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第五章 恋する乙女大作戦編
第78話 国連警察の使者到来!
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西暦2320年。
24世紀最悪の幕開け、寄生菌『珊瑚』による感染爆発から早20年。
感染対策の方法も確立され、異形と化した感染者の処分方法も広まり、ワクチンや症状緩和剤や感染抑制剤が作られ、一時期とは比べ物にならない程に世界は落ち着きを取り戻していた。
そんな中ここ10年は起きていなかった街中での生物災害が、114年前に建国されたヨーロッパで最も歴史が浅い小国、《パラス》にて発生!
住民の避難が済んでいない中での処分作業は困難を極め、避難誘導に当たっていた警察官の4名が感染した後に殉職。犠牲者を出してしまう結果となってしまった。
軍隊が駆け付けてくれるまで打つ手がないと、駆け付けてくれた所で災害現場は火が放たれ爆薬で吹き飛び、美しい街並みが見る影もない程に変貌してしまうだろうと、民衆は恐怖と悲しみと混乱の渦にいた。
その時、一人の男が颯爽と災害現場に現れ、感染者の魔の手を阻んだ!
彼はバイオテロ首謀者と疑われ国内で指名手配を受けていた人物。しかしそれは実は冤罪であり、本当の彼は正義感溢れる高尚な医者だったのである!
自分の正義に従う彼は、心にもない言葉を浴びせ、拳銃まで向け、自分を捕えようとしていた警察官を、感染者の脅威から身を挺して庇った! それが原因で深い傷を負ってもなお、災害に立ち向かうのをやめなかった……!
そんな勇敢な彼は被害を最小限に留めつつ、とうとう感染者の処分を成し遂げたのだ!
これはパラス国の歴史に残るだろう、英雄伝説の幕開け……
「脚色し過ぎでは……!?」
「尾ひれ付きまくってんな~」
人工島アバトンの早朝。
出勤の為フリーデンと共に寄宿舎から出たモーズは、ラボに向かう道すがら世界ニュースがまとめられた新聞に目を通しておこうと、腕時計型電子機器を起動した。
そして真っ先に昨日の自分の事が載ったホログラム記事が出てきて、大層困惑した。
「それに何だこの、小説の一節のような文面は……。誤解が広がる気しかしない……」
「世間はセンセーショナルな話題が好きだからなぁ、盛ってなんぼなんだよ」
「ああああ! 私はもう、パラスの地を踏まない。絶対にだ!」
今にも火を吹きそうな顔をフェイスマスク越しに両手で覆い、モーズは断言する。ちなみに借りていたアパートの部屋の引き払いは、業者に全て丸投げしたのでもう戻る必要はない。
昨日、災害対処に当たった時はとにかく被害を押さえる事で頭が一杯で、側から見たらどう見えるかとか、その後どんな騒動に発展するのかとか全く考えていなかった。
そもそも感染者の処分をしてくれたのはセレンとテトラミックスであって、モーズではない。尤もこれは国連の検閲が入って、ウミヘビの情報がメディアから消された結果だ。
つまり世界ニュースでは、モーズが一人で災害を鎮めた事になってしまっている。
「そういやモーズの出身ってフランスだよな? 転々としていたらしいけど、最終的になんでパラスに?」
「パラスにある感染病棟の院長……。ロベルト院長に、ドイツで行われた学会に参加した時に声をかけて頂いてな。それを受けてあの方の病棟で勤めていた」
「へぇ~、ロベルト院長が直々にスカウトなぁ。……それ、内緒にしてた方がいいかもな」
「うん? 何故?」
ウィン。
寄宿舎から出て辿り着いたラボの巨塔のドアが自動で開き、モーズらを招き入れる。
そしてラボの一階、エントランスの真ん中に立つ見慣れない女性と、邂逅した。
「……。女の子だぁああああっ!?」
「フリーデン、フリーデン!」
反射的に叫ぶフリーデン。挙動が男子寄宿学校に女子が現れた時の反応のそれである。モーズは慌てて口を閉じるように促した。
次いでポツンと一人で立つスーツ姿の女性。プラチナブロンドの長髪を大きなヘアクリップで後頭部にまとめた、丸眼鏡の女性に向け、頭を掴んで下げさせる。
「失礼、マリーゴールドに似たお方。私はモーズと申します。こちらはフリーデン。貴女の名をお伺いしても?」
「おっふ。流れるように花に例えるとは、これがラテンの血か……」
「偏見では?」
ちなみにマリーゴールドとは菊の花の一種で、赤やオレンジや黄色の花弁を咲かす可憐な花である。
「えっと、私は国際連盟秘密警察組織アメリカ支部より参りました! 『クリス』と申します!」
「声高~い、め~っちゃ可愛い~」
「フリーデン、口を閉じろ。クリスさん、失敬。少々お待ちを」
挨拶一つでこの挙動。モーズはフリーデンの背中を押してクリスと名乗る女性から物理的に距離を取らせた。
そしてエントランスの端っこで、落ち着くよう言い聞かせる。
「さっきからどうしたんだ、フリーデン。失礼極まりないぞ」
「いやだって野郎しかいないこのむさ苦しい園に、女の子っていう可憐な妖精が現れたら動揺もするだろ?」
「意味がわからん。……うん? と言うか、アバトンには男性しかいないのか? ウミヘビが男性体だけなのは知っているが」
「そうそう。クスシもウミヘビに合わせて全員男なんだよ。刑務所と同じ。……って言うのは建前で、現実問題としてアイギスを寄生させるのに女性だと都合が悪いというか……」
「確かに。持病がなくとも女性は貧血になりやすい。そこに吸血種であるアイギスを寄生させるのは危険が伴うな」
「あとその~、センシティブな問題だから大きな声で言えないんだけどさぁ」
「何だ?」
フリーデンはちょいちょいとモーズに少し屈むよう促して、耳元に顔を寄せて小声で喋る。
「ウミヘビの何人かは女性恐怖症に陥っているんだ。それもあって所長は女性を採用する気ないんだと」
「何と。何があったのか気になる所だが、迂闊に触れられない問題だな」
「だろ?」
それを伝えたフリーデンはモーズから離れ、再び普通の声量で話始める。
「そもそもこんな野郎監獄に女の子が居たら、それだけでセクハラパワハラじゃね? お帰り頂かね?」
「それは駄目だろう。しかしクリスさんはフェイスマスクを所持していないようだから、その用意からがいいだろうか?」
「あぁその規約、クスシにしか適応されないっていうか、クスシ以外の人間が来る事を想定していないっていうか」
「何を言っているんだ? ではひとまず、クリスさんを談話室か応接室に……」
そこでモーズはラボの巨塔の間取りを思い浮かべ、ハッとする。
「いや待て、このラボに客室はあるのか!?」
「ズバリ、ないっ!」
「つまり客人を招く気が一切合切ないと……!? この組織、不健全では!?」
「モーズもとうとう気付いちまったか~」
24世紀最悪の幕開け、寄生菌『珊瑚』による感染爆発から早20年。
感染対策の方法も確立され、異形と化した感染者の処分方法も広まり、ワクチンや症状緩和剤や感染抑制剤が作られ、一時期とは比べ物にならない程に世界は落ち着きを取り戻していた。
そんな中ここ10年は起きていなかった街中での生物災害が、114年前に建国されたヨーロッパで最も歴史が浅い小国、《パラス》にて発生!
住民の避難が済んでいない中での処分作業は困難を極め、避難誘導に当たっていた警察官の4名が感染した後に殉職。犠牲者を出してしまう結果となってしまった。
軍隊が駆け付けてくれるまで打つ手がないと、駆け付けてくれた所で災害現場は火が放たれ爆薬で吹き飛び、美しい街並みが見る影もない程に変貌してしまうだろうと、民衆は恐怖と悲しみと混乱の渦にいた。
その時、一人の男が颯爽と災害現場に現れ、感染者の魔の手を阻んだ!
彼はバイオテロ首謀者と疑われ国内で指名手配を受けていた人物。しかしそれは実は冤罪であり、本当の彼は正義感溢れる高尚な医者だったのである!
自分の正義に従う彼は、心にもない言葉を浴びせ、拳銃まで向け、自分を捕えようとしていた警察官を、感染者の脅威から身を挺して庇った! それが原因で深い傷を負ってもなお、災害に立ち向かうのをやめなかった……!
そんな勇敢な彼は被害を最小限に留めつつ、とうとう感染者の処分を成し遂げたのだ!
これはパラス国の歴史に残るだろう、英雄伝説の幕開け……
「脚色し過ぎでは……!?」
「尾ひれ付きまくってんな~」
人工島アバトンの早朝。
出勤の為フリーデンと共に寄宿舎から出たモーズは、ラボに向かう道すがら世界ニュースがまとめられた新聞に目を通しておこうと、腕時計型電子機器を起動した。
そして真っ先に昨日の自分の事が載ったホログラム記事が出てきて、大層困惑した。
「それに何だこの、小説の一節のような文面は……。誤解が広がる気しかしない……」
「世間はセンセーショナルな話題が好きだからなぁ、盛ってなんぼなんだよ」
「ああああ! 私はもう、パラスの地を踏まない。絶対にだ!」
今にも火を吹きそうな顔をフェイスマスク越しに両手で覆い、モーズは断言する。ちなみに借りていたアパートの部屋の引き払いは、業者に全て丸投げしたのでもう戻る必要はない。
昨日、災害対処に当たった時はとにかく被害を押さえる事で頭が一杯で、側から見たらどう見えるかとか、その後どんな騒動に発展するのかとか全く考えていなかった。
そもそも感染者の処分をしてくれたのはセレンとテトラミックスであって、モーズではない。尤もこれは国連の検閲が入って、ウミヘビの情報がメディアから消された結果だ。
つまり世界ニュースでは、モーズが一人で災害を鎮めた事になってしまっている。
「そういやモーズの出身ってフランスだよな? 転々としていたらしいけど、最終的になんでパラスに?」
「パラスにある感染病棟の院長……。ロベルト院長に、ドイツで行われた学会に参加した時に声をかけて頂いてな。それを受けてあの方の病棟で勤めていた」
「へぇ~、ロベルト院長が直々にスカウトなぁ。……それ、内緒にしてた方がいいかもな」
「うん? 何故?」
ウィン。
寄宿舎から出て辿り着いたラボの巨塔のドアが自動で開き、モーズらを招き入れる。
そしてラボの一階、エントランスの真ん中に立つ見慣れない女性と、邂逅した。
「……。女の子だぁああああっ!?」
「フリーデン、フリーデン!」
反射的に叫ぶフリーデン。挙動が男子寄宿学校に女子が現れた時の反応のそれである。モーズは慌てて口を閉じるように促した。
次いでポツンと一人で立つスーツ姿の女性。プラチナブロンドの長髪を大きなヘアクリップで後頭部にまとめた、丸眼鏡の女性に向け、頭を掴んで下げさせる。
「失礼、マリーゴールドに似たお方。私はモーズと申します。こちらはフリーデン。貴女の名をお伺いしても?」
「おっふ。流れるように花に例えるとは、これがラテンの血か……」
「偏見では?」
ちなみにマリーゴールドとは菊の花の一種で、赤やオレンジや黄色の花弁を咲かす可憐な花である。
「えっと、私は国際連盟秘密警察組織アメリカ支部より参りました! 『クリス』と申します!」
「声高~い、め~っちゃ可愛い~」
「フリーデン、口を閉じろ。クリスさん、失敬。少々お待ちを」
挨拶一つでこの挙動。モーズはフリーデンの背中を押してクリスと名乗る女性から物理的に距離を取らせた。
そしてエントランスの端っこで、落ち着くよう言い聞かせる。
「さっきからどうしたんだ、フリーデン。失礼極まりないぞ」
「いやだって野郎しかいないこのむさ苦しい園に、女の子っていう可憐な妖精が現れたら動揺もするだろ?」
「意味がわからん。……うん? と言うか、アバトンには男性しかいないのか? ウミヘビが男性体だけなのは知っているが」
「そうそう。クスシもウミヘビに合わせて全員男なんだよ。刑務所と同じ。……って言うのは建前で、現実問題としてアイギスを寄生させるのに女性だと都合が悪いというか……」
「確かに。持病がなくとも女性は貧血になりやすい。そこに吸血種であるアイギスを寄生させるのは危険が伴うな」
「あとその~、センシティブな問題だから大きな声で言えないんだけどさぁ」
「何だ?」
フリーデンはちょいちょいとモーズに少し屈むよう促して、耳元に顔を寄せて小声で喋る。
「ウミヘビの何人かは女性恐怖症に陥っているんだ。それもあって所長は女性を採用する気ないんだと」
「何と。何があったのか気になる所だが、迂闊に触れられない問題だな」
「だろ?」
それを伝えたフリーデンはモーズから離れ、再び普通の声量で話始める。
「そもそもこんな野郎監獄に女の子が居たら、それだけでセクハラパワハラじゃね? お帰り頂かね?」
「それは駄目だろう。しかしクリスさんはフェイスマスクを所持していないようだから、その用意からがいいだろうか?」
「あぁその規約、クスシにしか適応されないっていうか、クスシ以外の人間が来る事を想定していないっていうか」
「何を言っているんだ? ではひとまず、クリスさんを談話室か応接室に……」
そこでモーズはラボの巨塔の間取りを思い浮かべ、ハッとする。
「いや待て、このラボに客室はあるのか!?」
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