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完璧なシナリオ
第二話 チートは『スキルクリエーター』
しおりを挟む「もうそのことはいいですから神様。」
「えっ!なんでですか?!私は貴方を殺ってしまったんですよ!許せるんですか?」
(殺ってるって、ほんとに神様なのか?今更疑問になってきた…)
「し、失礼ですねぇ、ほんとに私は神なんですぅ~」
絶世の美女が拗ねるように言っているが、俺の中にはもう既に『残念』のレッテルが貼られていた。
「そんなことより、俺は死んでしまったけどお詫びとして俺の願いを聞いてくれませんか?」
「そんなことよりって、まぁ、殺ってしまったことは事実なのでお願いを叶えて私の罪悪感が癒されるのならなんでもどうぞ!」
意外とノリのいい残念な神様により、さっきまでの話しの進行速度が嘘のように進んでいく。
「お願いの前にいくつか質問していいですか?」
「はい、どうぞ、神なのでなんでも答えてあげましょう」
「じゃ、俺のいた地球はまた別に世界ってありますか?」
「私が管理している世界なら10個ほどありますけど?」
「っ!なら、その中に魔法の概念が存在する世界ってありますか?!」
「あぁ~はい、ありますけど、貴方のいた地球のゲームや本のような世界です。
って!興奮しすぎじゃないですか?」
「それは興奮しますよ!もう、ウハウハですよ!はぁぁぁああ!」
「そ、そうなんですね」
異常とも言える興奮具合いに少し引いている神様だがオタクの俺にとってこれはチャンスでもあった。
自分が長年見ていた夢物語が現実になるかもしれないからだ。
「最後にその世界にスキルは存在しますか?」
「はい、詳しくは説明が必要ですが貴方の考えているもので間違いありません」
この時のテンションは今までで最高に上がっていた、発狂してしまうくらいに……
あ、引いてる。
「おっほん、質問は以上です、では俺の願いを聞いてください」
ここからは大事な話なので真剣な顔で話すことにする。
「俺の願いは3つあり、ひとつは魔法の概念が存在する世界に転生ではなく転移して欲しいこと、2つ目はその世界で俺の地球での記憶を残して欲しいこと、最後は………」
「最後は?」
「転移する時に、『スキルクリエーター』と言うスキルの授けて欲しいこと!!」
「『スキルクリエーター』、ですか?」
神様がスキルについて説明を促してきた。
「はい、説明しますね、
『スキルクリエーター』、このスキルは新規、既在のスキルに関わらず考えたスキルならなんでもできるというもの、消費するものは何も無い、ただし『スキルクリエーター』自体は作ることができない」
「たしかにスキルを渡すスキルを作ったら無限増殖も可能ですもんね。
しかし、何も対価がないなんて、ちょっと欲張りすぎじゃないですか?等価交換はどうしたんですか?」
「いやいや、そこをなんとか!あと仮に俺が歩きスマホしてなくてもあのスピードは避けられずに死んでたでしょう」
「むぅ、確かにそうですね、わかりました、そのスキルを授けましょう
でも条件を1つ増やします、それは強すぎる、または便利すぎるスキルの製作は制限を付けさせてください、あと私なりに便利な機能も付けておきましたので活用してください」
神様は渋々と言った感じではあったがサービスも付けてくれてしっかりと承諾してくれた。
「もうここに長居する理由が無いので例の世界に転移してください。あ、転移先は大きな森でお願いします」
「理由をお聞きしようと思ったのですが何か考えがありそうなのでそうします。
向こうの世界のお金とか国や大陸については今教えますね。」
「そういうのは冒険しながら学んで行こうと思ってたのですが、教えてくれるなら素直に……ん?ジョ○○みたいなポーズで何やってるんですか?」
「ちょっと痛いですよ」
「えっ、ちょっ!まっ!ぎゃぁわ!!」
「これで異世界でもすんなりやって行けるでしょう」
激しい頭痛がした。一度にたくさんの情報が頭に入って来てこうなったのだろう。しかしもっと配慮できないものか。残念め
「まだ残念って言いますかぁ。もういいです、諦めました。
それと貴方は一回死んでるんでこちらで体を用意しました。ベースは地球の貴方ですがちょっとイケメンにしておきましたよ」
「ありがとうございます!!!」
「では、これで貴方に授けるものは以上です。あなたが行く世界『ポシブル』は貴方に試練を与え、貴方に出会いを与えるでしょう。
2度目の人生を頑張って楽しんでください。」
「?はい、行ってきます」
何やら頑張っての所に違和感を感じたが気のせいだろう。今は欲しい夢とスキルが手に入る、これで満足だ。
足元に綺麗な魔法陣が現れ、意識が徐々に遠のいて行く。
だが最後まで期待を裏切らない残念な神様は、
「・・・あぁ!忘れてました!一緒に車にひかれた猫がス…イ……に…っ……」
うゎぁ~最後にやってくれたなぁ~神様それ結構だいじなやつじゃね?
声に出したつもりだが頭がぼんやりとしていき意見することができなかった。
そして、死んだ時と同じように意識が途切れた。
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