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9 読めない心
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強く掴まれた手はさぞ痛いだろうに。それなのにヤーコプは平然とした顔でニヤニヤした顔でアルベルトを見ている。
「やだやだーこれだから二重人格の男っていやぁーねぇ!単純なエドガーちゃんの方がやっぱり可愛いわぁー♡」
冗談なのか本気なのか分からない表情でアルベルトの掴んだ腕をグッと引き手を引き抜き、ペシンッとアルベルト手を叩く。
「冗談が通じない男は嫌いなのワタシ。例え顔がイケメンでもね」
ツンっとそっぽを向き、ネグリジェの服装でそう言っても格好がつかないものだな。
つーか、仲良いんじゃねぇのかよこの2人。
「まぁまぁ2人とも落ち着けよ…ヤーコプ……いやヴァイオレットちゃんも、もう部屋戻れよ、これ以上はお互いにもよくないし、改めてまた自己紹介するから」
普段しない満面であろう笑みで(ちょっと引きつってる)間に入って止めると、ピタリと言い合いは止んだ。取り敢えずヤーコプさんには退場してもらおう。
よからぬ空気も漂ってるし。
「優しいのね……モモちゃんしかもイケかわだわ♡ワタシ歓迎する♡アルベルトが嫌になったらいつでも私の所にきなさーい?いつでも歓迎するわ♡じゃあねん!あでゅー」
投げキッスと共にヤーコプは消えていった。正確には瞬間移動の魔法を使って、が正しいだろう。
あの格好で部屋に戻ったのか。
アルベルトの顔色が気になってうかがうと、いつも通りに戻っていた。
「さ……モモ治療をしようか」
少し不機嫌なのか、笑顔が怖い気がする。
スっと手を出してまた俺の手を引いてくる、そのままベッドに座らせられる。
「お、おう。結局医療班は……?」
「私が治すから大丈夫……モモの面倒は私が見たい」
すごい熱視線だ……さっきヤーコプが言ってた二重人格って言葉も気になるし。
「下着以外全部脱いでもらえるかな?」
うっ……アルベルトの前で全てを脱げと、俺は確かに身体は鍛えてるけども、ここの奴らに比べたら全然だし、なんか晒すのも気恥しいな。
いやでも、治療してくれるだけだし、気にすることもないか。なんせアルだし。
破れた服とズボンを脱いでいく、アルの視線は外されること無く俺を真顔で見つめている。
こいつが何を考えているのかわからない。
「これでいいか?」
ゴクッ
アルベルトの方から息を飲む音がした。
なんか顔赤いような気もするし、もしかしたら体調でも悪くなったんだろうか。
あ!もしかして、俺の身体を見て体調崩したのか?!予想と違ったと残念で……。
「あ、アル……?」
表情をうかがうために下から覗き混むと、先程まで真顔で桃太を見ていたにも関わらず顔を背けた。
「モモ……私以外にこんな事しないでくれ」
小さな声でそう呟いたが俺の耳には何も聞こえなかった。
「取り敢えずそのままベッドに仰向けになってくれるかな?」
よく表情をよめなかったが、アルベルトの言う通りにふかふか純白ベッドに仰向けになり寝転んだ。
「やだやだーこれだから二重人格の男っていやぁーねぇ!単純なエドガーちゃんの方がやっぱり可愛いわぁー♡」
冗談なのか本気なのか分からない表情でアルベルトの掴んだ腕をグッと引き手を引き抜き、ペシンッとアルベルト手を叩く。
「冗談が通じない男は嫌いなのワタシ。例え顔がイケメンでもね」
ツンっとそっぽを向き、ネグリジェの服装でそう言っても格好がつかないものだな。
つーか、仲良いんじゃねぇのかよこの2人。
「まぁまぁ2人とも落ち着けよ…ヤーコプ……いやヴァイオレットちゃんも、もう部屋戻れよ、これ以上はお互いにもよくないし、改めてまた自己紹介するから」
普段しない満面であろう笑みで(ちょっと引きつってる)間に入って止めると、ピタリと言い合いは止んだ。取り敢えずヤーコプさんには退場してもらおう。
よからぬ空気も漂ってるし。
「優しいのね……モモちゃんしかもイケかわだわ♡ワタシ歓迎する♡アルベルトが嫌になったらいつでも私の所にきなさーい?いつでも歓迎するわ♡じゃあねん!あでゅー」
投げキッスと共にヤーコプは消えていった。正確には瞬間移動の魔法を使って、が正しいだろう。
あの格好で部屋に戻ったのか。
アルベルトの顔色が気になってうかがうと、いつも通りに戻っていた。
「さ……モモ治療をしようか」
少し不機嫌なのか、笑顔が怖い気がする。
スっと手を出してまた俺の手を引いてくる、そのままベッドに座らせられる。
「お、おう。結局医療班は……?」
「私が治すから大丈夫……モモの面倒は私が見たい」
すごい熱視線だ……さっきヤーコプが言ってた二重人格って言葉も気になるし。
「下着以外全部脱いでもらえるかな?」
うっ……アルベルトの前で全てを脱げと、俺は確かに身体は鍛えてるけども、ここの奴らに比べたら全然だし、なんか晒すのも気恥しいな。
いやでも、治療してくれるだけだし、気にすることもないか。なんせアルだし。
破れた服とズボンを脱いでいく、アルの視線は外されること無く俺を真顔で見つめている。
こいつが何を考えているのかわからない。
「これでいいか?」
ゴクッ
アルベルトの方から息を飲む音がした。
なんか顔赤いような気もするし、もしかしたら体調でも悪くなったんだろうか。
あ!もしかして、俺の身体を見て体調崩したのか?!予想と違ったと残念で……。
「あ、アル……?」
表情をうかがうために下から覗き混むと、先程まで真顔で桃太を見ていたにも関わらず顔を背けた。
「モモ……私以外にこんな事しないでくれ」
小さな声でそう呟いたが俺の耳には何も聞こえなかった。
「取り敢えずそのままベッドに仰向けになってくれるかな?」
よく表情をよめなかったが、アルベルトの言う通りにふかふか純白ベッドに仰向けになり寝転んだ。
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