不良が異世界に行ったら騎士達に溺愛され波乱万丈な日々を過ごしてます

茶子ちゃ

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8 変態登場

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結局大聖堂を出て離れにある場所が騎士団が住む宿所らしい。ここは町とかはないのだろうか。
辺りを見回すが町など何もない。
不思議に思ったが後でアルベルトに聞けばいいと思い手をアルベルトに引かれるまま着いていった。

たまにすれ違う騎士団達はアルベルトにお辞儀し通り過ぎて行くが、俺を見る目は不思議且つ冷ややかな目だった。
確かに余所者がこんな場所にいたら、そういう目で見られてもおかしくは無い。
桃太は深い溜息をついた。気にする事はないとアルベルトは言うだろうが、今の精神的にダメージを受けている桃太の場合そういう目で見られているだけでも気にしてしまうのだった。


「モモ…私は君ともっと仲良くなりたいと思っているよ、君は1人じゃないし私の仲間もこれから紹介する」


俺の気持ちを察してか、暖かい言葉をかけてくれる、なんかやっぱりむず痒い。
でも気持ち悪いとかではない、寧ろ嬉し過ぎておかしくなりそうだった。


騎士団の宿所は、貴族が暮らしそうな場所だった。
お洒落で赤レンガのゴシック様式の建物で、三階建てくらいか?


「綺麗な所だろう?ここには聖騎士団の中でも選ばれた者しか暮らせないんだ」


という事は……アルベルトって相当上の人なのか。
こんな優しい顔してこわい奴だ。


「3階が私達の部屋だよ、好きに使ってくれて構わないから」


3階全てが……なななんつー贅沢なお暮らしをされているんだ?!!
俺の前の部屋なんか1DKだぞ!!!


「はぁ……ドッと疲れたわ」


階段上がり、三階に辿り着く。木調の扉をアルベルトが開けると、赤い欧風な絨毯が現れ。
中は広々とした部屋だった。


「お、おおおすげー!!これはふかふかのベッド!?」


硬い床で布団を敷いて寝ていた暮らしだったため、1番桃太が喜んだのはベッドだった。


「気に入ったかい?そんなに喜んでくれるとは思わなかったよ」


アルベルトはその様子をクスクス笑いながら見ていた。
でも……ベッドはデカいけど1つなんだ。


「アル?ベッド1つしかないぞ」

「うん?大きいし、私と2人で寝ても余るぐらいだよ?」


ま、まぁ……男同士だしな。別に恥ずかしい事は何もない。
そんな会話をしていたら、ふっくらしたベッドから急に謎の声が聞こえた。


「ちょっとぉおお!!!貴方達アタシを無視して何ラブラブラブラブしてんのよぉお!!!!」


えっ?!え!!!?女性?!
ここって女の人もいるの?


声が発された方へ、アルベルトが行き布団をガバッと布団を捲った。



「いやんっアルベルトのえっちぃ!!!」


「何をしているんだ……ヤーコプ!!君の部屋は1階だろう?そんな気味の悪い服を着て……」


「ちょっと!?ヴァイオレットと呼んで!!しかも気味の悪いってなによ!!!」



あ。服装……ネグリジェ……しかもスケスケ。
うわぁ、いいガタイだぜ。


ヤーコプという男は髪は薄紫色で、男なのに1本で三つ編みをしている。
顔もアルベルトと並んで美男子だった。
しかし性格に問題ありだと思われた。


「は、はじめまして、モモタ・ヒイラギです…うぶぁ……」


ヤーコプは桃太が自己紹介をすると同時に抱き着いてきた。
すごい胸筋だな、押しつぶされそう。



「可愛いわぁあ!モモちゃんね!アタシヴァイオレットって言うの!ヴァイオレットちゃんって呼んでね♡」



あー。頭痛い人だわぁ……ヤーコプという名前は覚えましたとも。
胸筋に抱かれて数秒間、チラッとアルベルトを見るとアルベルトの笑顔はひきつりはじめた。
なんだ、初めて見る顔。怒ってんのか?


グイッと力いっぱいヤーコプの腕を掴む。


「ヤーコプ、いい加減にしないか!モモは疲れていて怪我もしているんだ、遊び半分で俺の部屋に入ってモモに無礼な事をするんじゃない」


ガラッとアルベルトのイメージが変わった。
しかも一人称俺になってるし。目つきもキッとした目に変わってるし、アルベルトは怒ると恐い事がわかった。

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