5 / 29
一章 村編
お爺ちゃん賢者は銃の性能実験のために海に向かいました。
しおりを挟む
引き金やら安全装置などはすぐに作れた。
引き金の構造は少し迷ったがの。
なにせ火薬を使わんからどうやって動力を引っ張ってこようか、これが悩みどころじゃった。
結局は魔石を砕いて作った魔硝粉パウダーで、引き金をトリガーとして動力を作り、最終ピストンの大魔石までを繋ぐことにした。
それが何かと良さそうなのでな。
電力を使っても良かったのじゃが。
しかし、一番迷ったのはやはり銃の種類であろう。
連射性能を重視するか。
単発の威力を重視するか。
身軽さを重視するか。
様々なメリットを有する種類が多々あり、大いに迷った。
迷った結果……
「【対物大弾銃】 と【非実体弾銃:魔煉光線銃】の二つを作ろうかの」
対物大弾銃の利点は、弾丸の質量が大きい事によって弾道の直進性が高くなること。
魔力光線銃の利点は、弾を魔力を込めることによって一瞬で作り出せること。
両方の利点が欲しくて、二つ作ることにした。
二つあってどうやって持つのか、という課題もあるだろう。
それは既に解決している。
「【土魔掌】うむ、問題無いようじゃな」
土の魔力で腕を錬成する。
ま、正確に言えば腕というよりはか細い光線のような物じゃが、持てることに変わりはない。
……そして、二つの銃は完成する。
****
……出来たら速攻で実証実験。
それが儂の鉄則じゃ。
儂の作るものは大抵、大国規模で影響を及ぼすため実証実験を行わないとうっかり世界を滅ぼしかねん。
「これ撃つのー?なんかつよそー」
さっきから腕に纏わりついている小動物。
儂以外の男にはこれは止めといた方が良いと思う、むしろ儂にもやらないでという忠告をしたにも関わらず、だ。
おそらく無自覚に違いない。
危ないのぉ。将来が思いやられる。
…閑話休題。
さっき威力、っていうか込める魔力をミジンコ未満に設定して撃ってみたら山が三つ吹き飛んだ。
流石にヤベェ威力パネェと思ったため、今土の魔力で錬成した翼で海に向かっている。
自慢ではないが、儂の作り出す翼はかなり見た目が精巧な作りで、キメ細かい翼の模様がしっかりと入っている。
それというのも、大怪鳥を近づくだけで撃ち落として家に帰って丁寧に研究・・してそれを模倣したからじゃ。
決して翼を一つ一つ毟り取ってじっくり見たり、毒で細胞破壊してみて強度を試したり、薬によって鳥を生かした状態でそれらの実験を全て行ったりしたわけではないぞ(汗)
あくまで正常な人間の価値観を出ない領域で実験をやった??と思うのじゃ(嘘)
……そうこうしている内に、っていうかものの数分で、海はもう目前へと迫っていた。
もちろんシルは……
「うわーたかーい!クレイくん高いよぉー!!!」
背中にしがみついてキャーキャーやっておる。
この娘には元気という名のおぞましい何かがあるんではないんじゃろうな。
儂とは別ベクトルの狂気を感じるぞ。
****
<海岸線到着>
意外と短い時間で海岸線まで到達した。
体力はまだ残っているので、今すぐにでも実験を始めようと思う。
****
「【魔力装填】」
まずは撃つための魔力を最終射出点の大魔石に少量送り込む。
同時に、ブラックチタン製の直径約12cm強もある大きな弾丸を銃身に詰め込む。
70cm後半もある銃身は、重いかと思いきや、既に賢者時代の百分の一は取り戻している筋力のおかげで全く重く感じない。
「【照準】」
引き金に指の腹を這わせて、照準を合わせる。
今回は無限に広がるような海原の地平線にスコープで照準を合わせた。
と、同時に搭載した人工知能による的中確率円環が広がり、まるで痙攣するかのように収縮する。
その収縮は明らかに不規則で、なかなかベストの状態は引き出せない。
一番サークルが大きくなったところで、引き金を勢いよく引く。
「【発射】!」
『銃口初速89200m/s、推定有効射程2500Km。発射します』
凄い数字が出たような気がするが、気のせいのはずだ。
その大きな銃口から、直径12cm強もある凶暴な弾丸がジェット機も裸足で逃げ出すような速度で射出された。
発射してからはいろんなことが起こった。
まず先に。
海面が真っ二つに割れた。
弾道に沿って、まるでお手本のように綺麗に空間の裂け目が見えた。
次に。
水が蒸発する音。
ジャイロ回転によって生み出された強烈な回転が周囲の気圧を驚異的に高める。
気圧が高くなると、温度も必然的に上がる。
その大いなる熱は、地平線までの大きな湾の水をじゅうッという音で全てを蒸発させた。
最後に。
着弾したであろうことを示す猛烈な粉塵。
恐らく地平線のはるか向こうから飛んできたと思われる砂、瓦礫は、攻撃者のもとへも届いていた。
****
「凄い威力じゃなこれは……」
地球の銃とは全く違うわい。
こんな威力聴いた覚えがないのじゃ。
「なにせ地平線の向こうの破砕礫が飛んでくるくらいじゃからのう……」
自分の防御でも、いまいち耐えきれる自信がないクレイだった。
****
……そしてそのころ。
ジャイロ回転をする大口径の大弾の直撃を受けた地平線の向こうの小島では、一体の魔物がその腹を弾に貫通され、驚いたような顔で息絶えていた。
周りには、呆然とした様子の人間が数人いた。
偶然か、必然か。
賢者が放った死の宣告は、無情な運命によって一人の魔物――【魔王】を貫き、瞬殺していた。
引き金の構造は少し迷ったがの。
なにせ火薬を使わんからどうやって動力を引っ張ってこようか、これが悩みどころじゃった。
結局は魔石を砕いて作った魔硝粉パウダーで、引き金をトリガーとして動力を作り、最終ピストンの大魔石までを繋ぐことにした。
それが何かと良さそうなのでな。
電力を使っても良かったのじゃが。
しかし、一番迷ったのはやはり銃の種類であろう。
連射性能を重視するか。
単発の威力を重視するか。
身軽さを重視するか。
様々なメリットを有する種類が多々あり、大いに迷った。
迷った結果……
「【対物大弾銃】 と【非実体弾銃:魔煉光線銃】の二つを作ろうかの」
対物大弾銃の利点は、弾丸の質量が大きい事によって弾道の直進性が高くなること。
魔力光線銃の利点は、弾を魔力を込めることによって一瞬で作り出せること。
両方の利点が欲しくて、二つ作ることにした。
二つあってどうやって持つのか、という課題もあるだろう。
それは既に解決している。
「【土魔掌】うむ、問題無いようじゃな」
土の魔力で腕を錬成する。
ま、正確に言えば腕というよりはか細い光線のような物じゃが、持てることに変わりはない。
……そして、二つの銃は完成する。
****
……出来たら速攻で実証実験。
それが儂の鉄則じゃ。
儂の作るものは大抵、大国規模で影響を及ぼすため実証実験を行わないとうっかり世界を滅ぼしかねん。
「これ撃つのー?なんかつよそー」
さっきから腕に纏わりついている小動物。
儂以外の男にはこれは止めといた方が良いと思う、むしろ儂にもやらないでという忠告をしたにも関わらず、だ。
おそらく無自覚に違いない。
危ないのぉ。将来が思いやられる。
…閑話休題。
さっき威力、っていうか込める魔力をミジンコ未満に設定して撃ってみたら山が三つ吹き飛んだ。
流石にヤベェ威力パネェと思ったため、今土の魔力で錬成した翼で海に向かっている。
自慢ではないが、儂の作り出す翼はかなり見た目が精巧な作りで、キメ細かい翼の模様がしっかりと入っている。
それというのも、大怪鳥を近づくだけで撃ち落として家に帰って丁寧に研究・・してそれを模倣したからじゃ。
決して翼を一つ一つ毟り取ってじっくり見たり、毒で細胞破壊してみて強度を試したり、薬によって鳥を生かした状態でそれらの実験を全て行ったりしたわけではないぞ(汗)
あくまで正常な人間の価値観を出ない領域で実験をやった??と思うのじゃ(嘘)
……そうこうしている内に、っていうかものの数分で、海はもう目前へと迫っていた。
もちろんシルは……
「うわーたかーい!クレイくん高いよぉー!!!」
背中にしがみついてキャーキャーやっておる。
この娘には元気という名のおぞましい何かがあるんではないんじゃろうな。
儂とは別ベクトルの狂気を感じるぞ。
****
<海岸線到着>
意外と短い時間で海岸線まで到達した。
体力はまだ残っているので、今すぐにでも実験を始めようと思う。
****
「【魔力装填】」
まずは撃つための魔力を最終射出点の大魔石に少量送り込む。
同時に、ブラックチタン製の直径約12cm強もある大きな弾丸を銃身に詰め込む。
70cm後半もある銃身は、重いかと思いきや、既に賢者時代の百分の一は取り戻している筋力のおかげで全く重く感じない。
「【照準】」
引き金に指の腹を這わせて、照準を合わせる。
今回は無限に広がるような海原の地平線にスコープで照準を合わせた。
と、同時に搭載した人工知能による的中確率円環が広がり、まるで痙攣するかのように収縮する。
その収縮は明らかに不規則で、なかなかベストの状態は引き出せない。
一番サークルが大きくなったところで、引き金を勢いよく引く。
「【発射】!」
『銃口初速89200m/s、推定有効射程2500Km。発射します』
凄い数字が出たような気がするが、気のせいのはずだ。
その大きな銃口から、直径12cm強もある凶暴な弾丸がジェット機も裸足で逃げ出すような速度で射出された。
発射してからはいろんなことが起こった。
まず先に。
海面が真っ二つに割れた。
弾道に沿って、まるでお手本のように綺麗に空間の裂け目が見えた。
次に。
水が蒸発する音。
ジャイロ回転によって生み出された強烈な回転が周囲の気圧を驚異的に高める。
気圧が高くなると、温度も必然的に上がる。
その大いなる熱は、地平線までの大きな湾の水をじゅうッという音で全てを蒸発させた。
最後に。
着弾したであろうことを示す猛烈な粉塵。
恐らく地平線のはるか向こうから飛んできたと思われる砂、瓦礫は、攻撃者のもとへも届いていた。
****
「凄い威力じゃなこれは……」
地球の銃とは全く違うわい。
こんな威力聴いた覚えがないのじゃ。
「なにせ地平線の向こうの破砕礫が飛んでくるくらいじゃからのう……」
自分の防御でも、いまいち耐えきれる自信がないクレイだった。
****
……そしてそのころ。
ジャイロ回転をする大口径の大弾の直撃を受けた地平線の向こうの小島では、一体の魔物がその腹を弾に貫通され、驚いたような顔で息絶えていた。
周りには、呆然とした様子の人間が数人いた。
偶然か、必然か。
賢者が放った死の宣告は、無情な運命によって一人の魔物――【魔王】を貫き、瞬殺していた。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる