88 / 184
第2章
第88話 状況の整理
しおりを挟む
真嶋の後を追った事で判明した新たな情報。それはまだ彼が単独でレヴィアタンの研究を続けていると言う事。
そして単に彼を捕まえただけでは、この事態は解決しない事も分かった。
これは一旦真嶋を追い掛けるよりも、他メンバーとの合流をした方が良いと判断した清志とアイナは、シャーロット達と連絡を取った。
丁度イソギンチャク頭の親玉、SG03の母体とでも言うべき存在の処理は済んだ所だったらしい。
それと同時に再び少女の幽霊が姿を現した話も共有された。
「分かった。一旦第3デッキの中央研究室で合流しよう」
『オッケー! じゃあまた後でね』
「何があるか分からないから気を付けろよ」
出来れば諜報に長けた亮二と茉莉のコンビとも合流をしたい所ではある。ただ2人が本気で潜入捜査モードに入ると、付き合いの長い清志でも見つけるのは難しい。
恐らくは2人も似た様な情報を掴んで、船内に探りを入れているのは間違いないだろう。
もしかすると清志達4人よりも、更に詳しい情報を掴んでいても不思議ではない。
こんな状況は彼らにとって非常に向いている現場だ。ろくな警備もないのだから、探りたい放題である。
諜報が得意とは言えない清志達だけでも、これだけの情報を掴めたぐらいだ。
「それにしても困ったわね」
「ああ。真嶋を捕まえるよりも、レヴィアタンをどうにかする方が先かもな」
「幽霊に関しても分からないままだものね」
異界に取り込まれた当初はその理由が幽霊の可能性であると疑ったが、どうもそうではなく神話生物が原因と判明した。
だがそれだけとも限らず、下手をするとアドベンチャー号で亡くなった人々の霊も関わっている可能性がある。その場合は非常に厄介な状況にあると言える。
相当数の人間が亡くなっているのは確実で、彼らの怨霊や怨念も絡んでいた場合は除霊も必要となって来る。
除霊については清志と黄泉津大神で対応可能だが、規模が不明であるのと集まっている場所を突き止める必要がある。
最悪のパターンだと、レヴィアタンに対処しつつの除霊作業になる。同時進行になりSランクが1人参戦出来ないのは辛い所だ。
「そう言えば、今更だけどヘンリーはどうしたんだ?」
「あ~。この前の事件で酷使したからね。今は工房で休眠中よ」
「精霊にあの規模の魔術は確かに酷か」
開発者が精霊となって、アンティークのデリンジャーに宿った精霊銃。アイナの戦闘をサポートしている年老いた精霊は現在眠りについている。
流石に人型巨大兵器を作成する程の大魔術を、ただの精霊が補佐するとなると負担が大きいのだ。
存在が消滅する程の消耗ではないが、場合によっては数ヶ月ほど休眠状態になる。
今回は清志というパートナーが居たお陰でその負担も少なかったが、過去には1年以上休眠していた事もある。
これは神子である清志と黄泉津大神には無い関係性だ。無理やり人造のSランクとなったアイナには、単なる精霊ではやや力不足なのである。
それでも長年どうにかして一緒にやって来たのだ。大切な相棒であり、祖父の様な存在だ。
「まあおじいちゃんだしね」
「老人は労わってやりなよ」
「これでも十分労わっているわよ」
2人の関係は少々特殊である。アイナの始まりでもあり、実の父親とも関係がある特別な存在である。
ただそれは彼女の過去に大きく関わるものであり、流石にこの状況でのんびりと説明している場合ではない。
大体清志と仲良くなったとは言え、まだ全てを打ち明けられる程の関係とは言えない。
だからこそアイナは適当にこの話を切り上げて、愛花達との合流を急ぐ。清志も必要以上に突っ込むつもりがないので、今回の事件についての話題に戻る。
到着した目的の研究室で色々と考察を話し合いながら、愛花達の到着を待っていると2人が姿を現す。
「幽霊ですわ幽霊ですわ幽霊ですわ」
「ちょっと、どしたのシャーロット?」
「ははは、いやぁ幽霊を見てからずっとこうで」
生理的に受け付けない敵との戦闘から解放された愛花は生き生きとしている。
逆に苦手な幽霊を間近で見てしまったシャーロットが、今度は使い物にならない感じになっている。
本来有能な2人であるのだが、今回は運が悪く少々面白い感じになってしまっている。
一旦シャーロットはそのまま放置して、3人で今後について話合う事にする。お互いに詳しい情報を交換し合い、対策について協議を始める。
真嶋とレヴィアタン、そして他にも居るであろう幽霊達。複合的な問題が起きている状況なので、順番にクリアする必要がある。
「あの子、何か言いたそうだったんだよね」
「霊のメッセージは案外馬鹿にならないんだよな」
「解決のヒントになる事もあるものね」
魔導犯罪の調査に於いて、幽霊のメッセージは大きな意味を持つ。分かり易い例で言えば犯人の顔を見ていると言った様なケースだ。
今回も姿を見せた少女の霊に何かの意図があるのであれば、或いは真嶋の捜索よりも価値が高い可能性がある。
事件の全容を知らずに動き回るよりも、何かを知っている可能性のある幽霊の少女と仲間達を探す方向で方針が決まった。
真嶋については、大体居そうな場所を既に確認済みである。そちらは一旦保留とし、今度は4人で幽霊への対処を開始した。
そして単に彼を捕まえただけでは、この事態は解決しない事も分かった。
これは一旦真嶋を追い掛けるよりも、他メンバーとの合流をした方が良いと判断した清志とアイナは、シャーロット達と連絡を取った。
丁度イソギンチャク頭の親玉、SG03の母体とでも言うべき存在の処理は済んだ所だったらしい。
それと同時に再び少女の幽霊が姿を現した話も共有された。
「分かった。一旦第3デッキの中央研究室で合流しよう」
『オッケー! じゃあまた後でね』
「何があるか分からないから気を付けろよ」
出来れば諜報に長けた亮二と茉莉のコンビとも合流をしたい所ではある。ただ2人が本気で潜入捜査モードに入ると、付き合いの長い清志でも見つけるのは難しい。
恐らくは2人も似た様な情報を掴んで、船内に探りを入れているのは間違いないだろう。
もしかすると清志達4人よりも、更に詳しい情報を掴んでいても不思議ではない。
こんな状況は彼らにとって非常に向いている現場だ。ろくな警備もないのだから、探りたい放題である。
諜報が得意とは言えない清志達だけでも、これだけの情報を掴めたぐらいだ。
「それにしても困ったわね」
「ああ。真嶋を捕まえるよりも、レヴィアタンをどうにかする方が先かもな」
「幽霊に関しても分からないままだものね」
異界に取り込まれた当初はその理由が幽霊の可能性であると疑ったが、どうもそうではなく神話生物が原因と判明した。
だがそれだけとも限らず、下手をするとアドベンチャー号で亡くなった人々の霊も関わっている可能性がある。その場合は非常に厄介な状況にあると言える。
相当数の人間が亡くなっているのは確実で、彼らの怨霊や怨念も絡んでいた場合は除霊も必要となって来る。
除霊については清志と黄泉津大神で対応可能だが、規模が不明であるのと集まっている場所を突き止める必要がある。
最悪のパターンだと、レヴィアタンに対処しつつの除霊作業になる。同時進行になりSランクが1人参戦出来ないのは辛い所だ。
「そう言えば、今更だけどヘンリーはどうしたんだ?」
「あ~。この前の事件で酷使したからね。今は工房で休眠中よ」
「精霊にあの規模の魔術は確かに酷か」
開発者が精霊となって、アンティークのデリンジャーに宿った精霊銃。アイナの戦闘をサポートしている年老いた精霊は現在眠りについている。
流石に人型巨大兵器を作成する程の大魔術を、ただの精霊が補佐するとなると負担が大きいのだ。
存在が消滅する程の消耗ではないが、場合によっては数ヶ月ほど休眠状態になる。
今回は清志というパートナーが居たお陰でその負担も少なかったが、過去には1年以上休眠していた事もある。
これは神子である清志と黄泉津大神には無い関係性だ。無理やり人造のSランクとなったアイナには、単なる精霊ではやや力不足なのである。
それでも長年どうにかして一緒にやって来たのだ。大切な相棒であり、祖父の様な存在だ。
「まあおじいちゃんだしね」
「老人は労わってやりなよ」
「これでも十分労わっているわよ」
2人の関係は少々特殊である。アイナの始まりでもあり、実の父親とも関係がある特別な存在である。
ただそれは彼女の過去に大きく関わるものであり、流石にこの状況でのんびりと説明している場合ではない。
大体清志と仲良くなったとは言え、まだ全てを打ち明けられる程の関係とは言えない。
だからこそアイナは適当にこの話を切り上げて、愛花達との合流を急ぐ。清志も必要以上に突っ込むつもりがないので、今回の事件についての話題に戻る。
到着した目的の研究室で色々と考察を話し合いながら、愛花達の到着を待っていると2人が姿を現す。
「幽霊ですわ幽霊ですわ幽霊ですわ」
「ちょっと、どしたのシャーロット?」
「ははは、いやぁ幽霊を見てからずっとこうで」
生理的に受け付けない敵との戦闘から解放された愛花は生き生きとしている。
逆に苦手な幽霊を間近で見てしまったシャーロットが、今度は使い物にならない感じになっている。
本来有能な2人であるのだが、今回は運が悪く少々面白い感じになってしまっている。
一旦シャーロットはそのまま放置して、3人で今後について話合う事にする。お互いに詳しい情報を交換し合い、対策について協議を始める。
真嶋とレヴィアタン、そして他にも居るであろう幽霊達。複合的な問題が起きている状況なので、順番にクリアする必要がある。
「あの子、何か言いたそうだったんだよね」
「霊のメッセージは案外馬鹿にならないんだよな」
「解決のヒントになる事もあるものね」
魔導犯罪の調査に於いて、幽霊のメッセージは大きな意味を持つ。分かり易い例で言えば犯人の顔を見ていると言った様なケースだ。
今回も姿を見せた少女の霊に何かの意図があるのであれば、或いは真嶋の捜索よりも価値が高い可能性がある。
事件の全容を知らずに動き回るよりも、何かを知っている可能性のある幽霊の少女と仲間達を探す方向で方針が決まった。
真嶋については、大体居そうな場所を既に確認済みである。そちらは一旦保留とし、今度は4人で幽霊への対処を開始した。
0
あなたにおすすめの小説
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる