46 / 74
46. 余命6日④
「あとは全部やっておくわね」
フレアがそんな風に言ってくれたけど、今の私はタオルを羽織っただけの状態。
だから、服を着ようと浴室の前に向かおうとしたのだけど、手で制されてしまった。
「着替えも持ってくるから楽にしてて」
「ありがとう」
再びベッドに腰掛ける私。
この後もフレアに色々なことを任せてしまって、申し訳ない気持ちになってしまったのだけど……。
髪を乾かしてもらっている間に眠気に襲われてしまった。
……。
…………。
「ほんと余計なことしてくれたね?」
気が付いたら何もない白い空間にいて、知らない女性の声が聞こえてきた。
少し幼さの残る声だけど、怒りが滲んでいることは分かった。
「フレア、見てるんだよね? 早く出てきて」
遅れて、空色の髪をした少女が姿を見せた。
背丈はフレアの肩くらいかしら……?
「夜中になんの用かしら?」
「ようやく出てきたわねフレア! 私だけ仲間外れにするって、どういうつもり!?」
そう言ってフレアに詰め寄る空色の髪の少女。
これ、一体どういう状況なのかしら?
「アクアを仲間外れにしようとしている訳では無いわよ? 勝手な行動してる自分のせいって分からなかったのかしら?」
「私だってみんなと一緒にいたいのに……」
「加護する相手を間違えたのね」
私のことは放っておいて、話を進めていく精霊達。
何が起きているのか全く理解できないわ……。
そう思っている時だった。
(彼女は水の精霊のアクアよ。仲間外れにされたって怒っているみたい)
フレアがそんな風に説明してくれた。
「今すぐ王家とやらから離れて! 私だけ1人ぼっちなんて嫌だよ……」
「随分と自分勝手ね? 貴女が加護してるアドルフがレティシアに手を出そうとしてるみたいだから、協力してるだけなのよ?」
「えっ?」
不意に素っ頓狂な声を上げるアクアさん。もしかして、アドルフの行動を把握してなかったのかしら?
「知らなかったのね……。猶予はあと5日よ。
それまでに調べて対策しなさい。出来なかったら、私と戦うことになるわよ」
フレアがそう言った瞬間、アクアさんは忽然と姿を消してしまった。
「フレア、今の何?」
「よく分からないわ。とりあえず、アクアに悪意があるわけでは無さそうだったわ」
「そう……。それならいいのだけど、少し不安ね」
私を殺しに来るかもしれないアドルフが精霊の加護持ちということは、魔法が使えるということ。
だから、フレアが守ってくれていると分かってても少し怖い。
「アクアは大して強くないから、そんなに心配しなくても大丈夫よ。それよりも、日に日に強くなってる不穏な気配の方が心配だわ」
「不穏な気配?」
「そうよ。感じないかしら? よくないことが起こりそうな気配なのだけど……」
「全く感じないわ……」
「精霊にしか分からないのかもしれないわね……」
フレアがそう返してくれた時だった。
突然、白い光景がスッと消えてしまった。
……。
…………。
「ごめん、時間切れになったみたい」
目を開けると、朝陽の光よりも先にフレアの顔が視界に飛び込んできた。
「時間切れ?」
「朝になったってことよ」
「そういうことね」
あれは夢みたいなものだから、目を覚ましたら消えてしまうのね……。
そんなことを考えながら朝の準備を始めようとした時だった。
なんとも言えない、悪寒に似たような感覚がした。
フレアがそんな風に言ってくれたけど、今の私はタオルを羽織っただけの状態。
だから、服を着ようと浴室の前に向かおうとしたのだけど、手で制されてしまった。
「着替えも持ってくるから楽にしてて」
「ありがとう」
再びベッドに腰掛ける私。
この後もフレアに色々なことを任せてしまって、申し訳ない気持ちになってしまったのだけど……。
髪を乾かしてもらっている間に眠気に襲われてしまった。
……。
…………。
「ほんと余計なことしてくれたね?」
気が付いたら何もない白い空間にいて、知らない女性の声が聞こえてきた。
少し幼さの残る声だけど、怒りが滲んでいることは分かった。
「フレア、見てるんだよね? 早く出てきて」
遅れて、空色の髪をした少女が姿を見せた。
背丈はフレアの肩くらいかしら……?
「夜中になんの用かしら?」
「ようやく出てきたわねフレア! 私だけ仲間外れにするって、どういうつもり!?」
そう言ってフレアに詰め寄る空色の髪の少女。
これ、一体どういう状況なのかしら?
「アクアを仲間外れにしようとしている訳では無いわよ? 勝手な行動してる自分のせいって分からなかったのかしら?」
「私だってみんなと一緒にいたいのに……」
「加護する相手を間違えたのね」
私のことは放っておいて、話を進めていく精霊達。
何が起きているのか全く理解できないわ……。
そう思っている時だった。
(彼女は水の精霊のアクアよ。仲間外れにされたって怒っているみたい)
フレアがそんな風に説明してくれた。
「今すぐ王家とやらから離れて! 私だけ1人ぼっちなんて嫌だよ……」
「随分と自分勝手ね? 貴女が加護してるアドルフがレティシアに手を出そうとしてるみたいだから、協力してるだけなのよ?」
「えっ?」
不意に素っ頓狂な声を上げるアクアさん。もしかして、アドルフの行動を把握してなかったのかしら?
「知らなかったのね……。猶予はあと5日よ。
それまでに調べて対策しなさい。出来なかったら、私と戦うことになるわよ」
フレアがそう言った瞬間、アクアさんは忽然と姿を消してしまった。
「フレア、今の何?」
「よく分からないわ。とりあえず、アクアに悪意があるわけでは無さそうだったわ」
「そう……。それならいいのだけど、少し不安ね」
私を殺しに来るかもしれないアドルフが精霊の加護持ちということは、魔法が使えるということ。
だから、フレアが守ってくれていると分かってても少し怖い。
「アクアは大して強くないから、そんなに心配しなくても大丈夫よ。それよりも、日に日に強くなってる不穏な気配の方が心配だわ」
「不穏な気配?」
「そうよ。感じないかしら? よくないことが起こりそうな気配なのだけど……」
「全く感じないわ……」
「精霊にしか分からないのかもしれないわね……」
フレアがそう返してくれた時だった。
突然、白い光景がスッと消えてしまった。
……。
…………。
「ごめん、時間切れになったみたい」
目を開けると、朝陽の光よりも先にフレアの顔が視界に飛び込んできた。
「時間切れ?」
「朝になったってことよ」
「そういうことね」
あれは夢みたいなものだから、目を覚ましたら消えてしまうのね……。
そんなことを考えながら朝の準備を始めようとした時だった。
なんとも言えない、悪寒に似たような感覚がした。
あなたにおすすめの小説
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
大人しい令嬢は怒りません。ただ二年間、準備していただけです。――婚約解消の申請が受理されましたので、失礼いたします
柴田はつみ
恋愛
婚約者に、誕生日を忘れられた。
正確には、忘れられたわけではない。
エドワード・ヴァルト公爵はちゃんと覚えていた。
記念のディナーも、予約していた。
薔薇だって、一輪、用意していた。
ただ――幼馴染のクロエ・アンセル伯爵令嬢から使いが来た瞬間、全部置いて行ってしまっただけだ。
「すぐ戻る」
彼が戻ったのは、三時間後だった。
蝋燭は溶け切り、料理は冷え、ワインは乾いていた。
それでもリーゼロッテ・フォン・アルテンベルクは、笑顔で座って待っていた。
「ええ、大丈夫でございます。お気遣いなく」
完璧な微笑みで、完璧にそう言った。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
【完結】ありのままのわたしを愛して
彩華(あやはな)
恋愛
私、ノエルは左目に傷があった。
そのため学園では悪意に晒されている。婚約者であるマルス様は庇ってくれないので、図書館に逃げていた。そんな時、外交官である兄が国外視察から帰ってきたことで、王立大図書館に行けることに。そこで、一人の青年に会うー。
私は好きなことをしてはいけないの?傷があってはいけないの?
自分が自分らしくあるために私は動き出すー。ありのままでいいよね?