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入学~一年目 さぁ恋、なぐり愛
17_ユウヴィーとエリーレイドは互いに転生者であり、令嬢である。
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フリーザンネック王国のフォーラズ王太子の一件から数日後、ユウヴィーは学園内や諸外国から噂の人となっていた。彼女の心中は殉愛という愛のために死ぬという結末を回避して安堵していて、周りのことを見えていなかった。
同室のハープは、ユウヴィーがフォーラズ王太子に利用されて意気消沈してるのか、それとも恋が実らなくて玉の輿ができなくて呆けているのか、判断がついていなかった。ユウヴィーもその一件について、不敬ともとれる発言をしていた事もあり詳しく話す事もできず、ハープにはちゃんと話していなかったのだった。
フォーラズ王太子が自国のフリーザンネック王国にツンな婚約者と急遽一時帰国する間は、くっそイチャイチャしていて、見てて砂糖吐くレベルの変わりようであった。そのため、周りの人も詳しく何があったのか、聞けず、見ているだけで砂糖を吐きそうになるので、近寄らなかった。
(めっちゃ吐く、あのバカップルはなんだ? オロロロロォ!)
ユウヴィーは二人が急遽一時帰国するまでの間、二人に食事に誘われていた。一番の砂糖被害者だった。砂糖空間を作った張本人ではあるが、まさかここまでとは思ってはいなかった。
フォーラズ王太子とツンな婚約者が一時帰国した後、悪役令嬢であるエリーレイドからサロンの個室に来るようにと命令されるのだった。ユウヴィーは今回の攻略対象者について、何か言われるのだろうと思った。
(自分としては生死をかけてものだし、何よりも瘴気問題も解決に向かってるし、何を言われても言い返してやる!)
ユウヴィーはふんすっと鼻から息を出し、気合を入れていた。
+
悪役令嬢から呼ばれ、プライベートサロンスペースにて、ユウヴィーは自国と周辺諸国について問い詰められていた。今回、ユウヴィーがおこなった瘴気対策の予防がどのほど影響があり、その問い合わせがサンウォーカー国へ直接なだれ込み、対応に日々追われているという事だった。
「学園内の研究区画での実証実験によって発見したこと、その手続き等は問題ありません。ただ、経過報告、どういう結果を期待し何を求めておこなったのか、等の報告の連携を自国にしないまま、というのが問題だとお分かりですね? ね?」
エリーレイドの目の下はクマが出来ており、それがユウヴィーからみるとその対応をしていのだろうと安易に想像したのだった。実際には、ユウヴィーの監視もしているのでかなり忙しいが、ユウヴィーは知らない事情である。
「はい、申し訳ございません」
頭を項垂れるように下げ、前世のブラックな仕事現場で起きた報告がうまく伝わらずさらに作業量ややり直しなど発生した記憶がフラッシュバックしていった。
(いや、こういう記憶を思い出すんじゃなくてこの乙女ゲームの記憶を思い出したい)
「ちょっと! 聞いてまして?」
エリーレイドから容赦ない声が響いた。
「はい、申し訳ございません」
「いいですか、我が国の瘴気問題も、と打診が多く、それが学園になだれ込まないように対応はしています。ただ次からはきちんとどんな目的で、何をし、どのような仮説の元にどういう結果を期待しているのか、情報を共有してください。わかりましたね?」
「はいっ! 以後、改善しこのようなことが無いように致します」
はぁ、というため息がエリーレイドから漏れ、ユウヴィーはまたもや記憶がフラッシュバックした。
(原作では確か、愛だの思いが、とか答えて悪役令嬢から叱責され、光の魔法使い手として自覚あるうんたらと説教されたんだっけ……その後に王太子が声がしたからと入ってきて、君はあの時のという流れになるんだっけ……)
頭を下げた状態でチラリと後方を確認しようと少し、頭を動かした。
「王太子は来ないでくださいとお伝えしてあります」
エリーレイドから考えてることを読まれ、ツッコミを入れられるユウヴィーだった。
「面を上げなさい、そしてこちらに座りなさい」
「はい、失礼します」
ユウヴィーは椅子に座り、対面にいるエリーレイドの方を見た。困ったようないつもの貴族の顔ではなく、どこか懐かしく感じるような表情をしていた。
「貴族のお話は終わり、それで貴方も転生者よね?」
ユウヴィーは頷いた。どうやら彼女も転生者だというのを確信した。今まで本人からそういった発言がなく、もしかしてという程度だったのだ。
「なら、さっさとイケメンとラブラブになってくっつけばいいじゃない」
しれッと遠回りに死ねとエリーレイドはユウヴィーに言い放つのであった。
(え、くっついたら死ぬんですけれど!? 知らないの?)
ユウヴィーは顔を引きつらせた。
ここがあの乙女ゲーの世界であるなら、攻略対象者とくっついたら最後は死ぬ。殉愛である。ユウヴィーはエリーレイドの表情を見るとなんとなく、乙女ゲームの事を知っていそうと思ったのだ。
「ロマフロ……」
ボソリ、とユウヴィーがつぶやくとピクッとエリーレイドが反応した。
(こいつ! 知ってて言ったなぁぁ!)
ユウヴィーは笑顔ではあるが、静かな怒りを心に灯していた。
「さっさと誰かとくっついて世界平和のための礎に? 絶対に嫌なんですけれど」
「なら精々がんばるといいわ。私は私で自分の役回りをしますわ」
感情的に発言したユウヴィーとは裏腹に、余裕を持ってエリーレイドは返事をするのだった。
数秒程、ユウヴィーが睨んでいるとエリーレイドはニコリと笑い、口を開いた。
「ところでいつここが乙女ゲーの世界だと知ったのか、ユウヴィーさんはいつ頃かしら?」
ユウヴィーは答えたくなかった。
(いやぁ並木道のオープニングで、大好きな乙女ゲーだと知りましたね。推しは王太子だったので運命的な瞬間でした。まさか殉愛とかなければ最高なんですけれどね、ところでエリーレイドさんはいつ頃ですか? アライン殿下と婚約者ですがどこまで進展しました? もしかして別の方が推しですか? どなたですか? ちなみに没頭連動型VR拡張パックの十八禁止はお持ちでしたか? ゲヘヘ)
言葉にすると超絶な早口になるような事を脳内で言っていた。
「私は幼少の頃からです、つまり、その頃から対策はしっかりとしてきたので、改めて精々がんばるといいわ」
(つまり同じヘビィでディープなオタ同士ですね。わかりました。あ、ちょっと待って対策ってことは、もしかしてボーイズラブな方面で推したちを見ているってこと? いや早計よね、そうじゃないって線もあるよね)
ユウヴィーの前世はどちらかというとあまり喋らない方だった。前世の記憶を持っている同士の雰囲気の中で、前世の性格に引っ張られるような形になり、通常オタク運転になっていた。エリーレイドはその状態のユウヴィーを見て、やけに静かなのが自信の現れだと感じ、内心焦っていたのだった。
その矛先は使い魔になったのだった。
「スナギモって名前どうにかならないの?」
「大好物なんだからいいでしょ! 何よ、そっちこそマーベラスとか――」
「吸ってみれば、わかります」
「えっ」
ユウヴィーはエリーレイドの言っている意味がわからなかった。
(吸う? え、まさか――)
隣に控えていたファットキャットは、虚ろな目をしていた。
(そういうこと?)
彼女は前世の記憶から猫を吸うという行為がどれだけ猫を飼う人に特権行為なのか思い出した。合法ドラッグであり、気軽に癒してくれる嗜好だということを愛猫家から聞いていた。
「マーベちゃん、ほら彼女に吸わせて上げて、私がいつもやってるように、早く」
「えっ」
ユウヴィーは自分のペットでもなく、使い魔でもない相手の猫を吸ってもいいのかという驚きだった。
――数分後
「マーベラス」
ユウヴィーは自然とその言葉を口にしていた。
「わかったかしら」
「大変失礼いたしました」
「わかればよろしい。ところでその子の毛並みなんですが」
「触る? めっちゃんこいいよ」
気が付いたら夕方になっており、その日は解散する事になった。
同室のハープは、ユウヴィーがフォーラズ王太子に利用されて意気消沈してるのか、それとも恋が実らなくて玉の輿ができなくて呆けているのか、判断がついていなかった。ユウヴィーもその一件について、不敬ともとれる発言をしていた事もあり詳しく話す事もできず、ハープにはちゃんと話していなかったのだった。
フォーラズ王太子が自国のフリーザンネック王国にツンな婚約者と急遽一時帰国する間は、くっそイチャイチャしていて、見てて砂糖吐くレベルの変わりようであった。そのため、周りの人も詳しく何があったのか、聞けず、見ているだけで砂糖を吐きそうになるので、近寄らなかった。
(めっちゃ吐く、あのバカップルはなんだ? オロロロロォ!)
ユウヴィーは二人が急遽一時帰国するまでの間、二人に食事に誘われていた。一番の砂糖被害者だった。砂糖空間を作った張本人ではあるが、まさかここまでとは思ってはいなかった。
フォーラズ王太子とツンな婚約者が一時帰国した後、悪役令嬢であるエリーレイドからサロンの個室に来るようにと命令されるのだった。ユウヴィーは今回の攻略対象者について、何か言われるのだろうと思った。
(自分としては生死をかけてものだし、何よりも瘴気問題も解決に向かってるし、何を言われても言い返してやる!)
ユウヴィーはふんすっと鼻から息を出し、気合を入れていた。
+
悪役令嬢から呼ばれ、プライベートサロンスペースにて、ユウヴィーは自国と周辺諸国について問い詰められていた。今回、ユウヴィーがおこなった瘴気対策の予防がどのほど影響があり、その問い合わせがサンウォーカー国へ直接なだれ込み、対応に日々追われているという事だった。
「学園内の研究区画での実証実験によって発見したこと、その手続き等は問題ありません。ただ、経過報告、どういう結果を期待し何を求めておこなったのか、等の報告の連携を自国にしないまま、というのが問題だとお分かりですね? ね?」
エリーレイドの目の下はクマが出来ており、それがユウヴィーからみるとその対応をしていのだろうと安易に想像したのだった。実際には、ユウヴィーの監視もしているのでかなり忙しいが、ユウヴィーは知らない事情である。
「はい、申し訳ございません」
頭を項垂れるように下げ、前世のブラックな仕事現場で起きた報告がうまく伝わらずさらに作業量ややり直しなど発生した記憶がフラッシュバックしていった。
(いや、こういう記憶を思い出すんじゃなくてこの乙女ゲームの記憶を思い出したい)
「ちょっと! 聞いてまして?」
エリーレイドから容赦ない声が響いた。
「はい、申し訳ございません」
「いいですか、我が国の瘴気問題も、と打診が多く、それが学園になだれ込まないように対応はしています。ただ次からはきちんとどんな目的で、何をし、どのような仮説の元にどういう結果を期待しているのか、情報を共有してください。わかりましたね?」
「はいっ! 以後、改善しこのようなことが無いように致します」
はぁ、というため息がエリーレイドから漏れ、ユウヴィーはまたもや記憶がフラッシュバックした。
(原作では確か、愛だの思いが、とか答えて悪役令嬢から叱責され、光の魔法使い手として自覚あるうんたらと説教されたんだっけ……その後に王太子が声がしたからと入ってきて、君はあの時のという流れになるんだっけ……)
頭を下げた状態でチラリと後方を確認しようと少し、頭を動かした。
「王太子は来ないでくださいとお伝えしてあります」
エリーレイドから考えてることを読まれ、ツッコミを入れられるユウヴィーだった。
「面を上げなさい、そしてこちらに座りなさい」
「はい、失礼します」
ユウヴィーは椅子に座り、対面にいるエリーレイドの方を見た。困ったようないつもの貴族の顔ではなく、どこか懐かしく感じるような表情をしていた。
「貴族のお話は終わり、それで貴方も転生者よね?」
ユウヴィーは頷いた。どうやら彼女も転生者だというのを確信した。今まで本人からそういった発言がなく、もしかしてという程度だったのだ。
「なら、さっさとイケメンとラブラブになってくっつけばいいじゃない」
しれッと遠回りに死ねとエリーレイドはユウヴィーに言い放つのであった。
(え、くっついたら死ぬんですけれど!? 知らないの?)
ユウヴィーは顔を引きつらせた。
ここがあの乙女ゲーの世界であるなら、攻略対象者とくっついたら最後は死ぬ。殉愛である。ユウヴィーはエリーレイドの表情を見るとなんとなく、乙女ゲームの事を知っていそうと思ったのだ。
「ロマフロ……」
ボソリ、とユウヴィーがつぶやくとピクッとエリーレイドが反応した。
(こいつ! 知ってて言ったなぁぁ!)
ユウヴィーは笑顔ではあるが、静かな怒りを心に灯していた。
「さっさと誰かとくっついて世界平和のための礎に? 絶対に嫌なんですけれど」
「なら精々がんばるといいわ。私は私で自分の役回りをしますわ」
感情的に発言したユウヴィーとは裏腹に、余裕を持ってエリーレイドは返事をするのだった。
数秒程、ユウヴィーが睨んでいるとエリーレイドはニコリと笑い、口を開いた。
「ところでいつここが乙女ゲーの世界だと知ったのか、ユウヴィーさんはいつ頃かしら?」
ユウヴィーは答えたくなかった。
(いやぁ並木道のオープニングで、大好きな乙女ゲーだと知りましたね。推しは王太子だったので運命的な瞬間でした。まさか殉愛とかなければ最高なんですけれどね、ところでエリーレイドさんはいつ頃ですか? アライン殿下と婚約者ですがどこまで進展しました? もしかして別の方が推しですか? どなたですか? ちなみに没頭連動型VR拡張パックの十八禁止はお持ちでしたか? ゲヘヘ)
言葉にすると超絶な早口になるような事を脳内で言っていた。
「私は幼少の頃からです、つまり、その頃から対策はしっかりとしてきたので、改めて精々がんばるといいわ」
(つまり同じヘビィでディープなオタ同士ですね。わかりました。あ、ちょっと待って対策ってことは、もしかしてボーイズラブな方面で推したちを見ているってこと? いや早計よね、そうじゃないって線もあるよね)
ユウヴィーの前世はどちらかというとあまり喋らない方だった。前世の記憶を持っている同士の雰囲気の中で、前世の性格に引っ張られるような形になり、通常オタク運転になっていた。エリーレイドはその状態のユウヴィーを見て、やけに静かなのが自信の現れだと感じ、内心焦っていたのだった。
その矛先は使い魔になったのだった。
「スナギモって名前どうにかならないの?」
「大好物なんだからいいでしょ! 何よ、そっちこそマーベラスとか――」
「吸ってみれば、わかります」
「えっ」
ユウヴィーはエリーレイドの言っている意味がわからなかった。
(吸う? え、まさか――)
隣に控えていたファットキャットは、虚ろな目をしていた。
(そういうこと?)
彼女は前世の記憶から猫を吸うという行為がどれだけ猫を飼う人に特権行為なのか思い出した。合法ドラッグであり、気軽に癒してくれる嗜好だということを愛猫家から聞いていた。
「マーベちゃん、ほら彼女に吸わせて上げて、私がいつもやってるように、早く」
「えっ」
ユウヴィーは自分のペットでもなく、使い魔でもない相手の猫を吸ってもいいのかという驚きだった。
――数分後
「マーベラス」
ユウヴィーは自然とその言葉を口にしていた。
「わかったかしら」
「大変失礼いたしました」
「わかればよろしい。ところでその子の毛並みなんですが」
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