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97. 裁判①
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「フィーナ、緊張しているの? 大丈夫?」
お昼を終えて馬車で移動している時、お母様がそう問いかけてきた。
「初めてだから少し緊張しているだけです」
「緊張しないはずがないわよね……。私も初めての時は緊張したもの」
思い出のように話すお母様。
初めての裁判はそれほどまでに印象に残るのね……。
そう考えたら、その裁判がなんの裁判だったのか気になったから聞くことにした。
「お母様はなんの裁判が初めてだったのですか?」
「殺人未遂と国家反逆罪の疑いをかけられて出たのが最初よ」
「えっ……⁉︎」
予想していなかった内容に思わず声を上げてしまう私。
「ソーラスを狙ってた侯爵令嬢に嵌められたのよ。ソーラスが調べてくれたおかげで冤罪を証明出来たわ。
最後は私は無罪に、その侯爵令嬢は友達だったのだけど……極刑に処されることになったわ」
「そんなことがあったのね……」
経験しないと分からないと思うけど……友達に冤罪をかけられて戦った結果、その友達が極刑になるのは辛いわよね……。
「もうすぐ着きそうだから続きは帰り話すわね」
「ありがとう……」
それからすぐに王城に着いて、私達は無言で裁判所へと向かった。
王宮に着いてから30分、私はお母様の後に法廷に入った。
証拠品の最終確認のために朝から屋敷を出ていたお父様はすでに原告側の席に座っていた。
法廷の中は私語が許されていないから一言も話さずに席に向かった。
それから10分ほどで裁判が始まった。
「被告人の入場です」
裁判長がそう言うと向かいの壁にある扉が開いて、後ろ手に拘束された元令嬢ーーレイラが騎士さん2人と入ってきた。
彼女は私の方を見るともの凄い形相で睨んできたけど、私は無視した。
そしてレイラが中央に設けられた席ーー被告人席に座って裁判が始まった。
「貴女にはクラウス王子殿下に許可なく薬を盛り、精神を操り、当時の婚約者を手にかけさせようとしたとして国家反逆罪の罪がかけられています。何か異論はありますか?」
レイラにそう問いかける裁判長さん。
それに対して、彼女はこう口にした。
「あります」
「では、反論をどうぞ」
「婚約破棄を恐れたあの女が薬を盛ったのではないですか? 媚薬などで殿下の心を繋ぎ止めようとしたのだと思いますわ」
私を指差しながらそう言うレイラ。嘘も程々にして欲しいわ……。
嘘を言ってくれないと逆に困るのだけど、罪をなすりつけようとされるのは良い気分かしない。
「具合的にどのようになったのか説明は出来ますか?」
「殿下の気持ちが無いことを知ったあの女が婚約者という立場を利用して、殿下の飲み物か食べ物に薬を盛ったのだと思いますわ」
レイラがそう口にした後、お父様の隣に座っている人が手を上げた。
「発言の許可をお願いします」
「どうぞ、許可します」
「彼女が説明した方法ですが、間違いが起こらないようにとフィーナ様が付けていた侍女が2名側にいましたので、不可能だと思われます。
その侍女が精神を操られたり買収されたりしていないことは確認済みですので、証言の必要があれば手配します」
たまに色々なことを求められていたから襲われないように付けていただけなのだけど、こんなことに役に立つとは思わなかったわ……。
「被告人、何か反論はありますか?」
「その侍女があの女を気に入っていたら嘘をついている可能性もあると思いますわ」
「では明日、嘘発見装置を使用した上でこの場で証言をとります。それで納得ですか?」
「はい」
「では、次の事件についてです。
殿下が婚約破棄後、貴女が殿下の飲み物に薬を盛っていたことが証言や物的証拠から分かっています。
これについて反論はありますか?」
その言葉が言われた瞬間、レイラの表情が変わった。
そして、細い声でこう口にした。
「ありません……」
それからはただレイラのした罪が並べられ、レイラが頷くだけになっていた。
……のだけど、ある質問の後に反論した。
お昼を終えて馬車で移動している時、お母様がそう問いかけてきた。
「初めてだから少し緊張しているだけです」
「緊張しないはずがないわよね……。私も初めての時は緊張したもの」
思い出のように話すお母様。
初めての裁判はそれほどまでに印象に残るのね……。
そう考えたら、その裁判がなんの裁判だったのか気になったから聞くことにした。
「お母様はなんの裁判が初めてだったのですか?」
「殺人未遂と国家反逆罪の疑いをかけられて出たのが最初よ」
「えっ……⁉︎」
予想していなかった内容に思わず声を上げてしまう私。
「ソーラスを狙ってた侯爵令嬢に嵌められたのよ。ソーラスが調べてくれたおかげで冤罪を証明出来たわ。
最後は私は無罪に、その侯爵令嬢は友達だったのだけど……極刑に処されることになったわ」
「そんなことがあったのね……」
経験しないと分からないと思うけど……友達に冤罪をかけられて戦った結果、その友達が極刑になるのは辛いわよね……。
「もうすぐ着きそうだから続きは帰り話すわね」
「ありがとう……」
それからすぐに王城に着いて、私達は無言で裁判所へと向かった。
王宮に着いてから30分、私はお母様の後に法廷に入った。
証拠品の最終確認のために朝から屋敷を出ていたお父様はすでに原告側の席に座っていた。
法廷の中は私語が許されていないから一言も話さずに席に向かった。
それから10分ほどで裁判が始まった。
「被告人の入場です」
裁判長がそう言うと向かいの壁にある扉が開いて、後ろ手に拘束された元令嬢ーーレイラが騎士さん2人と入ってきた。
彼女は私の方を見るともの凄い形相で睨んできたけど、私は無視した。
そしてレイラが中央に設けられた席ーー被告人席に座って裁判が始まった。
「貴女にはクラウス王子殿下に許可なく薬を盛り、精神を操り、当時の婚約者を手にかけさせようとしたとして国家反逆罪の罪がかけられています。何か異論はありますか?」
レイラにそう問いかける裁判長さん。
それに対して、彼女はこう口にした。
「あります」
「では、反論をどうぞ」
「婚約破棄を恐れたあの女が薬を盛ったのではないですか? 媚薬などで殿下の心を繋ぎ止めようとしたのだと思いますわ」
私を指差しながらそう言うレイラ。嘘も程々にして欲しいわ……。
嘘を言ってくれないと逆に困るのだけど、罪をなすりつけようとされるのは良い気分かしない。
「具合的にどのようになったのか説明は出来ますか?」
「殿下の気持ちが無いことを知ったあの女が婚約者という立場を利用して、殿下の飲み物か食べ物に薬を盛ったのだと思いますわ」
レイラがそう口にした後、お父様の隣に座っている人が手を上げた。
「発言の許可をお願いします」
「どうぞ、許可します」
「彼女が説明した方法ですが、間違いが起こらないようにとフィーナ様が付けていた侍女が2名側にいましたので、不可能だと思われます。
その侍女が精神を操られたり買収されたりしていないことは確認済みですので、証言の必要があれば手配します」
たまに色々なことを求められていたから襲われないように付けていただけなのだけど、こんなことに役に立つとは思わなかったわ……。
「被告人、何か反論はありますか?」
「その侍女があの女を気に入っていたら嘘をついている可能性もあると思いますわ」
「では明日、嘘発見装置を使用した上でこの場で証言をとります。それで納得ですか?」
「はい」
「では、次の事件についてです。
殿下が婚約破棄後、貴女が殿下の飲み物に薬を盛っていたことが証言や物的証拠から分かっています。
これについて反論はありますか?」
その言葉が言われた瞬間、レイラの表情が変わった。
そして、細い声でこう口にした。
「ありません……」
それからはただレイラのした罪が並べられ、レイラが頷くだけになっていた。
……のだけど、ある質問の後に反論した。
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