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146. イストリア軍side 想定外
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皇帝の命令で出陣した我々第一国軍は過去に例を見ないほどの好戦果を収めていた。
数年に一度、行なっているアストリア侵略は全戦全敗だったために士気は最低だった。
だが、今回の出陣は全戦全勝。そして損害は無し。
不戦勝だったとはいえ、好戦果に俺の率いる第二十三小隊の士気は見たこともない位に高まっている。
最初は何かの罠かと思い慎重に行動していたが、王城を包囲する今となっては警戒する必要もないだろう。
時折飛んでくる敵の攻撃は装甲車で容易に防げる。
あとは降伏を待つだけだろう。だが、油断は禁物だ。
足元を掬われたら元も子もない。
「これは勝ったも同然ですね、隊長!」
「ああ。だが、相手は魔法大国だ。最後まで油断はするな。
おい、酒は飲むな!」
油断している部下を叱責しつつ、装甲車の小窓から城の様子を見てみれば、砲撃によって外壁が崩れ始めていた。
「偵察部より入電! グレイヴのものと思われる竜が接近中! 各員、対空戦闘準備にかかれ!」
「グレイヴの竜だと⁉︎ 勝てるわけがない! 撤退だ! 離脱せよ!」
通信係の読み上げに慌てて撤退命令を出す。
近くに森は無いから今は少しでも遠くに逃げる必要がある。
グレイヴの竜の攻撃にこの装甲車は耐えられないからだ。
命令違反をすれば罰せられるが、死ぬよりはマシだ。
俺には愛する家族がいるからな。
「隊長、それでは命令違反に」
「気にするな! 全ての責任は俺が取る! 今は生きることだけを考えろ!」
それから数分、俺達は無人の店に突っ込んで布で馬車風にしてから撤退を再開。
途中、森との境にある高台から様子を見れば、仲間の装甲車は跡形もなく破壊され、火を噴き上げていた。
そして、四方八方に逃げる装甲車にも攻撃魔法が降り注ぎ、次々と破壊されていた。
「相手は本気のようだ。今は見つからないように隠れる。夜になったら撤退再開だ。
今のうちに休むように」
「はっ」
そうして俺達は手頃な大きさの洞窟に装甲車を隠し、夜が来るのを待った。
幸いにもこの装甲車には暗視装置が付いているから、闇の中での行動に問題はない。
これなら敵に見つかることなく行動出来る。
そう思っていたのだが……
「両手を上げなさい。動いたら命はないわよ」
……どうやら敵も馬鹿ではないようだ。
「分かった。分かったから命だけはお助けを……!」
立て続けに、俺達のものではない声が聞こえた。
どうやら俺達はまだ見つかっていないようだった。
見つかりそうな恐怖が俺を、俺達を襲う。
そして、人の気配が消えてからも俺達は慎重に行動する羽目になった。
なんとか一週間かけてイストリアに入っても、今度はローザニアに攻め込まれ、帝国が講和を申し出るまで恐怖の日々は続いた。
数年に一度、行なっているアストリア侵略は全戦全敗だったために士気は最低だった。
だが、今回の出陣は全戦全勝。そして損害は無し。
不戦勝だったとはいえ、好戦果に俺の率いる第二十三小隊の士気は見たこともない位に高まっている。
最初は何かの罠かと思い慎重に行動していたが、王城を包囲する今となっては警戒する必要もないだろう。
時折飛んでくる敵の攻撃は装甲車で容易に防げる。
あとは降伏を待つだけだろう。だが、油断は禁物だ。
足元を掬われたら元も子もない。
「これは勝ったも同然ですね、隊長!」
「ああ。だが、相手は魔法大国だ。最後まで油断はするな。
おい、酒は飲むな!」
油断している部下を叱責しつつ、装甲車の小窓から城の様子を見てみれば、砲撃によって外壁が崩れ始めていた。
「偵察部より入電! グレイヴのものと思われる竜が接近中! 各員、対空戦闘準備にかかれ!」
「グレイヴの竜だと⁉︎ 勝てるわけがない! 撤退だ! 離脱せよ!」
通信係の読み上げに慌てて撤退命令を出す。
近くに森は無いから今は少しでも遠くに逃げる必要がある。
グレイヴの竜の攻撃にこの装甲車は耐えられないからだ。
命令違反をすれば罰せられるが、死ぬよりはマシだ。
俺には愛する家族がいるからな。
「隊長、それでは命令違反に」
「気にするな! 全ての責任は俺が取る! 今は生きることだけを考えろ!」
それから数分、俺達は無人の店に突っ込んで布で馬車風にしてから撤退を再開。
途中、森との境にある高台から様子を見れば、仲間の装甲車は跡形もなく破壊され、火を噴き上げていた。
そして、四方八方に逃げる装甲車にも攻撃魔法が降り注ぎ、次々と破壊されていた。
「相手は本気のようだ。今は見つからないように隠れる。夜になったら撤退再開だ。
今のうちに休むように」
「はっ」
そうして俺達は手頃な大きさの洞窟に装甲車を隠し、夜が来るのを待った。
幸いにもこの装甲車には暗視装置が付いているから、闇の中での行動に問題はない。
これなら敵に見つかることなく行動出来る。
そう思っていたのだが……
「両手を上げなさい。動いたら命はないわよ」
……どうやら敵も馬鹿ではないようだ。
「分かった。分かったから命だけはお助けを……!」
立て続けに、俺達のものではない声が聞こえた。
どうやら俺達はまだ見つかっていないようだった。
見つかりそうな恐怖が俺を、俺達を襲う。
そして、人の気配が消えてからも俺達は慎重に行動する羽目になった。
なんとか一週間かけてイストリアに入っても、今度はローザニアに攻め込まれ、帝国が講和を申し出るまで恐怖の日々は続いた。
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