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第一章

2.相手の自尊心を傷つけない

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……
ん……
あれ?ここは…
…土……地面?
横になっているということはわかったがなぜ外で寝ているのだっけ?

目を開けてみる…

見えるのは葉っぱ…木…草?何かカラフルな木だ…ここはどこなんだ?
家…庭では無い…よな…

本に触ったら…身体中に電流が流れたような…感電?…で、捨てられた?誘拐?俺を?
頭の中でさまざまな考えが浮かぶ…

んー学校でなにか恨みでも買ったっけー、そういえば、この前…

ん?

グルグルグルグル…
犬が唸っている様な声が聞こえる…
ん?野犬か?今時?

ゆっくり起きてみる…
野犬だった場合、素早く起きると刺激を与えそうだから…

グルグル…
その声は近づいてくる…うしろ?…
声の方を振り向いた…

ブオオオオオオ!!!!

森全体を震わせる様な音だ。

こわっ!やばっ!なに!?

えっ!?豚…人間!?
目の前10mのところにいた、人型二足歩行。服装はアフリカの部族の様な感じで大きさは俺が175cmだが、それよりも30cmは大きく、力士並みの幅もある。

えっ!?やばっ!?豚人間じゃん!UMA?ムーに連絡しなきゃ…
あ、スマホ…
ポケットに手を入れるとそれはあった
スマホを触る…警察か!?電話しないと…

えっ!
圏外…今時?めっちゃ山の中じゃん…
とりあえず写真だけでも…
カメラを起動した…
カシャ…あっ…音が…

ブオオオオオ!
威嚇なのか…もう一度、豚人間は叫ぶとこちらへ向かってきた!

やばい…逃げなきゃ…

急いで後ろを向き走り出した
追ってくる音が聞こえる…
グルルルル…

やばいやばい追いつか……っうわっ
草に足を引っ掛けて転んでしまった!

よくみるとところどころ草が縛ってあって輪ができている…
えっ!狩場!?

グルルル… 
豚人間はそこにいた…

うわあーーー!
俺は今まで出した事ない様な叫び声をあげた。

持っていたものを投げる…スマホ…

ブン……パチっ
豚人間にあたった

ブオオオオオオ!!

余計に怒らせた…

これなら!…あっ…振りかぶって投げようとした「それ」は…
「本」……
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