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しおりを挟むすごく欲しい…ラファの全てが欲しい。
そう思うと身体が沸騰したみたいに熱くなった。
コレがなんなのかさっきのラファの淫魔plusと言われた時点で薄々は気づいてしまった。
俺は淫乱な魔族になっていたんだと。
淫魔になれば誰からも好かれ、ひとりぼっちであった現代のようにならないと。ただの俺の欲求。
これで幸せに自分はなれるんだと。
「…桃太?」
ラファが一瞬俺の表情がいつもと違うことに反応した。
動きが止まると何を思ったのか、頭を撫で始めた。
「な、なんだよ?」
一瞬その行動に恥ずかしさを感じ頬をほんのり赤く染め桃太は目をそらす。
「大丈夫だ、お前が淫魔だからこういう行為に及んでいるわけじゃない…」
「そう思わせてるだけだと思うがな…淫魔になったから」
「気づいてたのか…」
「まぁな。現代の俺と身体の反応が違う…明らかに今までの俺とは違うし。これのせいでお前もアルも俺に好意を寄せてるんだなと」
「違う…違う…別にお前とこういう行為で関係を繋ぎ止めたいわけじゃない…」
言ってる事が理解出来ない。俺の纏った甘い空気、この空気こそ男を虜にする空気に違いない。
すごく淫猥な雰囲気だったのに、段々とお互いに気落ちし始めたのかお通夜気分になってきた。
ラファの大きな息子もくたァーってなっていた。
「元気なくなったな……すまん」
一言謝るとラファは切なそうな顔でクスリと笑った。
「大丈夫だ、すぐ元気になる」
そう言うと、急に後ろから抱きしめられ布団の中に引き込まれた。
「うぉっ…おい」
「なんだ?」
「ヤらねーのか?」
恐る恐る聞くとラファは俺の首筋に吸い付いた。
そんな事されたら跡が残るじゃねーか。
「後13日間ある…急がなくてもいい、今日はこうやって寝たい」
甘える猛獣みたいに俺の肩あたりに顔を埋めた。
温かい…。
こういう人の温かさもたまにはいいもんだな。
と、考えながら俺は眠りについた。
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