半月後に死ぬと告げられたので、今まで苦しんだ分残りの人生は幸せになります!

八代奏多

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46. 余命6日④

「あとは全部やっておくわね」

 フレアがそんな風に言ってくれたけど、今の私はタオルを羽織っただけの状態。
 だから、服を着ようと浴室の前に向かおうとしたのだけど、手で制されてしまった。

「着替えも持ってくるから楽にしてて」
「ありがとう」

 再びベッドに腰掛ける私。

 この後もフレアに色々なことを任せてしまって、申し訳ない気持ちになってしまったのだけど……。
 髪を乾かしてもらっている間に眠気に襲われてしまった。


 ……。
 …………。


「ほんと余計なことしてくれたね?」

 気が付いたら何もない白い空間にいて、知らない女性の声が聞こえてきた。
 少し幼さの残る声だけど、怒りが滲んでいることは分かった。

「フレア、見てるんだよね? 早く出てきて」

 遅れて、空色の髪をした少女が姿を見せた。
 背丈はフレアの肩くらいかしら……?

「夜中になんの用かしら?」
「ようやく出てきたわねフレア! 私だけ仲間外れにするって、どういうつもり!?」

 そう言ってフレアに詰め寄る空色の髪の少女。
 これ、一体どういう状況なのかしら?

「アクアを仲間外れにしようとしている訳では無いわよ? 勝手な行動してる自分のせいって分からなかったのかしら?」
「私だってみんなと一緒にいたいのに……」
「加護する相手を間違えたのね」

 私のことは放っておいて、話を進めていく精霊達。
 何が起きているのか全く理解できないわ……。

 そう思っている時だった。

(彼女は水の精霊のアクアよ。仲間外れにされたって怒っているみたい)

 フレアがそんな風に説明してくれた。

「今すぐ王家とやらから離れて! 私だけ1人ぼっちなんて嫌だよ……」
「随分と自分勝手ね? 貴女が加護してるアドルフがレティシアに手を出そうとしてるみたいだから、協力してるだけなのよ?」
「えっ?」

 不意に素っ頓狂な声を上げるアクアさん。もしかして、アドルフの行動を把握してなかったのかしら?

「知らなかったのね……。猶予はあと5日よ。
 それまでに調べて対策しなさい。出来なかったら、私と戦うことになるわよ」

 フレアがそう言った瞬間、アクアさんは忽然と姿を消してしまった。

「フレア、今の何?」
「よく分からないわ。とりあえず、アクアに悪意があるわけでは無さそうだったわ」
「そう……。それならいいのだけど、少し不安ね」

 私を殺しに来るかもしれないアドルフが精霊の加護持ちということは、魔法が使えるということ。
 だから、フレアが守ってくれていると分かってても少し怖い。

「アクアは大して強くないから、そんなに心配しなくても大丈夫よ。それよりも、日に日に強くなってる不穏な気配の方が心配だわ」
「不穏な気配?」
「そうよ。感じないかしら? よくないことが起こりそうな気配なのだけど……」
「全く感じないわ……」
「精霊にしか分からないのかもしれないわね……」

 フレアがそう返してくれた時だった。
 突然、白い光景がスッと消えてしまった。


 ……。
 …………。


「ごめん、時間切れになったみたい」

 目を開けると、朝陽の光よりも先にフレアの顔が視界に飛び込んできた。

「時間切れ?」
「朝になったってことよ」
「そういうことね」

 あれは夢みたいなものだから、目を覚ましたら消えてしまうのね……。

 そんなことを考えながら朝の準備を始めようとした時だった。
 なんとも言えない、悪寒に似たような感覚がした。
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