死神の神子と魔弾の機工士

ナカジマ

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第1章

第4話 どんな子が来るんだろう

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「はぁ……大丈夫だろうか?」

 義姉さんは昔から強引な所がある。親代りとして、こうして面倒を見てくれているのは助かる。ただ、少々過保護過ぎると言うか何というか。
 分かってはいる、魔術師がいつまでもソロではマズイと。そうは言っても、背中を預ける相手になるんだ。パートナーが半端なヤツでは困る。俺は能力と人柄さえ良ければ、相手は誰でも良い。
 美男美女を望む奴も居るが、俺には全く理解出来ない。見てくれが良くても相性が悪いなら、どうせ長続きなんてしない。コンビを解消するか、命を落とすだけだ。

 凶悪な魔導犯罪は増加する一方だ。半端な覚悟で魔術師なんてやって居られない。ただ恋愛がしたいなら、普通の学校に行けば良い。魔術系以外の学校も多いし、魔術師の死亡率は高い方だ。無理に目指す様なものじゃない。
 確かに魔術師になれれば給料は高いけど、金はあの世まで持っては行けない。俺の口座に貯まった報酬だって、死ぬまでに使い切れるか怪しいもんだ。

「やー優等生! どした? 暗い顔して」

「よう、清志せいじ

「ああ、お前らか」

 真田茉莉さなだまり安倍亮二あべりょうじ、初等部からの付き合いで所謂幼馴染の関係性だ。茉莉は代々忍者の家系の生まれで本人もくノ一だ。結構良い所のお嬢様でもある。
 亮二はその苗字通り、陰陽師の家庭に生まれた良いところのお坊ちゃま。2人は親が決めた許嫁の関係にある。この時代に許嫁とは、古風なもんだと思うが実際歴史ある家系だからな。血筋を守って行く必要があるって事なのだろう。
 2人はそんな家系に生まれながらも、茉莉は派手な金髪に染めたギャル風の見た目だし、亮二も短髪ピアスとまあ随分とチャラそうな風貌だ。本業を悟られない様にするのが隠密の常識らしい。……陰陽師って隠密か?

「実はな、義姉さんにパートナーを決められてしまってさ」

「へぇ、遂にお前もコンビ結成か」

「誰々~女? 男? どこのクラス?」

「それがな、今日から来る留学生らしい」

 ウチの学校は海外の学校と交換留学を盛んに行っている。優秀な生徒はどこの学校も欲しいし、新たな技術には敏感であるのが重要だ。知らない術に翻弄されて敗北、そんな話は大昔からある話だ。
 特に日本は、八百万の神が居る特殊な土地柄だ。神だけでなく龍脈や霊峰がこの狭い島国に、犇めき合っている。お陰で魔素まそが豊富にあり、魔術師の成長が早く優秀な魔術師が多く排出されている。
 魔素と言うのは、龍脈や霊峰を巡る純粋で超自然的な魔力から生まれた成分だ。それを動物や人間が呼吸を通して体内に取り込まれる。
 そこから魔素が人間や動物の魔力へと変わって行く。魔素が豊富な土地に幼い頃から暮らしていれば、大人になる頃には豊富な魔力量を有する魔術師となる。

 日本以外だと中国やアメリカにも、そう言ったパワースポットが存在している。ただし神もとなれば、圧倒的に日本が多い。その恩恵を得ようと、この京都の街には様々な人々が暮らしている。
 昔は関西弁で話す地域だったそうだが、俺が生まれた頃には大体の人が標準語で話していた。大阪や兵庫に行けば、関西弁を話す人が大半になる。関西なのに標準語だと、周囲の都道府県から言われる事は良くある。俺はあまり気にしていないが。

「可愛い女子だったらどうする~?」

「良く知らんが、優秀ではあるらしい」

「へぇ、玲央奈れおなさんが優秀と。期待出来そうだな」

「実力はまあ、疑ってないけど」

 少々謎の多い人物ではあるものの、実力は本物なんだろう。魔導協会アメリカ本部の秘蔵っ子とやらが、弱いと言う事はないだろう。
 実力も見抜けない節穴が責任者をやっているなら、今すぐ首にした方が良い。責任者と言う立場は、それだけ重い重責を背負っているのだから。……京都支部はなぁ……悪い人じゃないんだけどなぁ。

「あ~女子だから不安なんだ? 下手だもんね、女性の扱い」

「下手なんじゃない! 分からないだけだ」

「あんま意味変わってないぞ?」

 失礼な事を言わないで欲しい。クラスメイトの女子達とだって、それなりに上手く行っている。少なくとも嫌われては居ない筈だ。キモいとか、ダルいとか言われた事はない誓って。…………言われてないよな?

「そ、それに向こうだって、俺じゃ嫌かも知れないだろ?」

「それはないだろ」

「ん~無いかな」

 何でそこ2人して断言するんだ? 分からないだろそんな事。もしかしたら俺が変な事しちゃって、嫌われてしまうかも知れない。俺のふとした一言で、傷付けてしまうかも知れない。
 茉莉の様な図太い神経の女ならともかく、繊細な女子だったらどうするんだよ。人種だって違うんだから、文化や認識だって全然違うかも知れない。実際に初等部から一緒のイギリス人だって、昔は色々あった訳なんだし。

「ま、当たって砕ければ?」

「砕けるなよ! 駄目だろそれ」

「はいはい、ほら行くぞ」

 一抹の不安を拭えないが、学校に着いてしまった以上は腹を括るしかあるまい。頼む、普通の女子であってくれ。出来たら大人しくて優しい子でお願いします。
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