オフ会から始まるワンダフルライフ 人生を彩るのはオンラインゲーム!?

佐藤哲太

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第2章

酔っぱらいの溢れた感情

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 俺たちの間に静寂が続き、無言で酒を飲むと言うシュールな時間が続く。
 恋バナばっかしてたせいか、二人きりになるとだいと何をどう話せばいいかが分からない。

 あー、俺童貞みたいだな……。年上なのに。

 そんな風に俺が緊張していると。

「ぴょんって、すごい大人よね」
「え?」

 数分の沈黙を経て、俺の様子にだいが気づいていたかは定かではないが、ありがたいことに話を切り出してくれたのはだいだった。

「いっつもふざけてるけど、すごい周りのこと見てるし」
「そう、か?」
「うん。みんなが楽しめるように、気遣ってくれてるのよ」

 いやー、俺には見えなかったけど、そうか、だいにはそういう風に見えてるのか。
 でもたしかにそう言われれば、ぴょんは常に場を盛り上げてくれるし、ふざけてても悪い雰囲気になるようにはしない、な。
 ダル絡みがひどいって思ってたけど、だいの言うことも一理ある、か。

「今日もね、ゆめがちょっと早く集まってお茶しようって言ったら、ぴょんが色々手配してくれたの」
「あ、それで先に行ってたのか」
「うん。年上っていうのもあるかもしれないけど、ぴょんはすごいみんなに気を遣ってる。あと2年で私がぴょんみたいになれるかって考えたら……自信ないわ」
「あー、まぁそうな。だいはああいうタイプではないよなー」
「私は、面白みもない人間だし」
「へ?」
「ゆめみたいに可愛げもないし、ぴょんみたいに気も遣えないし、ゆっきーみたいに素直でもないし……私って、何なんだろ」

 あれ? だいさん?
 ど、どうした?
 お前、そんなネガティブだったか!?

 え、これどうしちゃったの!?

 って、あ!!

 変に緊張していたせいで気づかなかったが、いつの間にかだいのそばには、空き缶らしく缶チューハイが5,6本あった。
 居酒屋でもそんなに飲まないのに、うちで乾杯してからまだ1時間ちょっとしか経っていない。
 こいつからすれば、明らかなオーバーペースなのではないだろうか!?

「だ、だい、酔ってる?」
「酔っれらいわよ!」

 あ、これ酔ってんな!
 顔色にでないから気づかなかったけど、酔ってないって大声を出すやつはほぼ100%酔ってるからな!
 呂律ろれつも怪しいし!

「ねぇ、私はどうすればいいろ思う!?」
「え、え!?」

 ぐいっと俺の方に寄ってくるだい。
 その目は、なんだかちょっとうるんでいるような……!?

 うわ、これはこれで、可愛い……!
 って今はそんなこと考えてる場合じゃないよな!?
 ど、どうする俺!?

「こ、この前も言ったけど、別にだいはだいでいいんじゃないか?」
「なんれ?」
「え、そりゃ俺から見れば、だいは自分で思ってるほど、ダメじゃないと思うし?」
「ろのへんが?」

 おおう!
 けっこうぐいぐいくるな!
 というかだいさん、近い近い!

 俺とだいの顔の距離はもうかなり近い。
 恥ずかしさに目をそらしたいが、だいの迫力に目をそらせない。

 や、やばい。変な汗かいてきた!

「ほ、ほら、部活の子たちとかさ、すごいだいのこと慕ってたぜ? 真面目に、誠実に生徒と向き合ってる証拠じゃん?」

 こ、これでどうだ!?

「……ろうせ、仕事しかないわよ、私には……」

 ダメかー!!!
 だが俯いてくれたおかげでちょっと距離が離れてくれた。
 でもやばいな、とりあえず、慰めないと!?

「ギルドでもさ、だいがいれば安心して色々できるし!」
「……この年になって、ゲームしか取り柄がないとか、笑っちゃうわよね……」

 ひいいいいい!!!
 やばい、どうする!? どうする!?
 え、この子今どんな言葉を待ってるの!?
 誰か! 誰か教えてくれ!!!

「やっぱり、私って何もないんじゃ……」

 あああああああ!!!
 ええい! ままよ!!

 俺は思い切ってだいの肩を掴んだ!
 びっくりしたように、だいが顔を上げて俺を見る。
 視点が定まる前に、言ってしまえ!!

「お、俺にとっては! 大事です!」
「へ?」
「7年間ずっと一緒にいてくれた人だし! お前といると落ち着くんだ!」

 こ、これでどうだ!?
 俺にとって、って、だいにとって俺がどれほどの価値があるかわかんないけど、もう俺にはこれしか浮かばん!
 でも、うわ、めっちゃはずい!
 でもとりあえず怒りバーサクモードになってくれれば、雰囲気も変えれるはず……!?

「……帰る!」
「えええ!?」

 な、なんだ!? え、大失敗!?
 怒りすぎて、怒りの限界突破!?

 焦る俺をよそに、荷物を持っただいがガラッと扉を開けて、ふらふらと玄関の方へ行ってしまう。

「ちょ、待てって!」

 一瞬茫然としてしまったが、即座に我に返り、慌てて俺もだいを追いかける。
 あのままじゃあぶねえだろ!

 あ! 頼む、ぴょん、今でてくんなよ!?

 俺が呆気に取られている間に外へ行ってしまっただいだったが、やはり千鳥足だったのか、俺も外へ出るや、アパートの階段手前ですぐに追いつくことができた。
 階段を降り始める手前で、俺はだいの手首をつかむ。

 あぶねえなしかし! そのまま行ってたら、下手したら転んでただろ!?

「と、とりあえず、こんな時間だし、帰るにしても送るよ」
「いらない!」
「いや、そんなんじゃ危ないって」
「うるさい!」

 静寂の夜の中、辺りに響くだいの声。
 ああもう! こいつ酔っぱらうとめんどくさいな!!

「ああもう! 何なの!」
「いいから、言うこときいてくれよ」
「何なの……何なのよ……」

 うだうだ言うだいがその場に座り込む。
 おいおいなんだってんだよ……。

「ごめん。俺の言葉が気に障ったなら謝る。でも今のだいを、一人で帰すわけにはいかないって。な? わかってくれるか?」

 座り込んだだいに目線を合わせるようにしゃがみ、うなだれるだいの頭をぽんぽんと撫でてやりながら、俺は優しく言葉をかけることに努める。
 こういう時は頭ごなしの言葉は響かない。相手の心に優しく声をかけ続けるしかないのだ。
 妹の面倒を見てきた俺のスキル、みせてやるぜ。

「一人で帰しちゃったら、みんなも心配するだろうしさ? な、今は一緒に帰ろ?」

 数分間の説得の末、ようやくだいが小さく頷いてくれた。
 ああ、よかった。なんとか言うこと聞いてくれたか……。

 うん、こいつと酒飲むときは、ほんと気をつけよ……。

「ん?」

 一安心したのも束の間、俺はあることに気づいた。
 
「え? ……え?」

 あれ?
 だいさん、なんか手を伸ばしてませんか……!?
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