5 / 155
5. 家出③
しおりを挟む
街道から離れれば離れるだけ騎士団に見つかる可能性は減るから、街道が見えなくなるまで離れた。
その分魔物に襲われる可能性は高くなるけど、この辺りの魔物なら私が習得している攻撃魔法で対処出来る。
ただ、宿に泊まれないから今晩は寝れないのよね……。
いつ魔物に襲われるか分からない場所で眠ることなんて、朽ち果てたい人しか出来ないと思う。
婚約破棄されたのは辛いけど、そこまで私は追い込まれていない。
ここまで追い込む殿下に腹は立てているけど。
馬の速さが落ちてきた時、お腹が鳴ってしまった。
誰も見ていないのに、途端に恥ずかしくなる。
「そろそろ休憩にしよう……」
馬を止めて乗馬のまま食事をとる事にした。
魔物に不意打ちされないように探知魔法を起動してから、あの短時間で用意してもらったサンドイッチを口にする。
その間、馬も草を食べていた。
休憩を終えてからは再び手綱を握って馬を走らせる。
長時間の乗馬の体勢は足が疲れるから、回復魔法をかけて無理矢理疲れを取る。
明日には全身が痛むことになるけど、日が昇る前には隣国に行きたい。
馬にも無理をさせてしまっているから、回復魔法をかけてあげる。
途中、何回か食事をとりながら草原を進んでいると、次第に岩が増えて山に入った。
ここまで来たら危険な魔物が増えるし、私の手配はまだされていないと思うから街道に戻ることにした。
でも、私の予想は外れてしまった。
「いたぞ、捕まえろ!」
街道に入って少しして、後ろの方から騎士の小隊が追ってきていた。
咄嗟に目眩しの強い光を放つ魔法で騎士達の視界を奪って、その隙に山の中に逃げ込んだ。
それから山の中をしばらく移動していると、正面から人を襲うこともある犬型の魔物、シャドウウルフが迫ってきていた。
シャドウウルフはジャンプ力が優れていて、騎乗の人の首筋に噛み付いて瞬く間に絶命させることが出来る恐ろしい魔物だ。
だから、慌てて攻撃魔法の呪文を唱えた。
「ライト・アロー」
私の手から放たれた光の矢はシャドウウルフの額に吸い込まれていき、
「キャウンッ」
一瞬で絶命させた。
でも、魔法の光に照らされて、7体のシャドウウルフの姿が見えた。
そのうち1体は私の方に飛んできていた。
「バーストっ!」
爆発の魔法でなんとか凌いで、1体ずつ倒していった。
それから何時間経ったのか、空が少しずつ明るくなってきた。
周りは再び草原になっていて、私は国境を超えたことに気付いた。
一睡も出来ていないからそろそろ限界だわ……。
魔物との連戦で魔力もほぼ使い切っているから、早く街に入らないと……。
そう思った時、真っ直ぐ私に向かってくる黒い影に気付いた。
でも、攻撃魔法を使えるほど魔力は残っていない。
どうしようか迷っている間にも黒い影は迫ってきていて、気付いた時には目の前で黒い竜が大口を開けて私を食べようとしていた。
お父様、お母様……先に旅立つことをお許しください……。
心の中で謝ると、涙が溢れた。
そしてすぐに、視界が真っ暗になった。
その分魔物に襲われる可能性は高くなるけど、この辺りの魔物なら私が習得している攻撃魔法で対処出来る。
ただ、宿に泊まれないから今晩は寝れないのよね……。
いつ魔物に襲われるか分からない場所で眠ることなんて、朽ち果てたい人しか出来ないと思う。
婚約破棄されたのは辛いけど、そこまで私は追い込まれていない。
ここまで追い込む殿下に腹は立てているけど。
馬の速さが落ちてきた時、お腹が鳴ってしまった。
誰も見ていないのに、途端に恥ずかしくなる。
「そろそろ休憩にしよう……」
馬を止めて乗馬のまま食事をとる事にした。
魔物に不意打ちされないように探知魔法を起動してから、あの短時間で用意してもらったサンドイッチを口にする。
その間、馬も草を食べていた。
休憩を終えてからは再び手綱を握って馬を走らせる。
長時間の乗馬の体勢は足が疲れるから、回復魔法をかけて無理矢理疲れを取る。
明日には全身が痛むことになるけど、日が昇る前には隣国に行きたい。
馬にも無理をさせてしまっているから、回復魔法をかけてあげる。
途中、何回か食事をとりながら草原を進んでいると、次第に岩が増えて山に入った。
ここまで来たら危険な魔物が増えるし、私の手配はまだされていないと思うから街道に戻ることにした。
でも、私の予想は外れてしまった。
「いたぞ、捕まえろ!」
街道に入って少しして、後ろの方から騎士の小隊が追ってきていた。
咄嗟に目眩しの強い光を放つ魔法で騎士達の視界を奪って、その隙に山の中に逃げ込んだ。
それから山の中をしばらく移動していると、正面から人を襲うこともある犬型の魔物、シャドウウルフが迫ってきていた。
シャドウウルフはジャンプ力が優れていて、騎乗の人の首筋に噛み付いて瞬く間に絶命させることが出来る恐ろしい魔物だ。
だから、慌てて攻撃魔法の呪文を唱えた。
「ライト・アロー」
私の手から放たれた光の矢はシャドウウルフの額に吸い込まれていき、
「キャウンッ」
一瞬で絶命させた。
でも、魔法の光に照らされて、7体のシャドウウルフの姿が見えた。
そのうち1体は私の方に飛んできていた。
「バーストっ!」
爆発の魔法でなんとか凌いで、1体ずつ倒していった。
それから何時間経ったのか、空が少しずつ明るくなってきた。
周りは再び草原になっていて、私は国境を超えたことに気付いた。
一睡も出来ていないからそろそろ限界だわ……。
魔物との連戦で魔力もほぼ使い切っているから、早く街に入らないと……。
そう思った時、真っ直ぐ私に向かってくる黒い影に気付いた。
でも、攻撃魔法を使えるほど魔力は残っていない。
どうしようか迷っている間にも黒い影は迫ってきていて、気付いた時には目の前で黒い竜が大口を開けて私を食べようとしていた。
お父様、お母様……先に旅立つことをお許しください……。
心の中で謝ると、涙が溢れた。
そしてすぐに、視界が真っ暗になった。
156
あなたにおすすめの小説
侯爵家のお飾り妻をやめたら、王太子様からの溺愛が始まりました。
二位関りをん
恋愛
子爵令嬢メアリーが侯爵家当主ウィルソンに嫁いで、はや1年。その間挨拶くらいしか会話は無く、夜の営みも無かった。
そんな中ウィルソンから子供が出来たと語る男爵令嬢アンナを愛人として迎えたいと言われたメアリーはショックを受ける。しかもアンナはウィルソンにメアリーを陥れる嘘を付き、ウィルソンはそれを信じていたのだった。
ある日、色々あって職業案内所へ訪れたメアリーは秒速で王宮の女官に合格。結婚生活は1年を過ぎ、離婚成立の条件も整っていたため、メアリーは思い切ってウィルソンに離婚届をつきつけた。
そして王宮の女官になったメアリーは、王太子レアードからある提案を受けて……?
※世界観などゆるゆるです。温かい目で見てください
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
いいえ、望んでいません
わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」
結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。
だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。
なぜなら彼女は―――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる