婚約破棄され家を出た傷心令嬢は辺境伯に拾われ溺愛されるそうです 〜今更謝っても、もう遅いですよ?〜

八代奏多

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145. 国王side 恐怖の日

 敵陣が窓から見える。
 味方の陣は見えない。
 他の窓から見ても、敵陣が見える。


 これが示すのはただ一つ。
 王都がほぼ包囲されており、いつ攻め込まれてもおかしくないということ。

 即ち、ここ王城が落ちる寸前であるということ。


 何故だ、何故戦力で勝るはずの我が国が負けそうなのだ⁉︎


「陛下、対策会議のお時間です」

「分かっている」


 こうなったのもクラウスのせいだ。あの馬鹿息子が余計なことをしなければ……!

 心の中でクラウスを始末することを決め、会議のために移動を始めた時だった。


 耳をつんざく轟音、そして何かが崩れる音が響いた。


 慌てて外の様子を確認すれば、城のテラスが一部崩れていた。
 敵の攻撃が城を破壊出来ることが驚きだった。

 これは今すぐに対策を立てねば。その一心で会議を行う部屋に飛び込んだ。
 しかし……


「陛下! 陛下も防御結界の魔力を! 会議はそれからです!」


 ……既に会議を出来る状況ではなかった。


「魔力は一年は持つはずだ。一体何がどうなっている?」

「敵の攻撃が予想以上に強かったので強化するんです。そのために魔力が必要でして……」


 再び破裂音。
 直後、侍女達が悲鳴を上げ、この場にいた貴族の一部は叫びながら走り出した。


 誰がどう見ても混乱の渦中に陥ったことは明らかな状況。
 この状況の中でまともに防衛が出来るとは思えない。

 ならば、王族の我々が守るしかない。
 だから、私はこう指示を出した。


「魔力を搾り取る装置を使ってクラウスの魔力を使え」

「ですが、あれはかなりの不快感を伴います。それを殿下に使うのですか?」

「クラウスへの罰も兼ねている。構わなくていい」

「畏まりました」


 魔力量は私よりも多いクラウスだ。きっと一人で賄ってくれるだろう。


「攻撃の準備をする」

「攻撃は最大の防御というやつですね? 直ちに準備します!」


 その直後、目の前が赤く染まり、轟音で耳の奥から激痛が走った。
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