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第2章
第64話 いざ小笠原諸島へ
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臨海学校で小笠原諸島へと向かう為、清志達は大阪の伊丹空港から航空機に乗った。羽田空港に到着後、更に東京港へ移動し小笠原諸島へと向かう定期船に乗り込んだ。
天気は快晴で、夏の日差しが太平洋の水面に降り注いでいた。本日東京の気温は37℃を記録しているが、海の上なので街中よりはマシだった。
と言うかそもそも、ここに居るのは魔術師達しか居ない。冷気を纏うなりすればそもそも暑さなど感じない。ただ1人を除いて。
「アイナって、便利なのか不便なのか分からないな」
「ごめ~ん清志。ありがとう」
「別にこれくらい構わないさ」
自ら掛けた呪いが原因で、アイナは冷気を魔術で発生させたり出来ない。それを分かっているので、清志が甲板で冷気を放出していた。
その手の魔導具もあるにはあるが、上位の魔術師が使う魔術と比べれば効果は低い。もちろんアイナとて、夏場に活動する為の装備類も用意している。
服の下に着る事で汗を吸収し、一定の温度を保ってくれる軍用品だ。ただし全身をカバーは出来ないし、エアコンの効いた場所だと逆に寒い。
かと言って今から着用となると、一度下着姿にならないといけない。それに制服は半袖にスカートだ、軍用品を身に着けたら色々はみ出して非常に不格好になる。
「ちょっと! 貴女達! ご自分でやりなさいな!」
「えぇ~いいじゃんシャーロットの近くが一番涼しいもん」
「私はエアコンじゃないといつも言っているでしょう!」
そしてシャーロットの様に、氷系統の魔術を得意とするタイプはエアコン係になりがちだ。アイナとは全く真逆の状態だった。
流石に男子生徒が女子生徒であるシャーロットを囲む訳にはいかないので、周囲に居るのは女子生徒だけだ。じなら男子も氷系統の得意な男子の周りに集まるかと言うと、全くそんな事は無かった。
シンプルにむさ苦しいからだ。楽をして涼しさを得る為に、男同士で固まる趣味は誰にも無かった。シャーロットの周りに集まる女子達を羨ましそうに思いながら、男子生徒達は自分で自分を冷やしていた。
「? 何で皆こっちをチラチラ見ているの?」
「えっ、あ~~~いやまあ。何だろうな」
「変なの」
孤独に自分を冷やす男子達とは違う生活を送る者達も居る。女子をパートナーに持つ者達だ。もちろんそう言う関係にないコンビも居るが、パートナー兼恋人のコンビも少なくない。
2人一緒に涼みながら、海を眺めて楽しむカップルが散見される。清志とアイナは恋人では無いが、仲は良好だし状況的にはカップル組と大差は無い。
特定の相手を持たない男子達が、怨嗟の視線を清志にも向けていた。その視線の意味を理解している清志は、理由を伝えるのを躊躇った。
まるで自分達がそう言う関係だと考えている様で、アイナに不快感を与える可能性を考慮した。当のアイナはそんな事でいちいち怒らないが、その辺りはまだまだ未熟な高校生男子だ。
「ん~~~! やっぱり海は良いわね」
「海軍の魔術師だもんな。やっぱり船の上が良いんだ」
「そうねぇ。自分の居場所って感じがするわ」
アイナは海軍所属の魔術師として、海上で生活する事が多い。長期の任務ともなれば、暫く陸には上がらない。
魔導協会アメリカ支部に緊急で呼び出されない限りは、結構な時間を海の上で過ごしている。実技の単位を軍務で取得出来るので、アイナが学校に行くのはテストを受ける時と座学のみだった。
そう言う意味では今の環境の方が、アイナには慣れ親しんでいる。船内と言う絶妙な狭さが、アイナには懐かしさを感じさせる。潮風を受けてサラサラと流れる金髪が、彼女の美しさを際立たせていた。
「私、小笠原諸島って行った事無かったのよね」
「小さな島だよ。良い所だけどね」
「アメリカから観光で行く人も多いのよね。楽しみだわ」
最近大きな事件を解決したばかりの2人だ。波多野支部長からも、ゆっくりして来なさいと言われていた。
あくまで学校の行事であり、旅行ではないとは言え海域調査を手伝うだけだ。そこまでシビアではないし、ダイビング体験も出来る。
羽根を伸ばすには丁度いい機会ではあった。手柄を上げた2人のちょっとした休暇、そうなる筈だったのだが。水面下で動き出している騒動に、まだ2人は気付いていない。
「オススメの食べ物とかあるの?」
「特徴的なのは亀料理か? 俺は島寿司の方が好きだけど」
「島寿司? 何それ? 普通のお寿司と違うの?」
「わさびじゃなくて、辛子が入っているんだよ」
これから起きる事件について、何も知らない2人は船旅を楽しんでいた。まだこの時は一切不穏な空気は無く、ただただごく普通の臨海学校に過ぎなかった。
海の上を走る定期船に揺られながら、清志とアイナは小笠原諸島へと向かって進んで行く。その先に待つ2つ目の大事件が、静かに2人を待ち受けていた。
まるで水底から浅瀬を泳ぐ小魚を狙う大型生物の様に。清志とアイナを中心に、嵯峨学園の生徒達を巻き込んだ騒動が始まろうとしていた。
天気は快晴で、夏の日差しが太平洋の水面に降り注いでいた。本日東京の気温は37℃を記録しているが、海の上なので街中よりはマシだった。
と言うかそもそも、ここに居るのは魔術師達しか居ない。冷気を纏うなりすればそもそも暑さなど感じない。ただ1人を除いて。
「アイナって、便利なのか不便なのか分からないな」
「ごめ~ん清志。ありがとう」
「別にこれくらい構わないさ」
自ら掛けた呪いが原因で、アイナは冷気を魔術で発生させたり出来ない。それを分かっているので、清志が甲板で冷気を放出していた。
その手の魔導具もあるにはあるが、上位の魔術師が使う魔術と比べれば効果は低い。もちろんアイナとて、夏場に活動する為の装備類も用意している。
服の下に着る事で汗を吸収し、一定の温度を保ってくれる軍用品だ。ただし全身をカバーは出来ないし、エアコンの効いた場所だと逆に寒い。
かと言って今から着用となると、一度下着姿にならないといけない。それに制服は半袖にスカートだ、軍用品を身に着けたら色々はみ出して非常に不格好になる。
「ちょっと! 貴女達! ご自分でやりなさいな!」
「えぇ~いいじゃんシャーロットの近くが一番涼しいもん」
「私はエアコンじゃないといつも言っているでしょう!」
そしてシャーロットの様に、氷系統の魔術を得意とするタイプはエアコン係になりがちだ。アイナとは全く真逆の状態だった。
流石に男子生徒が女子生徒であるシャーロットを囲む訳にはいかないので、周囲に居るのは女子生徒だけだ。じなら男子も氷系統の得意な男子の周りに集まるかと言うと、全くそんな事は無かった。
シンプルにむさ苦しいからだ。楽をして涼しさを得る為に、男同士で固まる趣味は誰にも無かった。シャーロットの周りに集まる女子達を羨ましそうに思いながら、男子生徒達は自分で自分を冷やしていた。
「? 何で皆こっちをチラチラ見ているの?」
「えっ、あ~~~いやまあ。何だろうな」
「変なの」
孤独に自分を冷やす男子達とは違う生活を送る者達も居る。女子をパートナーに持つ者達だ。もちろんそう言う関係にないコンビも居るが、パートナー兼恋人のコンビも少なくない。
2人一緒に涼みながら、海を眺めて楽しむカップルが散見される。清志とアイナは恋人では無いが、仲は良好だし状況的にはカップル組と大差は無い。
特定の相手を持たない男子達が、怨嗟の視線を清志にも向けていた。その視線の意味を理解している清志は、理由を伝えるのを躊躇った。
まるで自分達がそう言う関係だと考えている様で、アイナに不快感を与える可能性を考慮した。当のアイナはそんな事でいちいち怒らないが、その辺りはまだまだ未熟な高校生男子だ。
「ん~~~! やっぱり海は良いわね」
「海軍の魔術師だもんな。やっぱり船の上が良いんだ」
「そうねぇ。自分の居場所って感じがするわ」
アイナは海軍所属の魔術師として、海上で生活する事が多い。長期の任務ともなれば、暫く陸には上がらない。
魔導協会アメリカ支部に緊急で呼び出されない限りは、結構な時間を海の上で過ごしている。実技の単位を軍務で取得出来るので、アイナが学校に行くのはテストを受ける時と座学のみだった。
そう言う意味では今の環境の方が、アイナには慣れ親しんでいる。船内と言う絶妙な狭さが、アイナには懐かしさを感じさせる。潮風を受けてサラサラと流れる金髪が、彼女の美しさを際立たせていた。
「私、小笠原諸島って行った事無かったのよね」
「小さな島だよ。良い所だけどね」
「アメリカから観光で行く人も多いのよね。楽しみだわ」
最近大きな事件を解決したばかりの2人だ。波多野支部長からも、ゆっくりして来なさいと言われていた。
あくまで学校の行事であり、旅行ではないとは言え海域調査を手伝うだけだ。そこまでシビアではないし、ダイビング体験も出来る。
羽根を伸ばすには丁度いい機会ではあった。手柄を上げた2人のちょっとした休暇、そうなる筈だったのだが。水面下で動き出している騒動に、まだ2人は気付いていない。
「オススメの食べ物とかあるの?」
「特徴的なのは亀料理か? 俺は島寿司の方が好きだけど」
「島寿司? 何それ? 普通のお寿司と違うの?」
「わさびじゃなくて、辛子が入っているんだよ」
これから起きる事件について、何も知らない2人は船旅を楽しんでいた。まだこの時は一切不穏な空気は無く、ただただごく普通の臨海学校に過ぎなかった。
海の上を走る定期船に揺られながら、清志とアイナは小笠原諸島へと向かって進んで行く。その先に待つ2つ目の大事件が、静かに2人を待ち受けていた。
まるで水底から浅瀬を泳ぐ小魚を狙う大型生物の様に。清志とアイナを中心に、嵯峨学園の生徒達を巻き込んだ騒動が始まろうとしていた。
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