最強のチー

帝都では濃い日常

第十九話 テンプレは違う形で

　翌朝、俺達は街を散策するついでにお金が無いので冒険者ギルドに登録しょうと思う。
　ちなみにお金の単位はコールで日本円と同じで1コール1円、石貨が1コールで鉄貨、銅貨、銀貨、金額、白金貨の順に一桁づつ上がっていく、そして俺達の手持ち金は銀貨5枚つまり5000コールだ。

「手っ取り早く稼ぐなら冒険者だな」

「でもランクで受けられる依頼が違うわよ」

「そうなんだよな～」

　街を歩いているがまさに中世の時代そのものだった。治安も日本ほどではないがいいほうだ。それに何より色んな種族がいる。エルフに獣人、ドワーフにトカゲを人型にした奴は龍族？みたいなのもいる、流石帝都と言ったところか。

「ねぇアキ！アレなんだろう！！」

　『ピィ！！』

「気持ちはわかるが今は金がない、ギルドで素材を売ってからにしよう」

「むぅーケチ…」

　『ピィ…』

　あからさまに落ち込む一人と一匹、そうこうしている内にギルドに着いたようだ。
　ギルドは全世界共通で冒険者、鍛冶、木工、料理の四つがあり、所属する者はF~SSのランクに分けられる。掛け持ちもありで主流は冒険者だが、鍛冶や木工、料理が無かったらやって行けないので持ちつ持たれつで経営している。
　
「うぉでっか！」

「首が痛いわ」

　『ピィピィ！』

　帝都にあるだけあってめっちゃデカイ、イメージは三段ホールケーキをレンガで作ったようだ。よくわからん。
　俺としてはお決まりのチンピラが出てきて欲しい所だが…

「おうおぅにぃーちゃん達、ここは子供の来る所じゃーないぜ！バァッハッハ！！｣

「弱そうな男だな、まぁ気を付けな」

　二人組の厳ついおっさんが出てきて挑発風な事を言われたが何も無く終わった。
　やっぱり現実は現実だな…

「何よあんた達！私達は子供じゃないしあんた達より強いのよ！！」

　．．．え？

「何だこの女？死にたいのか？！」

「やるなら手加減しろよ？」

　．．．えーーー！！！

　確かにこんな状況を見たかったけど！これじゃこっちがチンピラじゃん！

「遅いわよ…」

「ぐはぁ！！」

　こちら実況、アスカの渾身の右ストレートがおっさんAの溝に綺麗に入った！
　おっとぉ！おっさんAも右ストレートを繰り出す！だがしかしアスカはあっさり躱された！！さらにおっさんBとナデシコも参戦だぁ～！！
　混戦になるかと思いきや…アスカのアッパーとナデシコの猫パンチが顎に炸裂！！
　ノックアウト！！！！

「君達…ちょっと来なさい…」

　そしてギルドのドアからギルドマスターらしき細マッチョ紳士な老人が登場！一体どうなるのか！！

　．．．え？

「来なさい…」

　．．．え？