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2. 届けられた脅迫状
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社交界デビューを迎えてから1週間、何かをされるかもしれない恐怖と戦いながらもいつも通りの日常を送っていた。
パーティーの時に私を物凄い形相で睨んできたアーシャ様から毎日のようにお茶会の招待状が届いているけれど、やんわりとお断りしている。
行けば何か良くないことをされるのは分かり切っているから。
「お嬢様、ルヴィクさんが探していましたよ」
暇な時間に屋敷の掃除を手伝っていると、洗濯物を抱えて通りかかった侍女さんに声をかけられた。
「急ぎかしら? ごめんなさい、ちょっと探してくるわ」
一緒に掃除をしている侍女さんに断りを入れてから、執事長のルヴィクさんを探しに向かった。
ルヴィクさんは普段執務室にいるので、今もそこにいると信じて私は廊下を進む。
するとすぐに、ルヴィクさんの姿を廊下の向こうに見つけたので、慌てて声をかけた。
「ルヴィクさん! 私を探していると聞いたのだけど」
「お嬢様、ちょうど良かったです。
お手紙が届いております。こちらは早急に返事が欲しいとの事でした」
封筒を私に差し出しながらそう口にするルヴィクさん。
「分かったわ。ありがとう」
自分の部屋に戻って中身を確かめると、1つはアイセアから、もう1つはアーシャ様からだと分かった。
アイセアからはお茶会の誘いだったから、予定を確認してから返事を書こうと思う。
アーシャ様からの手紙を見てみると、私は絶望のあまり固まってしまった。
「なにこれ……」
「お嬢様! 大丈夫ですか⁉︎」
「ええ、大丈夫よ……」
私の顔が青くなったのか、私付き侍女のサラさんが駆け寄って来た。
アーシャ様からの手紙はそれほどまでに酷かった。
それは脅迫状でしかなかったから。
内容は……
『先日の王宮パーティーでのこと、覚えていますわよね?
初めて社交界に参加した分際でわたくしのエルワード様を奪おうとした事は許せませんわ。
明日、私のお茶会がありますの。そこで罪を認めて謝罪しなさい。
もしも明日のお茶会に来なければ社交界に二度と出られない体にしますわよ!
分かったら今日中に返事を出しなさい!』
……という酷いものだった。
アイセアから聞いた話によると、この類の脅迫状が届いてから謝罪しに行くと何かしらの理不尽な約束をさせられるのだという。
だから行きたくないのだけれど、相手は公爵令嬢たから断るわけにはいかない。
「お嬢様、そんなに酷いお手紙なのですか?」
「ええ。読んでみる?」
「では……」
リサさんが脅迫状を読んでいる間にささっと返事を書く私。
今みたいに困った時はお母様に相談するように言われているのだけれど、昨日からお父様と領地に行っているから相談は出来ない。
それなら家族に迷惑がかからないように立ち回りたいから、危険を覚悟の上でアーシャ様のお茶会に参加することにした。
「これをアーシャ様のところに今日中に届くように頼んでもらえるかしら?」
「畏まりました。行かれるのですね……」
「ええ、皆に迷惑はかけられないもの。少し気晴らしに中庭に出てくるわ」
私はそれだけを言って庭に向かった。
他のことを考える余裕なんて今は全くないから……。
パーティーの時に私を物凄い形相で睨んできたアーシャ様から毎日のようにお茶会の招待状が届いているけれど、やんわりとお断りしている。
行けば何か良くないことをされるのは分かり切っているから。
「お嬢様、ルヴィクさんが探していましたよ」
暇な時間に屋敷の掃除を手伝っていると、洗濯物を抱えて通りかかった侍女さんに声をかけられた。
「急ぎかしら? ごめんなさい、ちょっと探してくるわ」
一緒に掃除をしている侍女さんに断りを入れてから、執事長のルヴィクさんを探しに向かった。
ルヴィクさんは普段執務室にいるので、今もそこにいると信じて私は廊下を進む。
するとすぐに、ルヴィクさんの姿を廊下の向こうに見つけたので、慌てて声をかけた。
「ルヴィクさん! 私を探していると聞いたのだけど」
「お嬢様、ちょうど良かったです。
お手紙が届いております。こちらは早急に返事が欲しいとの事でした」
封筒を私に差し出しながらそう口にするルヴィクさん。
「分かったわ。ありがとう」
自分の部屋に戻って中身を確かめると、1つはアイセアから、もう1つはアーシャ様からだと分かった。
アイセアからはお茶会の誘いだったから、予定を確認してから返事を書こうと思う。
アーシャ様からの手紙を見てみると、私は絶望のあまり固まってしまった。
「なにこれ……」
「お嬢様! 大丈夫ですか⁉︎」
「ええ、大丈夫よ……」
私の顔が青くなったのか、私付き侍女のサラさんが駆け寄って来た。
アーシャ様からの手紙はそれほどまでに酷かった。
それは脅迫状でしかなかったから。
内容は……
『先日の王宮パーティーでのこと、覚えていますわよね?
初めて社交界に参加した分際でわたくしのエルワード様を奪おうとした事は許せませんわ。
明日、私のお茶会がありますの。そこで罪を認めて謝罪しなさい。
もしも明日のお茶会に来なければ社交界に二度と出られない体にしますわよ!
分かったら今日中に返事を出しなさい!』
……という酷いものだった。
アイセアから聞いた話によると、この類の脅迫状が届いてから謝罪しに行くと何かしらの理不尽な約束をさせられるのだという。
だから行きたくないのだけれど、相手は公爵令嬢たから断るわけにはいかない。
「お嬢様、そんなに酷いお手紙なのですか?」
「ええ。読んでみる?」
「では……」
リサさんが脅迫状を読んでいる間にささっと返事を書く私。
今みたいに困った時はお母様に相談するように言われているのだけれど、昨日からお父様と領地に行っているから相談は出来ない。
それなら家族に迷惑がかからないように立ち回りたいから、危険を覚悟の上でアーシャ様のお茶会に参加することにした。
「これをアーシャ様のところに今日中に届くように頼んでもらえるかしら?」
「畏まりました。行かれるのですね……」
「ええ、皆に迷惑はかけられないもの。少し気晴らしに中庭に出てくるわ」
私はそれだけを言って庭に向かった。
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