嫌われた大賢者と未来の竜王 ~「あれ、お前の鱗って金色だったっけ?」隠居した森で見つけたドラゴンの子供が成長しすぎて怖いです~

陽好

文字の大きさ
7 / 37
第1章 王国編

第7話 ぼっち

しおりを挟む
ドレイクがマンドラゴラに向かって杖を振ると、マンドラゴラが綺麗に10等分くらいに輪切りされた

「よーし帰るぞー!デュークはこれを持ってきてくれ」

そう言って渡されたのはマンドラゴラ3切れだった
かなりのサイズがあったし、ドレイクがものすごい重そうに渡してきたから力んで受け取ったら、思ったより軽くて投げてしまいそうになった

「軽いんかーい!!!」

「あっはっはっは」

そんな風にふざけながら家に帰ると、家の結界を通った直後、畑の方から思わず耳を塞いでしまうようなものすごい絶叫が聞えてきた
ドレイクは音が止むと同時に、

「デュークは家で待ってろ!」

と叫んでマンドラゴラをその場に放り出して畑の方に走り出した
マンドラゴラをその場に放置するのもどうかと思ったので、家のそばに運んで綺麗に積んでおいた
そのまま大人しく待っていると、
『ドゴォォォン』という音があたりに鳴り響いた
ドレイクがなんかやったのかな~とか思いながら、大人しく待っていた


――2時間後
ドレイクが戻ってくる気配はなさそうだった
時折遠くでさっきのような轟音が響いてくるだけだった
まあ音がしている内はドレイクは大丈夫だろう
それにドレイクは僕に待ってろって言ったんだ
きっと戻ってくる
そう信じて待つことにした



――4時間後
森の底は暗くなり空には月が昇り始めたが、ドレイクはまだ帰ってこない
どうしようもない焦燥感が募ってくる
かえって、くるよね
今日のご飯どうしよう
結局その日は僕が寝てしまうまでドレイクは帰ってこなかった



――翌朝
目を覚ますと、外はものすごい雨だった
とても不吉な感じがしたけど、あまり気にしないようにした
今日こそは帰ってくるに違いない
さすがに1日たてば帰って来るだろう
それにご飯もどこに有るのかわからない
早く帰ってきてくれないと餓死してしまう



――3日後
帰ってこない
おなかがすいた
外はとてもいい天気だ
食べ物でもとりにいこうかな
うん、そうだそうしよう

そう決心した僕は結界の外に踏み出した
結界から出ると、なんだか肌がピリピリした
しばらく周囲を散歩すると、木の上に美味しそうな赤い木の実?を見つけた
軽く息を吐いてから、体内の魔力を使って飛び上がった
近くで見ると、その植物は大きめのブドウのようだった
試しに一つもいでみた
中にずっしりと水分の詰まっている重さだ
皮もむかずに「ガブリッ」とかじりつくと
中からは甘い実が水分とともにあふれ出てきた
5日間絶食したあとの口いっぱいに広がる水分と甘さは形容しがたいほどに美味しかった
一粒だけで我慢できるはずがなく、その木になっている実をすべて食べ尽くした
食べ終わる頃にはものすごい満足感とともに眠気が襲ってきた
なんとか家に帰ると僕はそのまま寝てしまった
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?

サクラ近衛将監
ファンタジー
 神様の眷属の過失が原因の事故に遭って死んだ桜庭雄一が異世界に転生したら、とある国の忌避すべき王子として幽閉されていた。  転生にはチートがつきもののはずだが、事故で死んだ者が300名を超えるために、個別にチートは与えられず、転生先の者の能力を生かせと神に告げられている。  「神の加護」ではないけれど、「恩寵」が与えられているので、当該異世界では努力を為した分、通常に比べると成果があるらしい。  これはとある国の幽閉王子に転生した男の冒険譚である。  原則として、毎週月曜日20時に投稿予定です。

処理中です...