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第3章
第129話 清志とイラ
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七つの大罪を司る7柱の神、その中でも憤怒の神子であるイラが清志と対峙していた。
全体的に線の細いアヴァリティアとは真逆の、筋肉質で豪快な印象を受ける大男。
2メートル近い身長に、鍛えられた厚い胸板。怒りに燃える炎を思わせる真っ赤な髪は、天に向かって逆立つショートヘアだ。
好戦的なのか攻防を繰り返しながらも、口元ニヤリと笑みを浮かべている。同じ西洋人でも理知的なアヴァリティアとは全く違い、戦闘狂でチンピラの様な男だ。
炎を纏ったフランベルジュを振り回しているが、その太刀筋は正確で威力も高い。大鎌で応戦している清志と戦闘力はそう変わらない様子だ。
「くっ、お前達の目的はなんだ!?」
「はっ! てめぇが知る必要なねぇよ」
「だったら吐かせるまでだ!」
良く日本人は西洋人よりも幼く見えると言うが、その差を考慮してもイラの方が少し年上の様だ。
見た目の若々しさから、恐らくは成人しており20歳ぐらいだろう。どうしても16歳と20歳では身体的能力差が出てしまう。
見た目通りパワーで勝負するタイプのイラの猛攻に対し、清志は技術で勝負するしかない。
戦闘経験だけならそこらの大人よりも圧倒的に多い清志は、力で勝負するタイプとこれまでに何度も戦って来た。
それ故にイラの様なタイプが相手でも問題無く対峙出来る。しかしそれはイラとて同じであり、これまでにも技術で勝負するタイプを力づくでねじ伏せて来た。
「ちっ! 小賢しいガキだ」
「そりゃどうもっ!」
「面白れぇ、簡単に壊れてくれるなよ!」
早々発生しないSランク魔術師同士の戦い。イラの剣と清志の大鎌がぶつかり合い、魔術で牽制し合いながら高速戦闘を続ける。
優れた魔術師同士の戦闘はスピーディーな戦いになる事が多く、発動の速い魔術を撃ち合いながら最も得意なレンジで勝負に出る。
この戦いではお互いが近接戦闘を一番得意な者同士で、剣戟が戦いの中心となっていた。刃と刃がぶつかり合う硬質な音が響き渡り、その合間に魔術による爆発や雷撃が迸る。
イラは威力重視で得意な炎系の魔術を使い、清志は速度に優れる雷の魔術で攻撃を繰り返す。飛来する火炎球を紫電が迎撃し2人の間で爆発が起きる。
僅かの間だけ発生した黒煙の中から、勢いよくイラが飛び掛かった。
「甘いぞ!」
「ハハハッ! 良いねぇ楽しくなって来た。まだやれんだろ?」
「お前、クッ!?」
準備運動は終わったとでも言うのだろうか、イラの攻撃速度も威力も更に上昇した。
まだ清志とて全力では無かったが、それはイラも同じだったという事。より高度な戦闘へと移行し、もはや常人の目では追えない速度での攻防が加速していく。
もしこの場に観客が居たなら、BランクやAランクも魔術師が居れば良い教材になるだろう。
しかしこの真っ白な空間には観客などおらず、ただ2人だけの戦闘が続いていくだけ。
清志が陰陽術を使って式神を虎に変えれば、イラがエクソシストの術を使いこの世ならざる者を消滅させる。
「見た目のわりに多芸だなっ!」
「生意気な手品はもう終わりか?」
「言ってろ!」
殆どの魔術を使用出来る清志は、様々な術を巧みに使用し攻撃に組み込む。逆にイラの方は、それほど多くの魔術を使用出来るわけではないらしい。
ある程度の幅はあるものの、基本的には強引に押し切る形で対処している。共通するのはどちらも発動に時間が掛かる魔術を使用していない所か。
この状況でそんな隙を晒せば、あっという間に不利になってしまう。そうなる前に近接戦闘で仕留めようと、お互いに考えているのだが決め切れていない。
実力が拮抗しているので決め手に欠けているのだ。
「そろそろ話す気になったか?」
「全くならねぇよ」
「もう少し交渉が必要らしいな」
まだ余力を互いに残しており、相手の手の内を探り合う余裕があった。対峙している者は何が得意で何が苦手か、戦闘時の癖がどこに出ているのか。
そう言った事を良く観察し合いながら戦闘を続ける。目的については飄々とした態度で話そうとしないイラと、絶対に聞き出そうと決意している清志。
最高位の魔術師達による戦いは激しさを増し、周囲の床や壁に破壊の跡が幾つも残されていく。
大鎌の性質上、距離を詰められると辛くなる所だが清志は様々戦闘技術を身に着けている。格闘技の技術も使用しつつ、不利な状況を作らない様に立ち回る。
アイナの場合なら主に足技での対応だが、清志の場合は空手や柔術が主力となる。大鎌の柄で燃え盛る剣を逸らし、拳で急所を狙った的確な一撃を放つ。
ギリギリで躱したイラの首筋に向けて、大鎌の刃が地面スレスレから一気に迫る。すぐさま剣でガードしたが、追撃の石突による刺突で距離が開く。
「しぶといガキだ」
「お互い様だろうそれは」
30分以上戦い続けているものの、決着はまだまだつきそうにない。終わりの見えないSランク魔術師同士の戦いは、休む間もなく続いていく。
神薙美月の救出作戦は、予定外の方向へ向かっている。イラと戦いつつも清志は、美月の安否を心配していた。
全体的に線の細いアヴァリティアとは真逆の、筋肉質で豪快な印象を受ける大男。
2メートル近い身長に、鍛えられた厚い胸板。怒りに燃える炎を思わせる真っ赤な髪は、天に向かって逆立つショートヘアだ。
好戦的なのか攻防を繰り返しながらも、口元ニヤリと笑みを浮かべている。同じ西洋人でも理知的なアヴァリティアとは全く違い、戦闘狂でチンピラの様な男だ。
炎を纏ったフランベルジュを振り回しているが、その太刀筋は正確で威力も高い。大鎌で応戦している清志と戦闘力はそう変わらない様子だ。
「くっ、お前達の目的はなんだ!?」
「はっ! てめぇが知る必要なねぇよ」
「だったら吐かせるまでだ!」
良く日本人は西洋人よりも幼く見えると言うが、その差を考慮してもイラの方が少し年上の様だ。
見た目の若々しさから、恐らくは成人しており20歳ぐらいだろう。どうしても16歳と20歳では身体的能力差が出てしまう。
見た目通りパワーで勝負するタイプのイラの猛攻に対し、清志は技術で勝負するしかない。
戦闘経験だけならそこらの大人よりも圧倒的に多い清志は、力で勝負するタイプとこれまでに何度も戦って来た。
それ故にイラの様なタイプが相手でも問題無く対峙出来る。しかしそれはイラとて同じであり、これまでにも技術で勝負するタイプを力づくでねじ伏せて来た。
「ちっ! 小賢しいガキだ」
「そりゃどうもっ!」
「面白れぇ、簡単に壊れてくれるなよ!」
早々発生しないSランク魔術師同士の戦い。イラの剣と清志の大鎌がぶつかり合い、魔術で牽制し合いながら高速戦闘を続ける。
優れた魔術師同士の戦闘はスピーディーな戦いになる事が多く、発動の速い魔術を撃ち合いながら最も得意なレンジで勝負に出る。
この戦いではお互いが近接戦闘を一番得意な者同士で、剣戟が戦いの中心となっていた。刃と刃がぶつかり合う硬質な音が響き渡り、その合間に魔術による爆発や雷撃が迸る。
イラは威力重視で得意な炎系の魔術を使い、清志は速度に優れる雷の魔術で攻撃を繰り返す。飛来する火炎球を紫電が迎撃し2人の間で爆発が起きる。
僅かの間だけ発生した黒煙の中から、勢いよくイラが飛び掛かった。
「甘いぞ!」
「ハハハッ! 良いねぇ楽しくなって来た。まだやれんだろ?」
「お前、クッ!?」
準備運動は終わったとでも言うのだろうか、イラの攻撃速度も威力も更に上昇した。
まだ清志とて全力では無かったが、それはイラも同じだったという事。より高度な戦闘へと移行し、もはや常人の目では追えない速度での攻防が加速していく。
もしこの場に観客が居たなら、BランクやAランクも魔術師が居れば良い教材になるだろう。
しかしこの真っ白な空間には観客などおらず、ただ2人だけの戦闘が続いていくだけ。
清志が陰陽術を使って式神を虎に変えれば、イラがエクソシストの術を使いこの世ならざる者を消滅させる。
「見た目のわりに多芸だなっ!」
「生意気な手品はもう終わりか?」
「言ってろ!」
殆どの魔術を使用出来る清志は、様々な術を巧みに使用し攻撃に組み込む。逆にイラの方は、それほど多くの魔術を使用出来るわけではないらしい。
ある程度の幅はあるものの、基本的には強引に押し切る形で対処している。共通するのはどちらも発動に時間が掛かる魔術を使用していない所か。
この状況でそんな隙を晒せば、あっという間に不利になってしまう。そうなる前に近接戦闘で仕留めようと、お互いに考えているのだが決め切れていない。
実力が拮抗しているので決め手に欠けているのだ。
「そろそろ話す気になったか?」
「全くならねぇよ」
「もう少し交渉が必要らしいな」
まだ余力を互いに残しており、相手の手の内を探り合う余裕があった。対峙している者は何が得意で何が苦手か、戦闘時の癖がどこに出ているのか。
そう言った事を良く観察し合いながら戦闘を続ける。目的については飄々とした態度で話そうとしないイラと、絶対に聞き出そうと決意している清志。
最高位の魔術師達による戦いは激しさを増し、周囲の床や壁に破壊の跡が幾つも残されていく。
大鎌の性質上、距離を詰められると辛くなる所だが清志は様々戦闘技術を身に着けている。格闘技の技術も使用しつつ、不利な状況を作らない様に立ち回る。
アイナの場合なら主に足技での対応だが、清志の場合は空手や柔術が主力となる。大鎌の柄で燃え盛る剣を逸らし、拳で急所を狙った的確な一撃を放つ。
ギリギリで躱したイラの首筋に向けて、大鎌の刃が地面スレスレから一気に迫る。すぐさま剣でガードしたが、追撃の石突による刺突で距離が開く。
「しぶといガキだ」
「お互い様だろうそれは」
30分以上戦い続けているものの、決着はまだまだつきそうにない。終わりの見えないSランク魔術師同士の戦いは、休む間もなく続いていく。
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