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第1章 王国編
第4話 空を飛びたい
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戻ってきたドレイクは両手でお盆を持っていた
その上にはほかほかと湯気の出ている器がのっていた
「それなに?」
「ん?これか?これはミルクにいろいろ溶かして混ぜ混ぜしたやつだ」
「いろいろ?」
「ああ、ポーションとか龍の内蔵とかだな」
「え!?・・内蔵?」
「そうだぞ、栄養たっぷりだ!いっぱい食えよ~」
「う、うん」
そういうとドレイクは僕の前に器を置いて正面に座った
僕の方を楽しそうに見ている
僕にはこんな状況で食べないなんてできない泣
まあ見た目は普通のミルクだ
匂いも悪くはない
最悪でも気絶だろう、死なないからセーフ
死ななきゃセーフだから!
自分に言い聞かせておそるおそるそれを口にすると、僕は衝撃を受けた
「グウッ!・・・・うっ!」
「ど、どうしたんだ!」
「うまい」
スパンッ!
ドレイクにお盆で叩かれた、全然痛くなかった
そういえば僕あんなに投げられたのになんで無事だったんだろう、
そんなことを考えてぼーっとしていたらドレイクの叫びで我に返った
「紛らわしいことすんなぁーーー!
マジでなんか間違えたかと思ってくそ焦ったじゃねえか!」
「いやほんとにこれ美味しいんだけど」
「そうだろう!おれがドラゴンの生態を研究してる時、食べてるものについてもいろいろ調べてたからな、ドラゴン好みの味のはずだ。それにしても気に入ってくれて良かった。ほんとにドラゴンに出したことはなかったからな、内心ちょっとだけ不安だったんだよな。」
「これ気に入ったよ」
「そいつは良かった!じゃあそれ食べ終わったら今度は外出て運動でもしようか
ドラゴンの幼体について調べてみたいからな」
「う、うん、そうだね、」
「ん?どうした?」
「い、いや!なんでもないよ!」
――20分後
とうとう臓物ミルクを飲み干してしまった
やだな、もう一杯ミルクもらおっかな
けどもうおなかいっぱいだしな
「よし、じゃあ外行こっかね」
「うん、」
ドレイクはそう言うとさっさとドアの方に行ってしまった
が、ぼくはどうしても決心がつかなかった
「ん?何してるんだ?はやくおいで」
「え~っとさ、運動はまた今度にしない?」
「どうしてだ?外で遊びたくないのか?」
「う~ん」
「ほらおいで!それとも魔法の練習でもするか?」
「あ!魔法がいい!魔法の練習したい!」
「おお、そうか、じゃあ今日は魔法の基礎をやろう
よし!そうと決まれば外に出よう。室内で魔力暴走とかされたらたまったもんじゃないからな」
「うん!」
そうして外に出た僕は何かが家の周りを覆っているのに気がついた
「ねえねえ、あれは何?」
「あれは結界だよ。外からは見えないけど中からは見えるようになってる」
「なんで?」
「だって外にいるときに見えなくしちまったら帰れなくなっちまうだろう?」
「魔法使っても?」
「ああ、俺は探索系の魔法があんまり得意じゃないからな」
「そうなんだ」
「それじゃあ今から魔法の基礎を教えてやる。といっても基礎中の基礎だけどな」
「十分だよ!」
「それじゃあまず魔法についてだが、太古の悪魔たちがつくったとされる術で、天使の奇跡と対になると言われている物だ。で、いろいろと面白い歴史があるんだが、それはたぶんまだ難しいから実践の部分だけを教える」
「うん」
「じゃあ両手をだせ」
「はい」
ドレイクはその手をつかむと何か短い呪文のような物を唱えた
すると僕の体をなにかがめぐるのを感じた
最初はたいしたことなかったけど、すぐに暑くなってきて息も苦しくなってきた
「も、もう無理!無理!」
「おお、生まれてすぐだとこんなもんなのか」
ドレイクはそう言って手を離した
「今のが魔力だ。今はお前の体に流れてる魔力を回転させただけだが、それでも使ってると疲れる。もっといろんな使い方ができて、ドラゴンはブレスをはいたり翼で空を飛ぶ補助としたりできる」
「へー、そう、なん、だ」
疲れで息切れしてしまってうまく返事ができなかった
「てこと、はさ、翼だけじゃ、空は飛べない、って事?」
「まあ飛べないことはないけど厳しいだろうな。この例えでは通じないかもしれないが、トレーニングしていない普通の人間が全力疾走し続けるくらい厳しい」
「ほー、なるほどね」
「あんま伝わってなさそうだな」
そりゃだって僕は普通がどんなもんかよくわからないんだもん
「まあ難しいって事はわかったよ」
「空が飛びたいのか?」
「うん、まあできるならね」
「そりゃお前はドラゴンなんだから、ほっといてもいつかは飛べるようになるだろうよ。まあ今すぐ飛びたいなら練習がいるけどな」
「練習したらできるかな?」
「たぶんな、まあできるかどうかなんて考えても意味ないからな。とりあえずやってみろよ。生後1日のくせにやる前から悩んでんじゃねえよ、できなかった時にまた考えればいいんだ」
今まで何度も誰かが言っていたような言葉だったが、なぜだかドレイクの言葉はスッと納得できた
とりあえずやってみよう!!!
その上にはほかほかと湯気の出ている器がのっていた
「それなに?」
「ん?これか?これはミルクにいろいろ溶かして混ぜ混ぜしたやつだ」
「いろいろ?」
「ああ、ポーションとか龍の内蔵とかだな」
「え!?・・内蔵?」
「そうだぞ、栄養たっぷりだ!いっぱい食えよ~」
「う、うん」
そういうとドレイクは僕の前に器を置いて正面に座った
僕の方を楽しそうに見ている
僕にはこんな状況で食べないなんてできない泣
まあ見た目は普通のミルクだ
匂いも悪くはない
最悪でも気絶だろう、死なないからセーフ
死ななきゃセーフだから!
自分に言い聞かせておそるおそるそれを口にすると、僕は衝撃を受けた
「グウッ!・・・・うっ!」
「ど、どうしたんだ!」
「うまい」
スパンッ!
ドレイクにお盆で叩かれた、全然痛くなかった
そういえば僕あんなに投げられたのになんで無事だったんだろう、
そんなことを考えてぼーっとしていたらドレイクの叫びで我に返った
「紛らわしいことすんなぁーーー!
マジでなんか間違えたかと思ってくそ焦ったじゃねえか!」
「いやほんとにこれ美味しいんだけど」
「そうだろう!おれがドラゴンの生態を研究してる時、食べてるものについてもいろいろ調べてたからな、ドラゴン好みの味のはずだ。それにしても気に入ってくれて良かった。ほんとにドラゴンに出したことはなかったからな、内心ちょっとだけ不安だったんだよな。」
「これ気に入ったよ」
「そいつは良かった!じゃあそれ食べ終わったら今度は外出て運動でもしようか
ドラゴンの幼体について調べてみたいからな」
「う、うん、そうだね、」
「ん?どうした?」
「い、いや!なんでもないよ!」
――20分後
とうとう臓物ミルクを飲み干してしまった
やだな、もう一杯ミルクもらおっかな
けどもうおなかいっぱいだしな
「よし、じゃあ外行こっかね」
「うん、」
ドレイクはそう言うとさっさとドアの方に行ってしまった
が、ぼくはどうしても決心がつかなかった
「ん?何してるんだ?はやくおいで」
「え~っとさ、運動はまた今度にしない?」
「どうしてだ?外で遊びたくないのか?」
「う~ん」
「ほらおいで!それとも魔法の練習でもするか?」
「あ!魔法がいい!魔法の練習したい!」
「おお、そうか、じゃあ今日は魔法の基礎をやろう
よし!そうと決まれば外に出よう。室内で魔力暴走とかされたらたまったもんじゃないからな」
「うん!」
そうして外に出た僕は何かが家の周りを覆っているのに気がついた
「ねえねえ、あれは何?」
「あれは結界だよ。外からは見えないけど中からは見えるようになってる」
「なんで?」
「だって外にいるときに見えなくしちまったら帰れなくなっちまうだろう?」
「魔法使っても?」
「ああ、俺は探索系の魔法があんまり得意じゃないからな」
「そうなんだ」
「それじゃあ今から魔法の基礎を教えてやる。といっても基礎中の基礎だけどな」
「十分だよ!」
「それじゃあまず魔法についてだが、太古の悪魔たちがつくったとされる術で、天使の奇跡と対になると言われている物だ。で、いろいろと面白い歴史があるんだが、それはたぶんまだ難しいから実践の部分だけを教える」
「うん」
「じゃあ両手をだせ」
「はい」
ドレイクはその手をつかむと何か短い呪文のような物を唱えた
すると僕の体をなにかがめぐるのを感じた
最初はたいしたことなかったけど、すぐに暑くなってきて息も苦しくなってきた
「も、もう無理!無理!」
「おお、生まれてすぐだとこんなもんなのか」
ドレイクはそう言って手を離した
「今のが魔力だ。今はお前の体に流れてる魔力を回転させただけだが、それでも使ってると疲れる。もっといろんな使い方ができて、ドラゴンはブレスをはいたり翼で空を飛ぶ補助としたりできる」
「へー、そう、なん、だ」
疲れで息切れしてしまってうまく返事ができなかった
「てこと、はさ、翼だけじゃ、空は飛べない、って事?」
「まあ飛べないことはないけど厳しいだろうな。この例えでは通じないかもしれないが、トレーニングしていない普通の人間が全力疾走し続けるくらい厳しい」
「ほー、なるほどね」
「あんま伝わってなさそうだな」
そりゃだって僕は普通がどんなもんかよくわからないんだもん
「まあ難しいって事はわかったよ」
「空が飛びたいのか?」
「うん、まあできるならね」
「そりゃお前はドラゴンなんだから、ほっといてもいつかは飛べるようになるだろうよ。まあ今すぐ飛びたいなら練習がいるけどな」
「練習したらできるかな?」
「たぶんな、まあできるかどうかなんて考えても意味ないからな。とりあえずやってみろよ。生後1日のくせにやる前から悩んでんじゃねえよ、できなかった時にまた考えればいいんだ」
今まで何度も誰かが言っていたような言葉だったが、なぜだかドレイクの言葉はスッと納得できた
とりあえずやってみよう!!!
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