181 / 182
後日譚 王の側近と王妃の侍女
epilogue ~ 二十年後の世界 ~
しおりを挟む
ノクシアルという名が王命によって与えられてから、二十一年が過ぎた。
その六年前、海の向こう――シーランド王国では、長く続いた氷の王家がついに幕を閉じた。
誰もが次に訪れるのは『炎派の時代』だと信じていた。
けれど、そこに生まれたのは、どちらでもない。
待っていたのは、血でも派閥でも語れぬ、まったく新しい時代だった。
名に縛られず、血統に惑わされず、ただ『選び取る者』が戴冠する時代。
血筋よりも、志が尊ばれ、伝統よりも希望が選ばれた。
そして、その新しい時代の『風』は、今、静かにヴァロニアにも届こうとしている。
この国の王太子エリクスもまた、氷派の王と、炎派に連なる王妃の間に生まれた子だった。
そのエリクスの歩む道は、かつて相容れなかったものたちを繋ぎ、和える道。
次代を担う若者たちが、ヴァロニアに新しいかたちを描こうと、静かに歩み始めていた。
* * * * *
王宮の午後は、ひときわ穏やかだった。
応接室の高窓からは春の陽光が差し込み、繊細なレースのカーテンが、時折吹き込む微風にそっと揺れる。窓辺の鉢植えの白い小花が、明るく咲いていた。
ヴァロニア王妃シルヴィアと、その侍女であるリアナは、陽だまりのそばで椅子を並べ、静かにお茶の支度をしていた。
テーブルには、王太子と騎士の帰還を祝うために用意されたハーブティーと、砂糖包みの菓子が並ぶ。
「少し外が騒がしいわね。戻ってきたのかしら」
「本日は、ノクシアル侯爵夫人もお呼びしたんですけれど、まだ着いておられませんね」
リアナがティーポットを静かに傾けると、ハーブの香りが湯気とともに漂い、室内の空気を和らげていく。
「王太子が騎士一人を伴って国外に出向くなど、昔なら前代未聞でしたけど……流石、エリ様ですわ」
「そうね。何処へでも、ルークが同行してくれるので安心だわ」
シルヴィアの口元に、安堵と誇りの入り混じった笑みが浮かんだ。
六年前、シーランドの旅から戻ったルーク・ノクシアルが王太子エリクスに忠誠を誓い、そして、二人が並んで隣国を訪れるほどに成長した。その事実が胸に沁みる。
その時、扉が開いた。
春風を運ぶようにして現れたのは、黒髪に蒼い目を持つ、二人の青年――エリクスとルークだった。
「王妃殿下、リアナ様、只今帰還いたしました」
エリクスが軽く一礼し、ルークがすぐ後に続く。
身のこなしには威儀があるが、長旅を終えた二人の足取りには、どこか旅路の名残が滲んでいた。
「お帰りなさい、エリも、ルークも。無事で何よりです」
シルヴィアが立ち上がると、エリクスは笑いながら言った。
「シーランドの風は、やはり違いますね。海も、森も。今回は、母上のご実家にもお世話になりました」
「エリクス殿下が、王妃様のご実家から白い子猫を連れて帰ろうとするので、止めるのが本当に大変でした……」
ルークの告げ口に、シルヴィアが目を細めて「まあ」と笑った。
部屋の空気がふわりと和らぐ。
「それよりも、女王様の御成婚祝いは、いかがでしたか?」
椅子に腰を下ろしたエリクスとルークが、交互に言葉を紡ぐ。
「シーランドでは、女王陛下と王配殿下の祝祭が各地で行われていて、何処へ行っても、新時代を祝う温かい空気で希望に満ちていましたよ」
「……でも、女王様は立派というか、いつも威風ですね。近くで見ていると、圧倒されそうになります」
「まあ。ノクシアルの騎士様が圧倒されるなんて、珍しいですわね」
リアナが肩を揺らし、面白そうに茶をすする。
「ただ、公務を離れると、非常に気さくな方なのですよ」
「それに、あれは、レオンにガチ惚れですよね。なんとなく知ってたけど……」
「ルーク様、『ガチ惚れ』って、なんですかその言葉遣い。エリ様には教えないで下さいね」
「えっ! でも、騎士団では皆使ってますよ、普通に……。ね? 殿下」
エリクスに助けを求めるルークの言葉に、皆がくすくすと笑った。
「レオン様って王配殿下ですよね。その方、ルーク様の従弟だとお聞きしておりますけど、本当なのですか? エリ様も、その方のこと、よく話されるんですよ」
リアナがここぞとばかりに問いかけると、ルークは頬を微かに掻いて答えた。
「はい、レオンは僕の従弟です。見た目は僕に似てますけど……、そうだなぁ、彼の方が僕よりちょっとだけ男前かな」
「まぁ。美形の一族なのですね。あなたが美形なのは、お母様を見ればわかりますわ」
その時――
「ルーク!」
外から勢いよく駆ける足音が響いた。控えの侍女が扉を開けると、そこには風をまとったような一人の女性の姿があった。
ラシェル。ノクシアル侯爵夫人、そしてルークの母――。
その頬は少し火照っていたが、唇には穏やかな笑みが浮かんでいた。
「えっ……母上?!」
ルークは思わず椅子から立ち上がり、その場に駆け寄った。
母親が来ることを知らされていなかったようだった。
「……母上、急に王宮に来るなんて。びっくりするよ」
「だって、息子が帰る日なんですもの。迎えに来るのは当然でしょ?」
「母上……、僕はもう二十二なので、そんな心配しなくても大丈夫だからね……」
照れたように目を伏せる息子の姿に、ラシェルはくすりと笑った。
背の高いルークの肩にそっと手を置きながら、頬をやわらかく撫でる。
「ルーク卿のそういう所、お父様に似てますね」
リアナの一言に、室内が再び和やかな笑いに包まれた。
窓辺からの春の陽光が、そっと母と子の肩に降り注ぐ。
エリクスはその光を見つめながら、ふっと笑った。
「……次は、私の番でしょうか。父上も、戴冠前の二十五の時に、婚姻されたと思いますので。私もそろそろかな、と」
その声に、リアナとシルヴィアが同時に、しかし全く違う意味で目を細めた。
「お相手はいるの?」
「エリ様、それは慎重に選ばなくては……」
「私の婚姻は、政略でも契約でもありません。私は、ノクシアルご夫妻に憧れてるんですよ。貴族なのに恋愛で結ばれたと言う」
そう言って、エリクスはふと、ラシェルと向かい合うルークの姿へ視線を向ける。
この親子の絆が、今の王国にとって一つの象徴なのだと、誰もが知っていた。
「それなら、エリ様も、温室でお花を植えたり、子犬を抱っこして歩いたらどうでしょう? 惹かれる方が現れるかもしれませんよ」
「ちょ、ちょっと、リアナ様、やめてください。息子の前で……」
ラシェルの頬がほのかに赤く染まる。
リアナがそれを楽しげに見つめ、ルークは小さく肩をすくめる。
「殿下は、本気なので……もう僕は何も言いません」
「お願いですから、あまり干渉しないでくださいよ」
その言葉とともに、応接室には柔らかな笑い声が広がっていった。
ノクシアルの名を継ぐ一家と、未来の王とその母たち。
それぞれの過去と選択が、春の午後の光のなかで、優しく混ざり合っていた。
To be continued...→?
・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。..。:*・゜゜・*:.
(次ページは感謝と宣伝です)
その六年前、海の向こう――シーランド王国では、長く続いた氷の王家がついに幕を閉じた。
誰もが次に訪れるのは『炎派の時代』だと信じていた。
けれど、そこに生まれたのは、どちらでもない。
待っていたのは、血でも派閥でも語れぬ、まったく新しい時代だった。
名に縛られず、血統に惑わされず、ただ『選び取る者』が戴冠する時代。
血筋よりも、志が尊ばれ、伝統よりも希望が選ばれた。
そして、その新しい時代の『風』は、今、静かにヴァロニアにも届こうとしている。
この国の王太子エリクスもまた、氷派の王と、炎派に連なる王妃の間に生まれた子だった。
そのエリクスの歩む道は、かつて相容れなかったものたちを繋ぎ、和える道。
次代を担う若者たちが、ヴァロニアに新しいかたちを描こうと、静かに歩み始めていた。
* * * * *
王宮の午後は、ひときわ穏やかだった。
応接室の高窓からは春の陽光が差し込み、繊細なレースのカーテンが、時折吹き込む微風にそっと揺れる。窓辺の鉢植えの白い小花が、明るく咲いていた。
ヴァロニア王妃シルヴィアと、その侍女であるリアナは、陽だまりのそばで椅子を並べ、静かにお茶の支度をしていた。
テーブルには、王太子と騎士の帰還を祝うために用意されたハーブティーと、砂糖包みの菓子が並ぶ。
「少し外が騒がしいわね。戻ってきたのかしら」
「本日は、ノクシアル侯爵夫人もお呼びしたんですけれど、まだ着いておられませんね」
リアナがティーポットを静かに傾けると、ハーブの香りが湯気とともに漂い、室内の空気を和らげていく。
「王太子が騎士一人を伴って国外に出向くなど、昔なら前代未聞でしたけど……流石、エリ様ですわ」
「そうね。何処へでも、ルークが同行してくれるので安心だわ」
シルヴィアの口元に、安堵と誇りの入り混じった笑みが浮かんだ。
六年前、シーランドの旅から戻ったルーク・ノクシアルが王太子エリクスに忠誠を誓い、そして、二人が並んで隣国を訪れるほどに成長した。その事実が胸に沁みる。
その時、扉が開いた。
春風を運ぶようにして現れたのは、黒髪に蒼い目を持つ、二人の青年――エリクスとルークだった。
「王妃殿下、リアナ様、只今帰還いたしました」
エリクスが軽く一礼し、ルークがすぐ後に続く。
身のこなしには威儀があるが、長旅を終えた二人の足取りには、どこか旅路の名残が滲んでいた。
「お帰りなさい、エリも、ルークも。無事で何よりです」
シルヴィアが立ち上がると、エリクスは笑いながら言った。
「シーランドの風は、やはり違いますね。海も、森も。今回は、母上のご実家にもお世話になりました」
「エリクス殿下が、王妃様のご実家から白い子猫を連れて帰ろうとするので、止めるのが本当に大変でした……」
ルークの告げ口に、シルヴィアが目を細めて「まあ」と笑った。
部屋の空気がふわりと和らぐ。
「それよりも、女王様の御成婚祝いは、いかがでしたか?」
椅子に腰を下ろしたエリクスとルークが、交互に言葉を紡ぐ。
「シーランドでは、女王陛下と王配殿下の祝祭が各地で行われていて、何処へ行っても、新時代を祝う温かい空気で希望に満ちていましたよ」
「……でも、女王様は立派というか、いつも威風ですね。近くで見ていると、圧倒されそうになります」
「まあ。ノクシアルの騎士様が圧倒されるなんて、珍しいですわね」
リアナが肩を揺らし、面白そうに茶をすする。
「ただ、公務を離れると、非常に気さくな方なのですよ」
「それに、あれは、レオンにガチ惚れですよね。なんとなく知ってたけど……」
「ルーク様、『ガチ惚れ』って、なんですかその言葉遣い。エリ様には教えないで下さいね」
「えっ! でも、騎士団では皆使ってますよ、普通に……。ね? 殿下」
エリクスに助けを求めるルークの言葉に、皆がくすくすと笑った。
「レオン様って王配殿下ですよね。その方、ルーク様の従弟だとお聞きしておりますけど、本当なのですか? エリ様も、その方のこと、よく話されるんですよ」
リアナがここぞとばかりに問いかけると、ルークは頬を微かに掻いて答えた。
「はい、レオンは僕の従弟です。見た目は僕に似てますけど……、そうだなぁ、彼の方が僕よりちょっとだけ男前かな」
「まぁ。美形の一族なのですね。あなたが美形なのは、お母様を見ればわかりますわ」
その時――
「ルーク!」
外から勢いよく駆ける足音が響いた。控えの侍女が扉を開けると、そこには風をまとったような一人の女性の姿があった。
ラシェル。ノクシアル侯爵夫人、そしてルークの母――。
その頬は少し火照っていたが、唇には穏やかな笑みが浮かんでいた。
「えっ……母上?!」
ルークは思わず椅子から立ち上がり、その場に駆け寄った。
母親が来ることを知らされていなかったようだった。
「……母上、急に王宮に来るなんて。びっくりするよ」
「だって、息子が帰る日なんですもの。迎えに来るのは当然でしょ?」
「母上……、僕はもう二十二なので、そんな心配しなくても大丈夫だからね……」
照れたように目を伏せる息子の姿に、ラシェルはくすりと笑った。
背の高いルークの肩にそっと手を置きながら、頬をやわらかく撫でる。
「ルーク卿のそういう所、お父様に似てますね」
リアナの一言に、室内が再び和やかな笑いに包まれた。
窓辺からの春の陽光が、そっと母と子の肩に降り注ぐ。
エリクスはその光を見つめながら、ふっと笑った。
「……次は、私の番でしょうか。父上も、戴冠前の二十五の時に、婚姻されたと思いますので。私もそろそろかな、と」
その声に、リアナとシルヴィアが同時に、しかし全く違う意味で目を細めた。
「お相手はいるの?」
「エリ様、それは慎重に選ばなくては……」
「私の婚姻は、政略でも契約でもありません。私は、ノクシアルご夫妻に憧れてるんですよ。貴族なのに恋愛で結ばれたと言う」
そう言って、エリクスはふと、ラシェルと向かい合うルークの姿へ視線を向ける。
この親子の絆が、今の王国にとって一つの象徴なのだと、誰もが知っていた。
「それなら、エリ様も、温室でお花を植えたり、子犬を抱っこして歩いたらどうでしょう? 惹かれる方が現れるかもしれませんよ」
「ちょ、ちょっと、リアナ様、やめてください。息子の前で……」
ラシェルの頬がほのかに赤く染まる。
リアナがそれを楽しげに見つめ、ルークは小さく肩をすくめる。
「殿下は、本気なので……もう僕は何も言いません」
「お願いですから、あまり干渉しないでくださいよ」
その言葉とともに、応接室には柔らかな笑い声が広がっていった。
ノクシアルの名を継ぐ一家と、未来の王とその母たち。
それぞれの過去と選択が、春の午後の光のなかで、優しく混ざり合っていた。
To be continued...→?
・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。..。:*・゜゜・*:.
(次ページは感謝と宣伝です)
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)
スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」
唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。
四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。
絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。
「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」
明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは?
虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる