異世界転移したけれど、今までの世界と比べて平和でした。

犬宰要

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 小さいなりの俺が横に立ってる事で、まずはすぐに倒せると思った奴が蹴りかかってきたのでナミと同じように受け流してそのまま後ろに投げ飛ばした。
 それを見て、周りは警戒レベルを上げ、今度は武器を持っている者が殴りかかってきた。すぐさまレーザービームソードでこん棒のようなものを細切れにし、先ほどと同じように後ろに投げ飛ばした。
 
 一対一だと分が悪いと見たのか、一斉にかかってきたが、ナミと二人で特に連携されていない相手を作業的に投げ飛ばして酒場内をすっきりさせていった。もう襲ってくるものはおらず、酒場内は静けさがあり、こちらの様子をうかがう者しか残ってなかった。
 
「あ、あんたら何者なんだ?」
 
 酒場の運営している者が自分たちに問いかけてきた。俺はナミと顔を合わせ、なんて答えたものかと悩んでいた。
 
「この街にきた観光客です。私が案内人をしています」
 
 案内人が代わりに答えてくれた。さすが案内人、ありがとう。
 
「なるほどな、お二人は何用でこちらに?」
 
 カウンター席まで向かい、俺たちは椅子に腰かけた。
 
「戦闘で儲けられる街って知らない?案内人に聞いてもこの都市の事しか知らないみたいでさ」
 
「ううむ、そうだな・・・お二人の魔力がひどく弱いが先ほどの動きからすると、都市ベルゼブブあたりが良いかもしれないな」
 
 俺たちは当たりの酒場を引いたと感じ、先ほど投げ飛ばした連中含め、魔石で全員分の支払いをした。そして、より詳しい情報や更なる常識を知ることとになった。どうやら、魔力をある程度放出させることで自身の力を誇示するのが普通であり、俺は極端に抑え込まれてるため弱いと思われていた。
 
 鬼眼から枝のような角が出ているのを怖がっていた案内人や歩いていたら道が空いたりしたので、よくない行為だと思っていたらそうじゃなかったらしい。
 ナミは魔力はないが、卵型の武具に魔力を無尽蔵に取り込んで外に漏れないようにしているだけだったので、その魔力を身に纏うようにすることにしたのだった。そうすることで角無しだろうとちゃんと侮られないと教えてもらった。
 
 対等な会話をするには、魔力が物を言うらしい。
 
 魔石でも代わりになるが、それは元から魔力が高いから持ち合わせてるのが前提に考えるという事も知った。この世界の常識はなかなかわからないことだらけだなとナミと笑い合った。
 
 都市ベルゼブブへの行き方も教えてもらい、ナビが大まかな場所を登録してくれたので問題ないだろう。
 
「見た目から強くしてくれよ~」
 
「わざと弱い見た目はやめてくれよ~」
 
「魔力はちゃんと出すんだぞ~」
 
 荒くれ者たちに忠告されながらお別れをし、案内人に魔石を支払って色魔都市アスモデウスを後にした。案内人は大喜びしていた。俺たちから解放されてなのか、魔石が嬉しかったのかはわからないがある程度常識を学べてよかったと思った。
 
「そういえば、都市ベルゼブブってどのくらい距離あるのかしら?」
 
「ナミ、俺を空に上げてくれ確認してみる」
 
 空から見ると遠くに大きな都市が見え、そこまでの道中にいくつか人工物が転々とあった。ナミに合図し降ろしてもらい情報を連携した。
 
「数日歩けば、着けそうだ」
 
「楽勝ね」
 
 俺たちは兵士なので行軍にはなれていた。

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