触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?

雪 いつき

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*番外編8

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「うひゃっ!」

 そこでシグルズの手が服の中に滑り込んで、思わず変な声が出た。

「今では、その声すらも愛しいな」
「すいませんねっ、色気なくてっ」
「アオバらしくて可愛い」

 啄むようにキスをするシグルズに、俺は口を噤んだ。
 饒舌になったシグルズ、すごい攻撃力高い……。そんなことを思ってるうちに押し倒されて、シグルズの指が脚の間に触れた。

「パキュロスのおかげで、すぐに奥まで入りそうだ」
「んっ……」

 ぬち、と音がして、長い指が俺の後ろに埋め込まれる。もうぬるぬるですぐに挿れてもいいのに、シグルズは丁寧に解してくれる。


 大事に、されてるんだよなぁ……。

 少し焦れったいけど、それ以上に嬉しい。くすぐったい気持ちになってそっとシグルズの腕に触れると、ビクッと震えた。
 そっか。俺を大事にしてくれてるけど、余裕があるわけじゃない。シグルズも俺が好きなんだよな。

「シグルズ、もういいよ。挿れて?」
「っ……だが」
「我慢しなくていいって。俺ももうこんなだしさ」

 解されただけでアレも痛いくらいに勃ち上がってる。見えないけど、多分シグルズも同じだ。
 笑ってみせると、シグルズは一度身体を離して胸ポケットから四角い包みを取り出した。

「もしかして……ゴム持って仕事してた?」
「いつアオバに会えるか分からないからな」

 えっちなことには興味ありません、みたいなクールな顔してて、ポケットにしっかりゴムを忍ばせてるとか……なんか、妙に興奮するんだけど……。
 俺のドキドキなんて知らないシグルズは、器用にゴムを着けていく。その姿にすら興奮してしまって、もう待てが出来なくなりそうだ。


「アオバ?」

 待て、出来なかった……。
 気付いたらシグルズを押し倒して、上に乗っていた。そのまま自分で、ゆっくりとシグルズのソレを挿れる。

「んっ……ぁ」

 ナカを押し広げる圧迫感が愛しい。どろどろになったそこを固いモノが擦り、身体が震えた。

「待てなかったか」
「待て……むりだって、シグルズが……んっ、ぅ……えっちすぎ、て……」
「……私も待てない」
「へ? ちょっ……うあッ――!!」

 腰を掴まれて、一気に下へと落とされた。シグルズのモノが奥を突き、目の前に星が散る。

「ぁ……シグル、ズぅ……」
「睨むな、可愛い」
「可愛くなっ……あ、ああっ」

 イッたばっかりなのに、遠慮なしに身体を揺らされる。俺の体重のせいで、抜き挿しじゃなくずっと奥ばかり刺激された。


「あっ、ひッ……だめっ、そこだめっ……」

 シグルズの肌の上に、透明の液体がポタポタと滴る。気持ちよすぎて、俺のモノから溢れ出して止まらない。潮を吹くのとも違う感覚だ。

「シグル、ズっ……気持ちくて、おかしくなるっ……」
「おかしくなれ」

 俺の下でシグルズが甘く微笑む。見下ろしてるのに、支配されてるみたいな……

「ッ――!!」

 身体の奥から快感が込み上げる。全身が震えて、おかしなイき方をした。

「ひ、ぅッ……イくの、とまらなっ……」

 シグルズの上に倒れ込み、ずっと達し続ける。あまりの快楽に零れた涙を、シグルズが優しく拭ってくれた。……でも。 

「……アオバ、すまない」

 ガツッと音がしそうなほどに奥を穿たれる。達しすぎた身体が、悲鳴を上げた。

「ッ……! ……!!」

 もう声も出せず達し続ける。ぐちゃぐちゃにされる音が響いて、頭の中まで解けていきそうだ。
 俺の下、触れ合った肌が熱い。ドクドクと激しい心音が聞こえる。


 ……ああ、シグルズって……俺で、こんなになっちゃうんだ。


 酷く嬉しくて、酷く愛しい。
 薄い膜越しに放たれた熱が俺のナカに注がれないことが、酷く寂しかった。




「すまない……」

 一瞬意識を飛ばして、気がついたら、シグルズは正座をして頭を下げていた。今回はいつも以上の謝罪だ。
 まぁ、イきっぱなしの俺を容赦なく突き上げ続けたんだし、シグルズがこうなるのも分かる。

「いいって。ってか、俺も待てなくて乗ったし、ごめんな」
「それはいつでも乗って欲しい」
「素直だな。じゃあまた乗るよ」

 俺が笑うと、シグルズは正座をやめて俺を抱き締めた。 
 なんか……シグルズに支配されてるって思って興奮したけど、最後は俺が支配してるんじゃんって……興奮したな。どっちにしろ興奮するのは、シグルズが俺を好きすぎだからだよな。
 ……たまにならいいかな。上に乗るのも、シグルズに好き勝手されるのも。


「アオバ。帰ったら、おかわりしたい」
「おかわりって、まぁ、可愛いから許す」

 上から目線になったけど、聖者様だから許してほしい。シグルズも嬉しそうだし。

『キィ~』

「ん、キキュ、ありがとな」

 触手が俺の口にキスをして、甘い液を飲ませてくれる。その間にシグルズとキキュは、友情の固い握手を交わしていた。

「キキュ、また会いに来るよ。元気でな」

『キィキィー!』

 好き好き! と言わんばかりに頬擦りされて、俺もキキュを抱き締める。増幅した神聖力をキキュに送ってから、ヌメヌメになった俺とシグルズは森を後にした。



◇◇◇



 馬車に常備されている新聞紙を座席に敷き詰めて、俺たちは屋敷に戻った。そして大浴場に直行して、温かい湯で一息つく。

「そういえば、ジンとシオン様、上手くいって良かったよな」
「ああ。だが……互いのためにと勘違いをして離れるようなことには、ならないだろうか」

 シグルズが心配してるのは、シオン様の後悔のことだ。
 優しいジンに剣を握らせてしまったこと、いつか役に立って欲しいと言ったことで、王様の……父親を殺した相手の、忠実な部下のふりをさせてしまったこと。
 そんな自分がジンのそばにいていいはずがないと思い込んで、ジンを遠ざける可能性を考えている。

「大丈夫だよ。シオン様はもう覚悟を決めたんだ。ジンの幸せのために、何があってもジンのことを手放さないよ」

 今のシオン様なら、後悔した分、ジンを愛するはずだ。
 ジンは大好きなシオン様のために、自分にできる精一杯で頑張ってきた。プライドを捨てたんじゃなく、踏み台にして、本当に大事なものを得ようとした。その気持ちを、シオン様も分かってるはず。


「ジンの方がシオン様のために離れようとするかもだけど……そんなこと言ったら、シオン様は今すぐ養子に王位を譲るって言いそう」
「……そうだな。養子が育たずとも、女帝ならすぐに立てられる」
「お姉さんを知ってる身としては、安心感しかない」

 頭も良くていくつか事業もしてると聞いたから、余計に。

「きっと何があっても、二人は大丈夫だよ。心配するとしたら、ジンが恋愛慣れしてないことかな」
「そうだな。あそこまで純粋とは思わなかった」
「初恋のシオン様を、ずっと一途に想い続けてたんだもんな」

 旅の間に俺やシグルズの背中をバンバン押してくれたから、いっぱい恋愛経験あると思ってた。でも、騎士仲間の話を聞いたり相談に乗ってるうちに、知識だけが増えたらしい。


「俺たちのキューピッドをしてくれた恩があるし、今度は俺たちがジンに恩返ししたいよな」
「ああ。ジンジャーがいなければ、私はアオバを好きということすら気付かなかった」
「俺もだよ。何だかんだ、俺たちって鈍かったよなぁ」
「アオバは今も鈍いが」
「は? どのへん? シグルズほどじゃなくない?」
「私より、アオバの方が鈍い」
「どこがだよ~」

 シグルズの肩にぐりぐりと頭を擦り付ける。すると引き寄せられて、背後から抱き締められた。

「私は、屋敷に着いてからずっと抱き締めたかった」
「……なんかずっと俺の顔を見てるなとは思ってたけど……鈍いってそういうことか」

 おねだりの視線に全く気付かなかった。

「気付かなくてごめんな。おかわりもするんだったよな」

 顔だけ後ろに向けてシグルズの頬にキスすると、勢いよく抱き上げられる。
 そばのマッサージ用のベッドに横たえられて、お湯の中だとのぼせるくらいシたいんだな、と今度は多分ちゃんとシグルズの気持ちに気付いた。


「アオバ。おかわりのおかわりもしたい」
「先に言うのかよ。……まぁ、シグルズの好きなだけ、食べていいよ」

 可愛いおねだりを覚えたなと笑っていた俺は、小一時間後には笑えなくなる。
 でも、シグルズと恋人らしく出来るのは幸せだと思ってしまうのだから、これから先もこんな感じで、二人で過ごしていくんだろう。



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