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10. 出会い②
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視線を感じながら服の内側のぬるぬるしたものを取り終えて、ジークさんに声をかけた。
「もう大丈夫です」
「身体冷えるといけないから乾かした方がいいぞ。魔法は使えるだろ?」
「ええ」
私が濡れた服を乾かしている間、ジークさんは周囲を見回していた。
意識を失っている間に魔力は回復したみたいで、問題なく魔法は使えた。
そういえば、ジークさんは家名を名乗ってなかったけど平民なのかな……?
それにしては身なりが綺麗なのが不思議ね。
考えてる間に服が乾いたから、ジークさんに声をかけた。
「移動するから乗ってくれ」
「竜にですか?」
「それ以外に何があると?」
「私が乗ってた馬とか……?」
そういえば、あの馬はどうしたのかしら?
姿が見えないということは、私だけ助けられて馬は魔物にやられたのよね、きっと。
可哀想なことしちゃったなぁ……。
ちょっと哀しい気持ちになってしまった。もちろん罪悪感もある。
「馬なら近くの村の人に俺が住んでる家まで届けるように頼んである。頼れるやつだから心配はいらない」
「そうだったのですね。ありがとうございます」
「ああ。じゃあ、行くぞ?」
「分かりました。竜さん、よろしくね」
私がそう口にすると、男の子の声が聞こえた。
『一応、僕にはアルディアって名前があるから覚えてくれると嬉しいな』
「分かったわ」
この後、ジークさんが乗り方を教えてくれて、乗りやすいようにしゃがんでくれたアルディアの背中に乗った。
「しっかり捕まってろよ」
「はいっ」
そう返事をするも、どんどん空へ上がっていくにつれて怖くなってきた。
不思議なことに風はあまり感じないけど、身体が震えてきた。
こんな高いところ、怖すぎるわ……。
「アルディアの魔法で落ちないようになってるから安心しろ」
「はい……」
それからは私が慣れるまで低いところを飛んでくれたお陰で身体の震えは止まった。
しばらくすると、集落が見えてきて飛ぶ速さがゆっくりになった。
「あの村ですか?」
「ああ。あそこに俺の家がある」
「そうなんですね」
ジークさんが指さしながらそう言ってくれたけど、どの家か分からなかったから適当に頷いた。
その間にもどんどん低くなっていって、大きめの家のお庭に着地した。
「ここが俺の家だ。狭いがベッドは4つあるから許してくれると助かる」
そう説明してくれるジークさん。でも、私は断った。
「別に泊めてくださらなくても、自分で宿を探しますので大丈夫ですわ」
ジークさんは私を助けてくれたとはいえ、初対面の殿方の家に泊まるなんてあり得ないもの。
「寝室には鍵がついてるから安心してくれ。宿は危険だからやめておけ。下着まで全部盗られることがよくあるらしいからな」
「そ、そうなんですね……」
「信じられないなら、村のやつに聞けばいい」
宿に泊まると下着まで盗まれるなんて……正直信じられない。でも、ジークさんが言っていることは嘘には聞こえなかったから信じることにした。
「分かりました、信じます」
「信じられないって顔してるぞ? 俺に襲われないか心配なのか?」
「ええ……」
私は素直に答えた。殿方は貴族でも襲ってくることがあるから、2人きりだなんて信じられないもの。
「女性の使用人もいるから安心して。直接会った方が早いか……。ここで待っててくれ」
ジークさんはそう言ってお家の中に入っていった。
この国の騎士さんって、使用人が雇えるほどお給金がいいのかしら?
「もう大丈夫です」
「身体冷えるといけないから乾かした方がいいぞ。魔法は使えるだろ?」
「ええ」
私が濡れた服を乾かしている間、ジークさんは周囲を見回していた。
意識を失っている間に魔力は回復したみたいで、問題なく魔法は使えた。
そういえば、ジークさんは家名を名乗ってなかったけど平民なのかな……?
それにしては身なりが綺麗なのが不思議ね。
考えてる間に服が乾いたから、ジークさんに声をかけた。
「移動するから乗ってくれ」
「竜にですか?」
「それ以外に何があると?」
「私が乗ってた馬とか……?」
そういえば、あの馬はどうしたのかしら?
姿が見えないということは、私だけ助けられて馬は魔物にやられたのよね、きっと。
可哀想なことしちゃったなぁ……。
ちょっと哀しい気持ちになってしまった。もちろん罪悪感もある。
「馬なら近くの村の人に俺が住んでる家まで届けるように頼んである。頼れるやつだから心配はいらない」
「そうだったのですね。ありがとうございます」
「ああ。じゃあ、行くぞ?」
「分かりました。竜さん、よろしくね」
私がそう口にすると、男の子の声が聞こえた。
『一応、僕にはアルディアって名前があるから覚えてくれると嬉しいな』
「分かったわ」
この後、ジークさんが乗り方を教えてくれて、乗りやすいようにしゃがんでくれたアルディアの背中に乗った。
「しっかり捕まってろよ」
「はいっ」
そう返事をするも、どんどん空へ上がっていくにつれて怖くなってきた。
不思議なことに風はあまり感じないけど、身体が震えてきた。
こんな高いところ、怖すぎるわ……。
「アルディアの魔法で落ちないようになってるから安心しろ」
「はい……」
それからは私が慣れるまで低いところを飛んでくれたお陰で身体の震えは止まった。
しばらくすると、集落が見えてきて飛ぶ速さがゆっくりになった。
「あの村ですか?」
「ああ。あそこに俺の家がある」
「そうなんですね」
ジークさんが指さしながらそう言ってくれたけど、どの家か分からなかったから適当に頷いた。
その間にもどんどん低くなっていって、大きめの家のお庭に着地した。
「ここが俺の家だ。狭いがベッドは4つあるから許してくれると助かる」
そう説明してくれるジークさん。でも、私は断った。
「別に泊めてくださらなくても、自分で宿を探しますので大丈夫ですわ」
ジークさんは私を助けてくれたとはいえ、初対面の殿方の家に泊まるなんてあり得ないもの。
「寝室には鍵がついてるから安心してくれ。宿は危険だからやめておけ。下着まで全部盗られることがよくあるらしいからな」
「そ、そうなんですね……」
「信じられないなら、村のやつに聞けばいい」
宿に泊まると下着まで盗まれるなんて……正直信じられない。でも、ジークさんが言っていることは嘘には聞こえなかったから信じることにした。
「分かりました、信じます」
「信じられないって顔してるぞ? 俺に襲われないか心配なのか?」
「ええ……」
私は素直に答えた。殿方は貴族でも襲ってくることがあるから、2人きりだなんて信じられないもの。
「女性の使用人もいるから安心して。直接会った方が早いか……。ここで待っててくれ」
ジークさんはそう言ってお家の中に入っていった。
この国の騎士さんって、使用人が雇えるほどお給金がいいのかしら?
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