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第1章 守護神石の導き
第6話 繁華街の甘い罠(6)
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真白な日差しが部屋中の小窓から差し込んでいた。小鳥の鳴き声が耳に心地良い。
もう店内には自分を除いて誰もいない。夜が明けると、店の中はまるで違う場所のように映った。つい数時間前までここで自分が働いていたなんて嘘のように、店内は空虚だった。
ケイティーは、今朝の施錠の当番だ。しかし、彼女にとってそれはどうでもいいことであった。ただ店内に誰もいない状況がようやく訪れたことこそ、彼女にとって意味があった。
ケイティーはゆっくりとした足取りで店の受付へ向かった。そして、受付のカウンターの下にあった鉄の箱を持ち上げる。彼女はその箱を開けようと試みたが、厳重に施錠されていて、開かなかった。しかし、彼女は何一つ表情を変えない。
次に彼女は、右手の人差し指を鍵穴の前に突き出した。少しだけ目を細める。
すると、一瞬指の先から火花が飛び散った後、電流が放出された。電流はまっすぐに鍵穴の中に入っていき、ばちばちと弾けるような音をたてた。
彼女は電流を止めた。鍵穴からは白く細い煙が漏れていた。そして彼女がもう一度箱を開けようとすると今回は簡単に開き、昨日の売上金がそっくり姿を現した。予想以上の大金だった。
従業員をこき使ってあれだけしか報酬くれないのに、お店はこんなに儲けてるんだね。ほんと有り得ない。ひどい、ひどい。
というわけで、このお金はあたしが頂いちゃっておきましょう。
箱の中のお金をごっそり袋の中に入れると、ケイティーは表出入り口に向かい外に出た。外では眩しい朝の光の中で、長い金髪の男が壁に寄りかかって眠っていた。
あ、この人、昨日次から次へとお酒飲みまくって、べろんべろんに酔い潰れちゃった人だ。ライアンっていったっけ。まだこんな所にいたんだ。
ケイティーはしゃがみこんで、ライアンの顔を覗き込んだ。随分気持ち良さそうに、よだれを垂らして眠っている。その微笑ましい姿に、ケイティーは思わず笑ってしまった。
そういえば、魔族を殲滅するとか言ってかなり意気込んでたな。あなたにはあたしの本当の名前教えておきたかったかも。
・・・あたしも負けてられないな。
ケイティーはおもむろに立ち上がり、その場から去ろうと歩き出す。が、すぐ何か思い出したように立ち止まった。
そうだ。この人、調子に乗って女の子みんなに奢りまくったから、今一文無しなんだった。今日の稼ぎに彼もかなり投資してくれたわけだし、少しだけ置いていってあげようかな。
ケイティーは袋の中に手を突っ込み、貨幣を適当に数枚取った。それをライアンの懐に入れると、彼女は軽い足取りで街の外へと消えていった。
もう店内には自分を除いて誰もいない。夜が明けると、店の中はまるで違う場所のように映った。つい数時間前までここで自分が働いていたなんて嘘のように、店内は空虚だった。
ケイティーは、今朝の施錠の当番だ。しかし、彼女にとってそれはどうでもいいことであった。ただ店内に誰もいない状況がようやく訪れたことこそ、彼女にとって意味があった。
ケイティーはゆっくりとした足取りで店の受付へ向かった。そして、受付のカウンターの下にあった鉄の箱を持ち上げる。彼女はその箱を開けようと試みたが、厳重に施錠されていて、開かなかった。しかし、彼女は何一つ表情を変えない。
次に彼女は、右手の人差し指を鍵穴の前に突き出した。少しだけ目を細める。
すると、一瞬指の先から火花が飛び散った後、電流が放出された。電流はまっすぐに鍵穴の中に入っていき、ばちばちと弾けるような音をたてた。
彼女は電流を止めた。鍵穴からは白く細い煙が漏れていた。そして彼女がもう一度箱を開けようとすると今回は簡単に開き、昨日の売上金がそっくり姿を現した。予想以上の大金だった。
従業員をこき使ってあれだけしか報酬くれないのに、お店はこんなに儲けてるんだね。ほんと有り得ない。ひどい、ひどい。
というわけで、このお金はあたしが頂いちゃっておきましょう。
箱の中のお金をごっそり袋の中に入れると、ケイティーは表出入り口に向かい外に出た。外では眩しい朝の光の中で、長い金髪の男が壁に寄りかかって眠っていた。
あ、この人、昨日次から次へとお酒飲みまくって、べろんべろんに酔い潰れちゃった人だ。ライアンっていったっけ。まだこんな所にいたんだ。
ケイティーはしゃがみこんで、ライアンの顔を覗き込んだ。随分気持ち良さそうに、よだれを垂らして眠っている。その微笑ましい姿に、ケイティーは思わず笑ってしまった。
そういえば、魔族を殲滅するとか言ってかなり意気込んでたな。あなたにはあたしの本当の名前教えておきたかったかも。
・・・あたしも負けてられないな。
ケイティーはおもむろに立ち上がり、その場から去ろうと歩き出す。が、すぐ何か思い出したように立ち止まった。
そうだ。この人、調子に乗って女の子みんなに奢りまくったから、今一文無しなんだった。今日の稼ぎに彼もかなり投資してくれたわけだし、少しだけ置いていってあげようかな。
ケイティーは袋の中に手を突っ込み、貨幣を適当に数枚取った。それをライアンの懐に入れると、彼女は軽い足取りで街の外へと消えていった。
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