誘ったんでしょうが!
やはり嫌な予感は当たった。下手くそな三文芝居だが、彼女が言った言葉に誰もが同調しないといけない。
「まあ、なんておひどい……」
「ヒルダ様のご好意すら受け取らずにわざとあの格好で……」
「お元気お出しくださいませヒルダ様」
口々に私へ非難の声が集まる。どうせこんなことになると思っていたが。
早く帰りたい。このドレスは母の形見であるため、これ以上馬鹿にされるのも屈辱だ。
「なんだい、その顔は?」
ヒルダの目が険しくなり、その眼光は光っているように感じた。
取り巻きを従えて距離を詰めてくると妙な威圧感を感じた。
「申し訳ございません、カナリア様は熱が出ておりますので、本日はこれまでにして頂けないでしょうか!」
エマに支えられてやっとの私だが、逆にヒルダはニヤリとした。
「そんな嘘で逃げようなんて、全くひどい義妹を持ったもんだよ。そんなに暑ければいいものをあげるさね」
ヒルダはテーブルに置いてある飲みかけのワインを手に持った。
「同じ色ならこれで染められるわね。次からもそのドレスのままを着てくるんだったら、可愛がってあげるわよ。そこのメイドも黙って見てなさい!」
他の令嬢たちがエマを掴んで無理矢理に私と遠ざける。ふらつきながらどうにか立っている私にどうすることもできなかった。
体が震え出して、熱のせいかヒルダたちに詰め寄られる恐怖なのか分からない。
か細い声がどうにか絞り出せた。
「お願い……それだけはやめて──」
お母様の形見をこれ以上冒涜したくない。だが私の悲鳴の声はヒルダを楽しませるだけだった。
「帝国から捨てられた女がこの国でタダで生きられると思うんじゃないわよ!」
ヒルダの手からワインが振りかけられた。私にできることは目を瞑ることだけだった。周りから小さな悲鳴があがるが、いつまで経っても濡れる感触がなかった。
恐る恐る目を開けると、息を切らしていたシリウスが目の前で壁になっていた。
「遅くなったね。もう大丈夫だ」
シリウスは私の頭を撫でて安心させようとする。
チラッと彼の服からポタポタと水が垂れていることに気付く、私に掛かるはずだったワインを代わりに受けたのだ。
「顔色が……」
彼はすぐに私の顔色の悪さに気付き、自分のおでこをわたしの額に合わせた。
──ん……ッ!
不意打ちで目の前まで彼の顔が近付いたことに動揺してしまった。
「熱があるな……失礼する」
シリウスは私の返事を待たずに両腕で私を抱き抱えた。大きな手に包まれ、彼の胸を支えにする。
「シ、シリウス様!?」
「病人が心配するな。これでも鍛えてる」
別に腕の心配をしたわけではなく、周りの視線がある中でこのようにされることが恥ずかしいのだ。ヒルダはワナワナと震えており、シリウスの登場は予想外だったようだ。
「シリウス様、どうしてこちらに?」
シリウスは立ち止まり、咎めるようにヒルダの目を射抜く。
「教えてもらったんだ。養生しているはずの彼女がドレスを着て社交場に呼ばれていたとね」
シリウスの答えにヒルダはすぐさま周りの令嬢たちに目を配る。誰かが密告したのかと疑っているようで、全員が顔を横に振って自分でないとアピールしていた。
「カナリアの体の調子が戻っていないことは伝えたはずです。それなのに無理矢理このような場に出して彼女を辱めるのなら私にも考えがあります。晩餐の件も私は許した覚えはありませんので」
これまで聞いたことがないほどの冷たい声が響く。シリウスの目は憤怒に駆られていた。
「違うのです! 聞いてください! その女のせいで私たち家族がどれほど大変な目に遭ったのかお忘れですか!」
ヒルダが騒ぎ出すが私が彼らに一体を何をしたのだ。全く思い当たる節がなく、シリウスの顔を覗くと彼は私へと笑いかけて、ゆっくりと額に唇を付けた。
「何も気にしなくていい。帰ろう」
「はい……」
シリウスの言葉は先程の怒りを内に隠して、優しい声を投げ掛けてくれた。顔がさっきよりも熱くなるのもおそらくは熱のせいだろう。
それから家に戻るまでのことは覚えておらず、ベッドの上に寝かされた。
「申し訳ございません。何かされるのがわかっていたのに、むざむざとシリウス様のお手を煩わせてしまいました」
もっと上手く立ち回ったり、家の中で大人しくしておけばこんなことにはならなかったのだ。シリウスの留守すら守れない私は婚約者失格だろう。
「俺の方こそ守るって言った矢先にこれだ。怖かっただろう?」
彼は優しい手で私の頭を撫でる。愛情を感じさせてくれる優しい手つきだ。
「君のメイドが着替えさせる前に一言伝えたかったんだ。そのドレスは君に似合っているって」
シリウスはそっと私の頬にキスをする。
まるで私が割れてしまわないように、大事にそっと……。
「今日はおやすみ」
彼の優しさにあてられたせいか、急に手が彼の服を掴んでしまった。
無意識にしてしまったとはいえ、もう行った行動を変えられはしない。
「眠るまででいいので側に居てください……」
彼は何も言わず、エマが着替えさせてくれた後にはずっと私の手を握ってくれた。
そしてぐっすりと私は眠るのだった。
1
あなたにおすすめの小説
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
(完結)記憶喪失令嬢は幸せを掴む
あかる
恋愛
ここはどこ?そして私は…
川に流されていた所を助けられ、何もかもを忘れていた私は、幸運にも助けて頂けました。新たな名前、そして仕事。私はここにいてもいいのでしょうか?
ご都合主義で、ゆるゆる設定です。完結してます。忘れなかったら、毎日投稿します。
ご指摘があり、罪と罰の一部を改正しました。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
山猿の皇妃
夏菜しの
恋愛
ライヘンベルガー王国の第三王女レティーツィアは、成人する十六歳の誕生日と共に、隣国イスターツ帝国へ和平条約の品として贈られた。
祖国に聞こえてくるイスターツ帝国の噂は、〝山猿〟と言った悪いモノばかり。それでもレティーツィアは自らに課せられた役目だからと山を越えて隣国へ向かった。
嫁いできたレティーツィアを見た皇帝にして夫のヘクトールは、子供に興味は無いと一蹴する。これはライヘンベルガー王国とイスターツ帝国の成人とみなす年の違いの問題だから、レティーツィアにはどうすることも出来ない。
子供だと言われてヘクトールに相手にされないレティーツィアは、妻の責務を果たしていないと言われて次第に冷遇されていく。
一方、レティーツィアには祖国から、将来的に帝国を傀儡とする策が授けられていた。そのためには皇帝ヘクトールの子を産む必要があるのだが……
それが出来たらこんな待遇になってないわ! と彼女は憤慨する。
帝国で居場所をなくし、祖国にも帰ることも出来ない。
行き場を失ったレティーツィアの孤独な戦いが静かに始まる。
※恋愛成分は低め、内容はややダークです
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、
屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。
そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。
母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。
そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。
しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。
メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、
財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼!
学んだことを生かし、商会を設立。
孤児院から人材を引き取り育成もスタート。
出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。
そこに隣国の王子も参戦してきて?!
本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る
とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる