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二年目 恋よ、愛てにとって不足はない
38 あなたの好みはなんですか?
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王族やそれに近しい貴族が使用するサロン、防音が施されている個室に二人の転生令嬢が令嬢とは思えない形相で話し合っていた。二人の使い魔も横に控えているものの、話し合いに頷いたりといったことはせずに見守っていた。それが一番いい接し方だと知っているが故に。
「あなたの好みって誰なの?」
答えるわよね、と言わんばかりの態度でエリーレイドはユウヴィーに聞いていた。
「え、言うわけないし」
ユウヴィーはそんな事に答えるつもりもない、それが自らの死に直結する情報であることは理解していたからだ。
「はぁ?」
「あぁん?」
うら若き乙女の会話ではない。一触即発な剣幕で互いににらみ合っていた。
「あと何人いるの?」
ユウヴィーはせっかく話ができるので、攻略対象者の情報を引き出そうと思ったのだった。
「教えたところで、新たな別の攻略対象者が世界の強制力で出てきたらと私にとってリスクでしかないから、言わないわ」
目をひくひくとさせ、ユウヴィーは何も言えなかった。
「おわかりいただけたようで何よりだわ。あの〇〇が攻略対象者なの~よろしく~って伝えられたらそれはそれで、貴方が避けるだろうし、避けたら避けたで瘴気問題がさらにややこしくなって、私が対策してきたことが全く意味無くなるし教えないわ~」
「あーそーですかー! まあ、その瘴気問題も全部解決してやるわ。そうすれば殉愛なんていう事も起きないだろうしね」
「あら、それならどの攻略対象者とくっついても問題ないんじゃないの~?」
「え? そうなの? だったら各攻略対象者の殉愛ストーリー教えてエリーレイドさまぁ~!」
「ああぁん?」
「はぁん!?」
この二人のやり取りを見ているエリーレイドの使い魔のマーベラスは震えていた。一方ユウヴィーの使い魔であるスナギモは寝ていた。それに気づいたマーベラスは、スナギモの方に寄り、身体を寄せて暖を取りつつ寝る事にしたのだった。
主人であるエリーレイドとユウヴィーの話し合いは夕方まで続き、声が荒ぶっていても寝れたのだった。
「ふん、まあ、いいわ。精々しっかりと光の魔法を使う身として、サンウォーカー国と諸外国に対して瘴気の問題を解決していってくださいね」
「言われなくても致しますぅ~! 瘴気解決しちゃうしー」
こうして二人の話し合いは終わったのだった。
「いくよ、スナギモ」
「わふ」
「ごきげんよう、エリーレイド様ッ」
ユウヴィーは言うだけ言い、部屋から退出していったのだった。
ぷんすこ起こりながらしながらユウヴィーは下手したら不敬罪で処される可能性がある事を忘れ、食堂に向かっていた。
(何か、食べてこのストレスを発散しなければ)
彼女は食堂に行き、やけ食いをし、周りからその様子を目撃されるのだった。攻略対象者がうろ覚えの事、生死に関わってしまう恋愛、切っても切り離せない瘴気問題、これらの事に加えて同じ転生者のエリーレイドとの関係性は彼女にとってストレスだった。
ちょっと前までは対魔物区画でストレス発散をしていたが、今はやり過ぎた事によりストップがかかってしまい運動による発散はできなくなっていた。どうにかいい方法はないかと思いつくわけもなく、それが食へ向かっていった。
「ユウヴィー……」
やけ食いをしている所に、ハープから声をかけられ、食事を一時中断したユウヴィー。振り返ると心配そうな表情と引いてる表情が入り混じった顔をしていたのだった。
「あ、ハープ……どうしたの?」
「どうしたの、じゃなくて変な噂を耳にしたらか、まさかと思ってきたのよ」
「変な噂?」
「失恋でもしたのか、やけ食いしている令嬢がいて、光の魔法が使える聖女らしいって噂よ……」
(失恋……恋すらはじまってないのに、失恋……)
「ユウヴィー、大丈夫? とりあえず、わけは部屋で聞くから」
ハープに言われ、さすがにこのまま食べ続けるのは令嬢としてあるまじき行為だとユウヴィーは自覚し、食べ物を片付け、残ったものを包んでもらい部屋に向かった。
「あなたの好みって誰なの?」
答えるわよね、と言わんばかりの態度でエリーレイドはユウヴィーに聞いていた。
「え、言うわけないし」
ユウヴィーはそんな事に答えるつもりもない、それが自らの死に直結する情報であることは理解していたからだ。
「はぁ?」
「あぁん?」
うら若き乙女の会話ではない。一触即発な剣幕で互いににらみ合っていた。
「あと何人いるの?」
ユウヴィーはせっかく話ができるので、攻略対象者の情報を引き出そうと思ったのだった。
「教えたところで、新たな別の攻略対象者が世界の強制力で出てきたらと私にとってリスクでしかないから、言わないわ」
目をひくひくとさせ、ユウヴィーは何も言えなかった。
「おわかりいただけたようで何よりだわ。あの〇〇が攻略対象者なの~よろしく~って伝えられたらそれはそれで、貴方が避けるだろうし、避けたら避けたで瘴気問題がさらにややこしくなって、私が対策してきたことが全く意味無くなるし教えないわ~」
「あーそーですかー! まあ、その瘴気問題も全部解決してやるわ。そうすれば殉愛なんていう事も起きないだろうしね」
「あら、それならどの攻略対象者とくっついても問題ないんじゃないの~?」
「え? そうなの? だったら各攻略対象者の殉愛ストーリー教えてエリーレイドさまぁ~!」
「ああぁん?」
「はぁん!?」
この二人のやり取りを見ているエリーレイドの使い魔のマーベラスは震えていた。一方ユウヴィーの使い魔であるスナギモは寝ていた。それに気づいたマーベラスは、スナギモの方に寄り、身体を寄せて暖を取りつつ寝る事にしたのだった。
主人であるエリーレイドとユウヴィーの話し合いは夕方まで続き、声が荒ぶっていても寝れたのだった。
「ふん、まあ、いいわ。精々しっかりと光の魔法を使う身として、サンウォーカー国と諸外国に対して瘴気の問題を解決していってくださいね」
「言われなくても致しますぅ~! 瘴気解決しちゃうしー」
こうして二人の話し合いは終わったのだった。
「いくよ、スナギモ」
「わふ」
「ごきげんよう、エリーレイド様ッ」
ユウヴィーは言うだけ言い、部屋から退出していったのだった。
ぷんすこ起こりながらしながらユウヴィーは下手したら不敬罪で処される可能性がある事を忘れ、食堂に向かっていた。
(何か、食べてこのストレスを発散しなければ)
彼女は食堂に行き、やけ食いをし、周りからその様子を目撃されるのだった。攻略対象者がうろ覚えの事、生死に関わってしまう恋愛、切っても切り離せない瘴気問題、これらの事に加えて同じ転生者のエリーレイドとの関係性は彼女にとってストレスだった。
ちょっと前までは対魔物区画でストレス発散をしていたが、今はやり過ぎた事によりストップがかかってしまい運動による発散はできなくなっていた。どうにかいい方法はないかと思いつくわけもなく、それが食へ向かっていった。
「ユウヴィー……」
やけ食いをしている所に、ハープから声をかけられ、食事を一時中断したユウヴィー。振り返ると心配そうな表情と引いてる表情が入り混じった顔をしていたのだった。
「あ、ハープ……どうしたの?」
「どうしたの、じゃなくて変な噂を耳にしたらか、まさかと思ってきたのよ」
「変な噂?」
「失恋でもしたのか、やけ食いしている令嬢がいて、光の魔法が使える聖女らしいって噂よ……」
(失恋……恋すらはじまってないのに、失恋……)
「ユウヴィー、大丈夫? とりあえず、わけは部屋で聞くから」
ハープに言われ、さすがにこのまま食べ続けるのは令嬢としてあるまじき行為だとユウヴィーは自覚し、食べ物を片付け、残ったものを包んでもらい部屋に向かった。
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