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8. 苦痛に見舞われています
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「護身術ってあんなに大変なのね……」
侍女さん(と書いて鬼先生と読む)に散々しごかれた私は部屋に戻るなりベッドにダイブした。
はしたないと怒られかねない行動だけど、サラ以外誰もみていないから問題ない。
「まだあれは基本中の基本ですよ?」
「そんなぁ……」
護身術の練習は一言で言えば過酷だった。
毎日家のことを手伝ったりして動き回ってる私だけど、体力があるわけではなかったみたい。
お陰で少しやっただけで息が上がったし、それでも動いた今は疲労困憊のグロッキー状態。動く気力も体力も無い。
「もうすぐ夕食の時間ですよ。行かなくても大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫じゃないわ!」
慌てて飛び起きる私。それを見たサラさんは笑みを浮かべて、
「まだ元気そうですね。旦那様に夕食後も練習出来そうだと伝えておきますね」
そんなことを口にした。
「ねえ、サラは鬼なの⁉︎ 私を殺す気⁉︎」
「これもお嬢様を守るためですよ」
そう口にするサラさん。
これ以上の練習は体力的に無理!
「守るどころか自滅しちゃうよ~~!」
「さ、ダイニングに行きましょう」
「ねえ聞いてる⁉︎」
残念なことに、私の声は誰にも聞き入られなかった。
☆ ☆ ☆
「お上手ですよ、お嬢様」
私が投げ飛ばしたはずの侍女さんが笑顔でそう口にした。
今は投げ技の練習中。これは本当に襲われた時に逃げるためのモノらしい。
「なんですぐに立てるのよ……?」
「お嬢様方をいつでもお守りできるように訓練しておりますから。お嬢様にもこれくらいできるようになっていただきますよ」
「絶対に無理よ~~!」
「次は受け身をやりますよ」
私の抗議の声は聞き入られず、受け身をやらされる事になった。
侍女さん達、鬼すぎるわ!
翌朝……。
「痛いっ!」
起き上がろうとして全身に走った痛みに思わず声を上げてしまった。
「大丈夫ですか?」
ちょうど私の部屋に来たサラさんが心配そうに声をかけてくる。
「起き上がろうとしたら全身が痛んだのよ……」
「筋肉痛ですね……すぐに治るから大丈夫ですよ。そろそろ準備いたしましょうね~~」
大変なのはここからだった。
椅子に座ろうとしたら太ももが痛い。立とうとしても痛い。階段を下りるのも痛い。
無理に歩いてダイニングに着く頃には涙目になっていた。
「レシア! 何があった⁉︎」
「朝起きたら身体中が痛くて……筋肉痛になっちゃったみたい……」
お父様にそう説明すると、
「やっぱりレシアに護身術なんてやらせるんじゃなかった……すまない! しばらくゆっくりしていなさい」
昨日の言葉は何処にやら、そんなことを口にした。
「旦那様! それだからお嬢様が酷い目に遭うんですよ!」
「お嬢様がいなくなってしまうのと、今だけ痛い思いをさせるの、どちらが良いんですか⁉︎」
「いなくなられるのは絶対に断る!」
使用人さん達にお説教されて、そう口にするお父様。
「では、レシアお嬢様の護身術の練習は続けましょう!」
護身術の練習は嫌だけど、なんだか嬉しくなった。
それから数刻後、私は疲れと痛みで私は一歩も動けなってしまった……。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お気に入り登録ありがとうございます。
感謝しております。
次回、再び社交界に出ます。
よろしくお願いします。
侍女さん(と書いて鬼先生と読む)に散々しごかれた私は部屋に戻るなりベッドにダイブした。
はしたないと怒られかねない行動だけど、サラ以外誰もみていないから問題ない。
「まだあれは基本中の基本ですよ?」
「そんなぁ……」
護身術の練習は一言で言えば過酷だった。
毎日家のことを手伝ったりして動き回ってる私だけど、体力があるわけではなかったみたい。
お陰で少しやっただけで息が上がったし、それでも動いた今は疲労困憊のグロッキー状態。動く気力も体力も無い。
「もうすぐ夕食の時間ですよ。行かなくても大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫じゃないわ!」
慌てて飛び起きる私。それを見たサラさんは笑みを浮かべて、
「まだ元気そうですね。旦那様に夕食後も練習出来そうだと伝えておきますね」
そんなことを口にした。
「ねえ、サラは鬼なの⁉︎ 私を殺す気⁉︎」
「これもお嬢様を守るためですよ」
そう口にするサラさん。
これ以上の練習は体力的に無理!
「守るどころか自滅しちゃうよ~~!」
「さ、ダイニングに行きましょう」
「ねえ聞いてる⁉︎」
残念なことに、私の声は誰にも聞き入られなかった。
☆ ☆ ☆
「お上手ですよ、お嬢様」
私が投げ飛ばしたはずの侍女さんが笑顔でそう口にした。
今は投げ技の練習中。これは本当に襲われた時に逃げるためのモノらしい。
「なんですぐに立てるのよ……?」
「お嬢様方をいつでもお守りできるように訓練しておりますから。お嬢様にもこれくらいできるようになっていただきますよ」
「絶対に無理よ~~!」
「次は受け身をやりますよ」
私の抗議の声は聞き入られず、受け身をやらされる事になった。
侍女さん達、鬼すぎるわ!
翌朝……。
「痛いっ!」
起き上がろうとして全身に走った痛みに思わず声を上げてしまった。
「大丈夫ですか?」
ちょうど私の部屋に来たサラさんが心配そうに声をかけてくる。
「起き上がろうとしたら全身が痛んだのよ……」
「筋肉痛ですね……すぐに治るから大丈夫ですよ。そろそろ準備いたしましょうね~~」
大変なのはここからだった。
椅子に座ろうとしたら太ももが痛い。立とうとしても痛い。階段を下りるのも痛い。
無理に歩いてダイニングに着く頃には涙目になっていた。
「レシア! 何があった⁉︎」
「朝起きたら身体中が痛くて……筋肉痛になっちゃったみたい……」
お父様にそう説明すると、
「やっぱりレシアに護身術なんてやらせるんじゃなかった……すまない! しばらくゆっくりしていなさい」
昨日の言葉は何処にやら、そんなことを口にした。
「旦那様! それだからお嬢様が酷い目に遭うんですよ!」
「お嬢様がいなくなってしまうのと、今だけ痛い思いをさせるの、どちらが良いんですか⁉︎」
「いなくなられるのは絶対に断る!」
使用人さん達にお説教されて、そう口にするお父様。
「では、レシアお嬢様の護身術の練習は続けましょう!」
護身術の練習は嫌だけど、なんだか嬉しくなった。
それから数刻後、私は疲れと痛みで私は一歩も動けなってしまった……。
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