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戦場で死線をいくつもくぐり抜けてきた身として、ナミの時折見せてくる死線というのは種類が違うものだった。戦場はどうやれば生き残れるのか、生き残るために攻撃したり、回避したり、環境を利用したり、様々な手を考え生き残ってきた。それが実力だったり、運もあったりしてきた、くぐり抜けて生き延びて来た事で死の間際が迫っても冷静に対処してきた。
だが、ナミが時折見せる死線というのは、冷静さは保てるが対処方法がわからない。
対処方法がわからないというのは、何をしたらその死線がやってくるのか、わからないのだ。俺は何かをしてしまったのだろう。昔、似たようなことがあり原因を聞いたら終わったことだからと同じような重圧感に襲われた。そうか、としか返せなかったがちゃんと聞いた方がよかったのだろうかと今では思った。
昔なら、たとえ身体が粉々になっても修理されるし問題ないだろう。下手したら死ぬかもしれないが、きっと仲間が止めに入ってくれる。そ
データ連携。卵型の武具により情報開示要求があり、対応します。
あれ・・・?
「ナミ?」
「よく考えたら、何が起きたかデータ連携してもらえばよかったことに気づいたの、ちょっと待っててね」
えぇ・・・おかしいなぁ・・・俺の許可なしにデータ連携ってされるの?
肯定。生存戦略判断として選択しました。
されるがままに数分後、ナミは腕を組み考えて、答えが出たのか人魚のメロジーヌ・ドライの方に近寄っていった。
「ひ、ひぅ」
「歌を知りたいだけなの?」
「は、はいぃぃぃ」
メロジーヌ・ドライは涙目になりがなら祈るように手を組み、何回も頷いていた。その様子を見てナミが納得したのか、重苦しさはなくなり俺の方を向いて、にんまりして彼女は言った。
「ねぇ、私閃いたのだけど――」
俺は彼女が閃いたことを聞いて、ハーピーがいる区画へ向かっていた。一度都市内を調査してるので、最短距離で移動をしていた。光学迷彩をし、建物を飛び跳ねて移動をし、該当するハーピーがいる場所へ向かっていった。
「魔力を乗せる技術は置いておいて、歌に対して貪欲な上位の歌姫ハーピーを連れてきて」
俺はナミに言われるまま、情報収集から調査した該当するハーピーを捕獲することにした。該当するハーピーは一人で歌を懸命に歌っていたが、ノイズキャンセリングで歌はどこにも響かずにいた。
夕方に差し掛かり、日が暮れる前に彼女を鹵獲しないといけないと思った。
気配を感じたのか、俺の方を振り返り怪訝な顔し、何かを思い出したのか歌を辞め、指をさして叫んだ。叫んでいたがノイズキャンセリングで声は届いていない。
あー、お前を台無しにしたばかやろーと言っています。
ナビが丁寧に読唇術から教えてくれた。
はぁ、とため息をし、対人用指向性スタンボルトを放出し、気絶させた。穏便に話し合いでついてきてくれるかと思ったが第一印象から交渉するには時間を要すると判断し、捕獲することにした。幸いにも彼女が歌っていた周りには人がいなく、目撃者もいなかった為、問題はなかった。
ナノマシンを周囲に展開し、光学迷彩を起動させ彼女を担ぎ、宿泊所に戻ることにした。
宿泊所に戻り、気絶した彼女を空いてるソファに降ろすとナミは頭を抱えながらため息をついていた。
「どうした?」
「なんでもないわ、とりあえず起こしてくれる?」
「わかった」
俺はハーピーに微弱な電流を流し、覚醒させた。
「シビビビビビ! いたっいたたたたた!」
「起こしたぞ」
「えっ!? ちょ!? えっ!? ここどこ? っていうかセイレア・ヴィヨンじゃない! あれあんたは・・・メロジーヌ・ドライ!? なんで? え? えええ?」
「混乱してるところ悪いけれど、自己紹介をお願いしてもいいかな」
ナミは
「ピュイデリカ・ピッピ・・・一応ハーピー歌姫二位よ。てかなんなの?」
「ピッピちゃん、歌をうまくなりたくない?」
「てか、てめぇ誰だよ。なぁここどこ? なんなの? あとピッピちゃん言うな・・・あれ、なんでここ声出るの?」
「あ、あのね。この人たちが本当の歌を教えてくれるの!」
「私が聴いた中で最高の歌でした。あなたも是非学びましょう!」
セイレア・ヴィヨンとメロジーヌ・ドライがハーピーのピュイデリカ・ピッピを説得するのだった。
「はぁ? えっ? えぇぇ?」
俺はこのピュイデリカ・ピッピは結構バカなんじゃないかなと思った。調査した時は、見た目からは頭が良さそうな雰囲気があり、知的さがあると思っていたが、ゴブリンたちと変わらないような雰囲気が今はあった。
俺は少しだけナミが閃いたことに不安を覚えるのだった。そんなナミは頭を抱えてため息をつき、俺の方をじとりと見ていた。
俺が悪いの?
だが、ナミが時折見せる死線というのは、冷静さは保てるが対処方法がわからない。
対処方法がわからないというのは、何をしたらその死線がやってくるのか、わからないのだ。俺は何かをしてしまったのだろう。昔、似たようなことがあり原因を聞いたら終わったことだからと同じような重圧感に襲われた。そうか、としか返せなかったがちゃんと聞いた方がよかったのだろうかと今では思った。
昔なら、たとえ身体が粉々になっても修理されるし問題ないだろう。下手したら死ぬかもしれないが、きっと仲間が止めに入ってくれる。そ
データ連携。卵型の武具により情報開示要求があり、対応します。
あれ・・・?
「ナミ?」
「よく考えたら、何が起きたかデータ連携してもらえばよかったことに気づいたの、ちょっと待っててね」
えぇ・・・おかしいなぁ・・・俺の許可なしにデータ連携ってされるの?
肯定。生存戦略判断として選択しました。
されるがままに数分後、ナミは腕を組み考えて、答えが出たのか人魚のメロジーヌ・ドライの方に近寄っていった。
「ひ、ひぅ」
「歌を知りたいだけなの?」
「は、はいぃぃぃ」
メロジーヌ・ドライは涙目になりがなら祈るように手を組み、何回も頷いていた。その様子を見てナミが納得したのか、重苦しさはなくなり俺の方を向いて、にんまりして彼女は言った。
「ねぇ、私閃いたのだけど――」
俺は彼女が閃いたことを聞いて、ハーピーがいる区画へ向かっていた。一度都市内を調査してるので、最短距離で移動をしていた。光学迷彩をし、建物を飛び跳ねて移動をし、該当するハーピーがいる場所へ向かっていった。
「魔力を乗せる技術は置いておいて、歌に対して貪欲な上位の歌姫ハーピーを連れてきて」
俺はナミに言われるまま、情報収集から調査した該当するハーピーを捕獲することにした。該当するハーピーは一人で歌を懸命に歌っていたが、ノイズキャンセリングで歌はどこにも響かずにいた。
夕方に差し掛かり、日が暮れる前に彼女を鹵獲しないといけないと思った。
気配を感じたのか、俺の方を振り返り怪訝な顔し、何かを思い出したのか歌を辞め、指をさして叫んだ。叫んでいたがノイズキャンセリングで声は届いていない。
あー、お前を台無しにしたばかやろーと言っています。
ナビが丁寧に読唇術から教えてくれた。
はぁ、とため息をし、対人用指向性スタンボルトを放出し、気絶させた。穏便に話し合いでついてきてくれるかと思ったが第一印象から交渉するには時間を要すると判断し、捕獲することにした。幸いにも彼女が歌っていた周りには人がいなく、目撃者もいなかった為、問題はなかった。
ナノマシンを周囲に展開し、光学迷彩を起動させ彼女を担ぎ、宿泊所に戻ることにした。
宿泊所に戻り、気絶した彼女を空いてるソファに降ろすとナミは頭を抱えながらため息をついていた。
「どうした?」
「なんでもないわ、とりあえず起こしてくれる?」
「わかった」
俺はハーピーに微弱な電流を流し、覚醒させた。
「シビビビビビ! いたっいたたたたた!」
「起こしたぞ」
「えっ!? ちょ!? えっ!? ここどこ? っていうかセイレア・ヴィヨンじゃない! あれあんたは・・・メロジーヌ・ドライ!? なんで? え? えええ?」
「混乱してるところ悪いけれど、自己紹介をお願いしてもいいかな」
ナミは
「ピュイデリカ・ピッピ・・・一応ハーピー歌姫二位よ。てかなんなの?」
「ピッピちゃん、歌をうまくなりたくない?」
「てか、てめぇ誰だよ。なぁここどこ? なんなの? あとピッピちゃん言うな・・・あれ、なんでここ声出るの?」
「あ、あのね。この人たちが本当の歌を教えてくれるの!」
「私が聴いた中で最高の歌でした。あなたも是非学びましょう!」
セイレア・ヴィヨンとメロジーヌ・ドライがハーピーのピュイデリカ・ピッピを説得するのだった。
「はぁ? えっ? えぇぇ?」
俺はこのピュイデリカ・ピッピは結構バカなんじゃないかなと思った。調査した時は、見た目からは頭が良さそうな雰囲気があり、知的さがあると思っていたが、ゴブリンたちと変わらないような雰囲気が今はあった。
俺は少しだけナミが閃いたことに不安を覚えるのだった。そんなナミは頭を抱えてため息をつき、俺の方をじとりと見ていた。
俺が悪いの?
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