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爆発の音と火により僕たちを包囲しようとしていたベェスチティたちが一斉にそちらの方に向いていた。僕はこの機会を逃しちゃいけないと思った。
「ハルミンは大丈夫か?」
マナチに声をかけると、声が上ずっていた。
「だ、だめです。顔から血を流してて、意識がないです」
「は、ハルミン!?」
タッツーはハルミンを見て、悲痛な声を上げた。
「気を付けて、建物の下にベェスチティがいる。多分、そいつにやられたのかもしれない」
マナチは銃を構えはいるものの柱が邪魔なのかうまく向けられていなかったように見えた。
「ベェスチティはどのあたりにいる? 今降りて言っても大丈夫か?」
「建物の下から移動してる、あの爆発音の方に動いてる! 今なら降りれる!」
僕はムッツーとタッツーに頷いた。
「二人とも行けるか?」
念のため、二人が降りられるか確かめた。
「大分、マシになってきたから行ける」
「私もよ」
「よし、行ってくれ。もしベェスチティが何かしたらここから撃つ」
二人は頷き、柱状の階段を降りていった。その間、僕は銃口を建物の下に向け、ベェスチティが何かしてきたらすぐに撃てるようにした。
特に何か動きがあるわけでもなく、遠くで爆発音が響くだけで建物の下からベェスチティが何かしてくることはないまま、ムッツーとタッツーは無事に下まで降りることができた。
僕は二人が降りた後に自分も降りる事にした。建物の下のベェスチティの注意が自分たちに向けられる前に柱状の階段を降りる事に成功した。
「ツバサ、ジュリありがとう」
「で、でもハルミンが」
ジュリが悔やむ気持ちが言葉として出ていた。
先に下りたタッツーがハルミンの近くに行っており、口を抑えながら涙ぐんでいた。僕も状態が気になり、近くまで行くとハルミンは息をしているものの、片目が潰されているような状態だった。
マナチは悲痛な表情をしながら、何かを探してるような眼の動かし方をしていた。僕はそれが何をしているのか気づき、言葉にした。
「みんな、アビリティ・スキルで何か助けられる方法がないか探すんだ。誰かのアビリティ・スキルでもしかしたら助かるかもしれない。頼む」
僕が周りに伝える事で、ツバサとジュリは即座にアビリティ・スキルを見始めた。ムッツーとタッツーもアビリティ・スキルを表示させるものの、洗脳されていた事もあって二人はおぼつかないだろうが、みんなで探せば何か見つかると思った。
するとマナチが何かを見つけた。
「あ、あった! 止血がある、あと洗浄がある!」
「使ってみてくれ」
マナチが見つけた止血と洗浄がハルミンに作用し、左眼があった部分が綺麗になり、止血された。だが、ぽっかりと空いた場所に眼はなく、縫合されたわけでもなく抉れた状態が残っていた。こめかみに向けて傷跡が残っていた状態であり、傷口は少しだけ色が違う肌色のファンデーションのようなもので塞がれていた。
「眼……は?」
ハルミンの眼が失われたことが明らかになったのだった。
「ね、ねぇ……眼は?」
タッツーが繰り返し言葉を発するものの、誰もそれには答えられなかった。遠くでまた爆発音が聞こえ、あたりを見ると瓦礫の山と同じように火が壁のようになって押し寄せてきていた。
「とりあえず、ここから離れて、あの爆発の反対側へ遠ざかろう……方向はあの光りがある方に行こう」
僕は、これ以上ここに留まるより、逃げることを選んだ。
「ああ、賛成だ」
ムッツーが体調が戻り始めたのか、返事をした。
「ハルミンは――」
「私が背負うわ」
ムッツーが何か言おうとし、タッツーが背負うと言ったのだった。タッツーはハルミンをマナチから抱きかかえ、僕とムッツーがタッツーの背中に背負われるようにハルミンを移動させた。ハルミンはぐったりしており、気を失っている状態だった。
背負われる際に起きるかなと思ったが、特に反応はなかった。ただ、息をしているので今はショックで起きないだけだと思った。いや、思いたかった。
「よし、行くぞ」
ムッツーが向かおうとするところを僕は彼女を止めた。
「待て、ムッツー。その前に確かめておきたい事がある」
「なんだ?」
「ベェスチティが近寄ってきたらどうする?」
僕、マナチ、ジュリ、ツバサはすでに銃を召喚している。タッツーはハルミンを背負っているため、銃を召喚できない。そして、タッツーは銃を召喚していなかった。視界の隅に映っていた生存確率が30%だった、もし彼女が銃を装備したら変わるのだろうか?
「ど、どうってどういう意味だ?」
「戦えるか?」
彼女に戦う意思があるのか、確かめた。銃を装備しただけだと多分何も変わらないかもしれないと思ったからだ。
「た、戦うって?」
ムッツーは砂利の砂漠で銃の試射をしていた。だが、生きている対象を撃つという覚悟はないように感じた。ベェスチティたちが僕たちに注意を向けず、あるいは向いたとしても逃げようと思っているのかもしれない。僕も覚悟があるわけではなかった、だが、少なからず銃を召喚し、ネズミ相手になら撃った。もし、ベェスチティたちが襲ってきたら僕は撃つ。
「ムッツーも持ってるだろ、これで撃つことができるか」
ムッツーは僕が言った意味を理解し、大きく深呼吸した後に銃を召喚した。彼女は銃器を持ち、近くのベェスチティに向けて構えたのだった。その時、生存確率が30%から35%に変わった。
「撃てる、私は撃てる」
ムッツーは引き金を引く事はなく、答えた。手は震えてはおらず、標準を合わせた先に対しても視線はブレていなかった。
僕は生き延びていくために、互いに協力して発見した事や知らないことを知ろうと努力していく決意をした。ムッツーやタッツー、ハルミンにも話をちゃんとして協力していかないと予期せぬ事態になった時にそれがきっかけで手遅れになってしまうと思ったからだ。
「わかった。行こう」
僕はムッツーとタッツーを見て、彼女たちの表情に不安はあるものの、生き延びる意思があると感じられた。僕たちは光りがある方へと進む事にした。
「ハルミンは大丈夫か?」
マナチに声をかけると、声が上ずっていた。
「だ、だめです。顔から血を流してて、意識がないです」
「は、ハルミン!?」
タッツーはハルミンを見て、悲痛な声を上げた。
「気を付けて、建物の下にベェスチティがいる。多分、そいつにやられたのかもしれない」
マナチは銃を構えはいるものの柱が邪魔なのかうまく向けられていなかったように見えた。
「ベェスチティはどのあたりにいる? 今降りて言っても大丈夫か?」
「建物の下から移動してる、あの爆発音の方に動いてる! 今なら降りれる!」
僕はムッツーとタッツーに頷いた。
「二人とも行けるか?」
念のため、二人が降りられるか確かめた。
「大分、マシになってきたから行ける」
「私もよ」
「よし、行ってくれ。もしベェスチティが何かしたらここから撃つ」
二人は頷き、柱状の階段を降りていった。その間、僕は銃口を建物の下に向け、ベェスチティが何かしてきたらすぐに撃てるようにした。
特に何か動きがあるわけでもなく、遠くで爆発音が響くだけで建物の下からベェスチティが何かしてくることはないまま、ムッツーとタッツーは無事に下まで降りることができた。
僕は二人が降りた後に自分も降りる事にした。建物の下のベェスチティの注意が自分たちに向けられる前に柱状の階段を降りる事に成功した。
「ツバサ、ジュリありがとう」
「で、でもハルミンが」
ジュリが悔やむ気持ちが言葉として出ていた。
先に下りたタッツーがハルミンの近くに行っており、口を抑えながら涙ぐんでいた。僕も状態が気になり、近くまで行くとハルミンは息をしているものの、片目が潰されているような状態だった。
マナチは悲痛な表情をしながら、何かを探してるような眼の動かし方をしていた。僕はそれが何をしているのか気づき、言葉にした。
「みんな、アビリティ・スキルで何か助けられる方法がないか探すんだ。誰かのアビリティ・スキルでもしかしたら助かるかもしれない。頼む」
僕が周りに伝える事で、ツバサとジュリは即座にアビリティ・スキルを見始めた。ムッツーとタッツーもアビリティ・スキルを表示させるものの、洗脳されていた事もあって二人はおぼつかないだろうが、みんなで探せば何か見つかると思った。
するとマナチが何かを見つけた。
「あ、あった! 止血がある、あと洗浄がある!」
「使ってみてくれ」
マナチが見つけた止血と洗浄がハルミンに作用し、左眼があった部分が綺麗になり、止血された。だが、ぽっかりと空いた場所に眼はなく、縫合されたわけでもなく抉れた状態が残っていた。こめかみに向けて傷跡が残っていた状態であり、傷口は少しだけ色が違う肌色のファンデーションのようなもので塞がれていた。
「眼……は?」
ハルミンの眼が失われたことが明らかになったのだった。
「ね、ねぇ……眼は?」
タッツーが繰り返し言葉を発するものの、誰もそれには答えられなかった。遠くでまた爆発音が聞こえ、あたりを見ると瓦礫の山と同じように火が壁のようになって押し寄せてきていた。
「とりあえず、ここから離れて、あの爆発の反対側へ遠ざかろう……方向はあの光りがある方に行こう」
僕は、これ以上ここに留まるより、逃げることを選んだ。
「ああ、賛成だ」
ムッツーが体調が戻り始めたのか、返事をした。
「ハルミンは――」
「私が背負うわ」
ムッツーが何か言おうとし、タッツーが背負うと言ったのだった。タッツーはハルミンをマナチから抱きかかえ、僕とムッツーがタッツーの背中に背負われるようにハルミンを移動させた。ハルミンはぐったりしており、気を失っている状態だった。
背負われる際に起きるかなと思ったが、特に反応はなかった。ただ、息をしているので今はショックで起きないだけだと思った。いや、思いたかった。
「よし、行くぞ」
ムッツーが向かおうとするところを僕は彼女を止めた。
「待て、ムッツー。その前に確かめておきたい事がある」
「なんだ?」
「ベェスチティが近寄ってきたらどうする?」
僕、マナチ、ジュリ、ツバサはすでに銃を召喚している。タッツーはハルミンを背負っているため、銃を召喚できない。そして、タッツーは銃を召喚していなかった。視界の隅に映っていた生存確率が30%だった、もし彼女が銃を装備したら変わるのだろうか?
「ど、どうってどういう意味だ?」
「戦えるか?」
彼女に戦う意思があるのか、確かめた。銃を装備しただけだと多分何も変わらないかもしれないと思ったからだ。
「た、戦うって?」
ムッツーは砂利の砂漠で銃の試射をしていた。だが、生きている対象を撃つという覚悟はないように感じた。ベェスチティたちが僕たちに注意を向けず、あるいは向いたとしても逃げようと思っているのかもしれない。僕も覚悟があるわけではなかった、だが、少なからず銃を召喚し、ネズミ相手になら撃った。もし、ベェスチティたちが襲ってきたら僕は撃つ。
「ムッツーも持ってるだろ、これで撃つことができるか」
ムッツーは僕が言った意味を理解し、大きく深呼吸した後に銃を召喚した。彼女は銃器を持ち、近くのベェスチティに向けて構えたのだった。その時、生存確率が30%から35%に変わった。
「撃てる、私は撃てる」
ムッツーは引き金を引く事はなく、答えた。手は震えてはおらず、標準を合わせた先に対しても視線はブレていなかった。
僕は生き延びていくために、互いに協力して発見した事や知らないことを知ろうと努力していく決意をした。ムッツーやタッツー、ハルミンにも話をちゃんとして協力していかないと予期せぬ事態になった時にそれがきっかけで手遅れになってしまうと思ったからだ。
「わかった。行こう」
僕はムッツーとタッツーを見て、彼女たちの表情に不安はあるものの、生き延びる意思があると感じられた。僕たちは光りがある方へと進む事にした。
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