暁天一縷 To keep calling your name.

 
 命日の夏に、私たちは出会った。



 妖魔・怨霊の大災害「災禍」を引き起す日本国。
 政府は霊力を生業とする者を集め陰陽寮を設立するが、事態は混沌を極め大戦の時代を迎える。
 災禍に傷付き、息絶える者は止まない絶望の最中。
 ひとりの陰陽師が、永きに渡る大戦を終結させた。

 名を、斉天大聖。

 非業の死を成し遂げた聖人として扱われ、日本国は復興の兆しを歩んでいく。

 それから、12年の歳月が過ぎ。

 人々の平和と妖魔たちの非日常。
 互いの世界が干渉しないよう、境界に線を入れる青年がいた。

 職業、結界整備師。
 名は、桜下。
 
 過去の聖人に関心を持てず、今日も仕事をこなす多忙な日々を送る。

 そんな、とある猛暑の日。
 斉天大聖の命日である斉天祭で、彼らは巡り会う。

 青い目の検非違使と、緋色の髪の舞師。

 そして黒瑪瑙の陰陽師。

 彼らの運命が交差し、明けない夜空に一縷の光を灯す。


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